よみびとしらず。

あいどんのう。

音名

2022-02-03 22:12:27 | 散文
その識からでは届かないこえに
分けられた四季は風に寄り添いタクトをとった
コンストラクトは明確なリズムで昼と夜とに違いを与える
本当は並(な)べて同じいろから成り立っていた
アイコンタクトは世界を切り分けるその瞬きに
なにひとつ映ることはなかったあなたの悲しみもその訳も
あふれ出したものは間違えたままの妙なる歓び
その調べはまやかしと誤魔化しと少しの罪悪感に包まれたまま
朝を迎えればすみわたる空にも染まることのない
あなたの名前はなんだったけかな
おとなになっても気付かずにいる本音を隠して日は沈む
生命とはなんだただの奇跡か
そんな単純なこたえを泣きながら産まれて吐き出してきたのに
あの時と同じ涙をもつわたしの瞳はあゝどうしてこんなにも
汚れた素晴らしいありふれたわたしはあなたに触れたいと願いながら目を瞑る
錯綜した思いは根本まで辿り着けずに夜を掴んで雲散霧消しそれでも残った
この残骸に名前は無くとも新たに慈しむわたしにわたしの名前は贈られた

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