動物たちにぬくもりを!

動物愛護活動の活動経過や日々の出来事、世の中の動き等幅広く紹介します。

小池都知事の犬猫殺処分ゼロ発表に疑問の声

2019-04-30 06:00:22 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

フィフィ、小池都知事の犬猫の“殺処分ゼロ発表”に疑問
「数字より飼い主の資格を問うべき」 

2019年4月25日(木) キャリコネニュース


基準を変えて見れば「ゼロになっていない」という主張です

小池百合子都知事が今月5日に発表した「ペットの殺処分ゼロ」達成に、タレントのフィフィさんが疑問を呈している。
フィフィさんは4月25日放送の「モーニングcross」(TOKYO MX)に生出演し、「殺処分は実際には150匹いた」と指摘。
動物たちに関する政策に、「真相が確かめられないものについて達成しましたよと言われても、私は喜べない」、「殺処分ゼロ、という公約がまずおかしいんじゃないか」、と主張した。
(文:okei)

殺処分ゼロの発表は「公約の達成ゼロじゃん」と言われないため?
都によると、2008年度に殺処分されたペットは5000匹以上。
市区町村と連携し、譲渡会の PR を強化するなどして殺処分ゼロを達成したとしている。
フィフィさんは、譲渡に協力してくれた団体、飼い主になってくれた人たちなどの力が大きいとした上で、「殺処分ゼロ」には「からくりがある」と批判している。
殺処分に含む対象は「譲渡ができる状態の犬や猫」に限られている。
衰弱や病気などで譲渡できないと判断されれば、動物福祉などの観点から処分扱いとなる。
朝日新聞の報道によれば、実際には約150匹処分されたという。
つまり、基準を変えると「殺処分ゼロ」にはなっていないのだ。
フィフィさんは、「殺処分ゼロ」が政治利用されているという見方を示している。
小池知事が掲げた満員電車ゼロや待機児童ゼロなどの公約は、どれも簡単なものではないが、達成しないと「達成した公約がゼロじゃん」と言われかねない。
「待機児童ゼロ」の公約は、親がいるため実態を誤魔化せないが、声の無い動物がどのように扱われたのか、「真相は分からない」と痛烈に批判している。
本当に病気だったのか、殺処分に値する衰弱や病気だったかなどは「確かめようがない」として、「真相が確かめられないものについて達成しましたよと言われても私は喜べない。そもそも論、この啓発活動の中で始まった『殺処分ゼロ』という公約がまずおかしいんじゃないか。捨てられるペット、犬猫がいなくならないと目標達成になってない」と主張した。
「譲渡会に渡したことのある飼い主に、もう一度ペットを飼う許可を与えてはいけない」、ゴルフ解説者のタケ小山さんは、「そもそも人間が勝手にブリーディングしているわけで、簡単に手に入る命なんてものを許可していることが問題。供給元、ブリーディングのほうに規制をかけようとする政治家がでてこないと、この問題は変わらない」とコメントした。
ペット産業を規制するほうが先だという意見だ。
フィフィさんは同意し、「飼いきれず譲渡会に渡すような飼い主は、もう一度ペットを飼うという許可を与えてはいけないと思っています」と断言。
ペットを飼うにふさわしいかどうか免許制にすべきだし、「殺処分ゼロ」を目標に掲げるのではなく、「捨てられるペットをゼロ、を目標にすべき」だと念を押した。
ペットの規制は、ヨーロッパではスイスが2008年から犬の飼い主免許を義務付けており、ドイツの一部の州では犬税を設けている自治体もある。
ネット上ではフィフィさんの意見に対し、「ペット飼うのに免許制にするのは、良い解決策になるかも」といった賛同の声が出ていた。


孤独死の犠牲になった悲しきペットたち

2019-04-29 06:05:47 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

孤独死の犠牲になった悲しきペットたち。飢えて共喰いした形跡も・・・ 

2019年4月21日(日) 日刊SPA! 

                       

年間約3万人といわれる孤独死――。
少子高齢化で、単身世帯が急増する中、孤独死は、もはや誰の身にも起こってもおかしくない。
拙著、『超孤独死社会 特殊清掃の現場をたどる』の取材に当たっては、数々の孤独死現場を取材したが、その過程で驚かされたのが、飼い主と共に犠牲になるペットたちの存在だ。
熱帯魚や、亀、ハムスターなど、孤独死現場では数多くのペットたちの亡骸を目にする。
あまり知られていないが、孤独死現場では、犬や猫などのペットが遺されて、悲惨な結末を迎える例が少なくない。
そこには飼い主の亡き後、飢えや喉の渇きなどとともに、壮絶な苦しみの中で命が尽きた動物たちの姿がある。
原状回復工事(特殊清掃)に携わって10年以上になる武蔵シンクタンクの塩田卓也氏は、ペットと孤独死の現状についてこう語る。
「孤独死した人と共に、犬や猫などのペットが犠牲になるケースは決して少なくありません。孤独死した人は、生前に疎遠だったケースがほとんどなので、例え運よく生き残ったとしても、親族が引き取ってくれるのは稀です。慌てて止めましたが、残された猫をその場で絞殺そうとした心のない大家さんもいます」

