郷土教育全国協議会(郷土全協)

“土着の思想と行動を!”をキャッチフレーズにした「郷土教育」の今を伝えます。

一教員として見てみたS市の教育について(Ⅱ)

2024年05月08日 | 日記

◆S小の感想①

 ここからは、本題です。

 ただし、私はあくまでも、「S小」という市内20数校ある小学校の一校に勤めているのであり、そこだけを見て「S市の教育」の全てを語ることは不可能です。

そこはご理解頂ければありがたいです。

「市民ネット」が長年、様々なことをS市教委(以下「市教委」)に働きかけていることは存じ上げております。

それに対しての市教委の態度も、とおまきに見ていました。

ただ、S小については、「S市といっても、いろいろなんだなあ。」と思わされることが、この1か月でも多々ありました。

 

 

◆S小の感想②(施設の充実度)

 正直、財政豊かで、教育行政的にも様々な「手厚さ」を誇る「N市」の後では、佐倉市では「あれもない、これもない。」という状態になると思っていました。

 S小は創立25周年という学校としては「若い」学校です。

「市内で2番目に新しい」というふれこみに違和感はなく、近代的な校舎、整備されたアリーナ(「体育館」という別の建物ではなく、校舎とつながっているから「アリーナ」)やグラウンドなどのハード面、そして、備品関係では「ないものがない」という充実度に、驚きました。

正直、S小にいるあいだ、「施設、設備」で困ることはないのかなと思っています。

 

 

◆S小の感想③(学区の治安)

 まず、交通安全面で、市役所方面からI小方面の道路に入り、ずっと走るとS小の入り口につくわけですが、教職員や児童の意見から聞いた、唯一の学区内の「危険箇所」がこの道路のことでした。

とはいっても、5年以上勤めている先輩職員に話を聞いても、「事故やヒヤリハットの話は聞いたことがない。」とのことでした。

 防犯上も凶悪犯罪なども起きていないようです。

やはり「治安のよさ」は「教育上大切なこと」と思わされます。

 

 

◆S小の感想④(児童の様子)

(中略) 

ともかく、児童は私のような「おじさん」(苦笑)も心よく迎えてくれましたし、日々優しく接してくれています。

(略)

 

 

◆S小の教育の実態(一部)

 今度は「学校」としての「実態」についてです。

一言でいえば、私自身が「こんな学校があったらいいな。」

という学校が実際にあったというのが、「S小」です。

もちろん、全てではありませんが、それでもいくつかのことで、そう思わされることがありました。

 

 

◆児童は「安全帽子」(いわゆる黄色い帽子)を被らなくてもよい。

S小に来て、入学式のときに、男女とも黄色い帽子を配布していなかったのが、気になりました。(後述しますが、「外国籍」の児童への配慮から?)

職員とも話したのですが、多くの職員は「ああいう帽子(安全帽子)を強要する指導はしたくない」(主旨)

とのことです。

一応、入学式のときに「黄色いワッペン」を帽子につけるよう、呼びかけますが、それがないからといって、児童を注意したりする職員もいません。

私は、出勤途中、O小やC小の児童を見かけるのですが、黄色い帽子を多くの児童が被っているのをよく見ます。

 

教員をしていて、不思議なのですが、安全帽子を被っていると安全が守れると信じている教員は驚くほど多いのです。

現在のS小のような学校があったら、無理やりでも買わせて、被らせようとする人もいるから、驚きです。

 

 

◆上履きではく靴は「自由」?

「小学生」というと、多くの学校では上履きはいわゆる「バレエシューズ」が「基本」なのです。

S小だと逆に「バレエシューズ」が珍しく、多くの児童が「スニーカー」「スポーツシューズ」をはいているのが新鮮でした。

先輩職員に聞いたら、「特に『自由』というわけではないけど、いつの頃からか、体育館での体育をするときにバレエシューズだと運動しにくいので『スニーカー』『スポーツシューズ』をはかしてほしい。」

という申し出があり、それを許可していったら、今の状態になった、とのことでした。

 後年、「小学校の児童の脚力の向上と靴との関連性」の研究成果が出たら、真っ先にS小は「先端を走っていた。」なんて評価されるのでしょうか。

 

 私が、長年他の職場で言い続けたことの一つ(「上履きの自由化」)があっさり実現していることに驚き、S小の実態に喜んでいます。

 だけど、私としては、床の保持、汚れ防止のため、靴底は「白」または「飴色」に限定した方がいい気がします。

(ちなみに、私自身は、今はまだ流行中の「ホワイトシューズ」で校舎、アリーナでは歩いています。)

 

 

◆緊張するのは短く、あっさりと。

何かにつけて、「号令」をかけたがる日本の学校文化が私は嫌いです。

しかし、S小では、実態として、別に「気をつけ。」といっても、それが全員できるまでビシッと指導するとか、「礼」がそろうまで何べんもさせるとか、そういう場面はほとんど見ません。

中には、「ビシッと」させたがる人もいますが、それはその人(教師)としての個性なんでしょうね(過去に勤めた学校での影響?)。

学校全体として、何かを徹底している様子は今のところないです。

「立腰」なんて言葉は全く聞かれません。

市内某小学校に勤めたことがある職員に聞いたら、

「『立腰!』って言うと、ついつい子ども達がビシッとするから、使っちゃうんだよね。でも、S小は必要ないよね。」(主旨)

とのことでした。

 

※「立腰」・・・市内の特に古くからある学校では、伝統的に使われた指示用語。簡単にいえば「気をつけ。」なのですが、意識を「腰」に集中させるという意味で。いわゆる「背筋をピンと!」ということです。

        

ちなみにS小では、誰も言いません。

 

 

(つづく)

 

 

 

-K.O-


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