よみびとしらず。

あいどんのう。

続かくれんぼ

2019-02-08 15:51:30 | 散文
足元におとされた十字架に手が届くことはまだ許されず
丑寅を指し示す銀色の鎖は
目を離したすきにその向きをかえた
龍はなき蛇はわめくと女は話し
はなされた瞳に歪んだ太陽から雨がふる
ふる、ふる
ふれ、ふれ
ひれふり仰げ 月昇るまで

光のなか 鳥は飛び 山は隠れる

はるか昔にあった海はかたちを変えて骨髄となり
ひとはかつていた場所に未練も抱かず海を目指した
海をみて泣く理由も知らぬまま
異形(いぎょう)は淘汰されみな殻にこもる

おもて現るる太陽の光射す相手は彼(か)は誰そ?

山もあなたも隠れてわたしはひとり
水枯れていまはもう海もなく
海に似た涙だけが頬をつたった
産まれた瞬間流した涙とこれがおんなじ涙なら
なんてかなしいさみしい世界で
わたしはあなたの手をつかみたいから
桜色にじむ夜の果ては二つに分かれ
わたしは隠れたあなた探すオニとなる

'Ready or not, here I come.'

最新の画像もっと見る

コメントを投稿