◆猫屋敷で共食いの果てに
そのいくつかの例をご紹介したい。
東京都内の築50年ほどのアパートは、猫屋敷だった。
10畳ほどの二階部分のガラスは、所々ヒビが入っていて、布テープで補修しているのが外からもわかった。塩田氏は、その隙間から漂う強烈なアンモニア臭と腐敗臭に、驚きを隠せなかった。
塩田氏は通常、目をゴーグルで覆い口と鼻は防毒マスクで防御しながら突入していく。
しかし、そのゴーグルの隙間からも、強烈な臭いが侵入してくる。
塩田氏が部屋の中に入ると、そこはあまりの惨状だった。
20匹は下らないほどの猫の屍がいたるところに無残にも転がっていたのだ。
「猫たちの死体は、ただ息絶えているものや、頭以外はしかばねのものなど、壮絶でした。完全に骨と化している猫もいて、凄まじい異臭だったんです。僕は数々の特殊清掃に携わっていますが、その臭いは人間の死体をはるかに超えるものでした。猫は飼い主が亡くなると、最後には飢えて共食いをしていたようです。猫たちの悲しみが伝わってくる、本当に可哀そうな現場でした」
塩田氏が猫たちの亡骸を片づけて、飼い主の遺品を整理していると、この部屋の主の男性のものと思われる遺品が出てきた。
写真を見ると、男性はリーゼントヘアで、肩には入れ墨があった。
若い頃には、威勢が良いタイプだったが、年齢を重ねてからこのアパートに引きこもるようになったらしい。そのうち、寂しさを覚えたのか、避妊手術を受けていない猫たちを引き取るようになり、そのまま繁殖を野放しにして、鼠算式に増えていったのだろう。
飼育能力を超えた数の動物を飼う行為は、アニマルホーダーと呼ばれ、近年大きな社会問題とになっている。
飼い主が生前から孤立していたケースも多く、孤独死した末に何日も発見されず、ペットが悲惨な結末を迎えることが多くなるのだ。
孤独死の8割を占めると言われるごみ屋敷などのセルフネグレクト(自己放任)は、様々な理由で離職や離婚など、誰でもふとしたきっかけで陥るが、このようなアニマルホーダーもセルフネグレクトの一種である。

◆悲しき小型犬の死
塩田氏によると、猫と違って犬の場合は、ひっそりとその生涯を閉じることが多い。
そこは神奈川県の高級分譲マンションの一室だった。
住民の50代の女性は一人暮らしで、孤独死して死後二週間が経過していた。
玄関からゴミの山が溢れていて、掻き分けるようにして、匍匐(ほふく)前進で前に進まなければいけなかった。
机には、大量のサプリが無造作に置かれていて、部屋の中心は大量のペットボトルがあった。
ごみの頂点は、腰辺りまでの高さになっていた。
一メートル四方の毛布が掛けられた箱の辺りに、臭いが充満していたため、毛布を取ると、ケージの中で、白と茶色の小型犬二匹が、寄り添うように亡くなっていた。
「孤独死現場ではペットの死骸が見つかることが多いのですが、この二匹はお互い頭と頭をくっつけて、お互いに寄り添うように亡くなっていたんです。きっと二匹は仲が良かったのでしょう。2匹の遺体を見た瞬間、思わず涙が込み上げてきました」
塩田氏は、女性がセルフネグレクトに陥り、無気力となり、毛布をケージにかけて放置したのだろうと推測する。
そして、二匹は生きたまま、ゴミの山に埋もれて、亡くなっていった。
塩田氏は、その二匹の苦しみを思うと、胸が締めつけられたという。
少子高齢化、単身世帯の増加に伴い、孤独死は近年増え続けているという実感がある。
世知辛い世の中でペットは私達の心を癒してくれる大切な存在だが、その命を道連れにすることは決して飼い主も望んではいないはずだ。
<取材・文/菅野久美子 画像提供・武蔵シンクタンク>

【菅野久美子】(かんの・くみこ)
ノンフィクションライター。最新刊は『超孤独死社会 特殊清掃の現場をたどる』(毎日新聞出版)『孤独死大国 予備軍1000万人のリアル』(双葉社)等。東洋経済オンライン等で孤独死、性に関する記事を執筆中


姿勢の良い猫ちゃん

2019-04-28 06:02:09 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

背筋ピーン!やたら姿勢のよい猫ちゃんに「猫背の概念とは」 

2019年4月23日(火) おたくま経済新聞                       

姿勢の良いここちゃん
まるで警戒中のミーアキャットのように、背筋をピーンと伸ばして立っている姿の猫ちゃんがツイッターに投稿され、ネット民からは「猫背とは……?」と猫背の定義に疑問を持つ人も多く出ています。

【関連リンクはこちら】

この猫ちゃんは、マンチカンのここちゃんで、生後7か月の女の子。飼い主の安藤冴さんが、「その写真ツイッターで載せたらバズるよって言われたので、よく立つうちの猫を載せます」と、ここちゃんの立ち姿をツイッターに投稿したところ、たちまち大人気に。執筆している時点で7万回以上のリツイート、約27万のいいねが付いています。
その写真ツイッターで載せたらバズるよって言われたので、よく立つうちの猫を載せます— 安藤 冴 【ミス成城 No.4】 (@missseijo17_no4) April 21, 2019 from Twitter



その立ち姿、背筋をしっかりと伸ばして辺りを見ているかのよう。
後ろ足としっぽでしっかりと体を支えて立ち上がっている姿、時に背筋が反り気味になることも。
安蔵さんによると、ここちゃんは好奇心旺盛で、物音がするとしょっちゅう立ち上がっているのだそう。
よく鳴き、よく食べる元気いっぱいの女の子ですが、安藤さんが泣くふりをすると心配してくれる優しい一面も。
猫が座っている時、その背中はきれいな曲線を描いています。
ところが、体を伸ばして寝ている時や、立ち上がって何かをのぞき込む時は、こんなにも体が伸びるの?と思わず目を疑ってしまうほどよく伸びます。
マンチカンは日本猫と違って、骨格的にも後ろ足がやや短めなので、後ろ足で立つのも得意な種類。
この安藤さんの投稿に、「うちの猫も立ちます」と、飼っているマンチカンの立ち姿の写真や、飼い猫の姿ををリプライで送ってくる人も続々。

  

よく立ち上がる猫の出現によって、猫背の定義もそろそろ書き換えられるのではないかな……?と思ってしまうような、よい姿勢の猫ちゃんですね。
<記事化協力>安藤 冴 【ミス成城 No.4】さん(@missseijo17_no4)
(梓川みいな)


