動物たちにぬくもりを!

動物愛護活動の活動経過や日々の出来事、世の中の動き等幅広く紹介します。

動物に“痛みを伴う手段”を禁止(ドイツ)

2022-03-31 05:51:48 | 国・行政

動物に“痛みを伴う手段”を禁止
 ドイツで起きた警察犬の首輪をめぐる論争

2022年3月22日(火)

動物との共生に対し、先進的な取り組みを行っているドイツ。国内では動物を保護するための施設が充実し、動物に関する法律は100年以上も前から整備されてきました。そんなドイツで今年1月、動物の訓練に関する新たな法律が施行。理解の声がある一方、警察など一部からは強い反発があるようです。現地在住ライターの中野吉之伴さんに、こうした論争のポイントや、動物について理解を深められる社会の仕組みを解説していただきました。

◇ ◇ ◇

◆19世紀から法整備が 動物の“愛護”ではなく“保護”を重視
ドイツはヨーロッパ内でも、国民の動物“保護”意識がとても強い国です。
そもそもの話ですが、ドイツは“規則の国”といっても過言ではないほど、何でも事細かく規約でまとめられます。
「フランスだと10ページほどにまとめられている法律が、ドイツだと200ページはある」なんてブラックジョークにも表れているほど。
そんなドイツで、動物保護について法整備の動きが最初にあったのは、19世紀のこと。動物の権利や虐待などの禁止事項が定められました。
「動物保護法」として制定されたのは20世紀に入ってから。
そして、第二次大戦後に動物保護法は何度も改正され、今では動物自身の権利や尊厳を守るための法律になっています。
ポイントは、「かわいい動物たちを守りましょう」とか「かわいそうだから虐待をやめましょう」という、人間を中心とした“愛護”の視点ではないこと。
「動物が持っている権利を私たち人間もしっかりと守りましょう」という、動物側の視点に立った“保護”が重要だと考えられていることです。


ドイツ・ミュンヘンで任務にあたる警察犬と警察。新たな法律で業務に影響が【写真:Getty Images】

◆今年1月に動物をめぐる新たな法律が施行 警察から反対の声が
ドイツでは今年1月から、国内全土で動物のトレーニングや訓練などに「痛みを伴う手段を用いること」が法律で禁止されました。
動物保護の観点から考えると大切な法律なのですが、これに異を唱えている人がいます。
それは警察です。
警察は時に犬と一緒に任務に就きます。
麻薬や爆発物などの探知犬に加え、ドイツでは大人数でのデモやサッカーでアウェー戦に向かうフーリガンの行進という場にも警察犬の姿が。
特にこういう場では人々の感情が高揚しすぎるあまり、時に暴力的な行動にまで事態が発展することも。
警察犬にはそうした人間を取り押さえるための重要な役割が任されています。
そうした特別な現場に出動する警察犬は、金属の突起がついた「スパイクチョークチェーン」という特殊な首輪をはめた状態で訓練されます。
見た目が少しいかついのですが、突起が直接首に刺さるわけではありません。
首輪を通して少し刺激を与えることで、コミュニケーションを取るために使用されているそうです。
なぜこうした首輪を使った訓練が必要かというと、現場では警察犬が容疑者と思しき人物に噛み付いた際、担当者が特殊首輪をちょっと締めることで攻撃のやりすぎを未然に防ぐことができるからなのだそう。
ただ、この行為が今回の新しい法律に抵触することになり、警察は警察犬を現場に動員できなくなるというのです。
「我々は少しも痛みを与えずにできる革新的なトレーニング方法に心を開いている」
ベルリン警察組合副代表のシュテファン・ケルム氏はこう話していますが、現時点ではそのためのトレーニング方法は確立されていません。
またニーダーザクセン州やベルリン州では、「例えばサッカーの試合などが挙げられるが、そうした特別な状況では警察犬がやりすぎずに完全にコントロールできることが求められる」ことを条件に、警察犬の訓練や動員に特例を求めているそうです。

◆動物と人間の共生を子どもの頃から学べる環境のあるドイツ

ヨーロッパ最大規模ともいわれるベルリンのティアハイム【写真:Getty Images】

一般市民はこの件に関して、どんな意識を持っているのでしょうか?
「そんなことをするために犬は生まれてきたんじゃない」「暴れる人間が悪いのに犬が悲しい目に遭うのはおかしいだろう」という声が聞かれます。
その一方で、「訓練士も警察官もやむにやまれぬ最後の時しか使用したりはしない」「他のやり方がない中で最善の対処をしておくことは必要ではないか」という意見もありました。
「これこそが正しい」という絶対的な答えを出すのは難しいことかもしれません。
しかし、こうした議論を通して、国民が持つべき意識を常にアップデートしていくことはとても重要でしょう。
その点、ドイツでは「動物と人間はどのように向き合って生きていくべきか」というテーマを考える機会が多いのではないかと感じています。


ドイツの動物保護施設ティアハイム。フリーマーケットといったイベントも行われており、収益はシェルターの動物のために使われる【写真:Getty Images】

ドイツ各地には、動物保護施設「ティアハイム」があります。
例えば「急死された方の元に残った犬や猫をどうしたらいいだろう?」という相談があれば、施設の職員はペットを引き取りに行きます。
交通事故に遭った動物を見かけたと電話があれば、現場へ急行。
獣医師と連絡を取りながら、最善の措置を取ります。
また「ティアパーク」という動物公園も人気です。
例えばフライブルク郊外にも「ムンデンホーフ」というティアパークがあり、市民憩いの場となっています。
管轄はフライブルク市。
入場料金などはなく、運営費は有志の寄付金を中心にしてまかなわれています。
誰でも自由に散策を楽しむことができるため、私も子どもたちが小さい頃は月に何度も足を運んで、目一杯楽しんだものです。
こうしたティアハイムやティアパークの活動について、学ぶ機会が子どもの頃からあるのも大切だと思われます。
授業の一環として訪れて、動物の生活を学んだり、動物たちの権利について知ったり、今問題になっているのはどんなことかの意見を出してもらったりするわけです。
夏休みにはティアハイムやティアパークがイベントや子ども向けプログラムを行ったりもします。
どんな問題もまず当事者意識を持って考えてみることからスタート。皆さんもぜひ、動物との共生についてご家庭などで考えてみませんか?

