動物たちにぬくもりを!

動物愛護活動の活動経過や日々の出来事、世の中の動き等幅広く紹介します。

2021年 弊会の活動内容等 No,.2

2021-12-31 05:56:10 | 催し物・行事・イベント

【動物あいごパネル展】 開催内容のまとめ

上記パネル展は2年に1回のサイクルでその回ごとに重点テーマを挙げて行っています。
今回は「地球温暖化」を取り上げ、中でも動物たちへの影響と存続危機についてです。
下記の内容にて開催いたしました。
実施した会場の展示パネル等により内容の説明をさせていただきます。

●開催日時:2021年10月5日(火)~10月10日(日) 10:00~16:30
●開催場所:「げんでんふれあいギャラリー」 敦賀市本町2丁目9番16

「展示内容一覧」
①日本の動物愛護の現状と課題
②地球温暖化による気候変動危機に伴う多種多様生物の生命危機意識高揚
③里親さんありがとう!
④動物愛護ポスター
⑤動物への感謝の心、アニマルセラピー等の動物福祉社会の実現へ
183点展示しました。

①日本の動物愛護の現状と課題
日本における犬・猫の収容、返還・譲渡。殺処分の過去からの推移と現状についてグラフで提示し、「犬・猫が捨てられる理由」、「捨てられた犬・猫はどうなるの?」、「改正動物愛護法」等のパネル展示です。


②地球温暖化による気候変動危機に伴う多種多様生物の生命危機意識高揚
地球温暖化の状況説明用パネル等の展示です。


ハリケーン被害でペットと共に避難する人たち・ペットを救出する人たちの姿

オーストラリア森林火災での被災した動物たちを救出する人たちの姿

地球温暖化による気候変動危機を抑止するために私たちができること

映画『グレタ ひとりぼっちの挑戦』は、10月22日より全国公開

③里親さんありがとう!

④動物愛護ポスター


⑤動物への感謝の心、アニマルセラピー等の動物福祉社会の実現へ

地球上に人間が出現して以来、我々人間は多くの動物たちに恩恵を受けてきました。
人間のために働く動物たち・食料となる動物たち。
しかしながら、ともすれば、当たり前のようになってしまっている・・・モノ扱いの現状・・・不幸な動物たちを生み出しているのが現状です。
更に地球温暖化が問題視されている中、気候変動危機により多くの動物が命を失い、絶滅危機にさらされています。
もし、地球上に生き物(動物・植物)がいなくなったとしたら人間は生きていけません。
生き物の命を大切にすることに気付き、感謝の心を持つことです。
そうすることで、不幸な動物たちはいなくなり、人と動物とが共生する社会になっていくのです。

「嶺南ケーブルネットワーク」さん取材~つるがチャンネル「つるいち」で放送

 「福井新聞社」さん取材~福井新聞に掲載

「kirameki club」 に掲載

 

【犬・猫に纏わる相談・依頼事等】
今年1年間に18件(一過性の内容は除く)ありました。
内容は毎年同様に多種多様ですが、ここ数年は野良猫に関する相談・依頼事が多かったです。
そして毎年同様に面識のない方々が大半です。
メールや電話でのやり取りだけでなく、基本的にはお会いして現場を見せていただくなり、ざっくばらんにお話しして状況を聞かせていただいたりしています。
そうすることでその詳細が解ってきます。
1件1件に非常に奥深いものがあり18件の内容を説明することはできませんが、次の【大好き・私の夢】の思いと願いをお伝えします。


日刊県民福井掲載【大好き・私の夢】より

日刊県民福井さんでは「大好き・私の夢」というコーナーがあり、定期的に掲載されていますが、その中に動物愛護に纏わる投稿が毎年1年間に20件前後あり、ピックアップして当ブログに掲載させていただいています。
下記の投稿はまだ未掲載です。
今年の最終を飾るかのように感動する投稿がありましたので掲載しました。

2021年12月24日(金)掲載


短い文章ですが今までにいろんな体験をされてきた様子が伺えます。
特に、「動物が悲しまないようにしたい」という言葉に深い感銘を受けました。

過去に比べれば年々殺処分は減少してきていますが、まだまだ不幸な動物たちが多く存在します。
先日、ネット上に「犬猫殺処分 過去最少2.3万匹 譲渡率約7割で最高に2021年12月24日(金) テレ朝news の記事がありました。
(参考)環境省のホームページより 環境省_動物の愛護と適切な管理 (env.go.jp)

しかし、自治体の動物愛護センターというのは最後の砦なんです。
そこに至るまでに犬猫がどのような状況になっているのでしょうか・・・
・虐待・・・多発しており、どんどん増加傾向にある
・悪徳ペット販売業者・・・年間売れ残った犬猫がおよそ26千匹が処分されて行方不明になっている
・安易にペットを買う飼い主のレベルの低さ・・・無責任な行動により不幸なペットを生み出している
・野良犬猫に餌やりだけする人間・・・不妊手術をしないためネズミ講のごとく増える→殺処分へとなっていく
・適切なペット飼育に関する行政機関による末端までの人間への周知徹底が不備
・その他諸々

捨てられた犬猫たちは、厳しい環境の中で死んでいく率が高く(5匹中1匹しか生き残れない)、なんとか生きて乗り越えてきたものの動物愛護センターに収容され殺処分。
譲渡会等で譲渡される犬猫が年々増加傾向にあり、収容された犬猫全てが殺処分されるわけではありませんが、それでも犬猫約26千匹(最新データより)が殺処分されているのが現状です。
イギリス・ドイツ等の欧米先進国と比較しても日本はまだまだ多くの課題が山積しており、動物後進国と言っても過言ではありません。
田中美瑛さんのような若い方々の多くが社会人になっても動物愛護の心を持って活動され、若い世代の方々が日本が動物に優しい動物福祉国家になっていくために頑張っていって欲しいと願っております。


2021年 弊会の活動内容等 No.1

2021-12-30 05:49:01 | 催し物・行事・イベント

今年も残すところ2日になりました。
今年1年間の弊会が行ってきた行事等について、今日と明日の2回に渡りお伝えします。

「みんなで学ぼう!動物あいご2021」実施内容のまとめ

【はじめに】
弊会が発足してから14年、発足した翌年から毎年敦賀市内の児童クラブで実施してまいりました。
児童クラブのご協力・ご理解のお陰で、年々開催するクラブは増加し最多で11ヶ所でしたが、昨年は新型コロナウィルスの影響で残念ながら中止となり、今年こそは!と思っていたところ更に今年は新型コロナウィルスが拡大し、今年も中止せざるを得ない状況で半分諦めていた状態でしたが、児童クラブの先生から実施の旨呼びかけがあり、開催の運びとなりました。
児童クラブの先生方には感謝いたします。