猫虐待動画をYouTubeにアップした男

2019-04-27 05:59:45 | 動物実験・動物虐待

首に噛みつき「このクソ猫」 猫虐待動画をアップした男に批判殺到 

2019年4月24日(水) しらべぇ

「このクソ猫」「こいつ根性悪いね」などと言いながら子猫の首に噛みつき、時には暴行を加える。
そんなショッキングな映像がネット上で拡散され、撮影した男への怒りの声が相次いでいる。


(Zbynek Pospisi/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

 ■猫を虐待する動画をYouTubeにアップ
複数の飼い猫に対する虐待の様子を動画で撮影しYouTubeにアップしていたのは、岐阜県に住む41歳無職の男。
猫に噛み付いたり、手で押さえつけながら「お前いい加減にしろ溶鉱炉につっこむぞ」「これから僕はこの主人に殺されまーす」「猫いじめたからなんだっていう話だよ、めでてぇよほんとに」などとコメントしていた。 

■虐待に「許せない」と怒りの声
元になった動画は現在消されているようだが、視聴者がネット上に拡散したことから、投稿者へ批判が殺到。 

■7割弱「動物虐待を厳罰化すべき」
しらべぇ編集部が、全国20〜60代の男女1,537名を対象に調査したところ、全体の65.1%が「動物虐待やペット廃棄を厳罰化すべきだと思う」と回答した。

ペットは人間と同じ生命であるにもかかわらず、虐待しても動物愛護法により「2年以下の懲役または200万円以下の罰金」程度しか課せられない。
こうした状況を不満に思う人は、かなり多いことがわかる。

■本人は謝罪のツイート
なお、投稿者の男は22日「みなさんご心配の猫たちはこうして僕と一緒に生活しています。猫を不幸にするような行為は二度としないとお約束します。」と謝罪のコメントをツイートしている。
(文/しらべぇ編集部・びやじま)

【調査概要】方法:インターネットリサーチ「Qzoo」調査期間:2018年10月19日~2018年10月22日
対象:全国20代~60代の男女1,537名 (有効回答数)


子犬遺棄の女を逮捕

2019-04-26 06:07:07 | 動物実験・動物虐待

子犬遺棄の女を逮捕 家からイヌ38匹を保護(米) 

2019年4月24日(水) アフロ 

先週、米西海岸カリフォルニア州チョーチェラのオートパーツ専門店のゴミ捨て場に、ビニール袋に入れた子犬7匹を遺棄した女が4月22日、動物虐待などの容疑で逮捕された。
同州リバーサイド郡動物愛護団体が明らかにした。



 

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190424-00010003-storyfulv-n_ame

デボラ・スー・カルウェル容疑者(54)は18日、当地のオートパーツ専門店のゴミ捨て場に、ビニール袋に入れた子犬7匹を遺棄する様子を、同店の防犯カメラに捉えられていた。
当日チョーチェラ周辺の日中最高気温は30℃と真夏の暑さで、生後3日でまだ目も開いていない子犬は、窒息死する一歩手前だったという。
ビニール袋を発見した通行人が、店の正面玄関前に移しておいたことで、店員がこれに気付いて警察に通報して、子犬は無事保護された。
警察と動物愛護団体は、映像に映っていたジープのナンバープレートや市民から提供された情報を元に、同容疑者の住居を突き止め、逮捕に至った。
カルウェル容疑者の家からは、イヌ38匹が保護されたと地元テレビ局が報じた。
同容疑者は、動物虐待など7件の罪で起訴される。
(アメリカ、チョーチェラ、4月24日、映像:Riverside County Animal Services via Storyful/アフロ)

【関連記事】
映像】生後3日の子犬7匹捨てる 動物虐待の罪で女の身元調査 


ディリー「野良子猫との出会い」

2019-04-25 06:04:17 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

寒い夜「部屋の中に入れて」と鳴いていた子猫 飼うつもりはなかったが・・・ 

2019年4月20日(土) ディリー

栃木県に住んでいる駿河さんは、柴犬とコーギーのミックス犬(1歳)ゆずくんを飼っていたのだが、2018年11月、レモンちゃんという子猫も保護することになった。
初冬とはいえ、夜になると寒さでストーブをつけずにはいられないような日の晩。
一匹の子猫が「部屋の中に入れてくれ」とニャーニャー窓の外で鳴いていたという。


部屋の中に入れて」と鳴いていた子猫

「窓を開けると中に入ってきたので、とりあえず水をあげ、コンビニでキャットフードを買って与えました。お腹が空いていたようで元気に食べましたが、疲れていたのか、すぐに寝てしまいました。猫用のトイレがなかったので、週末までは家の中で飼うことはできず、毛布を敷いた箱をガレージに置いて様子を見守っていたんです。トイレを買ってから家の中で飼い始めました」
後で近所の人から聞いたところ、レモンちゃんは、アパートの庭を数日前からうろうろしていたのだという。
母猫も兄弟も見当たらず、誰かが捨てたのかもしれない。 

■「レモンがうちを選んでくれた」
レモンちゃんを保護した駿河さんだが、「最初はレモンを飼うつもりはなく、誰かに譲渡するつもりでした。知り合いで、自身も保護猫を飼っている“くまちゃんママ”から、譲渡する方法や動物病院で何をしてもらえばいいのか、必要な物からフードの与え方まで、いろんなことを教えてもらいました」
小さい頃から実家で犬を飼っていて、祖父母が猫を飼っていたこともあり、動物が好きだという駿河さん。
野良猫を見るとご飯をあげたくなるという。
くまちゃんママにレモンちゃんを譲渡したいと思ったが、「先住猫がいるので、多頭飼いはできない」と断られた。
「レモンがうちを選んでくれたんだと思うと情がわいてきて、自分で飼うことにしたんです」
ゆずくんとの相性が良かったことも決め手になった。
2匹はつかず離れず、ほどよい距離を保っているという。

