程久保川の辺で

程久保川のほとりに住んで30数年、ここが私達家族の終の栖家となりました。

米(こめ)の都 クロウリー

2013-07-29 09:41:58 | 随想

 1991年秋 「劇団ふるさとキャラバン」の日米合作ミュージカル [labor of lave] アメリカ公演 応援ツアーに参加して、ニューオリンズよりさらに奥地のルイジアナ州アカデイア郡の郡都であるクロウリー市へ行った。ここはアメリカ南部屈指の米収穫と精米の主要産地。地平線まで広大な水田が広がっている。[labor of lave]は日本の農家とアメリカの大農場の稲作をテーマー にしたミュージカルで、アメリカの取材地がクロウリーだった。日米合作の上演はシアトル サンフランシスコでも大盛況。

 ツアーの一行はニューオリンズで一泊し本場のジャズを観賞し、最終公演の地クロウリーへ向けて出発。ミシシッピー川支流の川の中に林立するいまは廃墟の油田櫓を見に行ったら、船頭に日本人観光客は初めてと言われた。大農場主の白亜の大豪邸を見学。内装も家具調度もしっかり保存され、優雅な暮らしぶりが想像できたが、奴隷として苦しんだ人々の悲しみもあったことだろう。

 クロウリーでは市長はじめ市あげての大歓迎。そこで『ケイジャン音楽」を初めて聴いた。「ケイジャン音楽」とはルイジアナ州に43万人居住しているというフランス系移民の軽快なダンス音楽。楽器はアコーデオンとバイオリン、歌詞はフランス語だそうだ。日本人にはあまり馴染みがない音楽なのでは。

 ツアーバスの運転手もフランス人らしい顔つきの人だった。この人たちはかつては北米に移住していたフランス人だが、イギリス国王への忠誠を拒否したので追放され、18世紀当時スペイン領だったルイジアナ州へ集団で移住した。言語もケイジャン語が残っている。

 ツアー最後の夜ホテル近くのダンスホールで、ツアー参加者がケイジャン音楽の伴奏でダンスを踊った。ダンスなど縁のない夫が、劇団の女優さんに引っ張りだされておぼつかない格好で踊っていた姿を、眠れないままアイポットの「ケイジャン音楽」を聴いて懐かしく思い出した。

 

 

 

 

 

 

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人を撃っても無罪になる法律

2013-07-22 15:38:28 | 随想

 物騒なタイトルでごめんなさい。

 7月13日に、17歳の黒人少年を射殺して起訴されていた29歳の男が無罪になりましたました。この判決に全米で抗議デモとフロリダ産オレンジの不買運動が起きています。

 事件は昨年2月の夜フロリダで起きました。アイスクリームとお菓子を持って出てきた黒人少年を自警団の男が怪しいやつと声かけ取っ組み合いになり射殺したのです。男は駆けつけた警官に正当防衛を主張して拘束されたもののすぐ釈放。何の罪にもなりませんでした。少年の両親はじめ黒人権利擁護団体の抗議に押され、今年になってやっと捜査が開始され逮捕訴追され、フロリダ州の郡裁判所で審理が開始されていましたが、その判決が無罪でした。

 21年前ルイジアナ州バトンルージュで起きた日本人学生射殺事件も無罪でした。身長185センチの大男がハローウィンの衣装の体重60キロの小柄な少年を撃ったことが正当防衛になったからです。今回は21年前にはなかった「正当防衛法」がフロリダを含む全米30州で制定されています。この法律は「不正な脅威がせまっているという確信があれば人は自己防衛のための当然の権利を行使しても良い」というのだそうです。射殺された人は反論できません。

 過去の判例をみると、射殺された人が黒人の場合、白人犯人無罪のケースが多いとか。人種差別を感じるのですが。

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デトロイト市の財政破綻

2013-07-22 10:43:31 | 随想

 かつてアメリカ自動車産業全盛時代には、ニューヨーク シカゴなどに次ぐ大都会だったデトロイト市が財政破綻しました、自動車産業の衰退とともに工場跡地や民家などいたるところがいまや廃墟となり、街がゴーストタウン化してします。

1908年に大量生産を開始したフォードを筆頭に自動車会社がデトロイト周辺に集中、職を求めて全米から人が集まり人口180万人の大都会でしたが、いまの人口は最盛期の半分だそうです。

