羊日記

大石次郎のさすらい雑記 #このブログはコメントできません

うしおととら 1

2015-12-12 22:08:14 | 日記
「あーっ、痛ぇっ! なんでだぁ?!」実家で腹痛に苦しむ潮。ドリンクの飲み過ぎ、食べ過ぎだった。「けっ、バカバカしい。やってられっかよっ!」呆れたとらは窓を通り抜け、潮の家から浮いたまま出ていった。(おっと、なんていったっけな? あの旨そうな女)真由子が新商品のカニ餃子バーガーを勧めていたことを思い出したとらは、ふわりっと飛んで行った。
高層ビルの最上階で「ばっかばかしい」識者とみられる男は白髪の男に何か質問され、席から立ち上がった。白髪の男の隣には顎に手を当てた老人が立っていた。「わからないのですか?」冷たくいう白髪。「ならば」言葉を続ける老人。「そんな脳ミソいらんなぁ」一瞬の間に識者の男の隣に来ていた老人は蛭の様な舌を識者の耳の辺りに伸ばしていた。「おほぅあぁッ?!」耳に蛭舌を突き込まれた識者は脳を吸われ、識者の頭はベコベコと萎んでいった。
真由子の家に麻子が来ていた。『三重県』のペナントをもらって喜ぶ真由子。麻子は他に、手提げ袋に葱や卵等を入れていた。「蒼月のとこに付き合ってよ。あのバカ、食べ過ぎてお腹壊しちゃったんだって。母ちゃんが消化にいいもん持ってけって。たくっ、面倒なんだからぁ」真由子は微笑み「行きたいんだかけどなぁ、用事があるんだぁ」そう言って麻子を一人で潮の元へゆかせた。「いいお天気だし、とらちゃん! どっか行こうか?」ポストから配達物を取り出す真由子。「気が付いてたのかよ」姿を現すとら。
「なんとなくね。あら? あたし宛」封筒を開けてみる真由子。ディナーパーティに当たったという。喜んで家に入る真由子は中を抜いた封筒を落としていった。封筒に付いた妖怪の『臭い』に気付くとら。(確か、誘きだして頭ん中、啜るって奴がいたなぁ)「おいっ、女! 行くんじゃねーよっ」壁を抜けて警告するとら。「とらちゃん、まだ私の名前、
     2に続く

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