■毎朝4時に起こしにくるレモンちゃん
子猫の時に耐え難い空腹を経験したからなのか、レモンちゃんは、キャットフード(ドライフード)の音を聞くと、いつも全速力で飛んでくるそうだ。
猫用のねずみのおもちゃが大好きで、飽きることなく遊ぶ。
「毎朝4時に起こしにきます。手で顔を叩いたり、顔を噛んだりして起こしてくれるんです。起きるまで止めることはありません(苦笑)。寝顔を見られるのが嫌みたいで、寝るときは顔を手で隠して寝ます」
あまりにも可愛がられて幸せ太りしてしまったレモンちゃん。
不妊手術をした時に獣医さんから「お腹の脂肪がすごい」と言われたそうだ。少しダイエットが必要なようだ。

【写真】「おウチの中に入れてニャー」こんな表情でおねだりされたら…
(まいどなニュース特約・渡辺陽)

 

 

しとしと雨が降る夜更け・・・ダンボール箱の中から助けを求めていた茶トラの子猫 

2019年4月21日(日) ディリー 

乗用車やトラックがひっきりなしに通る大きな幹線道路。
その端っこにダンボール箱に入れられた子猫がいた。
偶然にも、そこを通りかかった奥田さんの長男が、だんごくんをみつけた。

 
なかなかハンサムでしょ

【幹線道路のすぐそばに捨てられていた茶トラの子猫】
大阪に住む奥田さんの長男は、8年前の5月8日、雨がしとしと降っている夜、1匹の子猫を保護した。
「息子が、DVDのレンタルショップに行くために、いつもは通らない道を通ったら、子猫がニャーニャー鳴く声がしたそうです。声の主を探すと、車がひっきりなしに通る幹線道路のすぐそばにダンボール箱が置いてあり、中に子猫がいたそうです」
歩道ではなく、車道のすぐそばなので、いつひかれてもおかしくない状況だったという。
「おいで~」と手を差し出すとすぐに寄ってきたので、そのまま保護したという。
「実は、当時15歳の息子は、以前から猫を飼いたいと言っていて、よくペットショップに猫を見に行っていたんです。この日は、いつもと違う道を通ったら、偶然子猫に出会ったというのですから、運命だったのでしょうか」
長男は、子猫がまん丸の目をして丸くなっていたから、「だんご」という名前にした。
「だんごは、保護当時生後1カ月くらい。すごく人懐っこい子で、よく息子の枕元で丸まっていました。たぶん、誰かに飼われていたんだと思います。翌日、動物病院に連れて行ったのですが、何か体に悪いものを食べていたようで、しばらく下痢をしていました」

【もうペットは飼わないと決めていたけれど】
奥田さんは、実家にいる時に猫を2匹、犬を1匹飼っていたことがあった。
なかでも1匹の猫は、一緒に成長してきた感じだったという。
「主に世話をしていたのは母だったのですが、私もペットロスになってしまって、職場で仕事をしていても涙があふれてきました。私にとって、動物はペットではなく家族なんです。いつもそばにいたペットがいない。心にぽっかり穴が空いたようでした。その時のロスがきつかったので、結婚しても二度とペットは飼わないと思っていたんです」
ところが、長男が連れ帰った茶トラの子猫を見たら、そんな気持ちは一気に吹き飛んでしまったという。
「保護した翌日、動物病院に健診に連れて行った時に、里親の募集の仕方なども伺ったのですが、いつしか自分で飼うと決めていました」 

【だんごくんは、家族のパワースポット】
だんごくんが大好きな奥田さん。ついついベタベタしたくて、だんごくんを追いかけてしまう。
「いつもどこにいるのか把握していないと気がすまないんです。押入れの中に入っているだけで、心配になって。そのせいか、長男や長女には甘えるのに、私がだんごを抱っこしようとしても、サッと逃げてしまうんです」
それでも、奥田さんにとってだんごくんは、いっぱい癒やしてくれる「パワースポット」。仕事から帰る時も、大急ぎで帰るのだという。

【写真】まさかの手の平サイズ!保護当時の「だんご」が可愛すぎる
(まいどなニュース特約・渡辺陽)


奄美大島で進むノネコ捕獲

2019-04-24 06:01:28 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

奄美大島で進むノネコ捕獲に、5つの大きな謎

ペットゥモロー 

豊かな自然に恵まれ、アマミノクロウサギやヤンバルクイナといった希少種が生息している奄美大島とその周辺の島は、世界自然遺産の候補地となっています。
でもそんな美しい奄美大島で今、猫の大量捕獲計画が進んでいるのをご存じですか?
環境省は、野良猫が野生化した「ノネコ」がアマミノクロウサギなどの希少動物を捕食しているという理由で、2018年7月17日から「ノネコ管理計画」に基づいてノネコの捕獲を始めました。
予定されている駆除数は1年間に約300頭、10年で3000頭。
「希少動物も大切な命だから、守るためにはしかたないかも・・・」と思いそうですが、でもこの計画にはさまざまな疑問の声があがっているのです。

疑問1:クロウサギの個体数は増え続けているのに、なぜ?
アマミノクロウサギの生息個体数調査が行われた2003年から15年間、ノネコの駆除がほぼゼロ。
にもかかわらず、アマミノクロウサギは増え続けています。
であれば、「希少動物であるクロウサギを守るため」ノネコを捕獲する必要は全くないはずなのです。

疑問2:死因の大部分はノネコと関係ないのに、なぜ捕獲する必要があるの?
環境省の調査によると、2016年に断定できたアマミノクロウサギの死因は100%交通事故。
同省が発表した2000年~2013年の死因調査でも、クロウサギの死因のうち、犬や猫に捕食されたと断定された割合は数%に過ぎません。
また奄美大島では2005年からクロウサギを捕食するマングースの駆除を行ってきましたが、その結果、この10年ほどの間にクロウサギの数は急増しているのです(※環境省発表ノネコ管理計画より)。
つまりクロウサギ絶滅の原因はノネコではなく、マングースにあったということ。
これだけのデータがあるにもかかわらず性急に大量捕獲を進めたがっているのは、「世界自然遺産を口実に、ノネコの駆除をしたがっているのでは?」という疑いも湧いてきます…。 

