よみびとしらず。

あいどんのう。

流転

2018-06-21 17:13:45 | 散文
嵐立つ
赤い点滅
三つ角の
前より他に進む道なし

道わかれ

黄はとまらずに
駆けゆきて
かみは祓いの川越えて

だらりと落ちる水待つと
ぐらりと誰かがささやくは

「うちに籠もるをどうか逃がして」

水のしたたる口先に
背をむく貴方に伝えるは

「決して見てはなりません」

手をふる貴方の答えるは

常世後の世現世(げんせい)に
君の涙の流れるを
冴えたる海はとこしえに
なつかしき姿ぞ うつしけり

貴方の答えは露知らず
わたしの姿の消えたのは
わたしのかそけき思いの言(こと)は
妙なる波の音(ね)にかきけされ
貴方には何も届かずに
わたしには何も聞こえずに
ただ絶え間なく波の音の
波間に残る なごり唄

まだら模様の雲のそと
確かに感じる 日のひかり
まばゆい空に残る雲
八重九重に 君を待つ

「君の姿を見るまでは」

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