愛知県岡崎市の中根康浩市長が選挙戦で掲げた公約「全市民への年内5万円の給付」が18日に市議会で否決され、市長は「断念せざるを得ない」と語りました。
これは、中根市長の一番の公約で有権者も大いに期待し、中根市長に一票を投じました。
一人5万円の給付には、196億円(試算)の財源が必要で、市長は「市の積立金を取り崩してまかなう」と話していました。
加えて、災害など、いざという時のために使う市の“貯金”「財政調整基金」81億円を全額、取り崩すということで、議会の半数を超える議員が「市民サービスの低下が懸念される」として反対の姿勢を示していました。
もしもの時に、おカネがないという状態になってしまうということです。
結局、賛成は二人だけで残りの三十数人の議員は反対しました。
市議会の否決に市長は「断念せざるを得ない状況になりました」と語りましたが、市長に投票した市民から「公約違反」と言われても仕方ないでしょう。
大体、カネで人の心を操ろうなんて最低な作戦ですが、それに期待する方もオカシイと思いませんか?
これは、公約という言葉を使った買収ですよね。
コロナ禍で政府からの給付金があったりして、ある意味市民のモラルが低下してたんじゃないでしょうか。
自治体からの給付金は、元をただせば税金で、市民のための給付金と言えば聞こえはいいけど、それを選挙戦の道具に使うのはどんなもんでしょう。
中根市長の当選を見た愛知県の他の首長選でも同様の公約をした候補がいましたが、こちらは見事に落選しています。
岡崎市民のモラルをとやかく言う気はありませんが、少し考慮に欠けてたと思ってしまいます。
中根市長も本心では、市議会が否決してくれたことで、多額の資金が必要な公約が守れんかったことにホッとしてるのでは…。
ただし、1年後に市民からリコール運動が起こるかもしれません(当選から1年はリコールできない)。
1年もたてば、市民の疑念も忘れ去られてるという市長の計算があったのかも…、というのは余りにも穿った考え方でしょうかね。