中野 吉之伴

【写真】ドイツの動物公園ティアパークとは? 自然豊かな広大な敷地には多種多様な動物が ベルリン市内の施設の様子


震災で離れ離れの家族見て「ウォン」、大泣きしながら再会喜ぶ・・・

2022-03-30 05:57:03 | 東日本大震災

震災で離れ離れの家族見て「ウォン」、大泣きしながら再会喜ぶ・・・
一方で11年間待ち続ける犬

2022年3月10日(木) 読売新聞オンライン

東日本大震災で家族と悲しい別れを経験したのは人間だけではない。
飼い主と離れ離れになり、住み慣れた家を失った犬や猫などペットたちがいる。
新潟市西蒲区伏部の動物保護施設「あにまるガード」では、被災地で保護された「被災犬」6匹が今も飼い主との再会や新たな出会いを待っている。


散歩中、サイダーを優しくなでる桑原さん(1日、新潟市西蒲区で)

「サイダー、散歩だよ」
施設の桑原武志代表(34)が声をかけると、雄の雑種犬がしっぽを振って駆け寄った。
「雪が大好きな子で、雪の中で泳いじゃうの。めっちゃ気持ちよさそうに」。
桑原さんはサイダーを見つめながら、「いつまでも元気でいるんだよ」と優しく声をかけた。
サイダーは15歳くらいの高齢犬。
被災地で保護され、仙台市の保護施設を経て新潟にやって来た。
正確な年齢のほか、どんな飼い主とどこで暮らしていたかもわからない。
震災直後、前身の団体の代表が現地を訪れるなどして、震災時の混乱で飼い主とはぐれたり、避難生活で一緒に暮らせなくなったりした犬や猫などを引き取った。
その数は約300匹。
桑原さんは新潟県燕市出身で、震災直後の2011年夏からこの施設で働いている。
飼い主と一緒に津波に巻き込まれ、1匹だけがれきに乗って流されているところを助けられた犬、原発事故後、避難した飼い主が自宅に戻れなくなり、置き去りにされた猫――。
前身の団体がなくなった後もペットたちを引き受け、スタッフやボランティアと世話をしてきた。

中には飼い主と再会できた子もいる。
11年の夏、施設の情報を目にし、「うちの犬がいるかもしれない」と福島の家族がやって来た。
犬は家族を見た瞬間、「ウォン」と鳴いて大はしゃぎ。
家族みんなで大泣きしながら再会を喜んだ。
その時、家族の1人が隣の部屋にいた犬に目をやった。
「近所の犬じゃないか?」。
その場で写真を撮り、飼い主に送ると、翌朝一番でやってきた。
「首輪だけ残していなくなっていたので、死んだかと思ったよ。無事で良かった」。
飼い主は犬をぎゅっと抱きしめた。
だが、「飼い主と再会できた子は運がいい」と桑原さんは言う。
施設に保護された被災ペットのうち飼い主のもとに帰れたのは約3割。
震災後5年が過ぎると、再会できる子はいなくなり、中には飼い主が見つかっても「もう飼えない」と引き取りを拒否される犬もいた。
約5割は新たな飼い主に譲渡されたものの、残りは施設で天寿を全うした。
今、施設に残る被災犬も推定15~17歳と高齢だ。
人の姿が常に見えていないと不安がる子や、かみついてくる子など、震災から11年がたっても心の傷が癒えていない犬もいる。
「年齢を考えると、最期までここで面倒をみることになるだろう」。
桑原さんは覚悟を決めている。

この11年間、保護した犬や猫を「必ず守る」と心に決め、我が子のように全力で愛情を注いできた。
だが、「震災がなければ、もとの飼い主ともっと楽しい時を過ごせたかもしれない」と思うこともある。
だからこそ、ペットにマイクロチップを装着したり、災害時には一緒に避難し、万が一の時に預かってもらえる場所を事前に確保しておいたり、飼い主一人一人の意識がさらに向上する必要性を感じている。
「飼い主と離れ離れになる悲劇を二度と繰り返さないためにも」。
そう願いながら、つぶらな瞳で見つめてくる子たちに、温かなまなざしを返した。
(宮尾真菜)

あにまるガードでは、被災犬のほかにも、保護されている犬が11匹、猫が65匹いて、新しい飼い主を随時募集している。
問い合わせは、電話(0256・73・3599)、ホームページへ。

あにまるガード (animalguard-niigata.com)


あにまるガードはこんな施設です

あにまるガードは飼い主を失ってしまった犬猫、捨てられてしまった犬猫を一時保護し、安心・安全・最適な環境で飼育している新潟の動物保護施設です。
保護しながら新しい家族になってくれる方々と犬猫たちをつなげる譲渡活動も積極的に行なっています。
その他、完全個室、ベランダ付のペットホテルも運営しています。


虐待され衰弱した猫…愛のリレーで命を救う

2022-03-29 05:51:00 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

虐待され衰弱した猫…愛のリレーで命を救う
 助けた児童ら5人、保護団体から表彰 沖縄

2022年3月16日(水)

【沖縄】
沖縄市立越来小学校の児童5人が、市内の西森公園付近で虐待され捨てられた猫を助けて保護団体から表彰された。
児童らの対応で命の危険もあった猫は回復し、引き取り手も見つかった。
同校で3日、県内で猫と環境などの保護活動を行う「キャッツウォークオキナワ」の中村容子理事長が児童に感謝状を手渡し「大人でもなかなかできない行動だ。みんなの愛のリレーで命が助かった」と児童の行動をたたえた。


児童らによって助けられたホープ(キャッツウォークオキナワ提供)