目 的
敦賀市内児童クラブの学童(小学1~6年生)を対象に、動物愛護に纏わる紙芝居やアニマルセラピー動画などを通じて、子供の頃に動物愛護というものの知識と理解をしてもらい、動物愛護の感性を持った人間として成長して、不幸な動物たちが無くなる共生社会実現に貢献してくれることを願い実施しました。

実施日時・実施場所等
7月26日(月) 松原児童クラブ(1年生対象)
7月27日(火) 松原児童クラブ(2年生対象)
7月28日(水) 松原児童クラブ(3~6年生対象)  ※学童の人数が多いので学年別3回に分けて行いました。
8月 2日(月) 黒河児童クラブ
8月 5日(木) 第2南児童クラブ
8月20日(金) 第2粟野南児童クラブ
8月25日(水) 第3粟野児童クラブ
以上 5児童クラブで7回実施

時  間   10:00~11:00    総 人 数   約270名

実施内容
人数の大小に応じて、40インチ液晶モニターとプロジェクターを使い分けし、視聴覚教材を主体として実施しました。

①「お母さんのらねこのおはなし」 ・・・所要時間約30分


お母さん野良猫が5匹の子供を産みました。
しかし自然環境は厳しく子猫たちは、人間に虐待されたり、天敵に襲われたり、交通事故に遭遇したり、・・・悲惨な環境の中で生き残ったのはお母さん猫と子猫1匹に・・・・
このままでは、お母さん野良猫も子猫も生きていくことは大変厳しい状況でした。
そのような中ある日、幸いにも心ある人に保護されました。
そして、子猫は里親さんに貰われ、お母さん野良猫は地域猫として生きていくことができました。

 ・学童たちに6つの質問と説明
質問1.なんで野良猫っているんだろう?
質問2.捨てられた野良猫はどうなるんだろう?
質問3.野良猫が生き残れるのはどれくらいなるんだろう?
質問4.「地域猫」とはなんだろう?
 

質問5.「地域猫」は幸せなんだろうか?
質問6.どうしたら飼い主のいない野良猫や地域猫はなくなるんだろう?

②動画「病気の子どもたちを癒すファシリティードッグの力」 ・・・所要時間約15分
「ファシリティ」は英語で日本語に訳すと「施設」、「ファシリティドッグ」とは病院などの施設で働く犬という意味になります。
神奈川県の子ども病院で働くファシリティドッグ「ベイリー」と病院で治療を受けている子供たちの物語です。
病気の患者さんとの触れ合いなど精神的なケアを行う「セラピードッグ」というのは比較的知られていますが、大きな違いは「セラピードッグ」はいろんなところへ出向いていくのに対し、「ファシリティドッグ」は1つの病院に常勤しています。
小児がんなど重い病気の子供たちに寄り添い癒し励まし、病気への不安や手術などの痛み・精神的な苦しみを和らげ勇気づけてくれる存在です。
ファシリティドッグとのふれあいから子どもたちは生きる勇気をもらい、苦難を乗り越えようと頑張っています。

ペットを飼うことは、心身の健康に良い影響を与える・・・アニマルセラピー
人間と動物とが共生する動物福祉社会の実現を
動物たちとの共生を推進する会

 

③動物への感謝の心 ・・・所要時間約5分

地球の歴史は46億年、人類が誕生したのはほんの20万年前(ホモサピエンス)。
(哺乳類が誕生したのは6600万年以降、猿人は700~400万年前→進化)
もし地球の46億年の歴史を1年間におきかえて考えると、人類誕生は12月31日の午後11時37分となります。
私たち人間は、他の動物にはない知能を持っており、短い歴史の中で大きな発展をしてきました。
人間が地球上に出現してから振り返ってみると、古代からいろんな動物などを使いお世話になってきました。

★人間のために働く動物・・・馬・牛・ラクダ・犬、動物園の動物、etc.


★人間の食料になる動物


しかし、我々人間はともすれば、当たり前のようになってしまっている・・・モノ扱い
もし、地球上に生き物(動物・植物)がいなくかったとしたら人間は生きていけません。
多くの生き物が、私たち人間が生きるために役立ってくれているのです。
生き物の命を大切にする、感謝の心を持って成長してくれることを願います。



※感想文のお便りをいただきました・・

学童たちの思いがこもった感想文、ひとつひとつ読ませていただくことにこの活動のやりがいを感じます。
学童たちの素直な気持ちが伝わってきていろいろと貴重なことを知ることができ、活動を行っていく上でとても参考になります。

【振り返って・・・】
新型コロナウィルスが蔓延する中、児童クラブの先生より実施の旨呼びかけ依頼があり、幸いにも大勢の学童たちと接することができました。
学童たちは真剣に聞いてくれている印象を深く感じ、とてもやりがいというものがあり、今後も継続して進めていくことが私共の使命と思っております。
純真な心持った子どもの時に動物愛護というものを知り、動物ってもらい、日本が真の動物先進国になるように社会貢献してくれることを願っています。
先生方にはたいへんお世話になりました。


不登校の児童などが通う「ホースセラピー」(長野)

2021-12-29 05:49:15 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

不登校の児童などが通う「ホースセラピー」
 馬と触れ合って育つ"生きる力”【長野発】

2021年11月14日(日) 長野放送

長野・泰阜村にある牧場が、不登校や発達障害の子どもたちを受け入れ「ホースセラピー」を行っている。
馬に癒され、心身に良い影響が出ていると保護者も実感している。

◆不登校、発達障害…さまざまな事情を抱える子どもを受け入れ
馬の世話や乗馬をする子どもたち。
明るく穏やかな表情をしている。
皆、さまざまな事情で不登校となった子どもたちだ。



ここは泰阜村の「やすおか命の牧場てんま」。
馬との触れ合いによって心身を癒やす「ホースセラピー」に取り組む施設で、村や診療所の協力で2018年に設立された。
セラピーを学んだ元地域おこし協力隊員のスタッフなどが常駐し、2020年夏から不登校や発達障害の子どもたちを受け入れる「児童デイサービス」の事業もしている。



伊原詩乃さん(9):これね、外に出してお掃除して、ブラッシングして
現在、登録している子どもたちは、未就学児から中学生までの10人ほど。
そのうち5、6人は、ほぼ毎日通って馬の世話をしている。
伊原詩乃さんもその一人だ。

