動物たちにぬくもりを!

動物愛護活動の活動経過や日々の出来事、世の中の動き等幅広く紹介します。

170匹以上の犬を放置し虐待した疑いなどで元ブリーダーの男逮捕

2023-03-31 05:53:02 | 動物実験・動物虐待

170匹以上の犬を放置し虐待した疑いなどで元ブリーダーの男逮捕
 都からは48回の指導 東京・八王子市

2023年3月29日(水) 

繁殖させた犬を劣悪な環境で放置し虐待したなどとして、元ブリーダーの男が逮捕された。
その数は一時170匹以上に膨れ上がっていた。


尾川隆容疑者(46)

東京・八王子市の元ブリーダー尾川隆容疑者(46)は1月、販売用に繁殖させた甲斐犬などを不衛生な環境で放置し虐待した疑いなどがもたれている。
警視庁によると、尾川容疑者は子犬の需要が大きいことから繁殖を繰り返したが、販売がうまくいかず、多い時で170匹以上が放置状態になっていた。
「鼻をつんとつくような臭いといいますか、そんな感じで給水機が緑色になっていて、コケが生えていたりとか」(犬の保護を手伝った男性)
尾川容疑者は、犬の逃走などで東京都から48回の指導を受けるなどしていたが改善されなかったため、逮捕に至った。
「しっぽが半分くらいちぎれた子とか、耳の三角のてっぺんがなくなってる子とか。人にお世話してもらってた犬じゃないような」(犬を引き取った男性)
取り調べに対し「許容範囲を超えた。半年から1年に1回交配させていた」と容疑を認めている。
(ANNニュース)

劣悪環境の中一時170匹以上に…犬を虐待や飼育放棄の疑い 元ブリーダー逮捕(2023年3月29日) - YouTube
最大170匹超を多頭飼育…天然記念物「甲斐犬」を劣悪環境で虐待か 元ブリーダーを逮捕 - YouTube


劣悪環境で飼育の元ブリーダー「甲斐犬普及させたいと」柴犬も取り扱い…
10年超で約300匹・3200万円売り上げ

2023年3月30日(木)   

天然記念物の甲斐犬を劣悪な環境で飼育し虐待した疑いで、元ブリーダーの男が逮捕された事件で、男が「減少傾向の甲斐犬を普及させたいと思った」と供述していることが分かった。

元ブリーダーの尾川隆容疑者(46)は、2023年1月に東京・八王子市で、天然記念物に指定されている甲斐犬を劣悪な環境で飼育した動物愛護法違反の疑いで逮捕された。
その後の調べで尾川容疑者は「甲斐犬が減少傾向にあることを知り、普及させたいと思った。甲斐犬だけでは需要が低く、柴犬も取り扱っていた」と供述していることが分かった。
尾川容疑者は、見た目や健康状態で1匹1万~30万円で販売し、2010年からの13年間で約300匹を売り、3200万円の売り上げがあったという。



【画像】ケージに入れられた、たくさんの甲斐犬たち。中には、柴犬の姿も見られる(計8枚)


ペットを愛せないのに、飼う人がいるのはなぜか

2023-03-30 06:19:58 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

ペットを愛せないのに、飼う人がいるのはなぜか
 “愛し続ける覚悟”が必要

2023年3月18日(土)

家族であるはずのペットを「飼えなくなったから」と言って動物保護施設に預ける人は少なからずいます。
犬、猫に限らず、小動物や鳥などの施設もあり、多くの動物たちが捨てられ、保護されています。
その後、里子が見つかるケースもあれば、殺処分されてしまうことも……。
なぜ、愛せないのに、動物を飼ってしまう人がいるのでしょうか。

◆飼う前のシミュレーション不足
私たちはペットを飼うときには、「この子を一生、守り続けるぞ」と誓う必要があります。
ただし、単に誓ったところで、守れない人も少なからずいます。
なぜなら、「飼うときには想像もしなかったような出来事」が起こることもあるからです。
動物を家族として迎え入れる前に、きちんとその動物について勉強し、「飼ったらどうなるのか」、また「5年後、10年後、それ以降も飼い続けられるのか」まできちんと考える必要があります。
そのシミュレーションが甘いと、ペットに悲しい思いをさせてしまうのです。
では、具体的に、どんな原因で手放してしまうことがあるのでしょうか。

mi-mollet(ミモレ)

◆世話がかかることが理解できていなかったから
ペットはかわいいだけではありません。
ご飯を与え、排せつの処理をし、犬であれば、朝晩の散歩も必要となることが多いです。
また、鳴き声がうるさい子もいれば、トイレを覚えないで家の中でしてしまう子もいるでしょう。
さらに、子供の頃はかわいくても、大人になれば、見た目も性格も変わってきます。
ロボットではないので、動物には動物の感情や欲望があります。
それは、飼い主がコントロールできない部分もあるでしょう。
たとえ思い通りにいかない存在でも、「家族として守り続ける覚悟」が必要となってくるのです。

◆お金がかかることを理解していなかったから
ペットを飼うのは、想像以上にお金がかかります。
アニコム「家庭どうぶつ白書」によると、2021年の「1年間にかけた費用(犬、猫)」の平均は、犬345,572円、猫169,247円とのこと。
生涯飼育費用は、犬、猫共に250万円以上はかかると言われています。
私は以前、うさぎを11年ほど飼っていましたが、そのうさぎが2回も足を骨折し、手術&入院、通院をしたので、その治療だけでも1回につき30万円以上の費用がかかりました。
生涯飼育費用は少なくとも150万円以上です。
他の動物であっても、結構費用がかかることが多いので、飼う前に調べておいたほうがいいし、ペットのためにそれなりに貯金はしておいたほうがいいでしょう。
特に最近は、ペットが長生きして、飼い主が介護するケースも増えています。
認知症治療が必要なケースもあり、飼い主でも手に負えないような状況になってしまうことも。
さらに、ペットが歳をとればとるほど、医療費もかかってきます。
この現実を理解した上で、自分は飼えるのか、飼い続ける覚悟はあるのかは考えたほうがいいです。
次に紹介するのも、「ペットを飼う前に見落としがちなこと」です。

