美しいメロディをわたしは知らない
美しいメロディはわたしは要らない
ただそこにあるという戯言に
美しいものの在処を問うたとて
物言わぬ堅物の惑う涙は
とめどなく溢れて間違った言葉だけが放たれた
我が言の葉にいのちをそそげば
ただの戯言にこそ美は宿る
そこにある筈のメロディを
底に流し入れて水すみわたる
我が哀しみに似た空(から)の彩りは
美しいメロディに弾かれた
指の爪(つま)から我が身を寄せた
寄る辺ない夜に染まる音楽を
暗闇を携えたあなたにどうか届きますようにと
途絶えた無音に耳を傾けた
鳴る心根に染みる鼻歌を
自分のためにだけに産まれたメロディに
生きる意味はあるのかと君の問う
音はこたえずに音をなくした
無音鳴り響くひとりの夜に
たくさんの言葉は腹の底から溢れ出で声には成らず
抑えきれない感情に
ただ寄り添った
わたししか知らないわたしのブレスに
ガラクタまじりのメロディを
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