オトナになるには、まあ、いくつかのステップを踏まなければならない。
例えば、「人はだますものである」という、至極当然なことを学ばねばならない。
で、話はいささか旧聞に属しますが、先日チビががっくり肩を落とした。
6月1日から3日にあった広島の風物詩、浴衣祭りの「とうかさん」でのお話だ。
珍しく、自分から行きたいと言い出したチビ。
学校で、大好きな担任の先生が話題にしたらしく、自分なりに体験したかったらしい。
で、にぎわう露店に引き寄せられていきました。
「ねえ、自分で払うから、クジ、やっていい?」と問う彼に、
「いいけど、悲しい気持ちになるんじゃない?」と私。
「うん、大丈夫。きっと当たるから!」とチビはあくまで前向きである。
そして運命の一瞬(笑)
当たるかな?
外れた… _| ̄|○
なけなしのお金が雲散霧消。座り込んでしまったチビである。
現実はかくの如くキビシイ。
で、しばらくしてチビ、「お父さん、あれって当たってる人見たことないよね」。
冷酷な私は、「そりゃ、当たりくじなんて入ってないもん」。
「ええっつーーー! それってインチキじゃんっ!」
腰を抜かすほど驚いてました。
オトナな私は、「お父さんがあのクジをぜーんぶ買ってやろうか。
それで、もし当たりが入ってなかったら、
お父さんが『グラアッ』って大騒ぎするってのはどう?」と提唱。
で、チビ。
「そんなのしてくれなくていい…」。
さいですか…。
ショックを癒やしてやろうと、その後、オトナのブツを食いにいくわが家。
そう、知る人ぞ知る「天津」のモツですね。
これについては、王子様もお気に召したよう。
●●回り時代からもう20年通っている、流川のど真ん中のお店。
子どもを連れてきたのは初めてだ。
とゆーか、店内で子どもを見たのも初めてなんですがね(笑)
素直とゆーか、少しおマヌケに近いチビ。
それが美点でもあるんだろうけど、リアリストの私は少し不安でもある。
まあ、あんまりマジメに考えないように―
フマジメな父はそう思うのである。