◆「ペットと共に生きる」のに最適な環境を分かっていなかったから
共同住宅に住んでいる場合は、「ペット可」なのかは確認しておくことは大事です。
なかには、住んでいる家がペット可だと思って保護犬を家族に迎え入れたのに、あとからペット不可であることが発覚し、ペットのために急いで引っ越した、なんてケースも。
また、動物によって快適な室温が違います。
私は今、セキセイインコを飼っているのですが、セキセイインコは特に寒いのが苦手。
寒い日でも室温が20~30度である必要があるので、私が外出しているときでもエアコンはつけっぱなしにしています(※もちろんその分、電気代はかかります)。
さらに、「旅行好きの人」「泊りの出張が多い人」は注意が必要です。
ペットホテルに預ける場合は、毎回、「自分の旅費+ペットホテル代」がかかるということです。
しかも、ペットホテルに預ければ安心か、というとそういうわけでもなく、ペットは「自分が捨てられた」と勘違いして、食事拒否や下痢をしたりして、大きなストレスを感じてしまうこともあるのだとか。
大事な家族がそんな状態では、気軽に旅行を楽しもうという気分にはなれなくなるでしょう。

◆「自分の未来」を想像していなかったから
「ペットの未来」は考えていても、「自分の未来」はシミュレーションしていないケースが少なくありません。
もし今後、「新たにパートナーができたり、結婚、出産、子育てをしたりすることになっても飼い続けられるのか」は考えておいたほうがいいです。
ペットは、ある意味、“連れ子”のような存在です。
パートナーに「動物と暮らすこと」の理解をしてもらわないといけないですし、もし相手に動物アレルギーがあった場合は一緒に住めないでしょう。
その他にも、たとえば、自分が鳥を飼っていて、相手が猫を飼っていたら、愛鳥が危険な目にあう可能性が高いです。
もちろん、はじめから「別居婚にする」というのもアリですが、一時期はそれでよくても、若い夫婦の場合は、その後、子供が生まれても別居婚のままでいくのか、さらに、子供が動物アレルギーだった場合はどうするのか、という問題も出てきます。
それだけでなく、ペットのほうに「メンタルの支障」が出てくることもあります。
たとえば、我が家のように、インコが私を“つがい”だと思っている場合は、ハートブレイク状態になってしまうでしょう。
あんな20センチくらいの小さなインコでも、ちゃんとハートがあるのです。
鳥はストレスをためると、自らの羽をむしり取ったり、噛んだりしてしまうことがあり、それが致命傷になってしまうことも。
どんなに小さな動物であっても、「分からないだろう」なんて甘く考えないで、相手のメンタルを考えてあげることは大切なことなのです。

◆「自分よりも長生きする動物」を飼ってしまったから
飼い主が自分の年齢を考えずに、長生きする動物を飼ってしまうと、ペットよりも先に自分が他界してしまうこともあり得ます。
“平均寿命”を考えて大丈夫だと思っていても、“健康寿命”では微妙なこともあります。
自分が介護施設に入ることになり、飼えなくなってしまうこともあるでしょう。
動物の平均寿命は、犬は14年くらい、猫は15年くらいと言われています。
セキセイインコは7年くらいですが、同じインコでも、コンゴウインコやヨウムは50年ほど!(驚)。
しかも、平均に過ぎないので、もっと長生きすることもあるのです。
とはいえ、自分の寿命がいつまでかは誰にも分かりません。
また、病気をして入院することもあり得るでしょう。
元気なうちに、「自分がなにかあったときに、ペットの世話を頼める相手」を見つけておくことは大切なのかもしれません。
個人的には、ペットを飼ったのに、捨ててしまう人は、「ペットから愛をもらえる」と期待をしてしまっていることが多いのでは? と感じています。
単に「寂しいから」「自分の心を癒してほしいから」という理由で飼ってしまう人ほど、手放しやすくなることもあるのかもしれません。
それについては、次のページでしょうかいします。

◆ペットに対しては、「無償の愛」が大切!
「ペットから愛をもらえる」と期待をしてしまう人は、「なつかれる」ことを求めがち。
でも、個人的には、ペットは「なつかれる」ことを目的に飼うのではなく、「自分が愛情を注ぐ」ことを目的に飼ったほうがいい、と考えています。
つまり、“自分の中の愛を増やす対象”として扱うのです。
愛は、もらえば増えるのではなく、自分が愛することで、自己の内側から増えていきます。
ペットを愛して、愛して、愛情を注ぎ続けることで、自分の愛が増え、幸福感が得られるのです。
ペットに対しては、まず「無償の愛」が大切です。
芸をしなくても、言うことを聞かなくても、ただただその存在を受け止め、守り続けるのです。
今回は分かりやすくするために「ペット」という言葉を使っていますが、「ペット」というと、どこか“自分よりも下の立場の存在”のような意味合いが出てきます。
でも、実際は動物のほうが人間よりも優れているところもあり、一緒に暮らしていると人間にとって学ぶことも多いのです。
だから、本来は「ペット」というよりは、「家族」であり、「仲間」なのですよね。
生活の世話はするけど、大切なことも教えてくれる家族(仲間)だと思うことができたら、動物への態度も変わってくるでしょう。
たとえば、ペットになついてほしがる人ほど、「可愛いから」「寂しいから」といって自分本位に構いすぎる傾向が。
そうすると、嫌われるんですよね……(苦笑)。
愛情があるからこそ、ペットの気持ちを尊重し、できる範囲ではありますが、「自由にさせてあげる」ことも大切なこと。
その結果、ペットからも好かれ、なつかれる(慣れ親しまれる)可能性は高まるでしょう。
とはいえ、ペットを飼うと幸せを感じるのは、「ペットになつかれるから」だけではありません。
そんな風に「“愛する存在”が自分の傍にいること」によって幸福感を得るのです。
それは、「自分がどれだけその存在を愛しているのか」に比例すること(=自分次第)でもあるのです。

