動物たちにぬくもりを!

動物愛護活動の活動経過や日々の出来事、世の中の動き等幅広く紹介します。

わずか2部屋で猫が64匹に異常繁殖

2023-07-31 06:11:48 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

わずか2部屋で猫が64匹に異常繁殖…
多頭飼育崩壊を起こした「ゴミ屋敷の女性住人」が獣医に話したこと

2023年7月16日(日)  

獣医師の齊藤朋子さん(通称モコ先生)は「猫の殺処分ゼロ」という目標に向かい、格安で野良猫の不妊去勢手術をうけ負っている。
野良猫が繁殖する背景の一つに、多数のペットを不妊去勢手術を行わないまま無計画で飼う「多頭飼育」があるという。
笹井恵里子さんの著書『野良猫たちの命をつなぐ 獣医モコ先生の決意』(金の星社)より、一部をお届けする――。
(第3回/全3回)
※本稿は、小学校高学年向けの児童書からの抜粋記事のため、漢字表記などが一般書とは異なります。

■「人が住んでいない借家で猫が繁殖している」
最近は各地で「多頭飼育崩壊」という現象が起こっています。
ペットを多数、不妊去勢手術など行わないまま無計画で飼った結果、飼い主の予想をこえて異常繁殖してしまうのです。
えさ代などがかさんで経済的にも行きづまり、室内はペットのふんにょうが垂れ流しになったり、共食い、害虫などの発生が起きたりなどひさんな状態になってしまうことが少なくありません。
ペットを飼っている人だけでなく、ペットショップにペットを納入する繁殖業者のブリーダーや犬猫を保護していた人が多頭飼育崩壊にいたってしまうこともあるのです。
モコ先生も、そういった事例にいくども関わったことがあります。
2023年最初の茨城での手術のあとも、多頭飼育崩壊の場所から保護した猫たちにワクチンを打つ仕事が入りました。
その件は、茨城さくらねこクリニックを管理する長谷川道子さんのもとへの電話から始まりました。
行政から「借家に猫が繁殖していて近隣から苦情が寄せられています。
中にもう人は住んでいないようですが」という連絡が入ったのです。
長谷川さんを中心としたボランティアさんたちと行政がほかく器を設置して猫をつかまえました。

■二部屋だけの室内に、なんと64匹も
二部屋だけの室内に、なんと64匹もの猫がいたのです。
保護しても、これだけの数の猫を置いておく場所がありません。
長谷川さんはインターネットで寄付金をつのり、集めたお金で倉庫のような広い場所を借りました。
「1匹なら適切に飼えただろうに60匹って……」
モコ先生がワクチン接種に向かう車中でため息をつきます。
これこそ動物を飼う資格があるように思えませんでした。
猫のいる場所にはボランティアさんが待機しています。
1月の茨城はストーブをたいても、コートを着ていないと身ぶるいするほど室内が寒いです。
猫たちは1~2匹ずつケージに入っていました。
えさは十分にあったのかやせ細った猫はおらず、どの猫もころころとしています。
けれども人への警戒心がとても強く、ちょっとケージに手を近づけるだけでバタンゴトンと、中で大暴れ。
「ちょっとごめんねー」
モコ先生がケージの外から注射針を打とうとすると、猫が大きく暴れたので水を入れた皿も、えさもひっくり返ってしまいました。
あたりがびしょびしょです。
いっしょにチャレンジする青山先生、満川先生も大苦戦。
ケージの上から布のカバーをかけて少し暗くし、猫を少し落ち着かせてから1本1本打っていきます。
「あ─!」
「そっちいった、満川先生お願いします」
「いやだよねー、ごめんね」
先生たちは手をかえ品をかえ、猫に近づこうとします。
すべての猫に打ち終えるのに、いつもの倍くらいの時間がかかってしまいました。

■多頭飼育崩壊を起こした「ゴミ屋敷」
この場所の近くに猫が育った、多頭飼育崩壊を起こした家があるというので、みんなで見に行くことにしました。
ベニヤ板のようなもので作られた平屋でした。
外には段ボール箱やビニールぶくろが山積みされていて、いわゆるゴミ屋敷といっていいような外観です。
中はもっとひどい状態でした。
ちぎれた衣類やどろ、土でゆかがうまり、くつをぬいで上がれるような環境ではありません。
室内には二部屋あり、真ん中にあったであろう戸は破られ、わく組みだけがそこに残っています。
台所にはカビがびっしり。
冷蔵庫やレンジの前は物が積み上がっているので使用できなかったことでしょう。
夫婦で住んでいたようですが、事情があって夫が出ていき、残された妻である女性が管理できず、このような状態になってしまったとのこと。
女性もしばらくすると、この家を出ていき、外から中をうかがっていたようです。
ある日、行政に「猫のえさが足りない」という連絡が入り、よくよく話を聞いてみると、室内で異常繁殖しているらしいことがわかりました。


多頭飼いされていた平屋の居間。くつなしでは歩けない - 筆者撮影

■「室内での多頭飼育」か「屋外での野良猫生活」か
いったい女性はどんどん増えていく猫たちを見て、何を思っていたのでしょうか。
室内でぎゅうぎゅうに暮らす猫たちと、屋外で寒さや飢えにたえながら暮らす野良猫たち――みなさんは猫にとってどちらの環境が望ましいと考えるでしょうか。
モコ先生が茨城さくらねこクリニックにもどると、長谷川道子さんが電話口に向かって大きな声で話していました。
「ですから!」と強い口調で言っているところを見ると、何度か同じ内容の話をくり返しているようです。
「人といっしょに暮らしていくことが本当によいことなのか、考えてください。『えさやりさん』がいる猫を家の中に入れなくても、ふだんは外で過ごして、時々えさやりさんにお世話してもらう形のほうがいいこともありますよ。それに譲渡会に出しても、必ず新しい飼い主さんが見つかるわけではないんですよ」
しばらくして電話を切ると、「まったくもう、譲渡会に出しさえすればいいと思っているんだから」と、長谷川さんがつぶやきます。

