羊日記

大石次郎のさすらい雑記 #このブログはコメントできません

サムライせんせい

2015-12-12 22:08:24 | 日記
晴香と寅之助にも仕事をさせていたが、理央のキャラもわりと効いていた。武市の結論の前提が90年代くらいの日本でちょっと古かったり、龍馬の思想が龍馬じゃない感じだったりな上にやっぱりハッタリだったかも? って具合のなんともいえない加減だったりと、もやもやしたところもあったが、他にも細かい点はともかく必要な場面を繋げて行って「今日はドロソバに」まで落着。
海堂の逮捕と富子の手紙のカードがあるから話を終わらせる仕込みは最初からある状態での最終回ではあった。後は結末だが、原作寄りに振ったのかも。武市が生きてるのがドロソバ以前に出ているから、歯ブラシの時点であ、助かった後は村戻ったんだ(確定)になっちゃってたが、生存の種明かしを先にやる構成だったもんね。結果、ドラマの龍馬は本気じゃなかったよ、っていうフォローも先になった。殺陣はガッツリしていたが、龍馬はガチじゃなく、海堂もチョロいから、殺し云々の扱いをちょっと持て余した印象もあった。まあ、原作は概ねホッコリした話みたいだけどさ。それにしても最近のカツラはできがよかったなぁ、日々進歩しておるんだね。

うしおととら 1

2015-12-12 22:08:14 | 日記
「あーっ、痛ぇっ! なんでだぁ?!」実家で腹痛に苦しむ潮。ドリンクの飲み過ぎ、食べ過ぎだった。「けっ、バカバカしい。やってられっかよっ!」呆れたとらは窓を通り抜け、潮の家から浮いたまま出ていった。(おっと、なんていったっけな? あの旨そうな女)真由子が新商品のカニ餃子バーガーを勧めていたことを思い出したとらは、ふわりっと飛んで行った。
高層ビルの最上階で「ばっかばかしい」識者とみられる男は白髪の男に何か質問され、席から立ち上がった。白髪の男の隣には顎に手を当てた老人が立っていた。「わからないのですか?」冷たくいう白髪。「ならば」言葉を続ける老人。「そんな脳ミソいらんなぁ」一瞬の間に識者の男の隣に来ていた老人は蛭の様な舌を識者の耳の辺りに伸ばしていた。「おほぅあぁッ?!」耳に蛭舌を突き込まれた識者は脳を吸われ、識者の頭はベコベコと萎んでいった。
真由子の家に麻子が来ていた。『三重県』のペナントをもらって喜ぶ真由子。麻子は他に、手提げ袋に葱や卵等を入れていた。「蒼月のとこに付き合ってよ。あのバカ、食べ過ぎてお腹壊しちゃったんだって。母ちゃんが消化にいいもん持ってけって。たくっ、面倒なんだからぁ」真由子は微笑み「行きたいんだかけどなぁ、用事があるんだぁ」そう言って麻子を一人で潮の元へゆかせた。「いいお天気だし、とらちゃん! どっか行こうか?」ポストから配達物を取り出す真由子。「気が付いてたのかよ」姿を現すとら。
「なんとなくね。あら? あたし宛」封筒を開けてみる真由子。ディナーパーティに当たったという。喜んで家に入る真由子は中を抜いた封筒を落としていった。封筒に付いた妖怪の『臭い』に気付くとら。(確か、誘きだして頭ん中、啜るって奴がいたなぁ)「おいっ、女! 行くんじゃねーよっ」壁を抜けて警告するとら。「とらちゃん、まだ私の名前、
     2に続く

うしおととら 2

2015-12-12 22:08:05 | 日記
覚えてくれないのね? 私は真由子よ」指でとらの鼻をぴゅうっ、と押す真由子は警告を聞こうとせず、冷蔵庫からハンバーガーを取り出し「ホントはカニ餃子バーガー一緒に食べたかったけど」と一つとらに渡す真由子。「用事ができちゃったから、また今度ね?」「用事は他にあったんじゃねーのか?」「忘れちゃった」「もう一人の女に遠慮ってやつか? なんでお前はあのクソガキを取り合ったりせんのだ?」「はっきり言うんだねぇ、とらちゃん。でもねぇ、あたし、麻子も好きなんだもん」「はぁ?」「じゃあまたねっ!」真由子はそのまま出掛けてしまった。
(全然わからんっ)とら取り敢えず貰ったハンバーガーの包みを解いて食べ始めた。(一番驚きなのは、あのバカを好く女がいるってことよなぁ)食べていたが(しまったぁっ! あの女行っちまったぁ!!)「あの女は潮の次に喰うって、人間で言うところのデザートよっ! 他の化け物に喰わせるかぁ!」玄関で騒ぐとら。「ちっ、こうなったら、ぬぅううっ!」とらは髪で顔を隠し、全身を渦巻かせ、人の形に変化し始めた。覆った髪が除けられると、かなり凛々しい顔の真由子がそこにいた。「まだしっくりこないが」とらは牙の生えた大口を開けた。
到着した真由子は、人気の無いビルの最上階の一室に案内され、戸惑っていた。一方、とらは真由子の姿で街の若者に件のビルの場所を聞いたが、しつこめに絡まれていた。「喰うぞ? オラッ!」とらは真由子の顔のまま、牙を剥き出し、若者達を震え上がらせていた。「御質問、させて頂きたいことがありましてね」白髪の男が真由子に『質問』を始めようとしていた。隣に識者を殺してい老人が立っている。とらは、姿を消して真由子の姿のままビルの近くまで飛んできて最上階の一室に真由子がいるのを見付けた。と、人の姿をした白髪の男達の配下の者達がとらの周囲に出現した。
     3に続く