◆ペットは飼い主をよく見ている
ペットは、飼い主をよく見ています。
「自分を愛してくれる存在なのか」「自分を守ってくれる存在なのか」を。
単に“かわいいだけの都合のいい存在”として飼っていたら、ペットは安心して自分の身をゆだねられるでしょうか?
心からなつきたいと思うでしょうか?
意外とペットは飼い主の愛情を試す行動をすることもあります。
セキセイインコですら、そういった行為をしてくることがあります。
そんなときにこそ大らかな気持ちで、ただただ“相手の存在を受け止め、愛し続ける強さ”が飼い主には求められます。
その結果、ペットとの信頼関係が生まれていくのです。
ペットに限らず、人のことも愛し続けることは、容易なことではありません。
だから、関係を始めるときには、覚悟が必要となります。
「この存在をずっと愛し続けるぞ」と、腹をくくることが。 動物を飼うときには、お金や環境など、現実的な部分もきちんと考慮し、“愛する覚悟”をもって、家族として迎え入れたいものですね。

【漫画】彼女にペットがなついた理由  

コラムニスト・ひかり

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コラムニスト・ひかりColumnist Hikari

2009年に夕刊フジでのコラム連載をきっかけにコラムニストに。
近著に書籍“子供おばさん”にならない、幸せな生き方』(ステップモア)、書籍『愛される人の境界線 -「子供おばさん」から「大人女子」に変わる方法』(KADOKAWA)など。
ブログ「ホンネの “子供おばさん”日記」と4コマ漫画「子供おばさん」で、アメブロ公式トップブロガーとして活動。
コラム執筆の他に、数々の有名俳優のインタビュー取材を行っている。
ホンネの “子供おばさん”日記:https://ameblo.jp/olhonne/
4コマ漫画「子供おばさん」:https://ameblo.jp/kodomoobasan/


多頭飼育崩壊が急増

2023-03-29 05:52:27 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

《多頭飼育崩壊が急増》
犬2匹、猫6匹と暮らすA子さんがペットを手放した“切迫したワケ”
「家賃が払えない」「アニマルホーダーの5割が生活困窮者」

2023年2月23日(木)   

コロナ禍で火がついた「ペットブーム」。
2021年に一般社団法人ペットフード協会が発表した調査結果によると、1年以内に新たにペットとして家庭に迎え入れられた犬猫の頭数は、2019年に比べ2020年に約132,000頭、2021年に約142,000頭が増加しているという。
愛くるしい動物たちが人々を癒す一方、無責任な飼育によるトラブルも社会問題化している。
NPO法人にゃいるどはーと代表の東江ルミ子さんはこう語る。
「何匹から“多頭”という定義がないので、数字で多頭飼育崩壊を語るのは難しいのですが、明らかにここ数年で増えています。体感的には前年の倍くらいで増えているでしょうか……。これまで何度もレスキューに行きましたが、現場は壮絶です。猫が糞尿まみれになっていたことや、10匹単位で死んでいたケースもありました」

◆猫のトイレ用の砂がいたるところに…

A子さんはこの自宅で犬2匹と猫6匹と暮らしてきた ©文藝春秋

東京都八王子市で犬2匹と猫6匹と暮らすA子さんも同様のトラブルを抱えていた。
生活保護を受けながら生活しており、経済的な理由などからペットを手放すことになった。
2月14日、動物保護団体のNPOがA子さんの飼っている秋田犬と猫4匹を引き取ることになった。
記者はその現場に立ち会った。
A子さんは2LDKの賃貸マンションで一人暮らしをしている。
寝室である和室には服が床に散らかっており、足の踏み場もない。
障子の下半分は破れ、猫が爪とぎをしたのか壁紙がところどころはがれている。
猫のトイレ用の砂がいたるところに散らばっており、床にはホコリが溜まっている。
A子さんはこのマンションに十数年住んでいたが、家賃や光熱費を数カ月滞納したために管理会社から退去を求められ、転居を余儀なくされた。
「少し前までは牛丼屋で働いたり、夜の仕事をしたりしていましたが、体調もよくなくあまり仕事ができなくて……。自分の甘えもあると思いますが、今は生活保護で暮らしていて、自己破産の手続きも始めました。この状況で8匹のペットと暮らしていくのは難しいので、NPOに保護を依頼しました」

◆「かわいそう」「助けたい」という気持ちから…
A子さんは8匹のペットのうち、秋田犬と猫4匹を手放すことを決めた。
ほかの犬や猫は、A子さんやA子さんの娘が継続して飼育していくという。
一体なぜ、たくさんのペットを抱えることになってしまったのか――。
A子さんが語る。
「動物を助けたいという気持ちで20年以上前から犬や猫などの保護活動を始めました。スーパーで猫の里親を募集しているポスターを見ると、かわいそうになってしまって……。シングルマザーの私は当時から生活保護を受けたり、自己破産の手続きをしたりと生活は苦しかったですが、なんとかしのいできました。  秋田犬はインターネットの掲示板で里親を募集していると知り、生活保護の身ではありましたが、数カ月前に飼い始めました。ですが、家賃も払えなくなってしまい、引っ越しをするにあたってどうしても飼い続けられなくなってしまいました」

◆生活困窮者が5割を占める「アニマルホーダー」
別の場所で暮らすA子さんの娘も、保護の現場に立ち会った。
娘はこう明かす。
「私が中学生のころも、ただでさえ生活が苦しいのにペットが増えていくので不安でした。昔から母は片づけられないし、物をため込んでしまう性格で……。育てられる人が育てたほうがいいと母に伝えましたが、聞く耳を持ってもらえませんでした」
経済的にも生活が大変な中で、ペットの数が多いと感じることはなかったのだろうか。
A子さんは言葉少なに答えた。
「行き場のない犬や猫がかわいそうだと思う気持ちと、大家族にあこがれがあって、どこか寂しい気持ちがあったんだと思います……」
A子さんのような多頭飼育者は「アニマルホーダー」ともいわれる。


離れがたそうにA子さんに寄り添う猫

欧米で「ホーダー」とは、ゴミや物を捨てられずに集めてしまう精神疾患を持つ人に使われる用語で、適切に管理できない頭数の動物を抱えてしまう人のことを指す。
アニマルホーダーの中には、不衛生な環境が与える影響のほか、悪化する動物の健康状態を認識できないケースもある。
保護団体によると、A子さんの犬と猫はおおむね体調に問題はなかったという。だが、秋田犬の爪は外側に伸びきっており、十分な散歩がされていなかったとみられるという。
今後、避妊手術などを経て、適切な飼育環境で育てられる人たちの元へ届けられる予定だ。
経済的に困窮しているのにもかかわらず、多頭飼育に陥ってしまうのはA子さんだけではない。