(Q.この馬の名前は) 伊原詩乃さん(9):はづき。
(Q.女の子?) うん
(Q.どんな性格?) 食いしん坊

母親「のびのびとした姿が見られるように」
母親と離れることがストレスや不安となり、小学2年の途中から不登校になった詩乃さん。
牧場に通うようになって約1年。
馬の世話もすっかりお手の物だ。



伊原詩乃さん(9):引き手を持つときは(手に)巻いちゃだめなの。巻くと引っ張られたとき離せないから、こんな感じで束ねて持つの
この日は、牧場についてきた妹の面倒も見ていた。
伊原詩乃さん(9):水重くないー?
大好きな乗馬の時間。



スタッフ:一番最初の時より回せるようになってるよ
得意げな表情の詩乃さん。
伊原詩乃さん(9):楽しかった。走ったりして涼しかったし、ふさふさで気持ちいい。耳、普通はこうだけど、こうなっていると怒ってたり、耳の角度でなんか気持ちいいなとか、怒っているなってわかることがある
牧場に来て、詩乃さんは大きく成長したと言う。
母・都さん:自信をもってできることが増えて、日に日にのびのびと生き生きとした姿を見られるようになって、親としては本当にうれしく思っています。 誰かのためにっていう気持ちで行動に移す姿があるので、自分も大事にするけど周りも大事にできる大人になってくれるかな、というのを感じています

牧場で飼育している馬はポニーや道産子など6頭。
馬は本来おとなしく温厚で、セラピーに向いていると言う。
やすおか命の牧場てんま・結城ななせさん:すごく暴力衝動のあるような子どもがいたとして、棒でたたいてしまったってなったときに、次のときに親切なふるまいを相手がしてくれたら、スッと寄っていってコミュニケーションとってくれる。何度もトライさせてくれるというところで、素晴らしいと思う



牧場に通うのは不登校の子どもだけではない。
「脳性まひ」を抱える岩田龍星さん(9)。
歩行や会話は困難だ。
1年ほど前から週1、2回、牧場に通っている。
龍星さんが「脳性まひ」と診断されたのは、生後9カ月のころだ。
母・真由美さん:苦しそうだったり、本人がつらそうだったりっていうのはすごくあったので、家族としては診断がついて治療が始まるってことで、ほっとしたところが大きかったと思います



今は特別な医療的ケアを受けておらず、養護学校に通う日々だ。
母・真由美さんは、少しずつ龍星さんの世界を広げたいと思っていたと言う。
母・真由美さん:先の様子が想像できないというのはあって、そういう意味では不安だったんですけど、自分以外の人とすごく関わってほしいというか、私を通さない関わりがどんどん増えてほしいので、行く場所とか過ごす場所も増えていってほしい
龍星さんも乗馬が好きだ。
乗ったのは雄の「わさび」。
まずは「わさび」の上でうつぶせになって全身の緊張をほぐす。



スタッフ:力を抜いて
力が抜けたら、いよいよまたがる。
「わさび」は少々我が強い性格だが、おとなしく龍星さんを乗せてくれた。
龍星さんも満足げ。
普段は全身に力が入ったり、抜けたりと、コントロールが難しい龍星さんだが…



母・真由美さん:馬の上だと体を自分で起こしながら足の力を抜く、みたいなことができてきているので、それは他ではできないリハビリだなと思っています。馬も好きだし、この牧場に動物がいたり子どもたちの声が聞こえたり、そういう空間が楽しいようで、すごく楽しみにしている様子があります
オープンに協力した医師「生きる力がついている」



牧場のオープンに協力した泰阜村診療所の島田恵太医師。
ホースセラピーの効果に期待を寄せている。
泰阜村診療所・島田恵太医師:居場所があるというのが大きい。人間がお世話をしないと生きていけないという動物の世話を担うってことが、大きい効果を果たしているなと。生きる力がついているなと
心身を癒やすだけでなく成長も促すホースセラピー。
優しい馬たちが、子どもたちを待っている。
(長野放送)


民族の壁越え野良犬保護 アルバニア人とセルビア人が協力 (コソボ)

2021-12-28 05:57:24 | 幸せになったワン・ニャンたち

民族の壁越え野良犬保護 アルバニア人とセルビア人が協力 (コソボ)

2021年12月16日(木)  

【12月16日 AFP】
犬への愛情でつながるアルバニア人とセルビア人の男性が、コソボで野良犬を保護するシェルターを共同で運営している。
紛争から20年以上たっても今なお民族間に深い溝があるこの国で、アルバニア系住民とセルビア系住民が協力し合うケースはまれだ。
コソボでは、アルバニア系住民とセルビア系住民の互いに対する不信感は根強い。
共通語はなく、民族間の緊張が表面化しやすい。
それでも、プリシュティナ・ドッグシェルター(Pristina Dog Shelter)を設立したアルバニア人のメントル・ホッジャ(Mentor Hoxha)さん(55)と相棒のセルビア人のスラビサ・ストヤノビッチ(Slavisa Stojanovic)さん(57)が対立することはない。
2人は、自分たちのシェルターで約40匹の犬を保護している。
シェルターがあるグラチャニツァ(Gracanica)は首都プリシュティナ近郊に位置し、セルビア人が多く住んでいる町だ。

民族の壁越え野良犬保護 アルバニア人とセルビア人が協力 コソボ(AFPBB News) - Yahoo!ニュース

映像は11月12日撮影。(c)AFPBB News

ホッジャさんはAFPに、「私たちは犬への愛情でつながっているのです」と語った。
2010年にシェルターの共同運営を始めてから、1000匹以上の野良犬を保護してきた。
野良犬は通常、ワクチン接種と不妊・去勢手術を受けさせた後、再び路上に返す。
子犬や弱っている犬は引き続きシェルターで世話をし、年間約80匹を西欧諸国の里親に譲渡している。
欧州南東部にあるコソボは経済的に貧しく、動物シェルターの数は非常に少ない。
この20年以上、野良犬はこの国で悩みの種になってきた。
野良犬が増えたのは1990年代後半。
セルビア治安部隊とアルバニア系ゲリラ組織による戦闘が激化してからだ。
やむなく避難した飼い主に捨てられた犬が路上にあふれた。
対処に迫られたコソボ当局は、野良犬を殺処分した人に賞金を提供。
この対策は激しい非難を招き、フランス人女優のブリジット・バルドー(Brigitte Bardot)さんにも糾弾され、打ち切られた。
2017年に子どもが野良犬に襲われる事例が相次ぐと、政府は野良犬を不妊・去勢する4か年計画を打ち出し、130万ユーロ(約1億7000万円)を拠出した。
だが、推定1万匹がまだ手術を受けておらず、野良犬はあまり減っていない。
交差点付近や公園など、あちこちに野良犬がいる。