■20匹近くの猫を引き取っていくボランティアもいる
TNRは野良猫をつかまえて不妊去勢手術を受けさせ、また元の場所にもどすことが基本です(第1回記事参照)。
けれども一時的に猫を預かっているうちに、このまま室内で人と暮らしたほうが猫も幸せなのではないかと考える人もいます。
でも、自分のところでは飼えない。
だから新しい飼い主を見つけるため、譲渡会に出したいという相談でした。
こういった相談はよくあるそうです。
「長谷川さんの言うとおりだと思うよ。えさやりさんがいるなら、ね」  と、モコ先生。
えさやりさんとは、定期的に野良猫にえさをあげる人のことです。
長谷川さんは顔を上げてこう言います。
「ここは東京とちがって田舎なので、外でえさをもらう生活ができるなら、そのほうが猫にとって幸せじゃないかなって私は思うんです。人が好きでもないのに家の中できゅうくつな思いをしながら生活するなんて、そちらのほうがかわいそうですよ」
夕方になると、野良猫を預けたボランティアさんたちが車で猫を引き取りにきます。
60代後半のある女性は、手術を終えた20匹近くの猫を引き取っていきます。
「他の人がつかまえた分も私がまとめて引き取りにきたんですよ」
60代の女性が猫を運びながら、長谷川さんに説明します。
「自宅の近くではしょっちゅう車に子猫がひかれていてね。春が近くなるとオスがメスを探して動き始めるから、その前に少しでも多く手術を進めようと思って」

■「えさやりさん」の心の中
戦中戦後を生きぬいてきた高齢者は野良猫を見ると、かわいそうとご飯をあげたくなり、えさやりさんになってしまうのではないかと、長谷川さんは推察しています。
えさやりさんは、自分がえさをあげていた野良猫が子猫を産むとどうしようとなやみ始めます。
そんな時に長谷川さんのような人が手術の必要性や、自治体などの助成金を使えばほぼ無料で手術ができることを説明すると、納得してくれるのです。
高齢者でもちゃんとつかまえて、ほかく器に入れて猫を連れてきてくれます。
自分が年だし、猫より先に死んだら世話ができないから、これ以上猫が増えないように、という思いでやっているようです。
不妊去勢手術をすればえさをあげても、もう繁殖しませんからね。
女性が乗る車の後部座席からは、ミャーミャーの大合唱。
「ちょっと待ってねー」と、女性は猫に話しかけながらケージをせいとんしています。
全部で20ケージはありそうです。
まだ入りきらないケージがあるので今度は助手席にも積んでいきます。
女性が運転席に座るとバックが見えないのではないかと思うほど、車の中は猫が入っているケージでぱんぱんになりました。
「それじゃ、安全運転で帰りますね」
女性は言って、去っていきます。

■ほんとうの理想はTNRのいらない世界
TNRはよい方法のように感じますね。
でも青山先生は「いずれはリターンをなくしたい」と打ち明けます。
「殺処分はもちろん、TNRがない世界になるといいな。すべての猫が人に譲渡できたらいいよね。それが難しければ、せめて安くないと医療が受けられない野良猫でなく、みんなから見守られる地域猫でいてほしいなあ」
その根底には「野良猫も飼い猫も同じ命」という思いがあるのです。
「私は野良猫だけじゃなくて、普通の飼い猫のオペもするし、高度医療も行う。動物が好きだから、どの子(猫)も大切。野良猫にも、みんなで平等にお金をかけて助けようよ、って思うんです。だって私たちがその子たちを路頭に迷わせたのですから」

■「お金を払えないなら何もできない」
人が野良猫にどこまで関わったらいいのか、正解はありません。
モコ先生は、一人の人が全部やる必要はなく、できることをしたらいいと考えています。
ずっと忘れられない出来事があるのです。
mocoどうぶつ病院を開院する前に、アルバイトで短期間働いていた病院でのこと。
その動物病院は純血種の犬を連れてくる人が多いところでした。
待合室はいつも大混雑。
診察費が高いことで有名でしたが、そのぶんモコ先生のような獣医師をふくめ従業員のお給料にそれが反映されていました。
働く人にとっては待遇のよい病院だったのです。
ある日の夕方、小学生くらいの子ども三人がこの病院を訪ねてきました。
そのうちの一人が両手に大きな段ボール箱をかかえていて、残りの二人が受付の人に何かを話しかけていました。
するとおくから院長先生が「お金はだれがはらうんだ」と事務員に言っている声が聞こえてきました。
費用の相談をするのか、子どもたちは病院の電話を借りて、親と話しているようです。
ある子が「うん、うん」とうなずき、うなだれて受話器を置きました。
そばにいた二人に視線を移し、首を横にふっています。
「じゃあ何もできないけど、そこに置いていきなさい」
院長先生が受付前に出てきて、子どもたちに言いました。
事務員に対してよりははるかにおだやかな声です。
子どもたちはうなずき、もごもごと「よろしくお願いします」とつぶやきながら、段ボール箱をゆかに置いて立ち去りました。

■「すみっこの段ボール」がいまも脳裏に焼き付いている
子どもたちがいなくなった後、院長先生は看護師に「すみっこに移動させておいて」と指示しました。
今度は冷たい、よくようのない声です。
看護師さんたちがときおり段ボール箱をのぞきこみ、なみだぐみながら何かささやき合っています。
モコ先生もそっと近づき、段ボール箱の中をのぞきました。
段ボール箱には透明なビニールぶくろがしかれていて、その上に黒い猫が横たわっていました。
体には白いつぶのようなものが大量についています。
シラミがわいているのです。
猫はかなり衰弱していて、もう虫の息でした。
そしてその日のうちに、黒猫は死にました。
「何かしてあげられること、あったんじゃないかしら。院長先生、ひどい」
看護師さんはなみだを流していましたが、モコ先生は自分も院長先生と変わらないと思っていました。
治療しましょう、手当てしましょうと言えなかったからです。
それどころか子どもたちが帰った後、院長先生が「まったく、獣医はボランティア事業じゃないんだ」と言えば、(たしかにそうだな)と反論できず、だまるしかありませんでした。
けれどもその時に目にした、診察室のすみっこにまるでけがらわしい、じゃま者のように置かれている光景が、モコ先生の脳裏にずっと焼き付いているのです。

