羊日記

大石次郎のさすらい雑記 #このブログはコメントできません

5→9~坊さん~ 1

2015-12-02 21:10:36 | 日記
「お付き合い?!」驚く父、母、寧々。居間で一同は盛り上がったが、さっき帰ったはずの高嶺がすぐ戻ってきたことに「お寺は大丈夫なの?」と何気なく聞いた潤子。「暇を頂きました」ごまかす高嶺。「このまま同棲しちゃいなさいよっ!」煽る母。「年がら年中チューチューして」とイチャイチャしていたらしい父との同棲時代を語る母。「チューチューですね、わかりました」メモを取り出す高嶺。「メモっ!」ツッコむ潤子。「そうと決まったら模様替えよ!!」母は父と寧々を率いて潤子と寧々の部屋を直しに向かってしまった。「えっ? 同棲とか気が早いからっ! 付き合って1日目よ?!」付いてゆけず、あたふたする潤子。
一方「近々、天音を皆様に御披露致します!」天音から高嶺が約束を忘れていたと聞いたひばりは益々むきになり、性急に事を進め出していた。「それから、香織さん。その席で天音との婚約を発表しましょう」「え?」同席する香織に突然言い出すひばり。香織は困惑した。
「では、いざっ! 『イチャイチャ』しませう!」「いや『しませう』って!」模様替えされた部屋で二人切りになった途端迫ろうとする父の物らしい甚兵衛姿の高嶺。拒否されると「わたくしのことが好きではないのですか?」「そんなことないけど」「ならば好きと仰って下さい」「急に態度変えられないし」「では、呼び方を変えてみましょう。何と呼べばよろしいですか?」「ええ? 呼び捨てでいいんじゃない?」「承知しました。じゅ、じゅんっっ」呼べない高嶺。「『北の国から』みたいになってるからっ!」ツッコむ潤子。結局その夜は手を握って眠る程度になったが、ニンマリしてしまう潤子。
翌朝、寝顔に見とれた高嶺が目覚まし時計を止め、潤子は遅刻しそうになり「もうっ、バカ!」慌てて高嶺の作った弁当を持って家から出てゆこうとしたがふと気付いて
     2に続く

5→9~坊さん~ 2

2015-12-02 21:10:26 | 日記
合鍵を渡す潤子。「初めてもらいました。今日は合鍵記念日です」これに笑って、家を出ようとすると高嶺は『行ってきますのチュー』を求めてきた。「もう、しょうがないっ」潤子は上がり框に高嶺をしゃがませ、額にキスをした。「行ってきます!」部屋を飛び出してゆく潤子。「うわぁっ、悪くない」衝撃を受けている高嶺だった。
出勤した潤子は「付き合ってる?! しかも同棲?!」職場のロッカー室で山淵と毛利に驚かれ、結婚して仕事辞めるのか? 自分は『年下君』との結婚は無い。美坊主に囲まれて暮らすのか? 一日中坊主達の食事の世話をして相撲部屋の女将のようになる。力士は攻め! 攻めっ! と散々絡まれ「寺の嫁かぁ」思案する潤子。同じ頃、高嶺は一僑寺の山門の前まで来て「高嶺様!」と三休や若い僧達に迎えられていた。「兄さん、どこ行ってたん? 心配しとったんやでぇ?」また関西弁で白々しく言いながら天音も現れ、三休達をひばりに伝えてくるようにと人払いした。
「俺が嘘ついたって、皆に言えばいいのに」標準語に戻って挑む様な天音。「必要ありません。嘘をついた人間が、一番罪悪の念を感じてるはずですから」「小さい頃から皆にちやほやされてきた兄さんに、ずっと邪魔者扱いされてきた俺の気持ち何てわかりっこないっ」天音は頑なだった。ひばりは寺田から高嶺が来たことを伝えられても会おうとはしなかった。天音との対峙の後で自室で「大奥様のことは何とかする」と寺田に言われ、高嶺が一先ずひばりに見付からぬよう寺を去ろうしようとすると香織が現れた。「このままでは、わたくしは天音さんとっ。それは嫌でございます。わたくしは、高嶺様が好きです」すがり付いてくる香織。「申し訳ありません。あなたも、家に帰りなさい」引き離し、高嶺は去り、立ち尽くす香織は涙を溢していた。
職場で、受かればニューヨーク
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5→9~坊さん~ 3