■「人と人が付き合うのはごく普通のこと」
野良犬に進んで救いの手を差し伸べようとする人はいなかった。
そうした中で、ホッジャさんとストヤノビッチさんは、犬好きが高じて野良犬のシェルターを設立することにした。
人々を驚かせたのは、2人が民族の壁を乗り越えて協力し合っていることだ。
ホッジャさんは、「私たちのことを聞かれるのは不思議です。人と人が付き合うのはごく普通のことじゃないですか。紛争は20年も前に終わっているのですから」と笑う。
ホッジャさんは町でストヤノビッチさんとたまたま出会い、捨て犬を助けたいと互いが思っていることを知り、シェルターを設立する案を持ち掛けた。
ストヤノビッチさんは、「メントルと私は、気持ちや思っていること、動物に対する愛情が似ているのです」と語る。
シェルターの運営はもっぱら寄付金や大勢のボランティアに頼っている。
資金の大半は、ワクチン接種や不妊・去勢手術の費用に充てられている。
苦労は絶えず、常に資金不足に悩まされているが、ストヤノビッチさんは、野良犬の救済活動に打ち込むことに後悔はないと言う。
「もう一度やり直すとしても、同じことをします。犬たちといると気持ちが落ち着くのです。私は四六時中、犬と一緒に過ごしています」と話した。
「犬はとても愛情深いです。言葉をしゃべらないだけです」


「リードを付けてない飼い猫」の外出禁止令が可決!(豪州)

2021-12-27 05:48:48 | 国・行政

生動物保護のため、豪州都市で「リードを付けてない飼い猫」の外出禁止令が可決!違反者には罰金刑

2021年12月9日(木) ねこちゃんホンポ

先頃、西オーストラリア州フリマントル市議会で、リードをつけていない飼い猫の外出を禁止する法案が満場一致で可決されました。
この猫管理法改正案により、飼い猫は道路や低木林などすべての公共区域への立ち入りが禁止されます。
同法案を提出したアディン・ラング市議によると、これにより猫による野生動物の殺傷を防止できるとともに、猫の交通事故や猫同士の喧嘩による怪我を防ぐことができるとのこと。
フリマントルではすでにゴルフ場やビーチ、公園などを含む12の区域で飼い猫の立ち入りが禁止されており、違反した飼い主には約100ポンド(約15000円)の罰金が課されます。

◆猫を完全室内飼いする理由とは
先日、西オーストラリアの野良猫管理団体WA Feral Cat Working Groupのトム・ハットン会長は同市議会に対し、猫を室内飼いする理由として都市部の野生動物を保護し飼い猫を健康的に長生きさせることを挙げました。
ハットン氏によると、都市部の猫は野生の成猫と比べて30倍も多くの野生動物を殺傷するそうです。
さらに、完全室内飼いの猫の平均寿命は13歳であるのに対し、自由に屋外を出歩く飼い猫の平均寿命はわずか3歳。
その原因は偶発的な災難や交通事故、喧嘩や病気とされています。
フリマントル市では同法案の草稿を作成後、最低6週間の公開協議を実施する予定です。

◆多くの自治体が猫の外出禁止を導入
オーストラリアでは他の自治体でも同様の条例を求める声が上がっており、グレーターベンディゴ市や南クイーンズランドの自治体に続き、北クイーンズランドの議会も動物を保護するため猫の外出禁止条例を定めるよう求められています。
ビクトリア州ベンディゴの市議会では11月中旬、一部の猫を24時間室内で飼育することを定める条例が満場一致で可決されました。
さらに過去には、2020年7月にアデレイド・ヒルズで猫の外出を午後8時から午前7時までの夜間のみ禁止する条例が施行されています。
オーストラリアでは希少な動物が大量に猫に殺傷され、絶滅が危惧されるほど個体数が減少しているといいます。
こうした状況もあり、飼い猫の外出禁止の流れは今後もさらに広がるかもしれません。


犬猫の殺処分、マイクロチップの埋め込み義務化だけでは抑制できない?

2021-12-26 05:55:25 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

犬猫の殺処分、マイクロチップの埋め込み義務化だけでは抑制できない?
背景にある“ペットショップ問題”とは

2021年12月8日(水)  


装着の様子

去年、新たに飼われ始めた犬・猫は約94万匹。
一方、迷子・飼育放棄は約8万5000匹(2019年度)、さらに「殺処分」は約3万匹(2019年)を超えている実態があり、災害時などに飼い主とはぐれた迷い犬や迷い猫の問題の解消や安易な遺棄を防ぐために期待されているのが、“マイクロチップの埋め込み”だ。


埋め込みについて

チップには15桁の番号が割り振られており、それを読み取ることでデータベースに登録された個体や飼い主の情報と照合することができ、来年6月に施行される改正動物愛護法では、犬猫のブリーダーやペットショップに対し装着とデータベースへの登録が義務化されることになっている。
一方、動物愛護団体の中には、この流れに懸念を示す声もある。


懸念の声

「動物実験の廃止を求める会」では、「悪徳業者はチップを入れない可能性がある。また、チップの読み取り機の不全や、体内での移動などにより、飼い主のもとに戻れず野良扱いになる可能性がある。すべてのペットにチップの義務化が実施された場合、むしろ野良犬や野良猫などの駆除や虐待、殺処分が進んでしまう可能性がある」と主張している。


藤村氏

また、「日本動物虐待防止協会」理事長の藤村晃子氏も「急ぎ足で決まっちゃったな、という印象があり、まだまだ問題が多い。マイクロチップのメーカーは3、4社あり、読み取るためのリーダーも異なっている。義務化後、かなり混乱も起きるのではないか。また、犬について言えば、医療も進歩しているので、20年ぐらい生きるケースも珍しくない。そういう中で、5年目以降はデータを保持しないという業者が出てくれば、迷い犬になっても見つからなかったり、殺処分していいの?ということに繋がってしまうかもしれない」と指摘する。


佐々木氏

NPO法人が保護した犬を飼っているジャーナリストの佐々木俊尚氏は「国のデータベースでなくとも、獣医師会のデータベースであれば信頼もできると思うし、抑止力にはなると思う。ただ、うちの保護犬の場合もマイクロチップは入っていたが、照会して出てきた元の飼い主に連絡を取ることはできなかった。そこの住所に行って、周辺に聞き込みをするなどすれば分かるかもしれないが、そこまでやっても仕方がない。諦めて、うちのデータを登録し直してもらった。そういう部分が義務化によって改善されていくのであれば、決して悪いことばかりではないと思う」とコメント。


