昭和30年前後我が家に富山の薬売りがやってきました。写真は薬が入っている柳行李です。写真を見つけ懐かしくなりました。
常備薬として、各家庭に薬を置いていき、次に来たとき飲んだ薬代を回収するシステムです。わが家で飲んだ薬は、熱さましのアスピリン、胃腸薬の赤玉、回虫下しのサントニンなどです。効能は覚えていませんが、熊の胆(熊の肝を干し固めたもの。高価な薬でした。)というのもありました。富山県新湊に家があるおじさんでした。幼かった長男は薬の名前が入った紙風船をもらうのが楽しみで、薬売りのおじさんを待っていました。配置薬を最近また利用するようになりましたが、今は普通の営業マンです。
諸国津々浦々を巡る富山の薬売りの行商は17世紀終わり頃から始まりました。財政難に悩む富山藩主の奨励と援助が発展の大きな要因です。ある新聞のコラムによると、明治政府は西南戦争の戦費を生み出すために明治10年「売薬税」をかけました。次いで6年後に、消費税のような「売薬税」をかけたそうです。業者は粘り強い運動を40年あまり続け、大正末期にこの「印紙税」を撤回させたそうです。消費税増税阻止のお手本です。