後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

キリスト教・宗教のあれこれ(1)欧米人へ自慢する話

2008年09月14日 | 日記・エッセイ・コラム

Ouratenr1 Ouraten81

(写真は大浦天主堂の内陣、出典:http://park10.wakwak.com/~cdc/nagasaki/ouracatc/index.html 

この随筆シリーズは肩の力を抜いて、気軽に楽しめる水彩画を描くように、あれこれ面白い話を書いて行きたいと思います。大上段に構えた議論は一切しない。身辺些事の中で、キリスト教や仏教や神道に関する面白いエピソードを取り上げて行くつもりです。

ところで、宗教とは関係ない話ですが、筆者は満州事変のころ生まれ、太平洋戦争の間に少年期を過ごしました。そんな事情で、心の奥底には欧米人へたいする対抗心がオリのように溜まっています。1988年から1990年にオハイオ州に住んでいたときは、良く同僚のアメリカ人とビールを飲み、政治、経済、宗教などの議論に口角泡をとばしました。まあ、日本の自慢もするわけです。

オハイオ・ホンダ工場が成功していたので、日本の車製造技術の話を得意そうにしました。でもすぐ反論され形勢が悪くなります。色々な話題の中で決定的に成功したのは、260年にわたる隠れキリシタンの話です。特に1865年、フランス人のプチジャン神父が、長崎の大浦に天主堂を建てたときの隠れキリシタンの出現の情景を話すと皆感動します。

「神父様、われわれは幕府の禁教に耐え、キリスト教信仰を260年間、捨てませんでした。いつかは海の向こうから神父様がもう一度やって来て天主堂を建ててくださると、世々代々信じてきました。それがこの大浦の天主堂なのですね」

日本人ならよく知っているこの話を欧米人は知らない。知らないくせに日本でキリスト教徒が少ないことを指摘する。そのことを、なんとなく尊敬できないような話ぶりをする。

しかし、1865年に大浦天主堂でプチジャン神父が体験したこの話をすると皆感動する。そんな例は欧米には無いという。いつも起きる反論や議論が起きない。

日本のことだけを自慢するのはあまり見上げたことではないが、何かいささか溜飲が下がった。(終わり)


中古クルーザーヨットの買い方、改訂版(3)クルーザーの構造を楽しみながら理解しよう!

2008年09月14日 | うんちく・小ネタ

@ヨットの構造は知るだけで面白い

舟の中心に帆柱を立て、四角い帆を揚げ、後ろから風を受けて走らせる。船尾には舵がついていて、走る方向を変えることが出来る。これが日本の昔からあった帆船の構造である。至極簡単な構造で、種も仕掛けも無い。

クルーザー・ヨットの構造は日本の帆船に無い2つの仕掛けを付ける。

(1)四角い帆をやめて三角形の帆2枚にし、帆柱の上端に三角形の細い方の隅を揚げる。

(2)船底に、横流れを防ぎ、船の横転を防ぐため、重い鋼鉄製の板(キール)を固定し、水中深く下げている構造にする。

四角形の帆を揚げている限り絶対に風上には走れない。これは科学的原理である。この原理の説明はいずれ稿を改めてする。エジプト人や西洋人が三角形の帆を用いたのは原理を知っていたからではない。経験上、三角形にすると風上に少し登れることを知っていたからである。

写真はクルーザー・ヨットを横から見た図で、マスト(帆柱)の前後に三角形の帆が揚がっている。この三角形の帆が日本の帆船と根本的に異なる仕掛けである。

もうひとつの重要な仕掛けは船底から突き出ているキールである。   写真にKeelと書いてあるのがそれである。重い鉄板で船の総重量の40%位の重量がある。重くないと船の横倒れを防げない。(風上に向かって走る時、横風を受けるので)

Photo_2_2

@ヨットの部分品の名前を少し知ると興味が湧く

野球などの外来のスポーツでは用語を英語のまま使う。ピッチャー、バッター、スクイズ、などなど日本語化しているのも多い。ヨットも同様であるが野球ほど普及していないので日本語化はしていない。

そこで少しだけ紹介しておく。帆柱はマスト、前帆はジブ・セイル、主たる帆はメイン・セイル、舵はラダー、舵棒はテラー、船首はバウ、船尾はスターン、メイン・セールの下端を止めている水平の棒をブーム、と言います。

マストが倒れないように船首から引いているワイヤーをヘッドステイ、後ろへ引いているのがバックステイといいます。マストが横倒れしないように引いているのがシュラウドと言います。

それからヨットの中で用いるロープ類には使用目的に従って固有名詞があり決してロープとは呼びません。メインセイルの下端の位置を調節するロープはメイン・シート、同じようにジブセイル下端についているのはジブ・シートと言います。メインサイルをマスト先端まで引き上げるロープはメイン・ハリヤード、同じようにジブセイルを揚げるロープをジブ・ハリヤードと言います。

アンカー(錨)につけるロープはアンカーロープ、船の係留に使うロープは

舫(もやい)ロープといいますが、両方とも船の舷側の外側で使用するのでロープという言葉を用います。

この写真では描いていませんが、エンジンはキールと舵の間の船底近くに固定して、スクリューを回転させます。この写真にはスクリューもエンジンも描いてありません。このエンジンは補助機関と言い、港の出入りの時に使用し、港を出たところでセイルを上げます。帆走が始まればエンジンは止めます。

中古ヨットを買う場合はまず以上のような構造が正常な状態であるかをよく観察します。そして、上に紹介した部分品がすべて完備しているか注意深く手で触って、動かしてみて確かめます。

尚、クルーザー・ヨットの構造はフォトアルバム「中古ヨットの見分け方」のの多数の写真を眺めると、自ずと理解できます。写真をご覧下さいます一段と明確にご理解できます。(続く)

写真の出典:G.Jobson著「SailingFundamentals」1987年版