■「何もしない選択」を選ばなくてもいい環境を
あれから15年近くが経つ今、もし当時のように子どもたちがmocoどうぶつ病院に「死にそうな野良猫」を連れてきたら……そうしたらきっと「連れてきてくれてありがとう」と言うだろうと、モコ先生は考えます。
動物の死に際に人間ができることなどありません。
でもちょっと温めてあげる、点滴で水分やわずかな栄養分を補ってあげることはできる。
お金がはらえないから、もう死んじゃうからと「何もしない選択」は、獣医師の自分にとって後悔しか生まれないことを知っています。
(でもそれはmocoどうぶつ病院ができたから言えること。ここではすべて私の責任で決断し、行動できる)
だから15年前にやとわれていた時には、やっぱり言えないことだったのです。
初めての手術を指導してくれたオー先生はよくこう言っていました。
「一人にできることは小さいことかもしれないけど、何もしないよりはしたほうがいい。ここでできることをしよう」
だからモコ先生は野良猫が不妊去勢手術を受ける“ワンチャンス”を大事にしています。
(野良猫にとってこの手術が人間が関われるたった一度の機会かもしれない。もう一度この猫に人がふれることはないかもしれない。だから最初で最後の人の手は温かいものでなければいけない)

■野良猫は「めいわく」な存在なのか
青空が広がった2023年春のある日、モコ先生はボランティアさんたちと不妊去勢手術を終えた猫を元にいた場所にもどすため、大きな公園にやってきました。
ほかく器の入り口を開けると、猫が勢いよくビューッと、一目散に飛び出していきます。
「野良猫ってめいわくなのかな」
モコ先生が独り言みたいにポツリと言いました。
「昔はどこにでも野良猫っていたし、えさをあげなくても生きていたし……でも今は飼い猫なら家から出しちゃダメだし、野良猫の命もいつかつきる。存在さえ許されない社会ってさびしいよね」
その時ふと、公園のすみでホームレスの人が野良猫をだっこしてうたたねしているのが目に入りました。
まだ肌寒い外で猫をだっこしていると温かいのでしょう。
モコ先生の視線を追って、ボランティアさんもそれに気づきました。
「先生、あの猫に手術を受けてもらえないか、私が聞いてきますね」
ボランティアさんは言うなり、空いたばかりのほかく器をかかえ、ホームレスの人のところに走っていきます。
とちゅう、自動販売機で飲みものを購入し、ホームレスの人にそれを差し出しながら何かを話しかけています。

■「猫も、私も、今この瞬間を生きている」
その人は説明に納得したのか、猫をだきしめていた手をゆるめます。
ボランティアさんはそのすきまから猫を受け取り、すぐほかく器に移しました。
そしてまた走ってこちらにもどってきます。
その顔は笑っていました。
病院にもどり、モコ先生はほかく器にいる野良猫を首をかしげてのぞきこみました。
鳴かないけれど、緊張しているのがこちらに伝わってきます。
麻酔から覚めるまでに必要な時間を考えると、手術は今日ではなく明日がいいでしょう。
「明日手術だから本当はあげちゃダメなんだけど……少しだけね」
モコ先生はそう言って、少量のえさの入った皿をほかく器の中に入れました。
ちょろちょろと食べ始める猫の姿がかわいくて、すきまから少し頭をなでました。
温かい。
猫も、私も、今この瞬間を生きている。
そう思いました。

【写真】猫64匹が異常繁殖していた平屋の室内。靴を脱いであがる状況ではなかった。

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笹井 恵里子(ささい・えりこ)
 ジャーナリスト 1978年生まれ。「サンデー毎日」記者を経て、2018年よりフリーランスに。著書に『週刊文春 老けない最強食』(文藝春秋)、『救急車が来なくなる日 医療崩壊と再生への道』(NHK出版新書)、『室温を2度上げると健康寿命は4歳のびる』(光文社新書)、プレジデントオンラインでの人気連載「こんな家に住んでいると人は死にます」に加筆した『潜入・ゴミ屋敷 孤立社会が生む新しい病』(中公新書ラクレ)など。新著に、『実録・家で死ぬ 在宅医療の理想と現実』(中公新書ラクレ)がある。ニッポン放送「ドクターズボイス 根拠ある健康医療情報に迫る」でパーソナリティを務める。 過去放送分は、番組HPより聴取可能。

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ジャーナリスト 笹井 恵里子


炎天下の犬の散歩、絶対やめて!

2023-07-30 06:10:58 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

「心臓がバクバクしました」炎天下の犬の散歩、絶対やめて!
「熱中症で命を落とします」動物愛護センターのボランティアが注意喚起

2023年7月18日(火)  

全国各地で厳しい暑さが続く中、炎天下に犬の散歩をしている飼い主さんたちに向けて、こんな注意喚起の投稿がTwitterで注目を集めました。
「30℃の気温の中買い物で出かけた1時間の間に散歩させられているトイプー、シーズー、茶ラブを見かけ、心臓がバクバクしました。死にますよ?熱中症で命を落とします。ご自身が毛皮を着て這いつくばって木陰もないコンクリートの上をハイハイしてみてくださいよ。想像力を働かせてください。」
投稿したのは「お散歩隊」さん(@osanpo_center)。
千葉県動物愛護センター(本所・千葉県富里市)に収容されている譲渡対象となった犬たちの散歩をサポートしているボランティアグループです。
今回投稿したお散歩隊の管理者によると、30度と真夏日を記録した日の午後、買い物で外出した時に炎天下で犬を散歩している人たちに出くわしたといいます。
「暑い日差しの中でお散歩させられている子たちを見かけたのは、13時頃から出かけた小一時間のことです。3匹一緒ではなく、それぞれ別々の飼い主さんに連れられていました。その際、どの子もひどいパンティングという口を大きく開けて浅く速い呼吸をしていたんです。見た瞬間、『死んじゃうってば!』と私の心臓がバクバクしました…」

散歩中の犬の荒い息づかいに要注意! 熱中症かも…!?


