花いぶき
蕾に秘められた隠し事ひとつ
風はこび海にさく
波間たわむるひとごころ
絶えず揺れ 絶えず咲き誇り
大いに乱れてひとり泣く
その潮風に景色はゆらめき
雲は流れて夜を待つ
訪れることなきあなたの姿に
暗やみに染まる海のなかひとり
思いは燃え立ちなお鳴りやまず
波音に重なるわたしの小夜曲
花さいた海に
わたしのいない空はうつされる
どこまでも続く青色に
花の名も知らないあなたは笑う
◯
海はおだやかに花の音ゆらした
花は海にたどり着き産声あげる
ふたつ並んだ光と影に
あなたの幸いよ いま咲き誇れ
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