ヒマローグ

毎日の新聞記事からわが国の教育にまつわる思いを綴る。

お得意様には嫌われたくない

2024-03-22 08:09:17 | 我が国の教育行政と学校の抱える問題

「どこへもっていく?」3月19日
 『小中高生過半数 足りぬ睡眠』という見出しの記事が掲載されました。『約7700人の小中高生の睡眠の状況を機器で測定した結果、半数以上の子どもが、国が推奨する睡眠時間を満たしていないことが分かった』ことを報じる記事です。
 さらに、記事によると、睡眠時間だけでなく、『一定数の子どもが、平日と休日で起床時間などがずれる「社会的時差ぼけ」の状態にある』ことも判明したそうです。この社会的時差ぼけは、『日中の強い眠気や集中力の低下、将来の健康リスクにつながる』のだそうです。
 私がこの記事を読んで気になったのは、こうした個々の情報についてではありません。研究グループは、問題の大きさに警鐘を鳴らし、対策を提唱しているのですが、その対象が書かれていないことでした。つまり、睡眠時間の確保と睡眠リズムの乱れを抑えることを、誰に対して求めているのかが不明だということなのです。
 私は、当然、家庭、保護者に対して対策をとるよう求めるべきだと考えます。就寝は家庭でのことですし、保護者が管理する時間帯での出来事だからです。行政や学校・教員が家庭での夜の時間にまで干渉するのは不可能ですから。
 子供自身に直接訴えかけたとしても、小学生にそこまでの自己管理を求めるのは無理ですし、既に生活習慣の乱れが定着している中高生についても、保護者の助けなしには改善は難しいでしょう。
  しかし、新聞の主な読者である保護者に対して、強く責任の自覚を促す文言はどこにもなかったのです。どうしてなのでしょうか。私の下衆の勘繰りなのかもしれませんが、面倒なこと、子供の反発を受けそうなこと、保護者自身も生活習慣を改めなければならないことについて、保護者に要求し、余計なことを言うなと反感を買うことを恐れる気持ちが背景にあるのではないかと思ってしまうのです。
 我が国では、長年、子供に関することは学校に丸投げし、何かあれば学校に責任を追及するという体質が顕著でした。本来、家庭・地域・学校という3者がそれぞれの特性を発揮して子供の成長を支援していくのがあるべき姿なのですが、我が国ではそのバランスが崩れ、学校ばかりが大きな責任を負わされてきたのです。
 そして、こども家庭庁が設置され、子供は社会で育てるという考え方が定着しつつある現在、今度は学校と社会に責任を負わせて、家庭には責任を求めないというように変化しつつあるように思えてならないのです。
 食事や睡眠、そんな基本的なことすら家庭が、保護者が担う必要はないというのであれば、子供の健全な成長は望めないと考えます。私の考え過ぎであればいいのですが。

 

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