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後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

格差社会の諸問題を考える(4)日本の貧富の差と世界各国と比較

2016年04月11日 | 日記・エッセイ・コラム
最近、以下の5編の記事を書いて日本はますます格差社会になって行くと指摘しました。
「日本社会の格差が年々増加している」、 2016年03月31日
「日本社会の格差が年々増加している❕ その原因」、 2016年04月02日
「格差社会の諸問題を考える(1)日本で非正規雇用が増大する原因」、2016年04月04日
「格差社会の諸問題を考える(2)格差社会の利害得失」、2016年04月06日
 「格差社会の諸問題を考える(3)アメリカでは全てが契約社員」、2016年04月08日
多くの皆様が格差社会に強い関心をお持ちのようです。これら5つの記事へのアクセス数も多かった上、沢山のコメントを頂きました。
しかし今までは日本国内の格差の問題を取り上げてきました。
そこで今回は世界の各国の格差を概観し、日本の格差は世界的に比較するとどのような程度なのかを考えてみたいと思います。
いろいろ調べてみましたが、世界各国のそれぞれの格差を示すジニ係数は「世界・収入不平等指数ランキング」(http://top10.sakura.ne.jp/CIA-RANK2172R.html )に詳細に報告してあります。
前にも説明したように、ジニ係数は社会における所得分配の不平等さを示す指標で、0に近いほど格差が少ない状態となります。格差はすなわち社会の不満となり、ジニ係数40%以上は社会騒乱の警戒ライン、60%以上は危険ラインとされます。
ジニ係数が低い国家では、税と社会保障による所得の再分配が進んでいる傾向がみられます。
日本のジニ係数は、このランキング表では37.6%(2008年)となっています。日本の収入不平等指数の世界ランキングの順位は141ケ国中の73位なのです。
ランキングの1位はレソトの63.2%、2位は南アフリカの63.1%、3位はボツワナの63.0%です。
格差が最小の国としてランキングの最下位にあるのはスウェーデンの23.0%です。
このランキングは米CIAのワールドファクトブックにもとづいており、国ごとに調査年が異なる場合があります。
此のランキングの国々の中から先進国だけを拾うとアメリカが格差が大きく、次に日本がきます。そしてイギリス、フランス、オランダ、デンマーク、ノルウェー、オーストラリアなどヨーロッパ諸国は日本より格差が少ないのです。
最も格差の大きいのは、チリ、メキシコ、トルコといった途上国的性格の強く、なお且つ、1人当たりの所得水準の低い諸国なのです。
そしてロシアもこれに続いています。
しかしここで注意すべみは、アフリカやアラブ諸国の統計の確度が低いためにジニ係数その計算値が信用出来ないことです。ですから世界のランキングはあまり確かなものではありません。
一方、先進国では統計資料も信頼性が高いので、アメリカ、日本、イギリス、フランス、オランダ、デンマーク、ノルウェー、オーストラリアなどヨーロッパ諸国のジニ係数の比較は信頼できます。
さて、さらに世界各国の貧困層の人口割合ランキングを調べてみると以下のようになります。
2010年の経済協力開発機構(OECD)加盟国など世界34の国と地域を対象とした貧困層の人口割合(貧困率)についてのランキングは以下の通りです。

貧困層の人口割合(貧困率)ランキング<34カ国>
1 イスラエル 21%
2 メキシコ 20%
3 トルコ 19%
4 チリ 18%
5 アメリカ 17%
6 日本 16%
7 韓国 15%
7 スペイン 15%
9 オーストラリア 14%
9 ギリシャ 14%
11 イタリア 13%
12 カナダ 12%
12 エストニア 12%
世界平均 11% - 50.0 -
14 ポーランド 11%
14 ポルトガル 11%
16 ニュージーランド
16 ベルギー 10%
16 スイス 10%
16 イギリス 10%
20 スウェーデン 9%
20 スロベニア 9%
20 アイルランド 9%
20 ドイツ 9%
24 オーストリア
24 オランダ 8%
24 ノルウェー 8%
24 フランス 8%
24 スロバキア 8%
29 ルクセンブルク 7%
29 ハンガリー 7%
29 フィンランド 7%
32 チェコ 6%
32 デンマーク 6%
32 アイスランド 6%

日本の貧困層の人口割合は、16%で、世界ランキングの順位は6位です。
ランキングの1位はイスラエルの21%、2位はメキシコの20%、3位はトルコの19%です。
ランキングの最下位はアイスランドの6%です。
日本の経済状況は従来GDPだけで議論されることが多かったのです。しかし個人の生活のし易さの指標は一人当たりの年間収入の平均値だけでは不十分で日本国内の格差を考えるべきと考えられます。
そして日本の格差も世界的に比較して考えるべきと思います。
今回の記事はそのような問題提起に過ぎません。格差社会の問題はもっといろいろな視点から考えるべき重要な問題ではないでしょうか。
今日の挿絵代わりの写真は一昨日撮ってきた青梅市の梅岩寺の枝垂れ桜の写真です。

それはそれとして、
今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)






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