雑然とした部屋


A子さんの体調が思わしくなく、生活を整える余裕がないという

環境省が2019年、自治体に対して多頭飼育者の生活についてアンケート調査を実施したところ、経済的に困窮しているかを問う設問について、「あてはまらない」「あまりあてはまらない」が2割程度だったのに対し、「あてはまる」「ややあてはまる」が全体の53%を占めた。
この調査で、困窮状態にある人のうち 4 割が生活保護受給者であることもわかった。
そもそも生活保護を受給しながらペットを飼うことは法律上、問題ないのだろうか。
厚生労働省によると、生活保護法上、ペットの有無は受給条件に該当しないという。
担当者は次のように説明する。

◆「ペットは精神的なよりどころ」だが飼育費の上乗せはない
「生活保護の受給申請にあたり、ペットについては特に規定はありません。ただ、生活保護は『最低限度の生活』を保障するもので、受給者が生活を維持していくためのものです。このため、ペットにかかる費用は生活保護費の範囲内で捻出するしかなく、飼育費の上乗せはありません。多頭飼育や飼育の継続が困難になるなどの問題が発生した場合には、自治体が指導することになります」
経済的に困窮している世帯で、多頭飼育が発生した場合、どのような対応をしているのだろうか。
八王子市役所の職員はこう話す。
「動物が精神的なよりどころになる場合もあるので、生活保護受給者だからといってペットを飼わないよう指導することはありません。また、受給者に対してペットの有無を聞くこともないです。年に数回、受給者宅にケースワーカーが訪問して初めてペットがいることが分かることもあります。そういった中で、多頭飼育崩壊が起きている場合は指導すると思いますが、八王子市で過去にそういったケースは思い当たりません」

◆「面倒をみることができる頭数を考えて」
前出のNPO法人にゃいるどはーと代表の東江ルミ子さんによると、A子さんのように生活に困窮しているのにも関わらず管理できない頭数を飼ってしまうケースは多く、保護の依頼が後を絶たないという。
「『お金がない』という理由で、私たちのような団体にペットの保護を依頼し、医療費なども支払わず丸投げしてくるケースが本当に多いです。『殺処分がかわいそうだから』と建前は立派ですが、自分自身の責任を放棄し、命を見捨てていることに何ら変わりはありません。 『ペットを飼わないで』とは言いませんが、とにかくまずは面倒をみることができる頭数を考えてほしい。それが大前提です。犬や猫は喋ることができませんから、どれだけ劣悪な環境でも文句は言いません。それに甘えてはいけないのです。厳しいことを言うようですが、自分自身の管理ができない人に動物の管理はできません」
飼い主から手放されてしまった秋田犬。
奇しくもこの日はバレンタインデーで、6歳の誕生日だった。
A子さんは自身のペットが保護団体の車に乗り込むのを見送ったあと、涙ながらにこう語った。
「本当に犬と猫には申し訳ない気持ちでいっぱいです……。これから生活を立て直して、二度とこういうことがないように生きていきます」


飼い主から手放されてしまった秋田犬、保護団体の車に乗り込む

「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班)

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猫に多い「がん」と、かかりやすい傾向の猫を獣医師に聞いた

2023-03-28 06:12:09 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

猫に多い「がん」と、かかりやすい傾向の猫を獣医師に聞いた

2023年3月12日(日)

「がん」とは、悪性腫瘍のこと。
体のさまざまな部位で発症し、猫の命を脅かす怖い病気です。
猫も加齢などで免疫力が低下すると、がんになりやすくなるといわれています。
がんには多くの種類がありますが、今回はその中でも特に猫がかかりやすい5つのがんについて、獣医師の服部幸先生に伺いました。


落ち着いて座る猫

◆乳腺がん
乳腺とは、お乳を分泌する組織のことです。
猫の場合は、お腹の左右に4つずつ、計8つの乳腺があります。
この乳腺に腫瘍ができたときは、8割以上が悪性腫瘍(がん)。
しかも、肺やリンパ節などへ転移しやすいのが特徴です。
乳腺がんにかかるのはほとんどメスで、避妊手術をしておらず発情経験があるメスほど、リスクが高いそう。
そのため、最初の発情がくる前に避妊手術をすることが、乳腺がんの予防につながるといわれています。

◆リンパ腫
白血球の中にあるリンパ球ががん化する病気です。
皮膚、リンパ節、内臓など、体中場所を選ばずに発症します。
猫に多いのは、腸などにできる「消化器型リンパ腫」。
血液のがんなので代謝に大きく影響し、発症すると急に体重が落ちたり、食欲不振・下痢・嘔吐などの症状が現われたりします。
猫白血病ウイルスや猫エイズウイルスに感染している猫は、リンパ腫にかかりやすいというデータがあるそうです。

◆肥満細胞腫

ソファで眠る猫

血中にある肥満細胞ががん化する病気です。
内臓に発生する内臓型と、皮膚に発生する皮膚型があります。
内臓型は脾臓や消化器にできやすいのが特徴で、元気消失や食欲不振などの症状が現われます。
皮膚型は、脱毛を伴うしこりができたり、その部分にかゆみが出たりするようです。

◆扁平上皮がん
皮膚の表層にある扁平上皮細胞ががん化する病気で、猫は顔面に多く発生します。
被毛の薄い部分にできやすく、白猫や白色の被毛を含む猫に多く見られる傾向があります。
扁平上皮細胞は粘膜にも存在しているため、口の中や舌にできることも。がんの場所によっては、治療が難しいケースもあります。

◆線維肉腫
体のやわらかい部分の組織にある線維芽細胞ががん化する病気で、体幹、乳腺、四肢、顔面での発生が多いようです。
主な治療方法は、外科手術による腫瘍の切除。
再発はしやすいものの、転移しにくいのが特徴です。
猫白血病ウイルスとの関連や、免疫力の低下、ストレスなどの影響が指摘されていますが、明確な原因はわかっていません。