義務化へ

その上で、「マイクロチップだけで全ての問題が解決するわけではないということも大切だ。例えば都心の繁華街では、ペットたちが“通貨”のようになってしまっている。キャバクラの従業員が馴染みの客に“この犬、かわいい。買って”と買わせ、翌日には売ってしまう。その繰り返しでペットが循環してしまっているという実態があるし、それを分かってやっているペットショップも存在している」とした。


あおちゃんぺ

猫を飼っている「ブラックダイアモンド」リーダーのあおちゃんぺは「私の知り合いにも保護犬を迎えた人がいるが、種犬(繁殖犬)としてだけの扱いだったので、身体が傷だらけだった。やっぱりお金だけのため、子どもを産むためだけに生かされている動物は存在しているので、マイクロチップだけでは解決できない問題もある。私の場合も、猫ちゃんとはペットショップで出会った。当時は無知だったが、問題のあるペットショップがあること、年を取れば病気にもなりやすくなることも学んだ。良いブリーダーを探して相談しながら…というのはハードルが高いことだと思われるかもしれないけれど、そのくらいの覚悟がなければ、ペットを飼うことはできないと思う。単に“かわいいから飼う”というのはやめたほうがいい」と訴えた。


犬猫をめぐる状況

2人のコメントを受け、藤村氏は「一目惚れで飼い、大きくなったら面倒くさくなって捨てる。日本は殺処分が前提なので、それが数字に表れている。しかし、捨てられても第2の“犬生・猫生”が送れるような社会にしなければならないし、そのためにはペットショップという販売方法も見直すべきだ。やはりブリーダーからペットショップに流れていく過程で失われる命も多いので、アメリカやフランスでは、すでにペットショップ禁止の動きが出てきている」と話していた。

【映像】マイクロチップ、人体への実装は?経験者に聞く

(『ABEMA Prime』より)


犬1000匹劣悪飼育の業者、なぜ営業を続けてこられたのか

2021-12-25 05:54:37 | 動物実験・動物虐待

犬1000匹劣悪飼育の業者、なぜ営業を続けてこられたのか
 「暗部」隠す生体販売ビジネス

2021年12月8日(水) 太田匡彦朝日新聞記者

飼育していた多数の繁殖犬を虐待したとして長野県警は11月、動物愛護法違反(虐待)容疑で男2人を逮捕した。
逮捕されたのは同県松本市内において「アニマル桃太郎」の屋号で繁殖場を営業する会社の社長だった百瀬耕二容疑者とその社員。
2人は飼育していた犬たちを、劣悪な環境で衰弱させたり、病気になったのに適切な措置をしなかったりした疑いがある。
同市内の2カ所で計約1千匹の犬を飼育し、繁殖した子犬を埼玉県内のペットオークション(競り市)に出品、ペットショップに販売していたという。
なぜこのような劣悪な繁殖業者が長く営業を続けてこられたのか。


アニマル桃太郎から埼玉県内の別業者に移送された犬。毛玉に覆われていたため丸刈りに

背景には、流通小売業者であるペットショップを中心として大きく成長した、犬猫の生体販売ビジネスがある。
日本には現在、数十店から100店前後を展開する大規模ペットショップチェーンが10社以上ある。
1社あたり毎年1万~4万匹程度の子犬・子猫を販売してる。
これだけの数を販売するために、ペットショップチェーンは大量の在庫を抱える必要がある。
その主な仕入れ先は、20年4月時点で全国に28ある競り市だ。
毎週定期的に開かれる競り市には、全国の繁殖業者が大量に繁殖した子犬・子猫が出荷され、ペットショップチェーンのバイヤーたちがそれを次々に落札していく。
アニマル桃太郎もこれまで、繁殖した子犬を埼玉県内の競り市に出荷していた。
実際に多くのペットショップチェーンが落札していて、事件発覚後、対応に追われた。
関東地方を中心に店舗展開するチェーン経営者は「1年以内に販売した分までさかのぼって購入者に連絡を取り、健康に問題があるような場合には返金する対応を取った」と言い、全国展開する別のチェーン経営者は「血統書を見て気付いた購入者から連絡があった。健康状態のチェックは独自に行っていて、問題はないと説明した」と話す。

◆華やかなショップ店頭から見えない劣悪繁殖場
全国に店舗網を張り巡らせて「大量販売」するペットショップチェーンの存在が、繁殖業者に「大量生産(繁殖)」を促していると言える。
一方で、子犬・子猫を競り市で取引し、華やかなペットショップの店頭に並べてしまえば、どんなに劣悪な繁殖場があっても、つまり親犬・親猫がどんなに過酷な環境に置かれていても、その暗部は、覆い隠せてしまう構造がそこにある。
大量繁殖、大量販売の過程では、毎年2万5千匹前後の犬猫が感染症などで死んでいることも、朝日新聞の調査でわかっている(犬猫、流通中に年2.6万匹死)。

12年の動物愛護法改正(施行は13年)以前、一部の業者は、年齢的に繁殖に使えなくなった犬猫や売れ残った子犬・子猫を地方自治体に引き取らせ、結果として殺処分されてもいた。
12年改正で自治体が業者からの引き取りを拒否するようになると、全国各地で業者による大量遺棄事件が発生。
いまも、繁殖に使えなくなった犬猫が野山に捨てられたり、売れ残った子犬・子猫が「引き取り屋」の劣悪な環境で飼い殺しにされたりしている現実がある。
なかには「自分で埋めてる」などと、自らの手による「処分」を明かす業者がいる。
こうした状況を改善しようと、繁殖業者やペットショップに対する規制の強化は、過去4回の動物愛護法改正のたびに議論されてきた。
一般社団法人「ペットフード協会」などペット関連の業界団体が激しく抵抗したため思うように規制強化は進んでこなかったが、19年6月に可決、成立した改正動物愛護法では二つの前進が見られた(子犬・子猫、健やかに育つために 改正動物愛護法、規制を大幅強)。

一つは、幼い子犬・子猫を生後56日を超えるまで販売することを禁じる「8週齢規制」の実現だ。
犬猫の心身の健康を守る目的があるが、同時に、ペットショップを中心とした大量繁殖・大量販売の構図にメスを入れる狙いもある。
子犬・子猫がぬいぐるみのようにかわいいとされる生後40~50日ごろにショップ店頭に陳列できなくるため、消費者の衝動買いを抑制できる。
離乳後も一定期間、繁殖業者のもとで飼育しなければならないため、人手やスペースの問題から、これまで通りの大量繁殖もしにくくなる――というわけだ。
8週齢規制は、動物福祉の向上に積極的に取り組んでいる米国、英国、フランス、ドイツなど欧米先進国の多くで以前から行われていた。
特に英国イングランドでは20年から、「生後6カ月未満」の子犬・子猫をペットショップなどが売買することを原則禁止。実質的にペットショップでの展示販売を困難なものにすると、期待されている。