2015-12-02 21:10:15 | 日記
受かればニューヨークで働けるという正社員採用試験の申込み書を清宮に渡されるが、煮え切らない潤子。清宮は潤子の様子を気にしたが、事務スタッフの蘭がお構い無しに空き教室に潤子を呼んできた。「これは恋愛相関図です。整理しようと思って」蘭はホワイトボードにかなり入り組んだ相関図を書き込み写真も貼り付けていた。「何であたしが?」呼ばれた意味がわからない。「だって、戦線離脱でしょ?」清宮と終わったことに加えて高嶺との同棲も速攻で毛利経由で広まり「噂じゃ、子作り始めたとか、既に産んだとか!」「産んでないからっ!」「客観的な意見がほしいんですよ」蘭は『観察』していた職場の恋模様を語り出した。
アーサーのアタックに山淵は引き気味だが、当の山淵は三嶋にBLキャラの台詞を言わせて喜び、一見良い雰囲気風。「えーっ?」三嶋が話に出てきて意外がる潤子。毛利が蜂屋から「形で示せって言ったでしょ?」と渡されそうになったネックレスを「子供にこんなのもらえない」と拒否していた話では「年下君って蜂屋君だったの?」ギョッとする潤子。条令的に。由希の話になると部屋のドアを開けて職場のホールで仲良い様子の由希と寧々を二人で見た上で「まさか、寧々が?」「あり得ますよ。由希ちゃん、女装しているだけで男子だしっ!」面白がって、ホワイトボードに寧々を書き出そうとする蘭。「妹巻き込まないでっ!」阻止しようとジタバタしする潤子だった。
寺で天音がひばりに高嶺と潤子の交際と同棲を告げ口し、桜庭家に帰った高嶺が自分に反発する天音のことを思う中、潤子の職場の恋愛事情は進展し出した。「受け取って」「しつこいなぁ」職場から出てくるところを待ち構えてネックレスを渡そうとする蜂屋にうんざりする毛利。「そういう関係じゃないし、遅いから早く帰りなさい」と言われた傍から毛利にキスする蜂屋。
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5→9~坊さん~ 4

2015-12-02 21:10:05 | 日記
「これで渡せる関係になったでしょう?」蜂屋は毛利にネックレスを付けた。蜂屋を見る毛利。「下手くそ」一言言って、その場を去り、蜂屋から離れると「あれ? 何かちょっとヤバいかも?」動揺していた毛利。山淵はBLイベントがあると騙されてアーサーと二人でバーに来ていた。「すいません、あなたに会いたくて」「えっ? いつまでからかうつもりですか?」「ミス百絵、正直に言います。あなたは、私に興味すら示さなかった。そんな人は初めてです。だから弱味を握ってでも近付こうとしました。自分の好きなことであんなに笑顔になれる人は見たことが無い。そして、あなたの笑顔を見ている内に気付きました。ミス百絵、(英語で)私はあなたが好きです。私はあなたを愛しています」アーサーを見ている山淵。アーサーは山淵にキスをした。
山淵は荷物を抱えてバーから飛び出して行った。「あっ、今日BLの新刊出たんだ買いに行かなくちゃ。って、そうじゃねぇだろ!! あたしっ!」街頭で大声を出して周囲の人々を驚かせる山淵。「A、万が一本気だったら人生初の彼氏様。B、やはりどう考えても釣り! うーん、えっへ! やっぱこっちの方がしっくりくるよなぁ」イメージのBを引き寄せる山淵。「でも、人生初の、キス」戸惑う山淵。アーサーも「まさか、人生、初の失恋」フラれたと思い、酒のお代わりを頼み、バーテンにも一杯奢るのだった。
潤子が家に帰ると部屋はすっかりラブラブペアグッズだらけになっていた。「センスっ!」ビビる潤子は部屋で思わぬモノを発見した。「高嶺君、座りなさい」父と風呂から上がってきた高嶺を席に着かせる母。母の隣に潤子。「これ、なに?」テーブルに置かれた口紅の付いた高嶺の『輪袈裟』。「これは『輪袈裟』といいます」「名称ではなく、これは誰の口紅?」「これは香織さんですね」すがり付かれた時に付いた。
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5→9~坊さん~ 5

2015-12-02 21:09:55 | 日記
「香織さんと会ったの?」「昼間私物を取りに行った時に一橋寺に帰った際に」「あっさりゲロったわよ」煽る母。「なぜ口紅が?」「それはおそらく」「完全に胸に飛び込んだ状態ですよね?!」「落ち着け潤子! 何かの拍子に付いただけだよ」間に入る父。「ざけんじゃないわよっ!」突然怒り出す母。昔の父の浮気疑惑を蒸し返し出す。「同棲解消です! 信じられないっ! 浮気者!!」話に乗って潤子も怒り出し母娘揃って手が付けられなくなり、高嶺と父は風呂上がりの薄着のまま外に締め出されてしまった。
「高嶺君、寒い。高嶺君、眠くなってきた」「お父さん! 寝てはなりませんっ!」等とドアの前で雪山コントを二人でして騒いでいたが「もう、うるさい! 恥ずかしいから早く入ってよっ!」高嶺は潤子に許され、中へ戻ったが「死んじゃえっ!」父は母に許されず、入れてもらえなかった。「俺も入れてっ、あ、痛い痛いっ」尻を押さえる父。寒さが尻にきたらしい。「誤解です」古い少女漫画を参考にペアルックだらけにされた部屋で潤子はまだ機嫌が悪かった。「発走が中2レベル何ですけど? 今まで結構な数の人と付き合ってきたんですよね?」申し込まれたら断らずに付き合っていたが、いずれも2週間程度で解消されていた。
「わかる気がする。もう寝ますよ!」呆れつつ、寝ようとすると、高嶺が後ろから抱き付いてきた。慌てる潤子。「こんなことしまうのは潤子さんだからです」「もう、わかったから、離して」「絶対に離しません」「何でっ? 離してよっ!」ガッチリ抱き締めプロレス技の様になる高嶺。笑ってしまう潤子。「でしたら、私のことを好きだと言って下さい」持ち方を変えて正面から向き直す高嶺。「1回言いましたから」「何度でも聞きたいのです、さぁ! さぁ!」迫る高嶺。「いいから、ちょっとっ」バタバタしていると、目が合い、
     6に続く