雲の回想 2018-04-26 10:33:25 | 散文 よく晴れた日のことだった。 野山には若葉が芽吹きだし、大地は少しずつ黄緑色に染まっていく。ボクが空から地上を見ていると、大きな穴がひとつ、目についた。大きな窪み(くぼみ)だ。地面からでっぱっている山はいたるところにあるけれど、あんなにもへっこんでいるところは珍しいなあとまじまじ眺めていると、向こうのほうから黒い雨雲がやってきた。 黒い雨雲がにっこりほほえみボクに云う。 「どちらがあの窪みに水を . . . 本文を読む