程久保川の辺で

程久保川のほとりに住んで30数年、ここが私達家族の終の栖家となりました。

べアテ・ゴードンさんの遺言

2013-02-09 18:04:18 | 随想

ベアテ・ゴードンさんの遺言

アメリカに住む娘からニューヨークで発行されている邦人向けのフリーペパー「週刊NY生活」が送られてきました。昨年12月すい臓がんのため、死去したベアテ・シロタ・ゴードンさん(日本国憲法草案作りに直接関わった最後の生き証人、憲法に男女平等などの人権条項を盛り込んだ人)に関する記事がありましたので、その1部分を紹介します。

長女ニコルさんよると、亡くなる10日前にゴードンさんは、日本の憲法改正の動きについて「後戻りするとしたら悲劇を招くだろう。平和条項は世界の倫理規範となっただけでなく、日本にとっても国のさまざまな資源を軍備に用いることなく、経済発展やほかの有益な目的のために使うことができだから」と話していた。女性の権利に関する条項については、「戦後日本の女性の権利は大いに改善されたが、今でも完璧とはいえず、男性と同じ地位を得るためにするべきことがあるが、日本は後退ではなく改善の方向に進むべき」と話していた。またゴードンさんは日本では、憲法の草案つくりで知られているが、米国では、むしろ日本やアジアの舞台芸術を米国に紹介した人物として有名だ。(以下略)

 同日掲載 北岡和義氏の論評

旧臘26日の選挙結果も小選挙区制のいたずらだった。「民意」を問うたはずの野田民主党が惨敗、自滅した。でも、あの結果が、「民意」だったのか。確かに鳩山・菅・野田と続いた政権の失政に国民は厳しかった。だが、自民圧勝を期待した「民意」とはとても言えない。獲得議数に比べ、自民党票は伸びなかった。「維新」「みんな」「未来」など第三極と呼ばれた政党が民主党票を食いちぎった結果、自民党が漁夫の利を得て地滑り的大勝となった。小選挙区制の陥穽である。

選挙の4日後シロタさんは亡くなった。享年89歳少女時代日本で育ったので、日本語を流暢に話す米国人だった。彼女は日本国憲法草案つくりに携わったGHQ(連合国軍総司令部)民生局最後の生存者である。シロタは人権条項を担当し、憲法24条「個人の尊厳と男女平等」を起草、婦人参政権はシロタからの贈り物だった。

彼女の訃報はとても暗示的だ。ケージス大佐(憲法9条、非戦条項を起草)やシロタらは世界に範とする平和憲法とする理想を書き込んだ。320万人の犠牲を出し、戦争の悲惨を体験した日本人は諸手を挙げて受け入れた。それを「押し付け憲法」だと「改正」を政権公約に謳った自民党が圧勝したのである。7月には参議院選挙が予定されている。無論国民の反発を惧れ、拙速は避けるだろう。

問題は参議院選挙の結果である。もし自民党が再度勝ったならば、安倍政権は憲法改正に本気で取り組むことになろう。手始めは憲法改正条項である96条を改正{改悪?}するという。(略)究極のターゲットは「9条」である。憲法改正の発議には国会議員の3分の2が必要。安倍首相の祖父、岸信介ら自民党結党以来の悲願だった。連立政権の枠組みを変えて憲法改正を国会に発議する可能性は十分ある。歴史はとんでもない動きをする。怖いと思う。こうした動きが真の「民意」なのかどうか。ことしの7月、熱い夏になりそうだ。

 「娘の感想」 衆院選の前にも、現在の自民党の右傾化に警鐘をならす記事が書かれていました。案外、日本の外に住んでいる日本人のほうが、いまの国際社会に置かれている日本の立場を冷静に見ているのかもしれません。

 

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2013年2月フラワーアレンジ

2013-02-09 17:20:51 | 花おりおり

 スパイアルボケー(花束)

花を片手に持って、斜め交互に規則正しく組んでいきます。ステム(茎)が美しいです。

花くばり

オアシスを使わず、雲竜柳の蔓で花を立たせています。

同じ花材でも器と活け方で、違う表情になりました。

コロニアルボケー

こんなにたくさんの花がボケーに収まるのかと思いました。出来上がってその豪華さに一同うっとりです。

 

 

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