よみびとしらず。

あいどんのう。

タイム

2021-01-03 11:04:03 | 散文
祈りに似た時間をあなたに
かたちをもたない姿のままで
ずっとそこにいたあなたを思う
祈るには不適切で歪(いびつ)なわたしから
夜にようやく訪れる記憶は曖昧に遠ざかりあなたと重なる
姿かたちのないあなたと共に
止まることのない水に流れて
さらさらと
まっさらなわたしはいつも産まれ出で
そのたびにあらわになりそうになる
本音を急いで包みに隠した

包みは籠となりすでにとらわれた
そのなかでわたしは絶えず変化する
はらはらと
こぼれ落ちるのは幾重もの衣かそれとも涙か
わたしにはみえないあなたの影に
救いではないなにかを求めたがっていた
いつも少しだけ異なる大きな相違の
その相関図は迷路となって
わたしたちは分かりやすく道を間違えた
その歪さに気がつきもせず
春を寿ぎ歓びうたう
わたしからあなたへ
あなたからわたしへ
不自然な笑顔は継承されて
その奥で籠のなかの鳥は眠りについている

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