がんは怖い病気ですが、治療が可能なケースも少なくありません。
愛猫の体にしこりがあったり、体調に違和感を覚えたりしたら、早めに動物病院で診察を受けてくださいね。

お話を伺った先生/服部幸先生(東京猫医療センター院長)

参考/「ねこのきもち」2022年9月号『獣医師の最新トピックス&読者体験談も 猫に多い病気、その理由は? 』

文/東里奈

※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
ねこのきもちWeb編集室

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犬5匹を無免許で麻酔せず帝王切開、杉本彩さん怒りの会見

2023-03-27 06:04:14 | 動物実験・動物虐待

杉本彩さん怒りの会見 犬5匹を無免許で麻酔せず帝王切開
 元販売業者社長「鎮痛剤を使った」一部否認【長野発】  

2023年3月6日(月) 

獣医師の資格を持たないのに麻酔無しで帝王切開をしたなどとして動物愛護法違反などの罪に問われている元販売業者社長の裁判が開かれ、弁護側は「鎮痛剤は使っておりみだりに傷つけてはいない」と起訴内容を一部否認した。
裁判を傍聴した動物愛護団体で理事長を務める杉本彩さんは「動物を殺傷し、苦しめたのは事実」と怒りを露わにし、厳罰に処してほしいと訴えた。

◆犬5匹に無免許で麻酔なしで帝王切開
劣悪な環境で多くの犬を飼育し虐待したとして、動物愛護法違反(殺傷、虐待)の罪などに問われている松本市の元犬販売業者社長百瀬耕二被告(61)。
起訴状によると、被告は獣医師の資格をもたないのに2021年8月、松本市の自宅(当時)で、フレンチブルドッグ4匹とパグ1匹の計5匹を麻酔をせずに帝王切開しみだりに傷つけたとされているほか、2020年4月から12月にはシーズー犬8匹に狂犬病の予防接種を受けさせなかったとされている。


施設を家宅捜索(長野県松本市 2021年9月)

◆弁護側「鎮痛剤を使用、みだりに傷つけていない」
2月1日に長野地方裁判所松本支部で開かれた裁判。
黒のスーツに身を包んだ百瀬被告は一礼して入廷し、きびきびとした足取りで席に着いた。
永井健一裁判長から、起訴状について何か間違いがあるかと問われた百瀬被告は、「狂犬病の予防接種を受けさせなかったのは間違いないが、その他は説明が難しいので弁護士の先生から答えていただきます」とはっきりとした口調で答えた。
弁護側は「帝王切開では『鎮痛剤』を使用しており、みだりに傷つけていない」として 起訴内容を一部否認した。


施設で飼育されていた犬

◆元従業員の証言「警察に知られたら」
証人尋問では元従業員の男性が出廷。百瀬被告が執刀した帝王切開の補助や、被告がいないときの執刀を行っていたとし、「当時は麻酔を使っているという認識はなかった」と小さな声で述べた。
ただ、男性は「警察が家宅捜査に入った日の夜、被告から呼びだされ『手術のときに陣痛促進剤としてアトニンという薬を使っていたが、実はそれはドミトールという鎮静・鎮痛剤だった。獣医師免許を持っていない自分がドミトールを使っていたと警察に知られたらまずいので、今から捨ててくる』と説明を受けた」と証言。
そのとき、被告の手に握られていたのはドミトールの瓶だったという。
男性は、「アトニンを使う際は、アトニンの製品の瓶から直接、注射器で薬を取り出し、使っていた」とも話しており、アトニンが実はドミトールだったという被告の説明とは、食い違う点がみられた。
証人尋問の間、被告は男性をじっと見つめ、証言を聞いていた。

◆杉本彩さんが怒りの会見
裁判を傍聴した「公益財団法人動物環境・福祉協会Eva」の理事長を務めるタレントの杉本彩さんは、終了後に記者会見を開き、「動物を殺傷し、苦しめたのは事実」などと述べ、怒りを露わにした。
動物環境・福祉協会Eva・杉本彩理事長: この公判は始終、怒りがこみ上げてきました。麻酔薬を使っていたかどうかを争点にしてみだりに動物を殺傷していないという主張ですが、麻酔薬を使っていようがいまいが、みだりに動物を殺傷し死に至らしめ苦しめたことは事実、これは紛れもない事実。とにかくこれは殺傷罪、これがみだりに殺したものではないという主張が罷り通るのは本当に許しがたい。利益のみを追求した残虐な行為。 杉本理事長は元従業員の証言について、「信ぴょう性のない嘘八百を並べている」と痛烈に批判した。 動物環境・福祉協会Eva・杉本彩理事長: 証人として出てきた元従業員が何か雰囲気が違う完全なる、弁護寄りの証言をし始めた。その弁護は明らかに辻褄の合わないことだらけなので、信ぴょう性のない嘘八百を並べてるに過ぎない。そういう印象を受けました。嘘だから証言が定まらないんですよね、あっち行ったりこっち行ったりさっき言ってた真逆のことを発言しだす、本当に腹立たしい思いがこみ上げてきました。

◆杉本彩さん「厳正に処罰してほしい」
また、杉本理事長は、ペット業界の健全化のために厳正に処罰してほしいと強く訴えた。
動物環境・福祉協会Eva・杉本彩理事長: 今後のペット販売事業に関してすごく大きな影響を持つ裁判、この判決次第ではペット業界に与えてくるものは変わってくる。ペット業界の健全化のためにも厳罰に処さなければいけないと思う。甘い判決なら今後また残虐な事件が起こってくるかわからない、より多くの残虐な事件が起こるかもしれないと危惧しますから、厳正に処罰してほしいと心から望みます。


施設で飼育されていた犬

 (長野放送)

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後ろ足を切断された猫を保護

2023-03-26 06:12:03 | 動物実験・動物虐待

後ろ足を切断された猫を保護、虐待か?
 2キロ離れた場所でも…警察が捜査中、同一犯の可能性も

2023年3月25日(土)  