表彰を受けたのは、越来小の3年生4人と、4年生1人の児童ら。
昨年11月2日、3年生の4人が西森公園近くでビニール袋に入った猫を見つけた。
体には塗料のようなものが塗られ、葉っぱや小石も付いていた。
児童らは自宅からタオルを持ってきて、冷たく震える猫を拭いて温めた。
越来公民館に行き、4年生の児童やその母親に状況を説明し、助けを求めた。
親子は知り合いのキャッツウォークの新屋逸子さんに連絡し、猫の応急処置を教えてもらった。
新屋さんによると、猫は当時生後3カ月半で、体重は2キロほど。
「骨と皮だけ」というほどやせていた。
翌日、新屋さんが猫を病院に連れていくと、獣医師から「希望を持たない方がいい」と言われたほど衰弱した状態だった。
「子どもたちが手を差し伸べていなければ、生きていなかったはずだ」という。
猫は順調に回復し、新屋さんによって「ホープ」と名付けられた。
飼い主が見つかり、4日に東京に渡った。
中村理事長は「ホープくんに代わって、本当にありがとう」と感謝した。
児童らは「助かってうれしい。ホープくんがきれいになって良かった」と笑顔で喜んだ。
(石井恵理菜)

【写真特集】幸せだにゃ~♪読者が撮った沖縄の猫たち

動物の命を大切にする児童たちの心を大人たちは学んでほしい!(byぬくもり)


河川敷で保護の野犬140匹 譲渡進まず殺処分も

2022-03-28 05:54:39 | 国・行政

河川敷で餌、保護の野犬140匹 譲渡進まず殺処分も、愛護センターの苦悩

2022年3月14日(月) 京都新聞

京都動物愛護センター(京都市南区)が、保護した野犬の譲渡先探しに苦心している。
警戒心が強いために飼育には配慮が必要なことに加え、野犬に対し偏見を持つ人が多いためだ。
センターは飼育に関するサポートを強化しているが、スムーズに譲渡へつながらないのが現状だ。


京都動物愛護センターで収容している野犬。警戒心が強く、部屋の奥でじっとしている犬が多い(京都市南区)

市内の桂川河川敷では、人の餌やりが原因で野犬が繁殖している。
行政が捕獲し、同センターに収容された桂川の野犬は2017年~21年9月に計140匹。
うち70匹は攻撃性が強いなどと判断されて殺処分となり、収容中に死んだ例などを除き、譲渡に結び付いたのは47匹にとどまった。
人に飼われたことのある犬に比べ、野犬の譲渡希望者は少ない。
2月末時点で収容中の27匹のうち、19匹は野犬だ。
希望者は若い犬や小型犬を望む傾向があり、伊東大輔所長は「まずマッチングする方がなかなか見つからない」と悩む。
また、警戒心が強い野犬は、同じ場所から動かなかったり、散歩や人との触れあいを望まなかったりする。
飼い主にはむやみに犬との距離をつめないことや、専用の飼育スペースを用意するといった配慮が必要になる。


河川敷で保護された野犬

伊東所長は「通常のペット犬の生活とはどうしてもギャップがある。『野犬でもいい』という希望者でも、詳しく説明をすると断念するケースが多い」。
結果、野犬の収容は長期化しやすく、噛みつきや遠ぼえをしない犬でも引き取り先が何年も決まらないこともあるという。
譲渡希望者の不安を解消しようと、センターは希望者へのサポートを積極的に進めてきた。
トレーナーと協力して餌のやり方や接し方を説明し、家の見取り図をもとに飼育スペースの適切な場所を助言している。
伊東所長は「犬との暮らしをしっかりと考えてもらうためにも、丁寧な説明は欠かせない。
譲渡後も体調の変化などがあれば相談に応じている。選択肢として、野犬の受け入れを考えてもらいたい」と話す。
譲渡先の決まった野犬はその後、飼い主のもとでどのように過ごしているのか。
飼い主の一人、中川昌彦さん(63)=京都市西京区=を訪ねた。
柵で囲まれ、天井を半分ほどタオルで覆った飼育スペース(サークル)の奥に「いなり」(雄、1歳半)はいた。
「おやつだよ」。
長女はづきさん(31)がチーズを差し出すと、そろりと立ち上がった。
食べ終えると、体をすり寄せ始めた。
いなりは2020年11月に桂川で保護され、翌年3月、京都動物愛護センターから譲渡された。
センターから「一生サークルから出ないかもしれない。散歩にも行けないかもしれない」と念を押されたが、受け入れた。
当初、いなりは日中、柵の中で全く動かなかった。
トレーナーの助言でドッグフードを手で与えたが、1食に30分以上かかった。
妻の容子さん(59)は「引き取ることが、いなりにとって本当に幸せなのか。不安はあった」と振り返る。
半年ほどたって、次第に変化が表れ始めた。
サークルの外に出て歩くようになり、はづきさんを見ると尻尾を振って近づくようにもなった。
昌彦さんは「ささいなことでも喜びを感じる場面は多い」。
中川さん一家では「いなりのペースに合わせる」ことを心掛け、必要以上に距離を詰めないよう注意している。
「気持ちを考えながら接して信頼関係を築くことは、他の犬と変わらない」と昌彦さん。
「桂川の野犬も人間に捨てられたのが原因。人には最後まで飼う責任があり、引き取りがより広まってほしい」と願う。


中川さん一家に引き取られた「いなり」。当初は警戒心が強かったが、今では長女のはづきさんに近づくようになった(京都市西京区)


ペルーの忠犬ハチ公

2022-03-27 05:58:45 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

「ペルーの忠犬ハチ公」
帰ってこない飼い主の漁師を海辺で待ち続けて…

2022年3月16日(水)  日刊ゲンダイDIGITAL

「ペルーの忠犬ハチ公だ」と話題になっている。
先日、ジョリー・メジアさんという女性がペルーのリマ郊外プンタネグラに行き、海岸を散歩していた時のこと。
1匹の犬が海岸に座り、海を見つめていた。
しばらくして、同じ場所に来てみると、やはり犬はじっと海を見ていた。


