よみびとしらず。

あいどんのう。

テング

2021-10-16 16:18:00 | 散文
迷子の天狗は鼻をへし折って人間と化す
学んだ笑顔のぎこちなさから
嘘が下手だと称賛された
誰も気づかない仮面をはりつけて
逆さまに落ち続けてきた成れの果て
私はいつまでも下手くそな嘘を吐き
彼の人は実に正直者だともてはやされている
祭り太鼓の音を懐かめば山の端遠く
私はため息ひとつ吐いて夕日に高笑う
大きな風にさらわれぬように
わたしたちはいつも
空気を読み合う能力に長けていた

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