い・ち・に・ち

明日が今日になって昨日になるような毎日

七十九日

2020-02-19 | 日めくり
閉ざされたしあわせの価値

何も知らない
知らず知らずインプットされた
疑念の枠外で息をする

ひとつの決まりの中で
無数の決め事が増殖し
抱えきれずにもがいている

苦悩とか絶望とか
マイナスの言葉を覚え
引力に逆らおうとした


七十八日

2020-02-18 | 日めくり
心の教科書は見つからない

誰かを手本にしても見えなかった
自分で探すしかないと感じていた
四捨五入の情けない判定を受け入れた

ひとつひとつ
踏みしめながら進めるものなら
ひとつひとつ
手のひらの重みを感じられるなら

上手に過去形に変換できたなら

七十七日

2020-02-17 | 日めくり
雨上がりの空にフタをする

もう一度降る準備ができている灰色の雲
グラデーションの静けさが少し輝く
ふぅーと息を吐いたら見えるだろうか
気高い水色がどこまでも続く世界

音もなく色を変える日めくりの確かさ

地上に届いた七色のアーチ
星を飾る幾重もの儚いキラメキ
偶然の空を見上げたなら気付くだろうか
どんな時でもそこにある丸い太陽

七十六日

2020-02-16 | 日めくり
点で描いた無限大

始まりを決めたら可能性は無限
まっすぐに進むも良し
目的がなくても彷徨う自信
ピッタリの予想図に出会うトキメキ
苦難を見落とすしたたかさ
持ち合わせていることさえ知らずに
突き進む直線の鋭さ

点に繋がる第一歩はもう一つの点
次こそが無限大の始まり
上を目指す放物線の傾斜も
見方を変えれば前後左右の定義は無く
時空も操れる未来という現実がある
ただひとつ心に居座る彩色の点の
貫き通した曲線の強さ



七十五日

2020-02-15 | 日めくり
惰性の足音 聞こえてくる序列

まっすぐにただその腕の中に飛び込んで
受け止めてくれるだけでいい
聞き取れない言葉が髪に沈む
首筋の汗が涙を連れていく

たった2秒の一番が遠ざかる
持ちきれない苦しみを
賞賛の拍手がかき消していく
隔てる距離からこの想いは伝わるだろうか

七十四日

2020-02-13 | 日めくり
神代の昔から天岩戸に祈りを捧げ

万物に宿る神に願う
天岩戸の中と外
闇を創った駆け引きは
自分を守る手段だったとしても
縋る心に偽りは無く

光を求め願いを込めて
支える祈りが届く時
まぶしさに輝く涙が潤していく
集まる視線のその先に
昇る龍神が天を染める

七十三日

2020-02-12 | 日めくり
360度の大空
見上げた先はいつか交わる
目にしたものはいつか重なる

追いかけてきた風が見せてくれた
季節をつなぐ新しい芽吹き
涙を連れた穏やかな眠り

道の途中で立ち止まる悔しさ
結果がもたらす経過のからくり
ささやく言葉の裏側の真実

見透かすことが
見破ることが
成長の手本だとしても

見上げた空の
360度の視界を生きる

七十二日

2020-02-11 | 日めくり
目隠しされた鬼ごっこの十秒

捕まえなければ鬼のまま
捕まえたときには嫌われて
最初のじゃんけんを恨んでも
夕暮れが終わりを告げる

切り絵のような風景は
飾れた記憶の中で
懐かしさを揺り起こし
セピア色のベールをかける

夕日が伸びる道の向こうに
また明日の影が続いてる

七十一日

2020-02-10 | 日めくり
どちらを選んでもあなたはあなた

結果は違うかもしれない
正しい現実は
今立っているこの場所から
次が始まると言うこと
想像上の幻は
見ることは出来ずに
消え去ったと言うこと

一度だけの人生を
ひとつと数えるには
たったひとつの年月も時間も
すべてを連れて今がある
すべてを背負い君がいる

七十日

2020-02-09 | 日めくり
理由を付けても分けられないもの

〇〇してはいけない と
繰り返す意味も分からぬままに
定められた枠を生きる
すくすくという擬音を愛でて
ぬるま湯を保とうとする

小さくて弱い生き物は
平等のクッションに守られて
鏡に映る笑顔に安堵する
はみ出し傷つくことを避けながら
置いてきた同じを切り捨てる

右と左に分ける時
白と黒に分ける時
〇と✖に分ける時
好きと嫌いの理由には
人数分の分け方がある