(ジョリーさんのフェイスブックへの投稿から)

気になったジョリーさんが通りがかった地元の男性に事情を聞いたところ……。
犬の名前は「バギート」。
数年前まで漁師に飼われていた。
漁の時以外、どこへ行くにも一緒だった。
漁師が出船する時は、港で漁師をいつまでも見送っていたという。
その漁師は数年前に出漁して戻ってこなかった。
それ以来、バギートは暇があると海岸に来て、帰らぬ主人を待っているというのだ。
バギートは地元では有名で、その忠犬ぶりに心を打たれた人たちが、バギートの世話をしている。
ジョリーさんは、最初にバギートを見た時、首輪もしていて、毛並みもきれいなので、誰かから大切に飼われていると思ったという。
ジョリーさんがこの話をフェイスブックに投稿したところ、急拡散。
スペイン語圏のメディアはもちろん、英語圏のメディアも報じ、話題になっている。
この話を報じた英語のニュースサイト「オディッティーセントラル」では、併せて、飼い主の死後もずっと東京・渋谷駅で帰りを待った「忠犬ハチ公」のエピソードも紹介している。


福井県内保護収容犬

2022-03-26 05:52:18 | 保護・収容動物のお知らせ

福井県動物愛護センターで1匹の犬が保護・収容されています。
飼い主の方至急センターへ、そして心当たりの方々のご協力お願いします

【福井県動物愛護センター 本所】
 電話番号:0776-38-2212

収容日:2022年3月24日
保護場所:越前町宇須尾 付近
種類:雑種
性別・体格:不明・中型
年齢:不明
毛色:薄茶
所有者明示なし
公示終了:2022年3月28日


「ドリームボックス」という名のガス室

2022-03-25 05:59:10 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

「ドリームボックス」という名のガス室へ・・・
捨てられた犬や猫の最期とは 殺処分を逃れても待ち構える苦難

【杉本彩のEva通信】

2022年3月5日(土) 福井新聞ONLINE

行政による犬猫の殺処分には、多くの人が心を痛めています。
彼らがどんなにやさしくて、どれほど豊かな感情があるかを知っていると、なおさら心が痛みます。
殺処分は、ドリームボックスと呼ばれる箱の中で、二酸化炭素ガスを充満させ窒息死させるやり方です。
当然ですが、苦しんで死にます。
殺処分される犬は、自動で移動する檻の壁に追いやられ、ドリームボックスの中へと強制的に追い込まれていきます。
猫は、小さなケージに入れられた状態で、そのままガス室送りになることもあります。
感受性豊かな彼らが恐怖を感じないわけがありません。
殺処分は、犬猫にとって苦痛と恐怖が伴う死で、安楽死ではありません。
そしてガス室のボタンを押す人の心にも、大きな負担を強いる辛い作業であることは確かです。
環境省の「動物の殺処分方法に関する指針」に従い、できる限り動物に苦痛を与えない方法によって殺処分を行うことが求められています。
ですから昨今では、この方法を見直す自治体も増えてきました。
注射による安楽死やフードに致死量の麻酔薬を混ぜる安楽死など、苦痛の軽減に努める自治体もあります。


犬や猫の殺処分に使われる「ドリームボックス」と呼ばれるガス室

■法改正の副作用
とはいえ殺すことに変わりはなく、人間の身勝手な都合で殺される命を思うと、必要悪とは言うものの、その罪深さを感じずにはいられません。
このような現状に心を痛め、一つでも多くの命を救いたい、そんな思いで動物保護施設から犬や猫を迎える人も少なくありません。
環境省の統計によると2010年には犬猫の引取り数は約25万頭でしたが、その10年後の2020年は約7万2千頭とその数は年々減少しています。
しかし、これは手放しに喜べることではありません。
2012年の動物愛護管理法の改正で、動物の飼い主には、終生飼養の努力義務が定められました。
それ以前は、飼い主の勝手な都合で持ち込まれることも非常に多くありました。
また、事業者にも「販売の用に供することが困難となった犬猫等についても、終生飼養の確保を図らなければならない」と法律に明記され、終生飼養が義務付けられました。
こうして法改正により、自治体は事業者と一般飼い主から引取りを求められた場合も、やむを得ない事由がないかぎり、引き取りを拒否できるようになりました。
行政の施設に入ってくる犬猫の数が圧倒的に減ったことで、「殺処分ゼロ」の達成は、さほど困難ではなくなったのです。
しかし重要なのは、行政から引取りを拒否された犬猫たちが、救われ幸せになったわけではないという問題です。
業者にとっては不用品、衝動買いした一般飼い主にとっては手に余るお荷物ですから、そんな人たちに、最後まで面倒見なさいと突き返したところで、当然、犬猫は幸せになれません。
まだまだ未整備である動物愛護管理法が改正され、一歩ずつ前進するのは素晴らしいことですが、法改正にはいつも副作用が生じます。
12年の法改正による新たな問題として発生したのが、引取りを拒否された業者による犬の大量遺棄でした。
河川敷や山間に遺棄された犬はほとんどが死骸でしたが、中には生きた犬たちが遺棄された事犯もあります。
ペット業者は、自治体という不用犬猫を都合よく処分してくれる受け皿を無くしたことで、その代わりの受け皿を必要としていました。
そこで「引取り屋」という業者が現れ、不良在庫となった犬猫、繁殖能力がなくなった犬猫を、1匹数千円から数万円もらって引取っていました。
そして、劣悪な環境下で小さな檻に閉じ込め、充分な給餌給水もせず、病気になってもお金のかかる医療は与えません。
生殺しの生き地獄です。
引取り屋とは要するに、犬猫を対象にした産業廃棄物処理業や不用品回収業と同じ。
このように行政にカウントされない闇の中の死があります。

