宮崎滔天(とうてん)といえば、男性の象徴、「男」のシンボル、「漢」(おとこ)の中の男みたいな人。
その魁偉な容貌とか高身長(174cm? 180cm?)とかからも、最も男性的という印象。
その中国革命を支援したりの破天荒な人生から、直情径行、知行合一、勇猛果敢、猪突猛進、豪放磊落、というイメージしかない。
例えれば、張飛とか、ドン・キホーテとか、浜田幸一とか、岩鬼正美とか、桜木花道みたいなキャラクター。
「近代の豪傑を挙げよ」と言われたら、真っ先に名前が浮かびそうな人。
しかし。
彼自身は、自分を「女性的」と思っていた。
「私というものは、女性的性分を享け得て、誤って男子に生まれた一瞬の変性漢です」
とまで言っている(『評伝 宮崎滔天』渡辺京二、14頁)。
さすが渡辺京二、こういう多面的で複眼的な視点が持てる。深い。
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そもそも人間には矛盾が同居している。強い人にも弱さがあり、可愛い人にも真の強さがある。
誠実に見える人は不誠実な自分を懸命に隠しているだけだったりする。
それを、一面だけ捉えて、表層的で皮層的で表面的な見方をするのは簡単。でも浅い。
安っぽいレッテル張りばっかりしている紀藤正樹弁護士とか鈴木エイト氏が、渡辺京二でも読んで、複眼的な見方ができるようになってくれれば。
ま、彼らは特定の思想に基づいてプロパガンダしている方たちだから、複眼的な思考をしても、それをあえて外に出さない人たちですけどね、、、
渡辺京二の深い視点を見て、改めて、人間を表層的に見てはいけないと思いました。