疑問3:なぜ譲渡のハードルが異常に高いの?
捕獲されたノネコは1週間以内に譲渡先が決まらなければ、殺処分されてしまいます。
ノネコの命を守るため、徳之島、天売島などの地域でノネコを譲渡していますが、奄美大島では譲渡希望者は「納税証明書、所得証明書、家の見取り図、身分証明書」などの提出が義務付けられています。
これは他の島と比べて、異常なまでにハードルが高い条件となっているのです。 

疑問4:なぜ捕獲した猫の情報を公開しないの?
これまで捕獲された猫の中には、獣医による不妊手術済みの猫(さくらねこ)もいて、地域猫や飼い猫も山に迷い込んで捕獲されていることが明らかになりました。
飼い猫が脱走して野良になり、ノネコになったとすれば、捕獲を機会に元の飼い主が見つけられる可能性もあります。
また里親希望者にも、ノネコの情報が必要。
なのになぜか、県迷子猫情報サイトでの公開は一切なし。
そのことも、譲渡のハードルをさらに高くしている一因です。
これでは、どう考えても、もともと殺処分が目的としか思えません。



疑問5:世界自然遺産登録のためには、かえってマイナスになるのでは?

世界自然遺産の登録を行うユネスコは「多様性の尊重」「非排他性」「人の心の中に平和のとりでを築く」を理念としています。
これまでに約70000頭の無料不妊手術を行った公益財団法人「どうぶつ基金」は猫とアマミノクロウサギとの共生を図るため徳之島で、地元行政と共にTNR活動を行い、2年程度の間に島に棲むノラ猫、飼い猫、約3000頭のほとんどを一気に不妊手術。
「このことはユネスコの理念に沿ったもので、世界遺産登録を後押ししたと確信しています」(どうぶつ基金)。
つまり「世界遺産登録のために猫を大量に殺処分する」ことは無意味なだけでなく、ユネスコの理念とも完全に逆行するのです。
沖縄や奄美大島でノネコの大量殺処分が行われれば国際社会の反発を招き、登録申請が却下されかねません。
そうすれば、地元自治体やどうぶつ基金などが進めてきた過去の努力が、完全に台無しになります。

この条件では、殺処分ゼロはほぼ不可能!?
これまでに捕獲されたノネコは東京のNPO法人ゴールゼロ、 沖縄のNPO法人ケルビムなどの必死の努力により、現在のところ殺処分ゼロが続いています。
でも公益財団法人「どうぶつ基金」は「現在の条件下では殺処分ゼロの継続は極めて困難。一刻も早く改善していただかなければ」と、危機感を募らせています。
そこで、どうぶつ基金と上記NPO法人らは2018年9月18日、奄美大島ねこ対策協議会(奄美市役所内)に改善を求める要請書を提出しました。
内容は以下のとおりです。
1.譲渡希望者に義務付けられた提出書類が多い事により譲渡の機会を損失しています。鹿児島県動物愛護センターで実施している譲渡事業と同等にしてください。
2.飼い猫や地域猫、さくらねこが森に入りノネコとまちがって捕獲されています。飼い主が速やかに探すことができるように「鹿児島県迷子犬猫情報サイト」への掲載をしてください。
3、ノネコの駆除を行う前に、2003年を最後に15年間行われていない島全体のクロウサギの生息個体数の調査を行い、結果を公開してください。
4.平成25年度に環境省が行ったノネコの譲渡会と同様の情報公開及び譲渡会の開催をしてください。

協議会は、翌週に会合を開いて要請内容を検討し、10月5日までに回答したいとのこと。
奄美大島のノネコ問題を、もし捕獲以外の方法で解決することができたら、人と猫が共生できる社会の、貴重な実例となって広がるに違いありません。
この現状を、1人でも多くの方に知って欲しいと思います。 

ノネコを守るために、私たちができることは?
1)署名
公益財団法人「どうぶつ基金」では、奄美の猫とアマミノクロウサギと、そして奄美の自然のためにも、署名と拡散の協力を求めています。
目標は7万5000人で、9月27日現在で5万9000人弱。少しずつ増えてはいますが、まだ足りません。
署名はChange.orgのサイト(こちら:https://www.change.org/p/世界遺産を口実に-奄美や沖縄の猫を安易に殺処分しないでください)から簡単にできます。
2)ボランティア
「あまみのさくらねこ病院」では、無料不妊手術活動を行うための捕獲や病院のお手伝い、事務、広報などのボランティアを募集しています。
問い合わせ先:https://goo.gl/92jAqp
3)寄付
公益財団法人「どうぶつ基金」は2018年8月15日、奄美大島に、殺処分ゼロを目指した無料不妊手術病院「あまみのさくらねこ病院」をオープンさせました。
でも全国から殺到する無料不妊手術の依頼に資金が追い付いていない状況です。
さくらねこ無料不妊手術のためのご寄付のお願い

取材協力/公益財団法人「どうぶつ基金」
取材・文/桑原恵美子


猫嫌いだった祖母が猫と暮らすようになって明るくなった

2019-04-23 05:55:02 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

猫嫌いだった祖母が猫と暮らすようになって明るくなった
 実話漫画に「あたたかい気持ちになった」の声 

2019年4月14日(日) ねとらぼ 

一般的に「人は年齢を重ねれば重ねるほど、好みや性格を変えることはむずかしい」と言われていますが、動物にはそんな固くなってしまった心をほろっととかしてくれる力があるかもしれません。
88歳の祖母が猫と交流をはじめ、変化していく姿を描いた漫画「祖母と猫」が「あたたかい気持ちになった」「動物のセラピー効果ってすごい」と話題になっています。


