大丈夫だと
あと何回泣き叫んだら
この声はあなたに届くのでしょうか
本当に望んだものの正体を
自分でも見失い途方に暮れた
ただ手助けがほしいわけではないと
それだけは確かに主張して
たとえそれが強がりから出た偽りであっても
それに縋(すが)りつくことでなんとか守り抜きたかった
大切なわたしは困った顔して微笑みながら
そっちじゃない道をそっと指し示す
そうして踏み入れた道なき道に
あなたの声はこだました
大丈夫だという言葉の主は
姿を見せずにわたしを水底へ突き落とす
水にたゆたう言葉の影に
ようやく現れたあなたは泣いていた
大丈夫だよと君の言う
不確かな光に怒りを覚えて
そうじゃないよと囁(ささや)く朝(あした)に
降っている雨にも気付かないまま
息を届けに出掛けよう
そっちじゃないよと声のする
目的地からは遠く外れた場所に居る
どうか届けよ手のなるほうへ
わたしは鬼を導いた
そう聞こえる