■収容せず丸投げ
また、殺処分数の減少を手放しに喜べない理由はこれだけではありません。
行政の動物愛護センターから、収容されている犬猫を、民間の動物保護団体が引き取っているからです。
センターに収容される犬猫に里親が見つからず譲渡されないで留まると、収容可能な頭数を越えてしまいます。
そのため、殺処分せざるを得ない状況となります。
こういうキャパオーバーが理由の殺処分を回避するために、民間の動物保護団体に譲渡されます。
しかし、移動先のその動物保護団体の施設の中で不適正飼養や虐待により、命を落としているケースもあります。
当然、その数も殺処分数にはカウントされていません。
もちろん譲渡先の動物保護団体が、適正飼養と里親への丁寧で責任ある譲渡をしていれば、なんの問題もありませんが、中には保健所から引き取った犬猫を横流しして、たくさんの犬猫を救っているように見せかけ、SNSで活動をアピールしているケースもあります。
以前にも、ペット事業者から犬猫を仕入のように引き取る、「下請け愛護団体」の問題をこのコラムに書きましたが、団体への賞賛と寄附はセットのようなものなので、このような悪質なことも起こり得るわけです。
自治体にしてみれば、収容頭数を減らすと自ずと殺処分数も減るので、団体に丸投げすることで容易に良い結果を得られます。
団体に譲渡した犬猫がどのように扱われているか、またその先で適正な譲渡がなされたのか、行政は把握していません。
収容頭数を減らしたい行政と、保護頭数を増やしてアピールしたい団体との利害が一致するのです。
本来なら、団体の譲渡活動の質や、犬猫の幸せに目を向け、自治体も責任ある団体譲渡をすべきでしょう。
「殺処分ゼロ」であってほしいのはみんなの願いですが、この数字が、必ずしも犬猫たちの幸せに結びついているとは言えません。
ですから、「殺処分ゼロ」を単純に自治体の評価基準にするのは危険なのです。
もちろん、自治体から善良な活動をする団体へ、適正な犬猫の譲り渡しによるサポートは重要で、それがあるからこそ救える命や保てる福祉があります。
しかし、誠実にそれをしている団体の苦労は大変なものです。
飼育スペースの確保や、新たな飼い主となる里親探しのための労力と時間、そしてお金の負担が大きくのしかかってきます。
団体が適正飼養できる頭数の限界を越えてしまうと、犬猫は劣悪な環境下に置かれ、適切な医療を与えることもできません。
さらに、里親への譲渡においても丁寧さを欠いてしまうことが懸念されます。
早く譲渡しなければという気持ちが先走ると、里親の審査が甘くなりがちです。
大切にしてくれる里親でなければ幸せにはなれませんし、虐待目的の詐欺にあう危険性もあります。
救った命を不幸にしないよう、これらを踏まえた丁寧な活動が求められます。

 

「殺処分ゼロ」の影

【杉本彩のEva通信】

昨今、「殺処分ゼロ」を目標に掲げる自治体が増えました。
そして、「殺処分ゼロ」を達成したと発表する自治体もあります。
しかし、動物保護団体がそのゼロをぎりぎりのところで支えているに過ぎません。
その団体の施設が、ストレスなく暮らせるよう動物福祉に配慮し、適切な医療を与え、丁寧な譲渡をして犬猫たちが幸せになっているならいいのですが、残念ながらそうとはかぎりません。
「殺処分ゼロ」の評価に、自治体も保護団体も固執し、それを維持するために「ゼロ」という数字を追いかけます。
その結果、ある民間施設では県の動物愛護センターから引き取った犬が常時約数千頭以上も雑居房の中に過密に収容され、そのストレスから常同行動をしたり、強い犬が弱い犬を噛み殺すという悲惨な事件も発生しました。
収容されている犬の多くは人馴れしていない野犬で、怪我をしても適切な治療をされず、医療ネグレクトの状況下にありました。
また、多頭飼育の管理の基本的な考え方では、全頭に不妊・去勢手術をして不用意な繁殖や闘争を防ぐことは基本ですが、この施設では不妊・去勢をしないため度々子犬が産み落とされ、挙げ句の果てに無残な死をとげていました。
このような状況下では個体識別もままならないので、法律で定められた狂犬病予防接種もされていませんでした。
その実態が明らかになり、狂犬病予防法違反と動物愛護法違反で書類送検されたほどです。
この団体は「ふるさと納税」で潤沢な資金を手に入れ運営しています。
最近はふるさと納税を活用して資金調達をする動物愛護団体が増えました。
民間団体に納税という公費が入るなら、その団体がそれに相応しい団体であるのかを評価する厳格な基準があるべきです。
しかし、このような基準は今のところ存在しません。
要するに、「ふるさと納税を受ける」イコール「信頼できる団体」とは一概に言えないため、寄附する側も慎重であるべきです。
そうでないと、「殺処分ゼロ」のために、酷い環境下でいたずらに苦しみを長引かせているだけで、動物の視点にたったとき、生きていることが幸せとはとても思えない状況です。
このような保護団体によるネグレクトや虐待の実態が、各地で度々問題になり告発されています。
犬猫の引き取りを行なう団体の施設がどのようなものなのか、適正飼養と丁寧な譲渡がなされているのか、それらを正しく判断せず、団体に無責任に譲渡する自治体。
これらは、「殺処分ゼロ」という数字だけを追いかけている歪みと言えるでしょう。
このような背景が「殺処分ゼロ」を支えているとわかれば、たとえゼロを達成したとしても、喜ぶことはできません。