愛知県一宮市内で、右後ろ足を切断されたキジトラ猫が見つかりました。
同市内で保護猫活動に取り組むボランティアのhinataboccoさん(@hinatabocco_k)が保護し、警察に通報。
hinataboccoさんによると、何者かが刃物でキジトラ猫の足を切断したとみられ、愛知県警一宮署が動物愛護法違反(虐待)の疑いがあるとみて捜査しているといいます。
hinataboccoさんは「2キロほど離れた場所で猫の虐待事件が起きており、その関連を含めて警察の方が捜査しています。早く犯人が捕まることを願っています」と話しています。


右後ろ足のない猫がごみ置き場を行ったり来たりしていたという情報が入った(hinataboccoさん提供)

ごみ置き場で片足の猫を保護 何者かが刃物で足を切断した可能性が高い
後ろ足を切断されたキジトラ猫が保護されたのは、3月15日午前1時ごろ。
ごみ置き場に設置した保護器に入ったそうです。
「ごみの日になると後ろ足が1本ない猫ちゃんがゴミをあさっているとの情報をいただきました。捜索してみると、ごみ置き場を何度も行ったり来たりして、匂いをかぎ食べられるものを探しているようでした。すぐに保護器を設置いたしましたが、なかなか入らずいなくなっていましたが…それから2週間違うごみ置き場に現れたとの情報があり、保護器を設置。ようやく夜中に猫ちゃんが入ってくれたんです」(hinataboccoさん)
キジトラ猫を保護した後、夜明けを待って動物病院へ。
獣医師に足の切断部分について診てもらいました。
「傷の診断ですが、骨の切断面や骨の形状から医師の手によるものではない、何か刃物で一気に切断したと思われるとの診断でした。つまり、虐待された可能性が極めて高いとのこと。診断結果を聞いて、すぐに警察に被害届を出しました」(hinataboccoさん)
キジトラ猫は3日ほど入院。
退院後は、hinataboccoさんが運営する「保護猫ハウス」にお迎えして、ケージの中で過ごしています。
そして名前を、大吉くんと名付けました。
推定3歳くらいの男の子だといいます。
「傷の状態は化膿や壊死などはなく良好です。ただハウスに来てからも人間への恐怖心が強く、近づくと威嚇します…先日保安課の警察の方が捜査のためハウスに来ていただいたときも、シャーしていました。警察の方々は、周辺の聞き込みなどをされているほか、別の現場で起きた虐待事件との関連も調べているようです。 全国で虐待事件が起きています。小さな命の大切さをみんなが考えてほしい…どうしたら小さな命にみんなが目を向けてくれるのだろか?日々考えています。これからも小さな命を守ることに一生懸命頑張ります」(hinataboccoさん)

◇ ◇

3月1日、埼玉県内の中学校で起きた襲撃事件の犯人の高校生も猫の虐待を繰り返していたといいます。
こうした動物虐待が人への暴力行為に発展する恐れもあり、hinataboccoさんは「早期逮捕を願いつつ、警察の捜査を見守りたい」と話しています。

 (まいどなニュース特約・渡辺 晴子)


捨てられた白ウサギを次男が保護、3年後ぐったりした黒い子猫を長男が保護

2023-03-25 06:11:35 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

捨てられた白ウサギを次男が保護、3年後ぐったりした黒い子猫を長男が見つけて…
オセロみたいなコンビ、温かい家庭で幸せに

2023年3月13日(月) 

深夜、ケージに入れられたまま、人目につかない場所に捨てられていた白ウサギと、生後4週間で溝の中に倒れてグッタリしていた黒い子猫。
優しい家族に引き取られて、マイペースな生活を満喫している。


保護された身の上どうし通じ合うものが……

路地裏に捨てられていたケージの中にいたのはなんとウサギ
「最初に見つけたのは、次男でした。見に行ったら、ケージがあって、中にウサギが入れられたままだったんです」
そう語るのは、大阪府豊中市に住む、ショップ店員のカオリさん。
2017年10月のある日、午後10時半頃だった。
アルバイト先から帰ってきた当時19歳の次男が「裏の路地に何かが捨てられている」という。
「見にいったら、ケージが置いてあって、中にウサギが入っていたんです」
そこは、夜になると極端に人通りが少なくなる。
わざわざ人目につかないように置かれている様子からみて、何者かがケージごとウサギを捨てていったようだ。
「まさか、こんなところにウサギを捨てる?」
咄嗟に状況が飲み込めなかったが、いま目の前にいるウサギをそのままにはしておけない。
「そこに置いといたらかわいそうだから、家の中へ入れたんです」
明るいところで見ると、全身が真っ白な毛で覆われ、目の色が青かった。
後日、動物病院へ連れていって診てもらうと、推定1歳のメスだとわかった。
しばらく保護していたが、飼い主が探しているという情報もなく、そのまま家族になったという。
「保護した夜にきれいな月が出ていて、ウサギといえば月でしょということで、ムーンと名付けました」

長男からのLINE「溝の中で子猫が倒れてグッタリしている」
ムーンが家族になってから3年目の2020年8月4日の朝、出勤したばかりの長男からカオリさんにLINEが入った。
「溝に子猫が1匹、ぐったりしているから保護してあげて」
カオリさんが見にいくと、溝の中に全身の毛が真っ黒な小さな子猫がグッタリと横たわっていた。
このままだと、命が危ない状態なのは明らかだった。
すぐに保護して動物病院へ連れていくと、生後4週間くらいのオスだと分かった。
「ひとまずウチで保護することにして、体をきれいにしてあげたり、急遽ミルクや哺乳瓶を買ってきたりしました」
子供の頃に実家で猫を飼っていたことはあるが、こんなに小さい子猫の世話をするのは初めてだったカオリさん。
知人に尋ねたりネットで調べたりしながら、懸命に世話をした。
しかしカオリさん宅には、3年前に保護したムーンがいた。
「飼うのかどうするのか、そうとう悩んで家族で話し合って、里親を探すことにしました」
だが、何日も世話をして、カオリさんは子猫にすっかり情が移っていた。
「ミルクをあげたり、トイレの世話をしたりしているうちに、手放せなくなってしまいましたね」
そういうわけで、カオリさんの家族に迎えられることになった子猫は、当時Netflixで配信されていて、長男がよく観ていたドラマの登場人物から「エル」と名付けられた。
「ドラマのタイトルは忘れてしまいました(笑)」
2匹の関係はどうなんだろう。
「猫とウサギが一緒に暮らせるのかが、いちばん心配でした」
はじめは、2匹同時にはケージから出さなかったという。
少しずつお互いの存在を認識させ、慣らしていって、やがて同じフロアで一緒にいても平気になった。
「いつもエルのほうから、ムーンに近づいていきますね。でも、ムーンは無関心というか、マイペースを決め込んでいます。そしてエルがしつこく絡みすぎたら、自分から離れて距離を取っています。でも、仲が悪いわけじゃないですよ」
真っ白なムーンと真っ黒なエル。
オセロみたいな白黒コンビで、今は幸せに暮らしている。