祖母と猫

投稿者の耳鼻さんのおばあちゃんは88歳。
「おばあちゃん 猫好きじゃない」と耳鼻さんにはっきり言うほど、猫が苦手だったそうです。
耳鼻さんと一緒に暮らすことになった猫ちゃんとの初対面でも、触れないので後ろで手を組んで、興味を持たないおばあちゃん。
しかし、3回目に会ったときには「猫ちゃん 猫ちゃん!」ととてもかわいがるようになりました。
猫をかわいがるようになったおばあちゃんに、次々とうれしい変化が訪れます。
まずは、表情がとても明るくなったこと。
そして、病気のためかとても小さくなってしまった声が、猫に話しかけることでとても大きくなったこと。まわりへの、”猫ちゃんとの仲良しアピール”をするために、「今日はじゅぅ~っとおばあちゃんといようねー!!!」ととても大きい声も出せるようになったそうです。
猫のことがかわいくて仕方がないおばあちゃんは、猫のモノマネ(あまり似ていない)を何度もしたり、猫のことを楽しそうに報告してくるようになります。
猫との交流が、ユーモアのセンスや人との交流意欲も取り戻すきっかけにもなったようです。
そして、これまでは興味を持たなかった動物番組をみるようになり、今ではすっかり生き物好きに。
すごい変化ですね!
おばあちゃんに訪れた変化は、病院のお医者さんも「大きな声でお話できるようになりましたね」「お顔がとても明るくなりましたね」とほめてくれるほど。
おばあちゃんも自分が変わったことを自覚しており、「こんなに可愛く思うとは思わなかったよ この歳になってこんな風に変わるとはね ありがとうね」と猫ちゃんに語りかけています。
素直に猫へ感謝を伝えている姿にほっこりしますね。
最初は猫を触ろうとしなかったおばあちゃんが、抱っこする練習をしたり、猫が外に出てしまわないようサッと動くようになったりと、猫のために頑張る姿も見せるようになりました。
そして漫画の最後には、おばあちゃんが検査入院した時のエピソードが。
「ご家族は何人ですか?」と聞かれた際に、1人増やした数字をこたえたおばあちゃん。
そう、愛する猫ちゃんもしっかり家族としてカウントしていたのでした。
大きらいだった猫は、今やおばあちゃんの大切な家族に。
あ、目から汗が出てきちゃうな……。
投稿には「猫もおばあちゃんもとてもチャーミング」「動物の無邪気で全力なところが、おばあちゃんの心をいやしたのかな」「幸せな漫画をありがとう」などのコメントが寄せられています。
動物と人間、言葉は通じなくても心は通じ合えるもの。
人間は動物たちにただ「かわいい」と癒されるだけでなく、素直に生きる彼らの姿勢に気付かされることが多いのかもしれません。
おばあちゃんと猫ちゃんの出会いと、すてきな変化を描いた漫画でした。

画像提供:@______6mさん

【漫画を読む】


犬60匹飼育放棄か

2019-04-22 05:53:39 | 動物実験・動物虐待

犬60匹飼育放棄か 愛護団体が保護乗り出す 

2019年4月18日(木)  宮崎日日新聞

都城市高城町の住宅で飼育されていた犬約60匹が室内に放棄され、飼い主の男性(55)と連絡が取れなくなっていることが17日、親族らへの取材で分かった。
室内は不衛生な状態で病気になっている犬も多く、動物保護団体のNPO法人「咲桃虎(さくもんと)」(高原町)が犬の保護に乗り出すと同時に、都城署が飼い主の行方を捜している。
同法人は「不衛生で医療も受けさせない飼い方は餌を与えていても虐待に当たるのではないか」と事態を重く見ている。


屋内で飼育放棄された犬をケージに入れて救出する保護団体メンバーや親族=都城市高城町



犬60匹放棄、飼い主は行方不明 5年前は2匹だったが 

2019年4月19日(金) 朝日新聞


保護された犬たち=2019年4月18日、宮崎県高原町のNPO法人「咲桃虎」、神谷裕司撮影

宮崎県都城市の住宅で、犬約60匹が室内に放棄されているのが見つかった。
飼い主の50代の男性が行方不明となっており、男性の親族と動物愛護団体が残された犬の保護に乗り出した。
動物愛護のNPO法人「咲桃虎(さくもんと)」(同県高原町)代表の山下香織さん(38)によると、飼い主の男性は女性と2人暮らし。
3月末、住宅の大家が「用事で家に行く」と男性に電話した直後から、連絡が取れなくなったという。
親族が住宅を訪れたところ、多数の犬が中にいた。
4、5年前は2匹だったといい、繁殖して増えたのではないかとみられる。
親族は都城署や保健所に相談。
咲桃虎にも連絡し、10日から犬の保護を始めた。
男性の行方は署が捜している。
えさは与えていたとみられるが、やせ細って弱っている犬もいた。
室内は犬のふんなどで、不衛生な状態だったという。

 
多数の犬が放棄されていた室内(2019年4月10日、宮崎県都城市、NPO法人「咲桃虎」提供)


熊本地震で飼育放棄されたボクサー犬「吾郎」

2019-04-21 06:05:44 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

【熊本】熊本地震で飼育放棄されたボクサー犬・吾郎、
 人のこころを癒すセラピードッグとして活躍中 

2019年4月17日(水) 西松宏  | フリーランスライター/写真家/児童書作家                       

熊本地震の直後に飼育放棄され、現在は熊本県内の高齢者施設などを定期的に訪問し、人に癒しを与えるセラピードッグとして活躍している人気のボクサー犬がいる。
名前は「吾郎」(オス、推定8歳)。
九州動物学院(熊本市中央区、徳田竜之介理事長)の看板犬で、ふだんは同校の学生たちが面倒をみている。



精悍な体つきになった吾郎。ボール遊びが大好きだ(18年10月21日、九州動物学院にて。筆者撮影)

今から3年前。
熊本地震の本震から3日後の2016年4月19日早朝のことだった。
熊本市東区にある熊本市動物愛護センターの門扉に、2頭のオスのボクサー犬がワイヤーリードで繋がれ、放置されているのが、同センター職員によって発見された。