◆行政施設の環境にも問題
また、民間団体だけでなく行政の施設の環境にも問題のある場合があります。
もともと動物管理センターは、狂犬病予防法に伴なう殺処分のための抑留の施設でした。
それが時代の流れとともに動物愛護の気運が高まり、殺す施設から生かす施設へと移行を始めました。
しかし、老朽化した抑留施設には、空調設備がないこともあります。
夏は息苦しいほど暑く、冬は凍てつくような寒さです。
床からの冷えを防ぐすのこさえ敷いていないこともあり、冷たく硬いコンクリートの上で何もすることのない退屈な日々を強いられます。
また、たとえ疾病があっても治療されないこともあります。
臨床経験のある獣医師が配属されていないことや、予算不足で治療が行なえないなどいくつかの理由があります。
ゼロを達成した行政施設内でも、かつては犬猫のストレスによる同じ動作を反復する常同行動を見ることがありましたし、力なくうなだれている姿と諦めたような悲しい目を見ると、「殺処分ゼロ」を単純には喜べませんでした。
どんな過酷な状況で苦しんでいようと、とりあえず生かしておけば「殺処分ゼロ」ですから。 また、「殺処分ゼロ」の対象とするのは譲渡が可能な犬や猫だけです。
衰弱や病気、強い攻撃性があるなど何かしらの理由で譲渡不可とされ処分された犬猫はゼロの対象外です。
「殺処分ゼロ」を達成したと発表しても、施設内で死んだ犬猫は数百頭いたということもあります。
その詳細はどのようなものなのか、その真相は実際のところわかりません。
そもそもどのような理由でセンターに入ってきたのか?必要な治療をされていたのか?処分せざるを得ない病気だったのか?その方法は安楽死だったのか?譲渡不可となった理由に人の都合が介入していないのか?このように、福祉の観点で行われたものなのか、数字というものは、いくらでも都合よく操作できるので、その詳細が不明なままでは評価などできません。
近年、動物愛護センターを新設する自治体も増え、犬猫が管理される環境が改善されつつあります。
治療が必要な場合は施設内で行なうようになったり、地元の動物病院との連携を図ったり、状況はずいぶん改善させているように思います。
ですが、いくら立派な設備が新設されても前述にあるようセンターへの引取り拒否をしていたら立派なセンターはガラガラ、最新の設備は宝の持ち腐れです。
昨今、「殺処分ゼロ」は選挙の公約にされたりすることが増えました。
もちろん、動物愛護の気運の高まりがあるからですが、命に対することは、政治思想に関係なく多くの人から共感を得やすいからでしょう。
しかし、その根本の問題や背景を理解せず、また本当の問題から目を反らしながら公約にしていることがほとんどです。
そうして益々、「殺処分ゼロ」という言葉が一人歩きし、美化され、誤解されたまま広がっていく。
「殺処分ゼロ」は、あくまでも結果であり、目指すべき目標ではありません。
本当に動物たちの命を思い彼らの幸せを願うなら、「無責任な飼育放棄ゼロ」「無責任な命の売買ゼロ」を目指すべきなのです。
そのためには、動物福祉を重視したペットビジネスの変革や、消費者の意識改革も不可欠です。
そろそろ「殺処分ゼロ」の弊害と、問題の本質にしっかり向き合っていくべきだと思います。

(Eva代表理事 杉本彩)

※Eva公式ホームページやYoutubeのEvaチャンネルでも、さまざまな動物の話題を紹介しています。

   ×  ×  ×

杉本彩さんと動物環境・福祉協会Evaのスタッフによるコラム。
犬や猫などペットを巡る環境に加え、展示動物や産業動物などの問題に迫ります。
動物福祉の視点から人と動物が幸せに共生できる社会の実現について考えます。

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福井県内保護収容犬

2022-03-24 06:05:43 | 保護・収容動物のお知らせ

福井県動物愛護センターで1匹の犬が保護・収容されています。
飼い主の方至急センターへ、そして心当たりの方々のご協力お願いします

【福井県動物愛護センター 本所】
 電話番号:0776-38-2212

収容日:2022年3月23日
保護場所:福井市和田中2丁目 付近
種類:トイプードル風
性別・体格:オス・小型
年齢:不明
毛色:黒
茶色の首輪着用・青色のリード付き
公示終了:2022年3月28日


老犬捨てる人が増加

2022-03-23 05:44:28 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

老犬捨てる人が増加…16匹を看取った保護団体が“終生飼育”訴え
 「飼い主に見せたい。最期までこんな立派に生きたよと」

2022年3月13日(日)   

引き取り手が見つからなければ殺処分

犬の殺処分の数は年々減少しているが、それでも老犬を捨てる人は増加傾向にある。
引き取り手が見つからず、殺処分の対象となった犬を引き取っている保護団体が愛知県にある。
この団体は9年間で保護した276匹のうち、16匹の老犬の最期を看取ってきた。
代表は「飼い犬の最期を看取るのは飼い主の義務」と訴える。

愛知県武豊町にある「ドッグレスキューハグ」。
殺処分の対象となり、自治体から保護した犬のほとんどが老犬だ。
オムツを替えてもらっているビーグル犬の「小雪」(推定16歳)は、人間なら80歳以上のおばあちゃんだ。
小雪は2020年11月、あま市の住宅街でさまよっていたところを県の動物愛護センターに保護された。
1週間飼い主が現れず、引き取り手もないため殺処分の対象となった小雪を塚本さんたちが引き取った。
ドッグレスキューハグ代表 塚本恵さん: 小雪の場合は老齢で、腫瘍もあって耳の中も汚くて、口の中もボロボロで譲渡できないと。この子が脱走したのか捨てられたのかわからないけど、(飼い主は)なんで捜さないの?
捨てられたり、迷子になったり・・・
小雪のように保護される犬の数は年々減っているものの、2020年度には愛知県内で1188匹。
そのほとんどが8歳以上の「老犬」とみられ、もし引き取り手が見つからなければ殺処分になる。
2020年度の殺処分の数は229匹に上った。

◆「責任を持てないのなら飼わないで」悲しみを写し続ける写真家
不安な瞳でこちらを見つめるポメラニアンに、背骨が浮き出てうずくまる柴犬…。
写真集『老犬たちの涙』は、家族から捨てられ施設に収容された老犬たちの悲しみを写している。
写真集を作ったフォトジャーナリストの児玉小枝さん(51)は、ここ数年、高齢者の飼育放棄が増えているという。
フォトジャーナリスト 児玉小枝さん: 自分たち(飼い主)も病気になったり、どうしようもなく施設に処分を依頼したケース「命が消える瞬間まで飼い主の責任を持てないなら、飼わない選択もして欲しい」と児玉さんは訴える。
フォトジャーナリスト 児玉小枝さん: 心から信じて愛した家族に捨てられた老犬が、どんな思いで檻の中にいたのか…。飼い始める前に、この子の命と心を最後まで守り続けることができるか。もし覚悟がないのであれば、飼うことを諦めるのも愛。

