い・ち・に・ち

明日が今日になって昨日になるような毎日

六十九日

2020-02-08 | 日めくり
跳ねるリズムを追いかける

息の仕方を忘れるほど
響く音符が駆け巡る

やっとの思いで形にした
立ち位置の儚さに怯え
涙もとどまるその場所で

深呼吸の重みを軸に
重ねる時の大きさを纏い
羽を広げる今を見た

六十八日

2020-02-07 | 日めくり
マイナスの気温が空を白く染める

押しつぶされた記憶の痛み
涙を止めた吐息の熱さ
許されるなら
泣き顔も泣き声も
大空に託してしまおう

春を受け入れるための
冷たい季節が覆っても
温かな心のひだまりは
凍る指先も涙も
溶かす温度で君を包む

六十七日

2020-02-06 | 日めくり
波紋の真ん中に立つ一滴

落ちた瞬間に望んだもの
心地よい音感のばね
混ざりあう安堵の静けさ
誇り立つ王冠の威厳

叶うことの価値は後でわかる

振り向いても見えない道
霧でかすんだ曲がり角
見間違った反射の光
心の底に積もる声

邪魔をするうつむいた微笑み

六十五日

2020-02-04 | 日めくり
気ままと言う自由の中の束縛

この世界で息をするということ
そこに
理由を付けたり意味を考えたり

重い扉の向こう側
漏れ聞こえてくる音符のリズム
誰がいるのか
何人いるのか
何を踊っているのか

想像できるすべてを動員して目をつぶる




六十四日

2020-02-03 | 日めくり
その覚悟 天のジャッジのゴーサイン

誰も知らない胸の内
映し出せない自分の心
もがきハマった暗闇で
上を目指す泡粒だけを

追いかけた

零度の掟を凍らせて
限界の刃で弧を描く
絶対温度のさざ波が
心の弦を揺らすまで

進めばいい

六十三日

2020-02-02 | 日めくり
変えられない過去が変えていく未来

今の自分の位置を昨日が示してくれた
あの日あの時のリアルな方向は
見えないもしもをかき消して
一直線に前を向く

想像すらできないもしもの時間は
平行線上の届かない現実
突き進んで途方に暮れて
見失った道しるべ

変わらない真実は
過ぎていく過去の時間が
今の自分の立ち位置に
しるしを残してくれること

六十二日

2020-02-01 | 日めくり
三十センチ上の正装された言葉

本音を語る
それは着飾った嘘が伴う
言葉にした時
組み立てられた心地よさを
願うから

誰も嫌われることは望まない
思ったことを吐き出した時
追い越してきた後悔に
捕まりたくないから

思いやりに込められた
はみ出すことのためらいは
周りに溶け込む苦しさに慣れ
平穏という言葉に
すがるのだろうか