夜のこわさに仮面をつけたのは
眠れない夜をやり過ごすため
こっちへおいでと手招く声に
耳をふさいで諍(あらが)った
涙で視界は滲(にじ)めども
晴れわたる空の青さは知っていた
恐怖は希望を飲み込んで
それでも時計の針は止まらない
刻一刻と夜は明けて
空とわたしは少しずつ明るさを思い出す
夜は仮面をつけたまま
にっこり微笑み明日を導いた
おやすみまたねと声のする
仮面で素顔を隠した夜の
本音は雲散霧消してまた新しい朝はやってくる
そしてその場にはかたんと仮面だけが落とされた
胸に抱えた仮面のわけを
なにも知らずにわたしは笑う
夜のなか恐怖に飲まれたものの正体を
内側に秘めたままわたしは変わらず震えてた
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