◆病気がわかり譲渡は破談に 遺棄されたとみられるヨークシャーテリア
ドックレスキューハグの塚本さんは、2021年9月に県の動物愛護センターからの依頼で、新たに2匹の犬を引き取った。
トイプードル(推定5歳)とヨークシャーテリア(推定7歳)は、西尾市の街中で一緒にいたところを保護された。
ドッグレスキューハグ代表 塚本恵さん: 同じ場所で2匹一緒に保護されるのは、遺棄としか考えられない。かわいいから(里親は)決まると思うけど。
トイプードルは「翔愛(とあ)」、ヨークシャーテリアは「碧杜(あおと)」と名づけられた。
健康上問題のなかった翔愛は1カ月で引き取り手が見つかったが、碧杜には先天性の心疾患があることがわかった。
ドッグレスキューハグ代表 塚本恵さん: 病気だけど家族にしたいって人がいて、もう少しでお見合いという時に腹水が…。腹水がたまり始めるというのは末期。そうなったときに「辞退します」って・・・
一度は引き取り手が見つかったものの、病気が重いことから破談に。
頻繁に通院して水を抜く必要がある碧杜は、この保護団体で生きていくことになった。
ドッグレスキューハグ代表 塚本恵さん: 最期までうちで過ごして、最期のときまで一緒に。それはそれでいいと思っている。

◆「終生飼育が飼い主の義務」9年間で16匹の老犬を看取る
2021年12月。殺処分を逃れ、ドックレスキューハグにやってきたビーグルのおばあちゃん「小雪」に異変が起こった。
ドッグレスキューハグ代表 塚本恵さん: 小雪が食べないなんて…。何でも欲しがって、何でも食べる小雪が、もう食べない・・・
患っていた腎不全が悪化し、何も口にできなくなってしまった。
ドッグレスキューハグ代表 塚本恵さん: いくら点滴やっても口から栄養取らないと…。あとどれくらい時間が残されているかわからないけど、最期までみんなでサポートしたい。
何も食べられなくなってから2週間。3キロ以上痩せてしまった小雪は、とうとう寝たきりに・・・
そして、年が明けた1月10日に眠るように旅立った。
ドッグレスキューハグ代表 塚本恵さん: 終生飼育ってよく言うんですけど、飼い主の義務。小雪がどんな思いでセンターに入って、飼い主さんを待って…。飼い主に見せてあげたい。こんなに最期まで立派に生きたよって。
塚本さんたちは、9年間の活動で保護した276匹のうち、小雪のような老犬を16匹看取ってきた。
ドッグレスキューハグ代表 塚本恵さん: 寂しいから犬が飼いたい人もいるけど、それは欲であって・・・15年後を考えたときに、その子の面倒が看られるか。「飼わない」選択をされる方もいる。その選択が正しいと思います。
家族に見放されて最期を迎える犬がいなくなるまで、塚本さんたちの活動はなくならない・・・

【画像】一緒に保護されたトイプードルとヨークシャーテリア 病気が見つかり・・・

東海テレビ

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「かわいい子犬を飼いたい」、悪質業者の汚い手口

2022-03-22 05:58:40 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

「かわいい子犬を飼いたい」
8歳娘の気持ちを踏みにじった悪質業者の汚い手口

2022年3月7日(月)  

福谷 陽子法律ライター・元弁護士

世の中には「早くお金を増やせたらいいのに」という気持ちに付け込んだもうけ話や悪質商法があふれています。
元弁護士・法律ライターの福谷陽子氏が実際によくある事例を通して解説する当シリーズ。
今回は「ペットの悪質商法」について紹介します。

コロナ禍において自宅で過ごす時間が増え、ペットを飼う人も増えています。
しかしそれに乗じて悪質なペットビジネスに遭ってしまうケースも増加しており、注意が必要です。
ペットの悪質商法としては「ペットを飼うときのトラブル」と「ペットを譲るときのトラブル」の2種類があります。
今回は第1回目として「ペットを飼うときの詐欺」の事例をご紹介します。
これからペットを飼いたいと考えている方はぜひ参考にしてみてください。

■田城さん(30代女性)の場合
田城さん(仮名、30代女性)は夫と娘(小学2年生)の3人暮らしです。
コロナ禍で夫が在宅勤務するようになり、家族一緒に家で過ごす時間も増えました。
そこで、家族で話し合い「室内で飼えるかわいい犬を迎え入れたい」ということに。
田城さんたち家族は「ミニチュア・ダックスフント」が欲しかったのですが、ペットショップに行くと何十万円もして高額です。
また「できればペットショップで売られている犬よりも、飼い主が見つからない犬の里親になる方がよいのではないか」と考えました。
そこでいくつかの里親サイトに登録し、家族として迎え入れられるようなミニチュア・ダックスフントを探すことにしました。

◆携帯電話に連絡が
ある日、田城さんの携帯電話に「ペットの譲渡を行っている」という業者から電話がかかってきました。
話を聞くと、登録したサイトの1つを運営している業者のようでした。
担当者は以下のようなことを言ってきました。
「当会は、飼い主の見つからない犬の里親を見つけて新しい家族を見つけてあげるための活動をしています」
「ペットショップと違い、営利は主目的ではないので費用はとても安いです」
「当会を介して引き取ってもらうと、行き先のないワンちゃんの新しい家族になってもらえるので、動物の命を救うことにもつながります」
「ペットショップでは30~60万円くらいする子犬が、当会であれば4万円程度でお譲りできます」
「ペットの安全を期するため、引き取りの際には誓約書を書いてもらっています」
田城さんが「写真や動画を見たい」と希望すると、とてもかわいらしくて田城さんたち家族が理想としていたようなミニチュア・ダックスフントの赤ちゃんの動画と数枚の写真が送られてきました。
田城さんたち家族はすっかり魅了されてしまい、「子犬のためにもなるし、ペットショップと比べてとても安く飼えるのも魅力的」「ぜひ譲ってもらおう」と考えて、業者へ4万円を振り込みました。