(まいどなニュース特約・平藤 清刀)

【写真】保護されたばかりの黒猫・エル…生後4週間くらいでした
【写真】元気を取り戻した頃のエル。ウサギと一緒に暮らせるか不安でしたが…?
【写真】無関心を装いマイペースなウサギ…でも2匹は仲が悪いわけではありません

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捨てられていた猫を拾ったが…飼えなかったので、すぐ捨てた 遺棄罪

2023-03-24 06:10:20 | 動物実験・動物虐待

捨てられていた猫を拾ったが…飼えなかったので、すぐ捨てた
それって犯罪です「遺棄罪の成立は免れない」【弁護士が解説】

2023年3月11日(土)   

「里親さんを探すまで家においておけないと思い、こちらにつれて来ました」―。
そんな手紙とともに、保護猫団体の施設玄関に、子猫を入れた段ボール箱が遺棄され、「身勝手すぎる行為」だとネットで話題になったことがありました。
「まいどなニュース」の記事よると、段ボール箱に入っていたのは、生後2カ月くらいの三毛猫1匹。
段ボール箱は空気穴も設けられずガムテープがすき間なく貼られていたといい、発見された時の猫はとても痩せていて元気がない状態だったそうです。
施設の防犯カメラが、午前5時ごろ段ボール箱が置き去りにされる様子を映していました。


捨てられていた猫を拾ったあと、また捨てたケースはどのような犯罪になるのでしょうか ※画像はイメージです(irissca/stock.adobe.com)


「保護猫ふれあいサロン」前に手紙が貼られた段ボール箱が置かれていたという(「LYSTA」代表鈴木さん提供)

遺棄した人は子猫を一度保護をした後に、保護団体の施設前に捨てに来たのではないかと思われますが、「捨てられていた猫を拾ったが、飼えなかったのですぐ捨てた」ようなケースは、犯罪に問われるのでしょうか。
ペットに関する法律問題を取り扱っているあさひ法律事務所・代表弁護士の石井一旭氏が解説します。

◆動物の遺棄とは?
猫を遺棄する行為は、動物の愛護及び管理に関する法律(以下「動物愛護法」といいます。)44条3項に違反する行為であり、1年以下の懲役または100万円以下の罰金を処せられる可能性がある立派な犯罪行為です。
動物愛護法における「遺棄」の概念は必ずしも明確ではありませんが、人間の「遺棄罪」を処罰対象としている刑法の議論を参考にすると、「対象動物を場所的に移動させて対象動物の生命、身体の安全に新たな危険を創出する行為」と考えるべきでしょう。
要するに、「わざわざ危険な場所に移し置くこと」が「遺棄」と考えられます。

◆どのような犯罪になるのか?
そうすると本件では、遺棄した場所が保護を引き受けてくれそうな愛護団体の玄関前ですので「危険な場所に移したわけではないから遺棄罪にはあたらない」との弁解もありうるかもしれません。
しかし、本件の場合、移したのが午前5時という、人通りもなく愛護団体も活動していない時間帯であることや、団体になんの事前連絡もすることなくそそくさと置いていったという行為態様から、人間による速やかな保護が期待できないので、やはり危険な場所に移し置いたものとして、遺棄罪が成立すると判断すべきでしょう。
また、本件の場合、「子猫が入っていた段ボール箱は、空気穴が全くなくガムテープがすき間なく貼られていた」とのことですから、猫を「みだりに、給餌若しくは給水をやめ・・・その健康及び安全を保持することが困難な場所に拘束」したと考えることもできます。
そうなりますと、動物愛護法44条2項違反(罰則は1年以下の懲役または100万円以下の罰金で、44条3項と同じ)とも考えることができそうです。
空気穴も開けないダンボールに閉じ込めたことで猫が窒息死したりパニックで負傷したりした場合は、虐待行為として44条1項の適用もありえます。
この場合、「5年以下の懲役又は500万円以下の罰金」とされており、かなりの重罪となります。

◆拾った猫の場合は?
本件では一旦保護した猫を遺棄したようです。
保護した=飼い主になった、とは言えないような場合、例えば、「捨て猫を見つけて可哀想になり、いったんは拾って帰ったものの、家族に飼うことを反対されたためにやむなくまた捨てた」というような場合はどうでしょうか。
前述した解釈を踏まえると、この場合も、「拾った猫を危険な場所に移し置いた」と考えられれば、遺棄罪が成立することになります。
なお「危険な場所」と聞くと、山奥だとか道路などを想像されると思いますが、ここでの危険性は抽象的に判断されます。
河川敷や公園、空き地など一見平穏な場所でも、例えば極寒の真冬であれば「危険な場所」となりうるでしょう。
また、捨てられていた元の場所に戻したとしても、捨てられていた場所がそもそも危険な場所だったのであれば、遺棄罪の成立は免れないでしょう。