うしおととら 3

2015-12-12 22:07:55 | 日記
「わからない、ですか?」「わからなくはない、けど」白髪の男の質問に、上手く答えられない真由子。「ただ」「ただ? なんだっ?」「ごめんなさい、私には」「どうせお前にも、わからんのだろう?」老人は一瞬で真由子の隣に来ていた。「まて、ナドカよ」「そんな脳ミソは、いらんわなぁ」白髪の男の制止を聞かず、蛭舌を伸ばすナドカ。驚き、恐れる真由子。ここで天井が電撃で破られ、真由子姿のとらが帯電して飛び込んできた。「え? 私?!」「ほら行くぞ!」「その声、とらちゃんっ!」真由子が喜んでいると、ナドカの隣から無数の金属片の様なモノが高速で飛来し、とらを襲った。
とらを見るナドカ。「なんだお前? 我々の邪魔をしおって」人間変化が少しずつ削られ元の姿に戻るとら。「そうか、タユラよ、私の判断が早過ぎたのだな」自分の回りを漂う金属片に話すナドカ。「その娘は、我々の問いに答えかけていたようだった」タユラの金属片は集まり、白髪の男の形になった。「娘よ! 答えるのだ、先の質問にっ!」「うるせぇ! コイツはワシが喰おうと思ってたんだ。手ぇ出すんじゃねぇ!」怒鳴るとら。「何百年、我々は同じ質問を人間にしてきたろうか」タユラは語り出した。
タユラとナドカは刑場の土の下にいた。二人の上で、多くの人間が未練と後悔、恨みと憎悪を抱いて死んでいったが、中には微笑みを浮かべ、悔いなく満足そうに死んでゆく者達もいた。「人間は不思議だ。人間は死に臨んで、ああも色々な形があるのだ? 姿形を人に似せても、わからないのだ。だから」「人間に直接聞いてみる気になったのかよ」「邪魔はしないでもらおうか?」「死んでもらうぞ?」タユラに続けたナドカの言葉に腹を立てたとらはタユラとナドカに電撃を放ち「雑魚どもがッ!!」二人を爪で殴り付けた。壁を突き破って吹っ飛ばされるタユラとナドカ。
     4に続く 

うしおととら 4

2015-12-12 22:07:45 | 日記
「やったぁ! とらちゃん、ありがとうっ!」「おいっ?!」抱き付く真由子を厄介がるとらだったが、真由子を抱え数階程度下階に降りた。この辺りの階層は薄暗く人気が無かった。真由子が手の甲に少し怪我をしているのに気付いたとら。「もったいねぇ! 血の一滴だって溢すんじゃねーよっ」とらはベロンと舌を伸ばして真由子の傷を舐めた。「えーっ?!」美味に驚くとら。「優しいんだね」「はぁっ?! 何勘違いしてんだ?」うんざりするとら。
「見て見て! 綺麗ぇ」展示されていたウェディングドレスに見とれる真由子。「どう、似合う?」真由子は更衣室でウェディングを着てみた。(ほうっ、こりゃいい、包み紙を替えたらハンバッカもこんな風に旨そうに見えるんかねぇ)とらはドレスアップしたハンバーガーを思い浮かべ、ニヤリとした。「これ着て、潮君のお嫁さんになりたいなぁ」「なりゃいいだろう」(どうせ二人とも喰っちまうんだ)舌舐めずりするとら。「ううん、いいんだ。私はいいんだ」真由子は代わりにとらと結婚式の真似事をしようとし始めた。迷惑がるとら。
「本当にバカだなぁ! お前は別の女に遠慮して、自分が貧乏クジ引いてもいいってのかよぉ?! ケッ、そういやいたよ、長い年月の中、おめぇみたいな偽善者がなぁっ! てめぇが死んじまうのに好んで貧乏クジ引く奴らがっ。それも嬉しげによっ! ワシはそんな奴らを見る度、気持ち悪くなったし、人間っつうのはなんて愚か者なんだと思ったぜ。クソ潮もっ、勿論おめぇもだ、女ッ!」とらの言葉を聞いていた真由子は一言呟いた。「泥なんて、なんだい」「ああっ?」「昔、私の家の近くに沼があったの」風に飛ばされ、買ってもらったばかりの帽子を沼に生えた草の上に落としてしまった子供の真由子。
そこへ子供の潮がのしのし歩いて来て、泥だらけになりながら帽子を取り、真由子に渡した。
     5に続く