◆追加請求
田城さんがお金を振り込んで「いつ子犬が来るんでしょうか?」と尋ねると、「出生後間もないので、最低でも4カ月は待っていただく必要があります」「あまり小さいうちに環境を変えると弱ってしまうので、ワンちゃんのためにもお待ちいただけますと助かります」とのこと。
田城さんが「それなら仕方ないかな」と思って待っていると、また連絡がありました。
今度は「ワクチン代と狂犬病予防接種の費用が2万円かかるので、負担してください」とのこと。
田城さんが言われるままに振り込むと、また連絡が来ました。
「避妊手術の費用がかかるので、10万円支払っていただく必要があります」
田城さんは「避妊手術はそんなに費用がかかるのか?」と少し疑問を持ちましたが、動物のため必要なことだから、と思って支払いをしました。
その後も「子犬の管理費用がかかっている」「体調を崩して獣医に行ったので費用がかかった」など、次々と費用請求をされて、結局田城さんは業者へ合計30万円以上支払うことになってしまいました。

◆結局引き渡しを受けられなかった
業者から連絡があってから約束の4カ月が経過しましたが、ミニチュア・ダックスフントを送ってもらえる気配はありません。
さすがに田城さんも不安になって「どうなっていますか?」と問い合わせましたが、はぐらかされるばかりで、ついには音信不通になってしまいました。
ネットや電話でしかやりとりしておらず、サイトにも運営者情報がはっきり書いていなかったので、住所も分かりません。
田城さんたちは総額35万円をだまし取られてしまったのです。
娘も子犬が来るのをとても楽しみにしていたのに、待たされた揚げ句に結局飼えなかったのでとても寂しそうにしています。
田城さんは、お金の問題もありますが、それよりも「娘の悲しそうな顔を見るのがとてもつらい」と、やりきれない思いになりました。

■悪質ペット商法が増えている
最近、田城さんが遭ったような悪質なペット商法が増えています。
以下でよくあるパターンを見てみましょう。

◆ペットを引き渡すと言って引き渡さない詐欺
よくあるのが「ペットを譲ります」と言ってお金を振り込ませておいて、実際には引き渡さない詐欺です。
田城さんが遭ったのもこのパターンです。
里親サイトを運営している業者やサイトから情報を入手した業者から電話やメールが来るケースもよくあります。
・SNSを使った詐欺
最近では、SNSを使ったペットの個人取引が頻繁に行われています。
SNSで知り合った相手から「トイプードルを格安で譲ります」などと言われて信用してお金を振り込んでも、一向に引き渡してもらえないパターンです。
ネット上で知り合った相手は氏名も住所も分からないケースが多いので、だまされたときの返金請求が非常に難しくなってしまいます。

◆病気のペットを買わされる
市販のペットショップでも見られる悪質商法として、病気のペットを譲られるケースが少なくありません。
当初から衰弱していたのか、購入した途端に病気になって死亡してしまったり、先天性の病気を持っているのに告げられなかったりするパターンです。
死亡すると経済的な問題だけではなく精神的にもショックですし、持病のあるペットを譲られると、飼い主が一生介護をしなければならないので多大な負担が発生します。

◆追加費用を請求する詐欺
当初は「ワクチン代1万円を負担してもらうだけ」などと少額で飼えるような説明をしつつ、その後さまざまな理由をつけてどんどん追加費用を請求してくる悪質商法もあります。
田城さんのケースもこのパターンです。


■悪質商法に遭わないために
このような悪質商法に引っかからないために、以下のことに注意しましょう。

◆特定商取引法上の表記を確認する
ネットで品物やサービスを販売する場合、「特定商取引法上の表示」をしなければなりません。
表記には業者の名称、住所、電話番号などが掲載されています。
必要事項がきちんと掲載されていない業者は違法ですので取引すべきではありません。
掲載されている電話番号につながるかなども確認しておきましょう。

◆動物取扱標識を確認する
動物愛護法により、動物販売業を行うには登録しなければならず、動物取扱標識を掲示する義務も課されます。無登録営業や標識を掲示しない営業は違法です。
販売業者が無登録、あるいは動物取扱標識を掲示していない場合、取引すべきではありません。

◆販売業者名と代金の振込先名義が同じか確認する
販売業者名と代金の振込先名義が異なる場合、詐欺の可能性が高いので避けた方がいいでしょう。

◆生命保証、ワクチン接種や代金を確認する
契約前に、病気や死亡した場合の保証がどうなっているか確認してみてください。
ワクチン代や血統書費用などの内訳や金額も確認しておくべきです。
当初に明確になっていれば追加費用を請求されることはありません。

◆ペットを見てから購入する
ペットは実際に見てから購入しましょう。
写真や動画だけでは実在するかどうか分かりませんし、現在の様子なのかも不明です。

***

もしもだまされてしまったときには、早めに消費生活センターや弁護士に相談してみてください。
相手の所在が明らかになれば、支払った代金の取り戻しを請求できる可能性があります。
ペットビジネスには想像以上に悪質商法がはびこっています。
譲り受けるときには、詐欺に引っかからないようくれぐれもご注意ください。

福谷 陽子/法律ライター・元弁護士

京都大学法学部在学中、司法試験に合格。勤務弁護士を経て、法律事務所を設立し、約7年間独立営業。中小企業法務や債権回収、不動産の任意売却やカード破産などの案件を多数手がけた。悪徳商法、投資詐欺などの消費者問題にも深い知見がある。現在は弁護士時代の経験を活かして、各種の法律メディアにて執筆、監修、編集、さらに法律事務所のWebマーケティングなどに携わる。