◆数値規制、ケージの最低面積は独仏の半分以下
もう一つが、繁殖業者やペットショップの飼育環境について、数値などを盛り込んだ具体的な規制を、環境省令で定めるよう規定したことだ。
省令制定にあたって小泉進次郎環境相(当時)は「悪質な事業者を排除するために自治体がレッドカードを出しやすい明確な基準にする」と表明しており、悪質業者の改善、淘汰に一定程度つながると見られている。
これも英国やドイツ、フランスなどの規制のあり方を参考にしつつ、国内の動物行動学の専門からの知見を集めて、具体化された。
ケージの面積や従業員1人あたりの上限飼育数、メスを交配につかえる上限年齢などについて、具体的な数値が盛り込まれている(犬猫の繁殖・販売業者の数値規制、実効性は)。
ただたとえば、すべての犬の飼い主を対象に規制を定めるドイツでは、体高50センチまでの小型犬用の平飼いケージの広さは、1匹あたり最低「6平方メートル」と規定。また、業者を規制対象とするフランスでは、犬1匹あたり最低「5平方メートル」とする。
対して日本の省令では、体長30センチの犬なら最低「1・62平方メートル」と半分以下。しかも、そこに2匹まで入れられる。
ペットフード協会などが作る業界団体「犬猫適正飼養推進協議会」が、寝床の大きさとして「高さ=体高×1・3倍」「幅=体高×1・1倍」という、犬がほとんど身動きできない数値を主張するなど激しく抵抗した経緯を考えれば、一定の前進があったとは言える。
だが、フランスをはじめとする欧米先進国のように、ペットショップにおける大量販売、ひいては繁殖業者による大量生産を困難にし、優良な繁殖業者(ブリーダー)からの直売に誘導していこうとするほどの規制水準にはなっていないのが、日本の現実だ。

◆島忠は「最善の方法」考えて一部店舗で陳列販売を終了
それでも、8週齢規制は今年6月に施行されており、数値を盛り込んだ新省令は一部の条項について経過措置が設けられているが、24年6月には完全施行となる。
今後は、これらの規制を、現場を持つ自治体が適切に運用できるかどうかが課題だ。
アニマル桃太郎を巡っては、松本市保健所が「今年に入って一度も立ち入り監視を行っていなかった」とするなど、省令違反の状態を見逃す形になっていた。
せっかく作った法令も、現場が運用できなければ「絵に描いた餅」になる。
動物福祉を重視する世界的な潮流にいま以上に取り残されないためにも、行政は責任を持って業者に対峙しなければならない。
同時に消費者は、ペットショップを中心にできあがった今の生体販売ビジネスのあり方に、疑問を持つべき時期に来ているのではないだろうか。
消費者の選択が、犬猫を不幸にする構図を支えている側面があるのだから。
ホームセンター大手の島忠は20年7月から、一部の店舗でペットショップによる子犬・子猫の「陳列販売」を終了した。
同社は「人とペットが幸せになれる最善の方法は何か、動物たちの負担を抑えるにはどうすればいいか、考えた末に私たちはこの選択をした」としている。

太田匡彦

朝日新聞記者
1976年東京都生まれ。98年、東京大学文学部卒。読売新聞東京本社を経て2001年、朝日新聞社入社。経済部記者として流通業界などの取材を担当した後、AERA編集部在籍中の08年に犬の殺処分問題の取材を始めた。15年、朝日新聞のペット面「ペットとともに」(朝刊に毎月掲載)およびペット情報発信サイト「sippo」の立ち上げに携わった。著書に『犬を殺すのは誰か ペット流通の闇』『「奴隷」になった犬、そして猫』(いずれも朝日新聞出版)などがある。

太田匡彦の書籍紹介
「奴隷」になった犬、そして猫
著者:太田匡彦
生体販売ビジネスの犠牲になる犬猫達の現実

太田匡彦の最近の記事
・8週齢規制ついに施行 忘れてはならない「誕生日偽装」問題と「日本犬除外」規定
・犬猫の繁殖・販売業者への「数値規制」 環境省案に残る二つの問題
・「小遣い稼ぎ」で猫の繁殖始めました 猫ブームの行き着く先は?
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劣悪環境で犬飼育し虐待、県が処分手順の要領策定へ

2021-12-24 05:50:04 | 国・行政

劣悪環境で犬飼育し虐待、
ペット業者への県指導「長年にわたり不十分」・・・処分手順の要領策定へ

2021年12月8日(水) 読売新聞

長野県松本市でペット業者の男2人が劣悪な環境で犬を飼育して虐待したとされる事件で、県は7日の県議会県民文化健康福祉委員会で、県の保健所によるペット業者への対応について、繰り返し同じ指導にとどまるなど、「長年にわたって不十分な指導があった」とする検証結果の概要を明らかにした。
県は登録取り消しや業務停止など違法な飼育状況を続ける業者への処分手順を明確化した独自の要領を策定し、再発を防止する。


長野県庁

同委員会で県は長年にわたる不十分な指導のほか、〈1〉飼育管理状況の認識不足〈2〉保健所と本庁との情報共有不足〈3〉不適切業者への行政措置の手順が未整備〈4〉抜き打ちによる立ち入り検査の未実施〈5〉警察など関係機関との連携不足――などの問題があったとした。
また、松本市のペット業者の飼育状況について当時は詳細に把握しておらず、「総合的に検討していれば、法違反であったと判断できたと考えられる」とし、当時の認識は「十分ではなかった」と結論づけた。
今後は警察などとの連携を強化。飼育環境を改善しない業者には、異なる地域の保健所職員が合同で抜き打ち検査を行うなどして虐待が疑われる事例を早期に発見するとした。
県の検証チームは当時の職員への聞き取りなどを行っていた。
有識者の意見を踏まえて報告書をまとめる。
一方、要領では、周辺住民の苦情があったり、立ち入り検査で動物の衰弱や虐待が確認されたりした場合、勧告や措置命令を行うほか、業務停止や登録取り消しを検討する方針。
処分を実施する際は環境省や専門家の助言も求める。
県は来年1月3日までパブリックコメント(意見公募)を募集し、要領を策定する。
同委員会で県食品・生活衛生課の吉田徹也課長は「県内全体の問題として重く受け止めて改善を進める」と語った。
他のペット業者への緊急の立ち入り検査について、県は来年3月までに完了させる方針だ。
対象は15匹以上の犬などを飼育していたり、住民から苦情が寄せられたりした88事業所で、11月末時点で15事業所の検査を終えた。
抜き打ち検査も初めて実施し、健康管理や繁殖状況などを確認しているという。
松本市保健所も管内87事業所の立ち入り検査を始め、事件後は販売業者を優先している。
長野市動物愛護センターも管内117事業所(昨年3月末時点)のうち、登録が10匹以上の業者を優先して実施している。
大河内雅彦センター長は「頭数や飼育スペースの把握をより慎重に行う。どの地域でも起こる問題で危機感を持って対応する」としている。


ブリーダーからの犬猫購入に気を付けて!

