漱石は、文章のみならず、人格も一級品であった。
弟子の寺田寅彦(「天災は忘れた頃にやってくる」)が心酔したことで知られている。他に、芥川など、漱石が可愛がった弟子は数知れず、、、
こう考えると、漱石は海舟ですね。勝海舟と同じ。
千里の馬であり、かつ、伯楽。
千里の馬は常にあれども、伯楽は常にはあらず。
名選手は名監督たり得ない。
プレイヤーとして一流であっても、後進を育てる伯楽として一流であることは難しい。
先生と向かいてあれば腹立たしき世とも思わず小春の日向
寺田寅彦
漱石先生の前へ出ると、不思議に自分は本当に善い人になった心持ちになる。
まさに漱石の「薫陶」を受けたのが寺田寅彦。
薫陶で周りを感化するような人格を身に付けたいものです。
存在そのものが意義を持ち、存在そのものが医薬となる。
そんな存在でありたし。
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こう考えると、文士・作家というのは、その名が歴史に残るためには、その人格も寄与するような気がする。
人格に優れているから、周りに支援され、称揚され、歴史に残る。
司馬、山本七平、小林秀雄、福田恒存、、、
逆に、人格が破綻していたり下劣だと、疎まれ、応援されず、歴史に残らない。
もちろん例外はあるでしょうけど。私がすぐ思い浮かぶのはマルクス。人格的にアチャーだったんですよね。。。
※ リンク貼れませんが、「カール・マルクスの性癖」でヒットする文献では、「臭気ふんぷん」と書かれている。
歴史に残るかはともかく、いい人格を身につけたし。