よみびとしらず。

あいどんのう。

言葉の砂

2022-05-19 00:37:54 | 散文
飲み込んだ言葉は一握の砂となり
わたしのなかに砂漠は広がっていく
昨日には忘れる誰かが言ったこと
思いは募り口には出さず
黙って微笑めば砂は流れる
さらさらと
わたしのためにわたしを蔑ろにしてわたしは猛り
わたしを憐れむわたしは滂沱し心底侮蔑したわたしに唾をはく
そんなわたししかいない誰かのなかに
砂漠は広がる
どこまでも
水を求めて言葉を漁り
そのどれにも当てはまらない毎日に言葉ばかりの祝福を
言葉を超えて
本当の願いは海に沈んだ
砂は風に流れて視界をふさぐ
わたしは目に砂が入ったと少し泣く
言葉は広がる
偽りだらけの本音を隠して

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