 1970年代に始まったオイルショックで燃費性能に優れた日本車が台頭。長い斜陽期間に多数の労働者が失職しました。最近は生産拠点を次々に海外に移転してデトロイトに雇用は戻らず、どこにも行けない黒人労働者だけが取り残され、貧困層に転落しているのです。

日本でも似たような構図がありますね。記事を読んでいてため息がでました。

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ある家族の話

2013-07-15 10:55:47 | 随想

 隣街に住む中国人の奥さん(娘の家の持ち主)が、8月以降の賃貸契約でやってきました。

 80歳台のご夫婦は、中国革命のとき最後の船に乗ってアメリカに脱出してきました。ご主人はもとお医者さん、隣街の大きな家に住んでいます。通りからは家が見えない広大な敷地のなかの大きな家。子どもが巣立ったいまは、もっとこんじんまりした平家(といっても100坪前後の家屋)に移りたいと、娘たちが住んでいる家を買ったものの、いざ引っ越しになってご主人が「子どもたちと暮らした思い出のあるこの家から離れるのは嫌」と言い出したため、そのままになったそうです。最近二人とも身体が弱り、広すぎる敷地と家を維持するのが負担になっているとこぼしていました。

 隣街はこの辺屈指の高級住宅街。周辺の街より地価が高く固定資産税の税率が高い。娘の推定によれば毎月の固定資産税はウン十万円だそうです。富裕なアメリカ人は、固定資産税が高くても子どものために評判のよい公立校がある街に住みたがります。今日は奥さんがやっと車を運転してきました。車がなくては生活できないアメリカの暮らし。人を頼むとべらぼうに人件費が高く、介護制度のないこの国で90歳近いご主人との暮らしはどうなるのか。持ち家を売って老人ホームへ入るケースが一般的ですが、アジア系の家族はいよいよとなれば親の介護はするそうですから、離れて住んでいる息子さんがどうにかするのではないかと、娘の推察です。

 子どもの高校受験のためもう1年この家を借りたいので、毎月の家賃400ドル値上げに応じました。

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モンスターズ ユニバーシテイ

2013-07-11 11:01:04 | 随想

 孫がお友達と見てきた映画です。

一流の`怖がらせ屋`になるため、モンスター界の名門大学の怖がらせ学部に入学したぎょろ目のマイク。一方、名門出身の毛むくじゃらのサーリーは、素質があっても努力嫌い。入学そうそうトラブルを起こした二人は、学長に学部から追放されてしまう。

サークル対抗の怖がらせ大会で優勝すれば、学部に戻れるという約束を学長と交わしたマイク。だがマイクとサリーを唯一受け入れたくれたのは、落ちこぼれぞろいの弱小サークルだった。愛嬌ある風貌ながら怖くなろうと努力するマイクと、名門出身をプレッシャーに感じているサリーが、ぶつかりながらお互いを認めていく。

こんなストリーだそうです。

「怖くなかったの」と聞いたら「とっても面白かったよ。サクール対抗の怖がらせ大会なんかがとっても。」

12年前に公開されたアニメ「モンスターズ インク」の2作目映画。マイクとサリーが、若き日にコンビを組むまでの青春編。

 日本でも7月から田中裕二と石塚英彦の吹き替えで上映中。帰国後まだ上映していたら見にいくつもりです。

 

 

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アメリカの住宅の芝生

2013-07-05 11:07:32 | 随想

 今朝もどこかから芝刈り機の騒音がしてきます。娘の家は月2回芝刈り業者がやってきます。芝刈り料金は家賃の中に含まれています、終わった後を見たら見事な虎刈、しかも裏庭は芝生の間にタンポポやクローバーが生えたまんま。「随分いい加減な仕事だね」と娘に言ったら「契約料金が安いからでしょう。」

 芝生をきれいに保つことはコミュニティの不動産価格にもつながると、芝生を美しくしておくのは常識。特に道路に面した前庭は私的なものより公的なものという見方なのだとか。

 ご近所のよく手入れされている家の庭は、造園業者に頼んで四季折々草花の植え替えをしています。自動散水装置もついています。「自分の家だったらもっとちゃんとやるけどね」とは娘の言

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