2021-12-23 05:48:57 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

「買ったらすぐ死んだ」「足の踏み場もなく悪臭放つ飼育場」
ブリーダーからの犬猫購入に気を付けて!

2021年12月4日(土)  

「かけがいのない家族」であり「生涯の友人」でもある犬や猫などのペット......。
2020年の1年間で新たに飼われた犬と猫の数は、合計約95万匹(社団法人ペットフード協会調べ)で、これは2019年に生まれた赤ちゃんの約86万人を上回る数字だ。
最近は、インターネットの紹介サイトなどを通じてブリーダー(犬猫の繁殖業者)から直接購入する人が増えているが、「購入後にすぐ死んでしまった」「キャンセルを申し出たら高額な違約金を請求された」 などのトラブルが急増している。
なかには、劣悪な環境で飼育されて悪臭を放つ犬や猫を買わされた人もおり、国民生活センターは2021年11月25日、「ブリーダーからの直接購入に気を付けてほしいこと」という警告リポートを発表した。

◆「先天性の心臓病で1年も生きられない犬を」
ブリーダーとは、犬や猫などペットを繁殖させ、ペットショップや卸売り業者に販売する業者。
動物愛護管理法に定める第一種動物取扱業として自治体への登録が必要だ。
命ある動物を取り扱うプロとして、動物愛護の法令を遵守するよう義務付けられている。
最近は、インターネットのブリーダー紹介サイトや自身のSNSを通じて、直接お客に販売するケースが増えている。
このためトラブルも増えており、2017年には33件だったのが、2020年には69件に倍増した。
お客にとっては、先天性の病気を持った犬を買わされても、数日飼っただけで愛情が湧いてしまうため「返品」するわけにいかないことが、通常の販売トラブルと大きく違うところだ。
こんな事例が多い。

【事例1】
犬の購入時に健康状態の説明は一切なく、後日先天性の心臓病が判明したブリーダー紹介サイトで好みのチワワを見つけた。
ブリーダーと数回やり取りをすると、「まだ掲載していない希少な毛色のチワワがいるので見に来ないか」と連絡があり、ブリーダーを訪ねた。
狭いマンションの一室でケージが山積みになっており、子犬が多数暮らしていた。
子犬を見せてもらうと、元気に走り回った。
気に入ったので、その場で約80万円を支払って引き取ったが、健康状態の説明や契約書の交付は一切なく、領収書を渡されただけ。
数日後、ワクチンを打つために動物病院に行くと、「この子犬は先天性の心臓病を患っている。1年も生きられないだろう」と言われた。
ブリーダーに連絡すると「返品してくれれば全額返金する」と言われたが、愛着が湧いているので返品ではなく治療費を支払う対応を取ってほしい。
(2021年8月、40歳代女性)

【事例2】
事務所は足の踏み場もない不衛生な状況で、購入した犬から悪臭がしてすぐに死亡したインターネットで検索し、口コミがよかったブリーダーに問い合わせ、約10 万円の犬を希望した。
事務所に訪問すると、欲しい犬は悪臭がしたが、顔が可愛かったので購入を決めた。
事務所には他にも狭いケージに入った犬がいて、足の踏み場がない状況で、臭いがきつく不衛生だった。
契約書は受け取っていない。
その後、犬が下痢をして翌朝にはぐったりしていたので動物病院に連れて行った。
着いた時には心肺停止で、蘇生措置をしたが死亡した。
ブリーダーに電話すると、返金や代替の犬で対応すると言ったが、その後「当方の獣医師の判断により、補償対象外なので補償はしない」とメールが届いた。
納得できない。
(2021年7月、60歳代女性)

【事例3】 ブリーダーが行方不明になり、血統書が受け取れない
ブリーダーが行方不明になり、血統書が受け取れない半年前インターネット広告を見て、ブリーダー宅で子猫を購入した。
血統書は去勢したら渡される約束になっていた。
来週去勢予定なので、ブリーダーに電話をしたが、現在使われていないとのアナウンスが流れた。
SNSのアカウントも退会しており、ブリーダー紹介サイトからも情報が削除されていた。
連絡方法がなく困っている。
(2021年5月、20歳代女性)

【事例4】
トラブル解決のため、ブリーダー紹介サイトに問い合わせようとしたが、利用規約に売買には関わらないと書いてあったブリーダー紹介サイトで、気に入った子猫を見つけて問い合わせをした。
「他に購入希望者がいるが、約50万円の半額を内金として入れてくれれば予約済みにしておく」と言われ、入金した。
ブリーダー宅に出向いて猫を受け取り、残金を支払った。
1週間後、猫が突然呼吸困難になったので医者に連れていくと、先天性の病気だと診断された。
猫を返そうとは思わないが、ブリーダーに憤りを感じる。
ブリーダー紹介サイトに問い合わせようとしたが、利用規約では「売買には関わらない」となっている。
どうしたらよいか。
(2021年4月、40歳代男性)


可愛い子猫は元気に育ってほしい(写真はイメージ)

【事例5】
生まれる前の犬を解約すると高額な違約金を求められたインターネットで、生まれる前の豆柴犬を予約販売するサイトを見つけた。
ブリーダーを訪ね内金6万円を支払い契約した。
豆柴犬本体は60万円で基本訓練やマイクロチップ装着費用、避妊手術代で合計約80万円となった。
契約後自宅に帰ると、家族に反対されたので解約することした。
しかし、ブリーダーから契約に従い契約代金総額の3割である約25万円を違約金として支払うよう求められた。
確かに契約書にはその旨の記載があるが、不利な条項だと思う。
(2021年4月、60歳代男性)