こうした荒い息づかいのパンティングは犬が熱中症になったときの症状の一つとのこと。
そんな犬たちの様子を見て心配したものの、声を掛ける間もなく飼い主さんたちは足早に通り過ぎて行ってしまったそうです。
さらに夏は道路のアスファルトの温度が60度を超えるほど熱くなることもあるといい、炎天下で動く犬などは要注意だと訴えます。
「飼い主さんが靴を脱ぎ、毛皮を着て裸足でアスファルトなどの上を歩いてみると犬がどれだけ命の危険にさらされているのか、一番分かるのではないかと思います。夏場のお散歩は太陽が出ている日中は避け、朝夕の涼しい時間や地面の熱が下がっている時間帯に行くことです。特に路面温度が上昇して素手では触れられないような時は絶対避けるべき。 また、車やカートで木陰の多い公園に犬を連れて行って散歩するなど、いつもの生活リズムや環境に変化をつけることも大切。それを面倒がって命の危機管理ができないようであれば、家族として犬や猫など動物を迎える資格がないと思います。昭和の時代とは全く違う、殺人的な猛暑となったこの時代ですから…クールベストなどの熱中症防止アイテムも活用するのもおすすめです」


夏は道路のアスファルトの温度が60度を超えるほど熱くなることも
【注意喚起のポスター】炎天下のお散歩は危険です!

   ◇   ◇

管理者によると、お散歩ボランティアは、同動物愛護センターに収容後、選定を経て譲渡対象になった犬たちの社会化、馴化(じゅんか)をサポートするために開始。
以前は外に出ることもなく、収容棟のケージ内にいるしかなかった犬たちを犬らしく、心身ともに健全な状態に近づけられるよう、散歩を通して取り組んでいるそうです。
収容棟前のドッグランも「多くの人からのご支援やご厚意を得て建設し寄贈しました」とのこと。
またお散歩ボランティアは、お散歩隊のメンバーのほか、一般の参加者を募っています。
毎週金曜日に実施。管理者は「少しでもセンターの現状に触れ、お散歩ボランティアの体験を通して犬や猫についてのさまざまな問題に目を向けて欲しいと考えています」と話してくれました。
問い合わせは、Eメールで。


お散歩ボランティア中。左からつつじちゃん、ひまわりちゃん、あさがおちゃん(お散歩隊さん提供)


お散歩ボランティア中。大五郎くん(お散歩隊さん提供)

(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)

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置き去り、絶対やめて! 小雨のなか道端のフェンスにつながれた秋田犬を保護 「自分に置き換えて考えて」


愛犬とともに太平洋を3か月漂流

2023-07-29 05:50:11 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

愛犬とともに太平洋を3か月漂流 男性が奇跡の生還
 生魚と雨水で飢えをしのぎ… メキシコ

2023年7月19日(水)

日テレNEWS
奇跡の生還です。
愛犬とともに太平洋を漂流していた男性が3か月ぶりに救助されました。

約3か月間、太平洋で漂流し、奇跡の生還を遂げたティモシー・シャドックさん(54)。
18日、しっかりとした足取りで歩いて船を下りると、笑顔を浮かべました。
白いひげが長く伸びています。
ティモシー・シャドックさん 「かなりおなかがすいていたし、嵐を乗り切れるとは思っていなかった」
今年4月、シャドックさんはメキシコから出航しました。
しかし、数週間後に嵐で船が損傷し、通信機器も壊れたため、助けを呼ぶことができなくなったといいます。
それから約3か月後、マグロ漁船がシャドックさんを発見しました。
そのときの様子が撮影されていました。
マグロ漁船員 「こんにちは、英語を話せますか?」
シャドック 「はい。ありがとうございます」
マグロ漁船員 「出発の日付はわかりますか?」
シャドック 「はい、メキシコを出発して…」
救助された時、船の上には“1匹の犬の姿”もありました。
ティモシー・シャドックさん 「ベラは素晴らしい。あの犬は別格だよ」
シャドックさんは、愛犬の“ベラ”とともに漂流していました。



生魚を食べたり雨水を飲んだりして生き延びたということです。
過酷な状況も、愛犬の存在によって耐え抜くことができたのでしょうか。
3か月ぶりに地面を踏んだシャドックさんは、健康状態に問題はないと話しているということです。



【男性が奇跡の生還】愛犬とともに太平洋を3か月漂流 メキシコ - YouTube
犬と一緒に太平洋を... 3カ月漂流 奇跡の救助 - YouTube
太平洋で3カ月漂流 奇跡の救助 愛犬に勇気づけられ - YouTube


猛暑の中、子猫をゴミのように遺棄

2023-07-28 06:10:22 | 動物実験・動物虐待

子猫をゴミのように遺棄「なんてひどいことを」
 猛暑の中での非道行為に非難殺到

2023年7月17日(月) 

保護時はひどい猫風邪、1匹は角膜炎で失明寸前の状態
厳しい暑さの中、発泡スチロールの箱の上からビニール袋をかぶせられ、まるでゴミのように遺棄された4匹の子猫……。
そんなかわいそうな捨て猫を保護したという投稿が、ネット上で話題を呼んでいる。
鹿児島でマンゴー農家を営む農業姉妹(@tfy0411)さんに、発見時の状況と投稿に込めた意図を聞いた。


放置された子猫たちの発見時の様子【写真:本人提供】

「いつかあるだろうとは思っていたけど、初めてお店の前にあからさまな捨て猫をされました」
今月5日に行われた投稿は、6000件を超えるリツイート、3.4万件の“いいね”を集めるなど話題に。
「こんな炎天下の夏になんて酷いことを」
「この暑さでビニール袋に入れて放置して捨てたなんて殺したと同罪」
「本当にこんな奴らは逮捕して実刑にすべきだわ 余りにも罪の意識が無さ過ぎる」
「これは犯罪なんだけど警察も本腰入れて犯人を探さない。万が一、捕まっても刑罰は甘々。そりゃ捨てる人は居なくならないよ」
と憤りの声が相次いでいる。

