透明な身体は光を受けて
その姿かたちに色を与えられた
それは誰も気がつかない窓の内側
持ち合わせた翼は背負ったままで
外して軽くなることも
動かして空を飛ぶことも
ともに望んでどちらも選ばず
この手のひらにある不幸せを
虫けらはひとり鼻で笑った
透明な身体は光を浴びて
色づいた姿かたちはとても誰かに見せられたものではないと
自虐を重ねて空を仰げば
いつも何処かで聞いたことのある
優しい言葉ばかりが宙をさすらう
そんなことはもう疾(と)うの昔から知っていると
耳をふさいで遠ざけた
その言葉のなかにわたしたちは流浪する
この手のひらのある不幸せを握りしめたまま
透明な身体は
そのなかにこそわたしの希望を見出した
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