後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

戦後日本の技術至上主義の挫折と原発絶対安全神話の崩壊

2011年03月30日 | 日記・エッセイ・コラム

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水素爆発で無残に吹き飛んだ原子炉建屋の姿こそ技術至上主義の挫折を如実に示しています。第二次大戦に日本が負けたのは工業生産力の差、特に技術レベルの差と言われました。戦後の復興は、まず重工業を復興し、自動車産業、電気産業、の増産と品質改善の努力をしました。その結果、日本の工業製品は品質が最高になり世界中へ輸出されるようになりました。日本の技術力が国を豊かにしたのです。その結果、日本には全てのことの中で技術だけが重要だという技術至上主義が蔓延していたのです。

その一つの結果として日本の技術を用いれば絶対に安全な原子力発電所が作れるという思い上がりが出来てしまったのです。

しかし人間の技術には必ず欠陥と限界があるものなのです。その事を一番良く知って居たのは技術者本人でした。高温と高圧を取り扱う工場には大事故が必ず起きるのです。過去の工業の歴史がそれを証明しています。

しかし原発推進派の政治家や経営者は技術者の言う事を本気で注意深く聞こうとしませんでした。技術者もあまりしつこくは言いません。

その結果が今回の福島原発の大惨事になったのです。

戦後の日本に蔓延していた技術至上主義の完膚なきまでの挫折です。そして原発の絶対安全神話の崩壊です。

これから日本はどうするのでしょうか?賢い日本人は必ずや復活すると信じています。今後、折にふれて大地震・大津波災害と原発事故災害の復興についていろいろな視点から考えて見たいと思います。ご意見が御座いましたなら是非コメントとしてお送り下さい。よろしくお願い申し上げます。


こんな時にヨットをしている人は非国民!!?

2011年03月30日 | 日記・エッセイ・コラム

昨日、テレビで聞いた事です。湘南でヨットをしている若者へ対してある中年の男性が「非国民!」と叫んでいたそうです。

私も26年以上、ヨットを趣味にして来ましたが、東北地方の被災地で苦しむ人々の事を思うとヨットなどする気になりません。全ての贅沢な趣味をしないようにしています。ですからヨットをしている若者へ「非国民!」と叫ぶ気持ちはよく分かります。

しかし絶対にそんな声を上げてはいけないと信じています。若者がどのような気持ちでヨットをしているか?他人には分かりません。例えば一緒に組んで国体のヨットレースに出た友人が津波で死んだのかも分かりません。死んだ友人の写真をマストに張り付けて、ヨットを走らせながら友人の冥福を祈っているいのかも知れません。

ヨットをしている人は誰でも自然の猛威を知っています。それだけに津波や地震の災害に傷つくものです。J182さんから頂いたコメントの一部を下にご紹介致します。

=======J182さんから頂いたコメントの抜粋==========

私は、阪神大震災を、被災地の真っ只中で体験しました。半年ほどして生活も落ち着き、ヨットハーバーに行きましたが、なぜか罪悪感を感じ、20年以上続けていたヨットをやめました。復活するまで7年ほどかかりました。今また、いい天気だと被災地の人に申し訳なく思い、仕事していて申し訳なく暮らしています。胸が一杯になって震災関係の映像を、長くみることができません。

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「非国民!」とか「国賊!」という言葉は究極の差別用語です。言われた本人の方が言った人よりも本当の愛国者だったりするのです。

そんな言葉を使わないで心を寄せ合って東北・関東の大津波被災者や福島原発事故の被害者へ心からの支援を送りたいと思います。

贅沢は止しましょう!贅沢は敵だ!などと言わないで下さい。言わなくても心ある人は静かに贅沢を止めます。戦後えいえいと築いて来た民主主義や自由な社会を壊すような言動はしない方が良いと思います。皆様はいかがお考えでしょうか?

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文部科学省の29日の東北、関東、甲信越の放射能測定値は安心材料!