鹿児島県内のマンゴー直売カフェを拠点に保護猫活動を行っているという投稿者は、発見時の状況について「夕方、直売所から数十メートル離れたマンゴーのハウスで作業をしていましたが、午後7時前に直売所へ戻ると、直売所手前のデッキスペースの入口に袋に入った箱があるのに気づきました。何だろう? と思いましたが、数メートル手前で袋の中にうっすらと動く影が見えて、もしかして……と思ったら案の定、子猫が入っていました。他の保護ボランティアさんのところに子猫が遺棄されていた話を聞いたこともありますし、うちのお店は人通りの少ない場所にあるので、そういったことがいつか起こるのではないかと心配は常にしていました」と説明。
ビニール袋の口は縛られており、空気穴も空いていなかったという。
保護した猫の現状について「ひどい猫風邪で1匹は角膜炎がひどく、下手したら失明するところでした。保護した翌日に病院にかかり、今ではごはんをたくさん食べて元気に育っています。失明寸前の子については、改善傾向ではありますが、まだ完治はしていません」とした。
今後については「小さい子は終日、目を配らないといけないため、私自身のほか、日頃からうちの従業員もミルクボランティアとしてお世話をしてくれています。今回も比較的手が空いていたスタッフが4匹を連れて帰り、夜間などは面倒を見てくれています。離乳が済んで、トイレをちゃんと覚えたら里親さんを募集する予定です」としている。
今回の投稿に込めた意図について、投稿者は「より大きく拡散されて、猫たちを遺棄した人の目に届いてほしいということです。見た人が、きっと遺棄に対する怒りのコメントを寄せてくださるだろうと思いましたので、私の気持ちだけでなく、周囲から見ても、あなたのやったことはひどいことなんだというのが伝われば良いと思いました。こんなに注目されてしまうほどのことなんだ、ということを当事者以外の人にも知ってもらうことで、今後の抑止力にもなってくれたらいいなと思います」と話している。


元気に育っている保護された4匹の子猫、現在の様子【写真:本人提供】

ENCOUNT編集部


「愛情で救える命がある」社会起業家へ走り出す沖縄の高校3年生

2023-07-27 05:57:38 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

「愛情で救える命がある」社会起業家へ走り出す沖縄の高校3年生
 ペット殺処分ゼロへ独居高齢者に譲渡策を探る シリコンバレーで研修も

2023年7月17日(月) 

【宜野湾】
ペットをみとった今は、1人暮らし。話し相手がいなくなった家はあまりに静かで…。
そんなお年寄りに猫や犬をもう一度迎えてもらい、「殺処分ゼロ」をかなえたいと考える高校生がいる。
宜野湾市の沖縄カトリック高校3年のラザフォード・クリスティー・雛子さん(18)=北谷町在住。
「もちろん簡単じゃない。でも、きっと何かできると思う」。
解決モデルを探り、社会起業家として走り出そうとしている。
(中部報道部・平島夏実)

 
企業を目指すラザフォード・クリスティー・雛子さん(提供)

社会起業家は、社会の課題をビジネスで解決する。
興味も強みも分からず進路に悩んでいたラザフォードさんだが、「ペットの殺処分をなくせたら」という気持ちはあった。
胸に手を当てて考えると、自宅のチワワの「ココちゃん」が原点。
重度の皮膚病に苦しみ、ブリーダーの元で売れ残っていた。
ガリガリに痩せ細り、生死をさまよっていた。
知人を通じて引き取った母が動物病院に通い、餌をあれこれ試した姿を覚えている。


一命を取り留めたラザフォード・クリスティー・雛子さん宅のチワワ「ココちゃん」(提供)

「愛情で救える命がある」と強く感じた。
一方で、ココちゃんは殺処分されていたかもしれないとも思った。
どんな生き物も、そうあってほしくない。
まずは全国的に処分頭数の多い猫から始めようと思った。
高校2年の時、次世代のビジネスリーダー育成プログラム「Ryukyufrogs(琉球フロッグス)」に参加した。
投資家などから助言を受け、今春にはIT企業が集まる米国カリフォルニア州のシリコンバレーで研修を受けた。
「社会を良くしたい」という熱意と、ビジネスの厳しさのはざま。
煮詰まった時には「現場」に立ち返った。
「もう一度飼いたい」と切実な声を聞いた読谷村の高齢者施設。
「単に譲渡すればいいというわけではない」と猫の幸せを考える保護団体。
獣医師への聞き取りでは、1人暮らしのお年寄りが急に入院した場合や、認知症になって猫の健康状態を把握しにくくなった場合の支援が必要だと分かった。
ラザフォードさんは、お年寄り向けの既存の見守りサービスを基に、ペットとの生活をどう支えられるか探っている。
卒業まで約8カ月、生の声をもっと聞きたいと思っている。
「考えるだけでは進まない。行動は、やりたいことをかなえる近道だから」

この記事の他の写真・図を見る

(写図説明)
起業を目指すラザフォード・クリスティー・雛子さん(提供) (写図説明)一命を取り留めたラザフォードさん宅のチワワ「ココちゃん」(提供) (写図説明)(左)読谷村内の高齢者施設で聞き取りをするラザフォードさん(右) (写図説明)(右)米国カリフォルニア州のシリコンバレーで研修を受けるラザフォードさん(右端)(いずれも提供)


記録的な大雨で川が増水…行方不明になった人の飼い猫7匹を保護

2023-07-26 06:04:00 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

記録的な大雨で川が増水…行方不明になった人の飼い猫7匹を保護
 保護団体「ふっくらとしてて幸せに暮らしていた猫ばかり…無念」

2023年7月17日(月)  