 
収容されたばかりの「サー」(のちの吾郎)。(熊本市動物愛護センター提供)

そのときの状況を同センターに尋ねると、「スライド式で左右に開く扉(正門)の右と左に、1頭ずつワイヤーで繋がれていた。じゃれあったのかワイヤーはもつれ、糞尿で体が汚れていた」。
2頭とも人馴れしていておとなしく、職員がワイヤーをはずして収容したという。
地震の被害にあい、避難を余儀なくされて世話できなくなったからなのか。
2頭をセンターの門扉にくくりつけて飼育放棄した元の飼い主は今もわかっていない。
2頭は「ボク」、「サー」という仮の名前をつけられた。
「サー」の方がのちの吾郎だ。
同センター嘱託職員で動物看護師の白岩加奈絵さん(27)は、当時の2頭の様子についてこう振り返る。「人間や他の犬に吠えたり噛みついたりといった攻撃性はどちらにもなく、ともに温厚でおとなしい性格でした。ボクの方は少し体ががっちりし、人の表情を読む賢い子。サーは明るくて、人と接するのが大好き。『かまって!かまって』という感じでした。ペットボトルを投げると何度も持ってきては、ガジガジかじって無邪気に遊ぶ姿が今も忘れられません」

 
「『僕ともっと遊んでほしいんでしょう?』といわんばかりにペットボトルをかじっていました(笑)」と白岩さん(熊本市動物愛護センター提供)

5月半ば、病気や体調不良が特になかったボクは、大型犬を飼っている一般家庭にもらわれていった。
だが、サーはストレスからか、脱毛して皮膚はボロボロ。
痩せこけて、下痢もなかなかとまらなかった。
そのため、センターのホームページに里親募集の告知を出しても、なかなか引き取り手は決まらなかった。
九州動物学院(熊本市中央区、徳田竜之介理事長)は、動物看護師、トレーナー、トリマーなど、動物に関わる仕事を志す学生たち73人が学んでいる(4月16日現在)。
併設の竜之介動物病院と共同でボランティア団体「BOX竜之介」を02年に立ち上げ、現在は年に30回ほど、指導者と学生がチームを組んで、訓練された犬などの動物とともに、県内8か所の高齢者施設を順次訪問。
動物介在活動(アニマルセラピー)を行っている。
16年12月、それまで看板犬として活躍していた人気者のラブラドール犬「ハザラ」が亡くなった。
後任を探していた徳田理事長は、震災直後の5月、熊本市動物愛護センターを訪れたことがあった。
そのとき、ボクとサーを見かけ、「ボクサー犬のこんないい子たちが収容されているなんて珍しい」と驚いたことをふと思い出した。
センターに問い合わせてみると、「サーはまだいる」との返事。
「それなら学院でセラピードッグ候補として引き取りたい」とセンターに申し出た。
センターでサーの世話をしていた白岩さんは同院の出身。
「学院で面倒をみてもらったら幸せになれるのでは」とちょうど思っていたところだった。

 
センターへ引き取りに行った時、三重野先生(右)は「私たちがこの子を絶対に幸せにしてみせる」と心に誓った(九州動物学院提供) 

さっそく、同院の教員で獣医師の三重野千代さん(64)と、学生支援課の井上竜一さん(32)が、サーに会いにいった。
三重野先生は初めて吾郎と会ったときの印象をこう話す。
「とてもおとなしく、ちょっとこわがりやさんでした。物悲しそうに訴えかける目でこちらをじっと見つめるので、これはもう学院に連れて帰って、私たちがこの子を幸せにしなければと思いました。大震災という恐怖体験をした上に、これまで可愛がってくれていたであろう飼い主から突然見放され、置き去りにされて、辛い思いをしてきたと思うんです」
センターから引き取ったのは17年1月31日。
今は28キロある体重も、当時は18キロほどしかなく、三重野先生は、「骨に皮がくっつくほど痩せていたので、ボクサー犬にふさわしい、精悍でがっちりとした筋肉質の体にしたいという欲求がむくむくと湧いた」そうだ。
学生たちの投票で、アイドルグループのファンの学生の意見が通り、人気者になってほしいとの願いを込めて「吾郎」と名付けられた。
円形脱毛症がひどく、下痢気味でもあったため治療や食事の管理を徹底。
それと並行して、セラピードッグになるための訓練も始めた。
吾郎はふせ、おすわりができず、これまできちんとしたしつけを受けたことがあるようには見受けられなかったという。
動物介在活動に参加するためには、人に慣れている、体のどこを触っても嫌がらない、健康面や衛生面で問題がない、他の動物を見ても興奮しない、どんな場所でも落ち着きがあるといった条件に加え、人のそばで寄り添いながら歩くリーダーウォークがきちんとできること、おすわり、まて、こいといったコマンドの習得が不可欠だ。
元々、人が好きで、他の動物を見ても興奮しないなどセラピードッグとしての素質があった吾郎だが、リーダーウォークや基本のコマンドなどは一から訓練して教え込まねばならなかった。

 
動物介在活動の前にウォーミングアップする井上先生と吾郎(18年10月21日、熊本県内にて。筆者撮影)

