1958年に大学を卒業し、留学し1962年に東京に帰ってきました。そして1964年の東京オりンピックの年に小金井市へ引っ越しました。1958年から1964年頃まで日本の町を我がもの顔に走り回っていた車はアメリカの大型車でしたが、その中で注目を集めていたのがカブト虫形のフォルクスワーゲンとフランスのルノーでした。フォルクスワーゲンは空冷2気筒の後部エンジンでした。一方、ルノーの方は水冷4気筒の後部エンジンで観音開きのドアでした。1962年から数年間、東京の小型タクシーとしてずいぶん乗った記憶があります。実に独創的な車で、形はカブトムシ型ですが流れるようなスタイルで、サスペンションは独立懸架、加速性も良く、流石、水冷4気筒と感動して、タクシーに乗るときはルノーを探して乗ったものです。
あのように独創的で、癖の強い、乗って楽しい車にはその後、2度と会っていません。フランスの文化を背負っていたのでしょう。JR武蔵小金井駅北口の1964年頃の写真の左手前にルノーが写っています。年輩の方はきっと懐かしい車と思いご紹介します。写真の出典は、小金井市教育委員会、編集・発行CD「写真でたどる昭和の小金井」、です。