全国各地で大気が不安定になり「線状降水帯」が発生するなど激しい雨が降り続いて、土砂災害や浸水、河川の氾濫など災害が相次いでいます。
今月1日深夜、記録的な大雨となった山口県美祢市内では軽自動車のドライバーが行方不明に。
そのドライバーが飼っていた猫7匹が家に残されたままとなり、地元の動物保護団体が無事保護しました。
保護したのは、同県長門市内で20年以上にわたり犬猫の保護活動をしているNPO法人「ちびたまのしっぽ愛護会」代表の山下未愛(みのり)さん。
山下さんによると、1日午前1時ごろ、美祢市内の県道で道路が冠水したため、7台ほどの車が立ち往生し、軽自動車のドライバーの飼い主だけが行方が分からなくなったといいます。
「当時、同市内を流れる厚狭(あさ)川が増水。軽自動車は流されたのか歩道の上に乗り上げていて、運転席の窓が開いていたらしく、このままでは車ごと流されると思って飼い主さんは車から降りられたのではないかと…そのまま増水した川に流されたのだと思います」
同市では、1日にかけて線状降水帯による記録的大雨が降り、厚狭川の氾濫をはじめ住宅の浸水、線路の崩落、水道の断水などさまざまな災害に見舞われたとのこと。
また13年前の2010年7月にも、集中豪雨のため同川の氾濫による大規模な浸水被害などが起きたそうです。
「以前も大洪水になり家まで流されたり死者が出たりしました。今回も住宅や線路などに多大な被害が出ています。この状況の中、警察が捜索していたとのことですが、飼い主さんの行方はまだ分からないようです」


行方不明のドライバーが猫7匹を飼っていた。写真は、とらちゃんと見られるキジトラ雄。2歳1カ月の最年少という(山下さん提供)

捜索3日目、軽ドライバーの飼い主行方が分からず…保護団体、猫7匹を里親募集へ
そして捜索3日目になり、ドライバーが勤めていた職場の同僚から山下さんのところに連絡がきたといいます。
「同僚の方から行方不明になった飼い主さんの猫7匹についてのご相談でした。飼い主さんのご自宅に猫たちだけが置き去りになってしまい、身内の方から猫のことを頼まれて同僚の方が毎日お世話に行っているとのこと。行方不明になって3日目になり、お元気で戻ってくることは難しいんじゃないかと…戻ってくることがなかったら、猫たちをどうしたらいいかととてもご心配されていました」
ドライバーの身内も猫たちを引き取ることは難しく、地元の保健所に相談したとのこと。
そこで最終的にドライバーの同僚から相談を受けた山下さんのシェルターに猫7匹を一時的に受け入れることとなりました。
「飼い主さんが住んでいた地域は野良猫が多く、おそらくご自身で保護された猫たちだと思います。また完全室内飼育でふっくらとしてて幸せに暮らしていたと想像できます。これだけの猫たちを大切に育てていて、飼い主さんはきっと優しい方だったんだろうなと切なくなりました…無念です」
7匹の猫たちの名前は、とらちゃん、みきちゃん、みーちゃん、ぴーちゃん、しろちゃん、ゆきちゃん、くーちゃん。
かかりつけの獣医師によると、猫の名前は分かるものの、どの毛色の猫の名前なのか…把握していなかったとか。
とはいえ、行方不明になった飼い主さんはいまだ見つからず。
猫たちのそれぞれの名前が判明しなくとも、山下さんは猫たちの里親を募集することに踏み切りました。
「猫たちは状況が変わり過ぎて落ち着かない様子を見せていますが、私たちのシェルターよりも一般家庭でかわいがっていただくことで少しずつ落ち着いてくるかと思っています。 飼い主さんの安否が分からないまま複雑な気持ちではありますが、身内の方の引き取りが難しいこともあり、里親さんを募集させていただきます。 成猫ですが、みなかわいくて健康な子ばかりです」
里親募集についての問い合わせは、ホームページ「ちびたまのしっぽ愛護会」の「里親応募フォーム」まで。

【写真7枚】保護された7匹の猫たち

(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)

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声が掛からず2年間も愛護センターに収容された30キロの保護犬

2023-07-25 05:56:38 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

声が掛からず2年間も愛護センターに収容された30キロの保護犬
 日なたをぐいぐい歩くのが好き 引っ張られたスタッフは筋肉痛に 

2023年7月13日(木)

東京・足立にある保護犬カフェ・PETS(以下、PETS)のスタッフが、宮崎の愛護センターに見学に行った際のこと。
大半のワンコたちが鳴き中、30キロ以上はあると思しき巨体で悠然としたワンコと目が合いました。
聞けば、あられという名のこのワンコ、2年間も愛護センターに収容されたままで、どの団体からも声がかからなかったそうです。
スタッフは、多くのワンコを保護し新しい里親さんへと繋げてきた経験から、「この子は絶対いい子」と確信。
あられを引き出すことをすぐに決め、東京に連れて帰ることにしました。


かなりの巨体で、目が合うと一瞬ドキッとしますが、実はとてもかわいいあられ

■散歩が大好きで「私帰るのイヤ!」とゴネることも
あられがどんな経緯で愛護センターに保護されたのかはわかりません。
ただ人馴れしており、保護した当初から上手に散歩できたことから以前は飼い犬だったのかもしれません。
あられが好きなのは「日なた」です。
散歩に出かけると、日の当たるところばかりを歩き、家に帰ろうとすれば「帰るのイヤ!」というアピールします。
巨体でありながら、愛らしいそぶりを見せるのでした。

■おっちょこちょいで素直な一面も
といってもやはりこの巨体です。
散歩中は、「自動車か?」というほどのパワーでリードを引っ張るため、スタッフは連日筋肉痛に悩まされたそうです。
さらにデコボコした石段などを歩くことを好みますが、スタッフが「そんな端っこを歩いたら危ないよ」と思っていると、石段から落ちてしまうことも。
他のワンコのオモチャを「ちょっと借りる」つもりで遊んでいたところ、あまりの強さから破壊してしまいスタッフから叱られてシュンとするなど、おっちょこちょいであり、すごく素直なところもまたあられのチャーミングなところです。

■第2の犬生を送ることに
エピソードに事欠かないあられですが、先日「迎え入れたい」という優しい里親希望者さんが現れ、PETSを巣立っていくことが決まりました。
スタッフは大喜びですが、存在感が半端なかったあられがいなくなることには寂しさも伴いました。
2年間も愛護センターで過ごしたあられです。
これからの第2の犬生では、いつまでもあられがあられらしく過ごし、絶対に幸せになってほしいと願って送り出しました。
たまにはまたPETSに顔を見せてね、どすこいあられちゃん!