訓練担当の井上先生が振り返る。
「吾郎を担当した男子学生との二人三脚で、吾郎は少しずつ心を開いていきました。その彼も犬を訓練するのは初めての経験。ボクサー犬という犬種について学ぶことから始まり、食事や排泄の世話はもちろん、昼休みになるとそれまで覚えたことを忘れないよう必ず復習させたり、放課後には外に慣れるため学校の近辺を散歩させたりと、吾郎と一心同体になって献身的にトレーニングに取り組んでいました」
「印象的だったのは、『やっぱりおじいちゃんやおばあちゃんが喜ぶような芸が何かできないとね』とのことで、お手とおかわりを教えようということになったのですが、1週間も経たないうちにすぐできるようになったことです」(井上先生)
およそ5ヶ月弱の間に、おすわり、まて、こいもしっかりマスターした。
「ここまでできたのは、担当した彼のハンドラーとしての厳しさと、いつも犬の気持ちを考えながらしつけや訓練を積み重ねてきた愛情が、吾郎に伝わったからだと思います」(同)
17年6月17日、吾郎は美里町にある特別養護老人ホームで、セラピードッグとしてデビューした。
入居者との触れ合いは30分間が基本。
車椅子に座った20人ほどが輪になり、ハンドラーを務める学生が順番に話しかけていくのだが、吾郎は大勢の人たちを前にして、明らかに緊張していたという。
「最初の10分くらいはソワソワしていました。でも、人に触ってもらううちに落ち着きを取り戻し、大丈夫なんだと安心したのか、最後は自分から後ろを向いて背中をなでてもらっていました。最初にしては上出来で、訓練を積めばもっといい仕事ができると手応えを感じました」(井上先生)

 
アニマルセラピー活動の様子(18年10月13日、熊本県内の特別養護老人ホームで。筆者撮影)

今もそうだが、吾郎が高齢者施設に行くと、よく言われるのは、「勇ましか顔しとるね」という一言。
そういわれたときはハンドラーが「背中だけでも触ってみませんか」と勧めてみたり、お手やおかわりの芸や、得意の変顔を披露したりする。
すると、最初は怖がっていたお年寄りとの距離が少しずつ縮み、「お利口さんなんやね」「かわいかねー」「おもしろか」と警戒心がほぐれてくる。
一見怖い顔だが、実は心優しいというギャップが、吾郎にしかない魅力であり強みでもある。
事務局長でこの活動に同行する堀川貴子さん(40)はいう。
「打ち解けてくると『私も昔、シェパードを飼ってたことがある』とか、どんな犬だったかといった思い出話を懐かしそうにし始める方もよくおられます。動物とのふれあいがきっかけとなって自然と笑顔になり、昔の記憶が蘇ってくるんです。日々世話をしている施設の方でさえ知らない事実がわかることもあります。それまで暗かった方が明るくなり、施設の方々との会話が弾むようになって、睡眠も深くなるといった効果もあるようです」
現在は県内8か所の高齢者福祉施設を回っているが、吾郎は入居者から「ゴローさん」と呼ばれて親しまれ、「今度はいつくると?」と次回の訪問を熱望されるほどの人気ぶりだ。
18年7月から10月までは毎月1回(計4回)、熊本市北区にある、おがた小児科・内科(緒方健一院長)と連携し、小児医療の分野で動物による癒し効果を検証する取り組みにも挑戦。
吾郎や小型犬など4~6頭が、同院のそばにある児童発達支援施設「ぱんぷきん」を訪れ、重症心身障害児4~7人と触れ合った。
綿密な事前打ち合わせを行い、活動前と後の体温、呼吸数、心拍数などを測定して、子どもたちに現れた反応などを細かく記録した。

 
脳性麻痺を患うりきのすけくん。吾郎の体に自分からふれようとし、笑顔もみせた(18年9月29日、熊本市北区の「ぱんぷきん」にて。筆者撮影)

9月29日、犬たちの同施設への訪問は3度目。
吾郎は、重症心身障害をもつ、りきのすけくん(6)のもとへ。
前回は吾郎が顔を近づけすぎてしまったため、りきのすけくんは驚いて泣き出してしまったという。
今回は怖がらせないよう、正面からではなく横からさりげなく近づいた。
目と目が合い、しばらく無言で見つめう。
言葉での会話はないが、りきのすけくんと吾郎にしかわからない世界で、何かを話しているようだった。
職員の磯部雅子さん(30)は「おそらく『ぼくのうちにこない?』とか『今度はいつくるの?楽しみに待ってるからね。約束だよ』とか、そんな会話をしていたのかもしれませんね(笑)」。
そして、りきのすけくんは、手の甲を自分で吾郎に近づけてなでようと力を入れ、「いつもはほとんど見せない」(磯部さん)という笑顔も時折みせた。
「中には犬を初めて見るという子もいましたが、自分からワンちゃんに手を伸ばして触ろうとしたり、笑みを浮かべたりと、もしぬいぐるみだったら絶対にみられないであろう反応を、吾郎たちは引き出してくれたと思います。動物が持つ不思議な力を改めて実感しました」(堀川さん)
徳田理事長は「飼い主に見捨てられ、ともすれば殺処分の可能性もあっただけに、こうして世の中の人たちの役に立ち、活躍することは、全国の保健所に収容されている犬たちの希望の光となるはず」と吾郎の活動に期待を寄せる。

 
秋田犬の「春」(右、メス、推定3歳)とのツーショット。春は迷子だったところを保護された。熊本県動物愛護センターから引き取り、昨秋セラピードッグとしてデビュー。いま人気の2頭だ(筆者撮影) 

三重野先生もこう話す。
「アニマルセラピー活動を通じて、人間も笑顔になるけど、役割を得た吾郎自身も幸せ、という形になるのが理想です。やらされてストレスがたまるというのではなく、人間と触れ合うことってなんて楽しいんだろう、嬉しいことなんだろうって、吾郎に感じてもらえたら最高ですよね。そんなふうに吾郎と私たちがいい関係を築けるよう、これからも努めていきたいですね」


西松宏 フリーランスライター/写真家/児童書作家

1966年生まれ。関西大学社会学部卒業。1995年阪神淡路大震災を機にフリーランスライターになる。週刊誌やスポーツ紙などで日々のニュースやまちの話題など幅広いジャンルを取材する一方、「人と動物の絆を伝える」がライフワークテーマの一つ。主な著書(児童書ノンフィクション)は「犬のおまわりさんボギー ボクは、日本初の”警察広報犬”」、「猫のたま駅長 ローカル線を救った町の物語」(いずれもハート出版)、「こまり顔の看板猫!ハチの物語」(集英社)など。現在は兵庫と福岡を拠点に活動中。世界中の看板猫を取材して巡る旅が目標の一つ。