よみびとしらず。

あいどんのう。

In fact

2020-07-24 11:29:46 | 散文
玉手箱開きて年老いて
養老の滝にて若返る
どちらが幸とも不幸とも
唱えるわけにはいかなかった
そのひとは口閉ざし事実を隠した
様々な憶測は紡がれて
歌となり風に乗り時代を超えた
今はもうその事実の欠片なく
誰もが作り物語として疑わず
かれはその現実に救われた

太陽と月は尽きることなく
この星を巡りて事実を隠す
目を背けるが如く眠りにつきて
まやかしの音楽に耳を傾ける
在りし日の思い出は捏造されて
捏造である建前を律儀に守り通すのは
誰よりもあなたの幸せを願うから

姿かたちなきあなたの慟哭は
孤高の王と呼ぶにはあまりに切なく
見て見ぬ振りは繰り返される
いつかまたその傷口が開かれるまで

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