2011年03月30日 | 日記・エッセイ・コラム

今朝の読売新聞の29ページ目にある文部科学省の29日の東北、関東、甲信越の放射能測定値は異常ありません。ここ数日大きな変化はありません。

平時より高い値の都市は福島市、いわき市、仙台市、水戸市などですが、東京を含めて他の地方はOKです。まずは安心できる値です。

原発事故現場の汚染水の事を必要以上に心配する必要はありません。


全国の54基の原発の脆弱な津波対策と付近の住民の心の準備

2011年03月30日 | 日記・エッセイ・コラム

経済産業省は北海道から九州で稼働中の54基の原子力発電装置へ対して緊急に津波対策を指示し、1ケ月以内に津波対策を完了するように求めています。しかし1ケ月間では根本的な津波対策は難しく、再び、大津波が起きた場合は福島原発の事故のような事故が繰り返されると思います。そこで自分が住んでいる土地から50km以内に原子力発電施設がある場合にはどのような心の準備をして置いた方が良いかを考えてみました。

(1)東北地方で大地震が起きたから暫くは起きないという考えは危険です。過去の地震の記録は1000年くらい前までしか明確に分かっていません。地質学的には1000年なんていう短い期間は一瞬の事であり、その間の地震発生の統計学的な研究や確率論は全く無意味です。それは科学的に全く意味の無い事です。ついでに言えば地震発生の原因をプレート滑り込みによる応力蓄積という説以外にも原因があると考えるのが科学的な態度です。例えば中国大陸の奥の四川大地震はどのような原因で起きたのか誰も説明出来ません。東京湾や日本海で大津波が発生するかも知れないのです。そのような想定外の自然現象へも心の準備をして置きましょう。

(2)大津波が付近にある原発工場を襲ったら、冷静に避難の準備をして置きます。津波の前に地震があります。その時、原発の緊急停止装置が動き、炉の核反応を停めます。しかし津波で原発が停電になったか、冷却装置が流されてしまったかをラジオ・テレビの報道に注意します。水素爆発までは数時間から数日ありますから、まだ実際に避難しない方が良いのです。避難する時持ちだす重要な水、食料、日用品、現金、貯金通帳、カードなどの非常用袋を手元に置いておきましょう。

原発事故の避難は長期になる場合もありますから重要書類は持ちだす準備をします。

(3)冷却装置が止まってしまったら、炉心から水素が漏れ出し、いずれ建屋に充満して水素爆発が起きます。その時、炉心近辺の冷却用の配管や配線が爆発の衝撃で壊れれます。水素爆発で放射能を持ったヨウ素やセシウムが空中に放散されます。

ここまできたら自主避難を始めれば良いのです。初めの水素爆発で、少しは放射能を浴びますが、短期間なので健康に害は無い筈です。充分落ち着いて車でゆっくり逃げます。逃げる前に各地方自治体の避難所を確かめて置きましょう。

(4)今回の政府の指示は半径20kmは全員避難、半径30kmは自宅待機という内容でした。これはあくまでも一つの目安と考えて、テレビで発表される風向きを毎日見て危険度を自分である程度判断しながら避難します。原発が風上にあり長時間それが変わらない場合は逃げ足を早めましょう。その反対の時は落ち着いて逃げます。

(5)自宅に忘れ物をした時は取に戻りたいものです。しかし放射能が降り積もっているかも知れません。短気を起こさず暫時、時の流れを待ちましょう。

それともう一つ怖いのは風評被害です。生活物資が届かなくなります。この事実にも心と物の準備もして置きましょう。

以上のように書くのは現在、福島県の人々の苦しんでいる状態を多くの人々に深く理解してもらい、全国の人々が福島県の人々を応援するように願っているからです。

そして東日本大地震・大津波で被害を受けた全ての人々へ全国の人々が現在以上に支援、応援することを祈っています。

今日も地震・大津波そして福島原発事故による全ての被害者が再び元気に立ち上がるようにと心からお祈り申し上げます。

季節がめぐれば、野山に下のように花も咲きます。皆で元気になりましょう!

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