◆捨て猫を放置しても犯罪になる?
「捨て猫を見つけて可哀想に思ったが、家では事情があり飼えないのでやむなくそのまま放置した」場合はどうでしょうか。
上のケースとの違いは、捨て猫を一旦引き受けたかどうか、です。これは「移し置き」ではなく、「置き去り」ということになります。
心情的には放置せずともなにかできることがあるのでは、と言いたいところでしょうが、このような行為を犯罪だとみなして逮捕されたり起訴され裁判にかけられたりすることは、さすがにやりすぎだと言わざるを得ません。
刑法の「保護責任者遺棄罪」は、被害者との間に特別の身分関係があることを理由として、「置き去り行為」も処罰対象となるものと考えられています。
例えば、自分の預かった子どもが幹線道路の近くを一人で歩いていってしまったのを放置する行為は「保護責任者による置き去り」として処罰されますが、見知らぬ子どもであれば(道義的な問題はともかく)犯罪にはなりません。
「自分の預かった子ども」であるから保護責任があり、その責任を果たさず放置したから犯罪になる、保護責任がない赤の他人であれば犯罪にはならないという理屈です。
動物愛護法の遺棄についてもおそらくこの議論が当てはまるので、捨て猫を見かけたがそのまま放置した、ということであれば、犯罪には当たらないでしょう。


高栄養の缶詰を食べるなど食欲もあり、元気を取り戻しつつある子猫(「LYSTA」代表鈴木さん提供)

石井 一旭(いしい・かずあき)
京都市内に事務所を構えるあさひ法律事務所代表弁護士。
近畿一円においてペットに関する法律相談を受け付けている。
京都大学法学部卒業・京都大学法科大学院修了。
「動物の法と政策研究会」「ペット法学会」会員。


何日も消火栓のそばから離れなかった犬

2023-03-23 06:10:34 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

何日も消火栓のそばから離れなかった犬
 理由に「胸が張り裂けそう」(アメリカ)

2023年3月10日(金)  

犬が飼い主にとても忠実なことは、よく知られています。
そんな犬たちの純粋な思いは、時に悲しい現実を招くことがあるようです。
アメリカで動物保護活動をしているスゼット・ホールさんのもとに、1匹の犬の情報が入りました。
その犬はもう何日間も、住宅地にある消火栓のそばに座り、そこから離れようとしないのだそう。
心配した近所の人が保護しようとしましたが、犬は逃げてしまい、捕まえられずにいました。
そこで、スゼットさんに助けを求める依頼がきたのです。

自分を捨てた飼い主を待ち続ける犬
スゼットさんが駆け付けると、通報どおり、犬は消火栓のそばに座っていました。
彼女が水をあげると、犬はあっという間に飲み干しました。
よほどノドが渇いていたのでしょう。
リードでつながれているわけでもないのに、その犬が消火栓のそばから動かない理由は容易に想像できます。

きっと犬は、その場所で飼い主を待ち続けているのでしょう。
近付くと犬は逃げるため、スゼットさんはワナを仕掛けたケージの中に食べ物を置いて、いったんその場を離れることに。
そして、しばらくして戻ると、犬は暴れることもなく、おとなしくケージの中に入っていました。
スゼットさんが犬を車に乗せた直後に、激しい雷雨があったのだとか。
そこで、彼女は犬を『サンダー(雷)』と名付けます。
サンダーは、マイクロチップは装着しておらず、飼い主を特定できませんでした。
スゼットさんは、サンダーを安全に保護できたことを喜び、「新しい家族を見つけてあげよう」と心に決めました。
彼女がFacebookにシェアしたサンダーのストーリーには、さまざまな声が上がっています。
・一体どうしたら、大切な愛犬を捨てられるんだ?理解できない。
・なんて忠誠心の強い犬だ。元の飼い主は、彼の無償の愛を受け取る資格はないよ。
・この犬の気持ちを思うと胸が張り裂けそう。これから幸せになってほしい。
スゼットさんはウェブメディア『The Dodo』に対して、次のように語っています。
「家族からもらったほんの少しの愛情を、彼は覚えていたんです。飼い主が戻って来た場合に備えて、彼はあの場から離れたくなかったんだと思います。」
スゼットさんのFacebookには、仮里親の家と思われる場所で元気そうに過ごすサンダーの写真が載っています。
彼女にはすでに、「サンダーの里親になりたい」という問い合わせが続々と寄せられているので、まもなくサンダーに新しい家族ができるでしょう。
信頼していた飼い主から捨てられた、サンダーの心の傷の深さは計り知れません。
サンダーが新しい家族からたくさんの愛情をもらって、幸せに生きていけるように願います。

[文・構成/grape編集部]


129時間後に救出された猫【トルコ・シリア地震】

2023-03-22 06:03:02 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

129時間後に救出された猫
命の恩人に引き取られ、すっかり元気に【トルコ・シリア地震】

2023年3月7日(火)    

5万人以上の死者を出したトルコ・シリア地震。
マグニチュード 7.8の地震発生から129時間後に救出された猫が、すっかり元気になった。
トルコ語でがれきを意味する「エンカス(Enkaz)」と名付けられて、救出した消防隊員の家で新たな生活を営んでいる。
【安藤健二・ハフポスト日本版】


倒壊した共同住宅から発見された当初の「エンカス」(2023年2月14日撮影)

「命の恩人」の肩に乗る姿が話題になっていた
アラブ首長国連邦のガルフ・ニュースによるとエンカスは、震源に近いトルコ南部ヌルダギの街で、倒壊した共同住宅のがれきの中から2月14日に見つかった。
命の恩人に感謝しているのか、救出した消防隊員アリ・カカスさんの肩に乗って離れない姿を現地紙「サバ」が投稿。世界中で話題になっていた。
英紙メトロによると、エンカスの元の名前は不明。
飼い主が名乗り出ることはなく、地震で亡くなったとみられるという。
エンカスはカカスさんが引き取り、ヌルダギから約400km離れたマルディンの自宅に連れて帰ったという。
カカスさんは、新しい家族がカーペットの上に集まって食事をするのを楽しんでいる。
母、父、兄弟、姉妹もエンカスを歓迎しているといい、「私たちは猫を家族の一員として見ています」と話しているという。
救出された当初は悲しそうな目をしていたエンカスだったが、カカスさんの家ではすっかり元気の姿を見せている。
新たにエンカスのインスタグラムも開設された。
カカスさんと一緒にベッドで寝ている写真や、おもちゃを追いかけて部屋を飛び跳ねる動画がアップされている。


救出した消防隊員アリ・カカスさんの肩の上に乗って離れなかった頃のエンカス(2023年2月14日撮影)


アリ・カカスさんがマルディンの自宅に連れて帰った猫「エンカス」(2023年2月18日撮影)

安藤健二・ハフポスト日本版