大きな体を小さく小さく丸めて眠ります


ついに幸せをつかんだね。おめでとう!

保護犬カフェ・PETS https://ameblo.jp/pets-adachi203/

(まいどなニュース特約・松田 義人)


民家で猫80匹の多頭飼育崩壊

2023-07-24 05:51:20 | 動物実験・動物虐待

民家で猫80匹の多頭飼育崩壊、約20匹の死体も発見…虐待か?
 神奈川の動物愛護団体が刑事告発

2023年7月9日(日)   

神奈川県横浜市内の民家で猫が増えすぎて、飼い主が適正飼育をせず「多頭飼育崩壊」が起き、周辺住民の住環境に多大な影響を及ぼしていたことが分かった。
5月初旬には飼い主が猫たちの所有権放棄を申し出て、同市内にある動物保護団体「おーあみ避難所」(代表大網直子)が猫約80匹を保護。
さらにこの民家から20匹近い猫の死体が見つかるなど、飼い主による虐待(ネグレクト)の疑いとして「一般社団法人 動物虐待インターベンション」(神奈川県、代表河野治子)が動物愛護法違反の罪で告発した。
飼い主側は否認しているという。


神奈川県横浜市内の民家で起きた「多頭飼育崩壊」。約80匹の猫が保護された(河野さん提供)

◆近隣住民から「猫の死体のようなものが…」と、動物愛護団体へ相談
民家の多頭飼育崩壊が発覚したのは3月中旬。
動物虐待インターベンションの河野さんのところに「猫の死体のようなものが玄関口から見えていた」などと、段ボール箱から猫のしっぽが垂れ下がっている写真が送られてきた。
河野さんが現場に急行したところ、写真と同じ位置にしっぽが出ている段ボール箱を発見。

「動かない猫のしっぽが垂れ下がった段ボール箱」が発見され、事件が発覚
河野さんのところに送られてきた段ボール箱から猫のしっぽが垂れ下がっている写真(河野さん提供)

全く動かない状態だったため、警察や横浜市などに通報・相談し、同日玄関で8匹ほどの猫の死体が見つかったという。
「今回の現場で段ボール箱の猫を確認した後、横浜市動物愛護センターなどに情報提供に行きました。1月中旬から近隣住民は『ひどい臭いがしてくる』と通報していたそうです。その時は飼い主に会えず室内に入ることはできなかったようです。 実際、周辺はふん尿の臭いと死臭が混ざり合った、酷い悪臭がしていました。あまりにも臭いので定期的にアンモニア濃度を測ってくれと大家さんからご依頼があり、民家の裏庭の共用部分に立ち入っていたのですが…そこから室内はふん尿で汚れ、白い長毛の猫たちも体中にふんなどがこびりついてクリーム色に変色した猫が見えました。ある時には猫の死体が転がっているのを発見しました。死体は骨が不自然に露出していて、共食いされたのではないかと思いました」(河野さん)

◆4月に横浜市が立ち入り検査、横浜の団体が約80匹の猫を保護

横浜市が立入検査、20匹の猫の死骸が見つかったという
月には横浜市が立ち入り検査を実施。20匹ほどの猫の死体も見つかった(河野さん提供)

そして 4 月下旬にも、横浜市が立ち入り検査を実施し、通常民家ではあり得ない99ppm 前後の高い数値をアンモニア計測器が示し、相次いで猫の死体が発見されたという。

室内のアンモニア濃度は99ppmを表示、悪臭がひどかった
室内の場所によってはアンモニア濃度が99ppmを超えたという(河野さん提供)

「40代飼い主夫婦は数年前に長毛猫を数匹飼い始めたようです。徐々に猫が増えていって近隣住民らから悪臭などの苦情が相次ぎ、住んでいたマンションが契約解除に。それ以来、横浜市内で引っ越しを繰り返していたそうです。 4月に横浜市などが立ち入り検査を行った後、飼い主が入院し飼育そのものが難しくなり、飼い主側が猫たちの所有権放棄を申し出て『おーあみ避難所』が全頭保護することになりました。『おーあみ避難所』と協力団体が手分けしてこの猫全頭を複数の動物病院に受診させましたが、いずれの病院の獣医師からも『ネグレクトは明らか』という診断書が出ています」(河野さん)
近日、保護された猫たちの様子はYouTube「HGA48 犬猫ニュースチャンネル」で公開する予定という。

室内には、損壊した猫の遺体があったため、共食いも疑われる
室内で発見された損壊された猫の死体の一部(河野さん提供)

    ◇   ◇

◆動物愛護団体が警鐘「多頭飼育崩壊は飼い主さん、ご近所さん、動物たちを不幸にします」
横浜市の民家で起きた多頭飼育崩壊を通じて、河野さんはこう警鐘を鳴らします。
「数匹から始まり、乱繁殖した典型的な多頭飼育崩壊の事例。一部の雄猫だけ去勢手術をしていたようですが…経済的な理由があるならば、まずは雌を全頭避妊する必要があります。頭数が増えすぎてお世話ができなくなってしまうと、室内はふん尿だらけになり、悪臭や害虫の大量発生など必ず近隣住民とのトラブルにつながります。 たくさんのもふもふに囲まれて生活したいと考える方は多いと思いますが、多頭飼育は想像以上に大変です。当たり前ながら、膨大な数のふん尿の掃除をするだけで、時間がかかります。増えないように全頭避妊・去勢手術をした上で、きちんと個体管理。予防接種や病気の予防、治療など獣医療にかける膨大な時間もお金も必要になります。たくさんの動物を飼育する全ての人が崩壊にならないのは、時間や手間を惜しまずしっかりと衛生的な環境を整えた上で、一匹一匹の健康状態を見られているからです。 日頃のお掃除を怠るなど、適正飼育ができなければ飼い主さん、ご近所さん、そして猫たちが不幸になってしまいます。横浜市の現場は実際、不衛生な環境下に置かれて、頭数管理ができず餌が足りない状況で、免疫力が低下している弱い子が亡くなったり、共食いされたりした猫の死体が多数出てきました。身勝手な人間のずざんな飼育が動物たちの命を奪っていることを今回の現場を通じて知っていただきたいです」

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(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)

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動物病院の診察台で寝てしまった子犬がもうすぐ1才に!