【事例6】
子猫の購入予約をキャンセルすると、予約金は返金できないといわれたブリーダー紹介サイトに掲載された生後2か月のメス猫が気に入り、子猫の見学を申し込むと、ブリーダーから希望日時の見学を承諾したとの返信があった。
メールには「子猫の販売は猫舎を見学した順ではなく、購入予約した順で決まる。
購入予約金5万円を振り込んだ人が優先する」とあったので、すぐにブリーダーの口座に5万円を振り込んだ。
しかし、都合で猫が飼えなくなり、翌日キャンセルの連絡をすると5万円の購入予約金は一切返金できないと返信があった。
返金しない理由をサイトに聞くと「予約金の取り扱いはブリーダーごとに決めており、ブリーダーのページに掲載されている」との回答だった。
サイト上でブリーダーと予約金についてやり取りをした際には、返金しない旨の説明はなかった。
(2021年4月、40歳代男性)

◆「ペットは生き物。生涯一緒に暮らす覚悟で」

ブリーダーからペットを購入する際の注意点(国民生活センター作成)

こうしたケースに共通しているのは、次の点だ。
(1)健康状態などの説明が行われていない、契約書が渡されていない、などブリーダーの説明や対応に問題がある。
(2)病気が判明した際の対応などはブリーダーごとに定めており、ブリーダー紹介サイトはトラブルが発生しても原則介入しない。
(3)お客に現物確認・対面説明を行う前に売買契約を結んだり、劣悪な環境で犬や猫を飼育したりするなど、ブリーダーにも動物愛護管理法上の問題行為がある。

一方、お客側にも問題点が少なくない。
(1)お客自身がペットの飼育環境や、契約内容を確認せずに契約をしている。
(2)お客の都合でのキャンセルしたうえ、事前にキャンセル時の対応を確認していない、などだ。

国民生活センターではこうアドバイスしている。
(1)ブリーダーから購入する場合には、第一種動物取扱業の登録があるかどうか調べたうえで直接会うこと。購入後も長く付き合い気軽に相談できる、信頼できるブリーダーかどうかを確認する。
(2)複数のブリーダーを訪ね、飼育施設がキレイか、動物が汚れていないか、元気に走り回っているかなどを確認する。
(3)購入する際は飼育施設でペットを確認し、対面での説明を必ず受ける。その際、キャンセル時などの対応を必ず確認する。
(4)ブリーダー紹介サイトは、基本的にトラブルに介入せず、当事者同士で解決すると定めているところが大半だ。利用規約をよく確認する。
そして、最後にこう求めている。
「ペットは生き物です。生涯一緒に暮らすことになります。選ぶときはくれぐれも慎重に検討して、安易な購入は避けましょう」

(福田和郎)


詐欺?詐欺まがい? の世の中。
ペットに纏わる問題は多発しています。
ペット販売業者の詐欺行為は厳しく罰せられる社会でなければなりません。
しかし、ここには必ず「売り手」と「買い手」 の問題があります。
「売り手」の問題は多発しており法的措置(例えば免許制導入等)を厳しいものにする大きな課題がありますが、「買い手」の問題も多いのです。
「買い手」自身が何も考えず衝動買いをせず、知識と意識を持ちしっかりチェックした上で判断することが重要です。
「買い手」の安易な行動が「売り手」を助長させていることを認識すべきでしょう。
「買い手」の行動如何によって動物たちの幸不幸が左右されるのです。
世の中は「需要と供給」、モノが売れれば売れるほど値が上がる。偽物まがいの悪徳業者も多発する。
しかし、動物たちはモノではありません。
モノ同様の扱いは許せません!
安易に買う人を止めない限り不幸なペットは増え続けるのです。
(byぬくもり)


「地域猫」6匹殺される(千葉)

2021-12-22 05:52:55 | 動物実験・動物虐待

「地域猫」6匹殺される 腹部切り裂き、容疑で捜査 千葉県警

2021年12月21日(火)  

千葉県市川市大洲の江戸川河川敷で、地域の住民が共同で面倒を見ている「地域猫」6匹が腹部を鋭利な刃物で切り裂かれるなどして殺されていたことが20日、住民らへの取材で分かった。
猫をかわいがっていた住民らは不安を募らせており、県警市川署が動物愛護法違反の容疑で捜査を進めている。


事件後に住民が設置した看板=18日、千葉県市川市

近隣住民によると、現場はJR市川駅の南約1キロの河川敷遊歩道。
付近に十数匹がすみ着き、周辺住民らが去勢手術の費用を捻出したり、餌やりしたりして、世話をしてきたという。
今月5日朝、通行人が6匹の死骸を発見。いずれも腹を切り裂かれた状態で、うち4匹が箱の上に並べられ、壁に猫が打ち付けられたような痕跡も見つかった。
2匹は河川敷に放置されていた。


殺害された猫が並べられていた箱  

近くに幼稚園や小中学校などがあり、住民らは小動物虐待がエスカレートするのではないかと警戒している。
現場近くに住む50代女性は「猫が襲われて逃げてきたような血の痕が自宅敷地内にあり、事件以来、体調が悪くなった」と不安を訴える。
市川署によると、6匹以外の被害は確認されていないという。



塀に投げつけられ、腹切り裂かれ…千葉県市川市の河川敷で猫6匹が不審死

2021年12月21日(火) チバテレ(千葉テレビ放送)

12月5日、千葉県市川市の河川敷で猫6匹の死骸が見つかりました。
中には、腹を切り裂かれた状態の猫もいたということで、警察は何者かが危害を加えた可能性もあるとみて捜査しています。
記者レポート 「江戸川の河川敷です。今月に入り複数の猫の死骸が見つかりました。こちらの箱の上に並べられていたとみられます」
警察などによりますと、12月5日朝、市川市大洲の江戸川河川敷で、6匹の猫の死骸が見つかりました。
近隣住民によりますと、4匹が金属製の箱の上などに並べられていて、中には腹を切り裂かれた状態の猫もいたほか、近くの塀には猫を投げつけたとみられる跡があったということです。



近隣住民はー 「腹を切られて、内臓も全部出ていたと聞いています」 「そういう人が普通にここらへんを歩いていると思うだけでも怖いし、その人のことも心配。捕まえてほしい」
現場はJR市川駅から南におよそ1キロの河川敷で、死んだ猫はいずれも付近の住民らが共同で世話をする「地域猫」とみられています。
通報を受けた警察は何者かが危害を加えた可能性もあるとみて、動物愛護法違反の疑いで捜査しています。

塀に投げつけられ、腹切り裂かれ…千葉県市川市の河川敷で猫6匹が不審死(チバテレ) - Yahoo!ニュース