ＡＰＥＣ、首脳宣言断念…

　パプアニューギニアで開催されていたＡＰＥＣ首脳会議で、米中が互いの意見をすり合わせることができずに首脳宣言を断念する事態に陥ってしまいました。

　アメリカは自国第一主義を貫き、中国は多角的貿易体制が打撃を受けていると主張して譲らず、どっちにしても彼らは自国が最も大切で優先すべきものだと考えていることが透けて見えています。

　互いの主張を譲らない両国の間に挟まって安倍首相は何もできず、逃げるようにパプアニューギニアを後にしました。

　安倍さんはアメリカとも中国とも親密な関係にあると外遊先の国々から発信していますが、ＡＰＥＣの舞台で米中の仲を取持つことはできませんでした。

　情けないなぁ～。

　日本が環太平洋地域の外交を牽引して行く凄くいいチャンスだったのに、結局アメリカの顔も中国の顔も立てることができずに、早々と引き上げてしまうという誠に勿体ない結果になりました。

　アメリカも中国も、詰まる所自国の覇権を世界に及ぼしたいだけの心の狭い国だということは、トランプ大統領や習主席の演説や行動を見ていれば子供でも理解できます。

　安倍さんがいくら多くの国々を回って首脳会談し、その度に「〇〇で完全に一致した」と強調しても耳にタコができちゃうぐらいで、ここぞという時の外交手腕の拙さに腹が立ってしまいます。

　それもこれも自民党という政党が、これまでアメリカ頼りのアホな行動ばかりしてきたからです。

　自立できない子供のようにアメリカにすり寄り、ちょっと怒られると必死になって言いなりになってきた戦後の長～い時間があるからです。

　その長い時間の中で、アメリカに日本の立場をしっかりと主張し、独立国家としての国づくりや外交政策を行ってこなかったツケが回ってきてるんですね。

　中国は中国で日本との国交回復以来、どれだけ資金（経済）援助しても「当たり前だ」と言わんばかりに横暴な態度を取り続け、昨今では日本の固有の領土にまで押し掛けてくる始末…。

　ジンギス・ハーンの時代じゃ～ないんだから「多角的貿易体制が打撃を受けている」と言うのなら、もう少し自重してもいいんじゃないかと思うのです。

　米中が貿易摩擦で大変なことになったら、両国に頼る日本の経済活動は一溜りもありません。

　トランプ政権が続く間は、頭を伏せて黙ってるしかないんでしょうかねぇ～。

　アメリカと中国の間をうまく取り持ってＡＰＥＣを成功に導いていたら、日本外交は世界に認められていたはずなのに、その難しい立場を自ら放棄した安倍さんの姿はミットモナイとしか言いようがありません。

　「だったらどうしろと言うんだ」と言われたら、外遊の度に「その国の首脳と意見が完全に一致した」なんて言わないで「これこれの交渉はうまく行ったけど、これについてはダメだった」と常日頃から国民に「できることとできないことがある」とハッキリと伝えてくださいとしか言えません。

　それなら今回のことも「安倍さんも苦労して仲を取持とうとしたんだけど失敗に終わったのかぁ～残念だなぁ～」と日本国民は納得するでしょう。

　選挙のことしか考えてない安倍さんは、人気取りのために「嘘ばっかり」の情報を国民に流し続けているんですからね。

　その言動に騙されて「安倍さんはよくやってる」という日本人が４０数％もいることが悲しい現実です。