羊日記

大石次郎のさすらい雑記 #このブログはコメントできません

うしおととら 2

2015-12-12 22:08:05 | 日記
覚えてくれないのね? 私は真由子よ」指でとらの鼻をぴゅうっ、と押す真由子は警告を聞こうとせず、冷蔵庫からハンバーガーを取り出し「ホントはカニ餃子バーガー一緒に食べたかったけど」と一つとらに渡す真由子。「用事ができちゃったから、また今度ね?」「用事は他にあったんじゃねーのか?」「忘れちゃった」「もう一人の女に遠慮ってやつか? なんでお前はあのクソガキを取り合ったりせんのだ?」「はっきり言うんだねぇ、とらちゃん。でもねぇ、あたし、麻子も好きなんだもん」「はぁ?」「じゃあまたねっ!」真由子はそのまま出掛けてしまった。
(全然わからんっ)とら取り敢えず貰ったハンバーガーの包みを解いて食べ始めた。(一番驚きなのは、あのバカを好く女がいるってことよなぁ)食べていたが(しまったぁっ! あの女行っちまったぁ!!)「あの女は潮の次に喰うって、人間で言うところのデザートよっ! 他の化け物に喰わせるかぁ!」玄関で騒ぐとら。「ちっ、こうなったら、ぬぅううっ!」とらは髪で顔を隠し、全身を渦巻かせ、人の形に変化し始めた。覆った髪が除けられると、かなり凛々しい顔の真由子がそこにいた。「まだしっくりこないが」とらは牙の生えた大口を開けた。
到着した真由子は、人気の無いビルの最上階の一室に案内され、戸惑っていた。一方、とらは真由子の姿で街の若者に件のビルの場所を聞いたが、しつこめに絡まれていた。「喰うぞ? オラッ!」とらは真由子の顔のまま、牙を剥き出し、若者達を震え上がらせていた。「御質問、させて頂きたいことがありましてね」白髪の男が真由子に『質問』を始めようとしていた。隣に識者を殺してい老人が立っている。とらは、姿を消して真由子の姿のままビルの近くまで飛んできて最上階の一室に真由子がいるのを見付けた。と、人の姿をした白髪の男達の配下の者達がとらの周囲に出現した。
     3に続く

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