日本に昔から自生している葡萄に、山葡萄があります。
この山葡萄、詳しくは「ヴィティス・コワニティ」というぶどう群に入ります。
世界のぶどう(なんと5000種類あるそうです)は、大きく2つに分かれ、ヨーロッパ系の「ヴィティス・ヴィニフェラ」群と、アメリカ系の「ヴィティス・ラブルスカ」群があります。
ヨーロッパ系の葡萄は主にワインに、アメリカ系は主に生食用に適すると言われています。
この2つに属さないものがアジアにあり、1つは中国東北部から朝鮮半島に自生する「ヴィティス・アムレンシス」、もう一つは、日本に自生する山葡萄の「ヴィティス・コワニティー」群です。
この山葡萄、見たことも食べたこともありませんが、小粒で甘味、酸味、渋味が強いらしい。
複雑そうな味わいですね。
日本は、外国の葡萄産地と比較すると、多湿なので、葡萄には過酷な気候。
そこに自生する山葡萄は、耐寒性、耐病性に優れているとのこと。
山葡萄の性質に目を付け、ワインにしようとした人はたくさんいたはずで、山葡萄のワインも少し出ていますが、単独では栽培もワインの味もちょっと難しいらしい。
そこで、山葡萄と他品種の葡萄を掛けた、品種改良の研究が、日本各地でされています。
今年の国産ワインコンクール2012で入賞したのが、モンデ酒造の「豊富畑 ヤマソービニヨン 2011」、銅賞です。
ヤマソービニヨンは、山葡萄とカベルネ・ソービニヨンの交配品種。
カベルネ・ソービニヨンは、赤ワインのスーパースター品種。
世界のスーパースターと、日本の自生葡萄の組み合わせ。
ちょっと期待する新しい赤ワイン品種です。