2023-07-23 06:11:49 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

動物病院の診察台で寝てしまった子犬がもうすぐ1才に!
 “大物”を予感させたコの「現在」にほっこり

2023年7月9日(日)

まさかの場所で寝ちゃった!?
こちらは、Twitterユーザー@ara_aru6さんの愛犬・アルくん(アラスカン・マラミュート/撮影当時、生後2カ月ごろ)。
気持ちよさそうにスヤスヤと眠っているアルくんですが…アルくんが寝ている場所は、なんと動物病院の診察台!
病院が苦手な犬が多いなか、診察台で堂々と寝てしまうとは、スゴすぎる。
アルくん、なんだか“大物”になりそうな予感がします(笑)


「病院で寝るタイプ」

◆どのような状況だった?
診察台で寝てしまったアルくん。
飼い主さんに話を聞くと、2回目の混合ワクチンを打ちに動物病院に行ったときのことだったといいます。
飼い主さん:1時間ほど待合室で待っていたのですが、暑かったこともあり、アルは待っている間に疲れてしまったようです。
やっと診察室に呼ばれて診察台に乗ると、診察台がひんやり冷たかったのかそのままフセて寝始めてしまいました。
動物病院に行ったのはこのときが2回目で、特に緊張した様子を見せず、余裕な様子だったというアルくん。
しかし、まさか診察台で寝てしまうとは、思ってもいなかったそう。
飼い主さんは「これから注射をするという緊張は、私だけがしているんだな…(笑)」と思いながら、寝てしまったアルくんを見ていたそうです。


くつろぐアルくん

◆子犬時代のアルくんは、見た目がまるで「クマのぬいぐるみ」?
子犬時代のアルくんについて、「犬も人も大好きで、とにかく社交的」と話す飼い主さん。
見た目が「クマのぬいぐるみ」のようなので、すれ違う人に「かわいい」とよく言ってもらえたそう。
アルくんは自分が「かわいい」ということがわかっているのか、こんな行動を見せていたようで…。
飼い主さん:『かわいい』と言ってくれた人と目が合うと、誰彼かまわずなでてもらいに行きます。
家の工事をしに来ていた外構屋さんの休憩中に、上に乗っかりしっぽをブンブン振って甘えていた、なんてこともありましたね(笑)。

◆6月の誕生日でアルくんは1才に!

現在も成長中のアルくん

あれからスクスクと成長していったアルくんは、6月の誕生日で1才になります。
体が大きくなり、体重はついに飼い主さんを抜かしたのだとか!
体が小さかったときは動物病院の診察台の上で寝ていたアルくんですが、体が大きくなったためにいまは診察台の上で寝られなくなってしまったそう。
その代わりに待合室ででーんと寝転んでいたり、お友達が来ないか外を見て待っていたりするといい、いまでも愛らしい姿を見せているそうです。
アルくんについて、「“人”のような存在感です」と話す飼い主さん。
体はすっかり大きくなっておとなに近づいているアルくんですが、中身は変わらず「心は無邪気な子犬のままです」とのこと。
無邪気すぎるアルくんの行動にほっこりしたり、驚いたりすることがあるといいます。
飼い主さん:道ゆく人になでてもらおうと、アルは耳をたたんでアザラシのようになりながらしっぽをブンブン振っているのですが、その様子がとてもかわいらしいです。
飼い主さん:すごすぎて笑えたというエピソードで、アルはお留守番中はケージの中にいてもらうのですが、数カ月前についに抜け出してしまったんです。
犬がケージを抜け出す方法としてよく聞くのは上から飛び出すことだと思うのですが、アルはなんとケージを全部倒して出てきました(笑)
アラスカン・マラミュートのパワーは凄まじいなと、笑ってしまいましたね。

◆アルくんとの暮らしは「毎日が夢のよう」

「友達にすんごい甘えてる」

飼い主さんご夫婦は、アルくんと笑いあふれる楽しい日々を過ごしています。
アルくんのおかげで笑う回数が増えたといい、「アルは私たち夫婦にとって笑顔の元のような存在です」と話します。
そんなアルくんとの暮らしについて、飼い主さんはこう話していました。
飼い主さん:
夫も私も犬と暮らすということが初めてなので、お迎えする前は不安がとても大きかったです。
ですが、初めてのコがアルで本当によかったと思っています。
小学生の頃から犬との生活に憧れていた私にとっては、家に犬がいる毎日が夢のようで、とても幸せです。


テーブルの下に”落ちていた”アルくん


飼い主さんの膝の上で甘えるアルくん

写真提供・取材協力/Twitter(@ara_aru6さん)
※この記事は投稿者さまにご了承をいただいたうえで制作しています。
取材・文/雨宮カイ
いぬのきもちWeb編集室

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子猫10匹 北海道・苫小牧の児童センターに遺棄

2023-07-22 05:56:31 | 動物実験・動物虐待

子猫10匹 北海道・苫小牧の児童センターに遺棄 札幌の団体保護へ

2023年7月9日(日)   

7日午前7時半ごろ、苫小牧市宮前町2の錦岡児童センター敷地内に、段ボール箱に入れられた子猫10匹が遺棄されているのを、近くの錦岡保育園の職員が発見し、苫小牧署などに連絡した。
保護団体は「動物を捨てることは犯罪」と憤っている。


遺棄されていた子猫。汚れて雨にぬれた段ボール箱から、錦岡保育園の山口園長がきれいな箱に移した

同園の山口康男園長によると、子猫は5匹ずつ2箱に入れられ、やや衰弱していたものの目立つけがはなかった。
現場に駆けつけた市内の保護団体「ねこのかくれざと」藤田藍代表によると、5匹は生後3週間、ほかの5匹は生後1カ月とみられる。
10匹は藤田代表を通じて札幌の保護団体が預かる予定。
藤田代表は「飼い猫でも野良猫でも、むやみにかわいがるのではなく不妊・去勢手術を」と呼びかける。

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