動物たちにぬくもりを!

動物愛護活動の活動経過や日々の出来事、世の中の動き等幅広く紹介します。

現役獣医師が見た「最悪な飼い主」の実態

2023-06-10 06:15:49 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

現役獣医師が見た「最悪な飼い主」の実態
 初診なのに“愛犬の安楽死”を依頼されることも

2023年5月30日(火)

ここ数年で社会的にも注目されるようになった、犬猫の飼育放棄問題や殺処分問題。
全国の動物愛護団体が必死になって活動しているが、まだまだペットを“モノ扱い”しているかのような酷い飼い主が多くいる。
都内の動物病院で院長を務める獣医師のS氏は「犬や猫の気持ちをまったく考えていない酷い飼い主さんをたくさん見てきました」と話す。


(日刊SPA!)

◆手術代を払わず、逃げ去る飼い主
「これは動物病院界隈ではよくあることなのですが、手術代を払わずに逃げてしまう人がいるんです」
ペットの手術代は支払額が10万円以上の高額になることも多い。
待合室で会計時に呼んでも返事がなく、いつのまにかペットとともに消え去っているんだとか……。
「私の病院でも何度か経験があります。3年くらい前の話なのですが、入院していた犬の手術が終わり、まだ入院しなければいけない状態で50代くらいの女性飼い主と面会することになったんです。そして看護師が少し目を離した隙に、犬も飼い主もいなくなっていました。正直、追いかければ捕まえられるかもしれませんが……。あんまり追いかけすぎても、それを見ていた人に動物病院側の評判が悪くなる口コミを書かれるかもしれないので、ちょっと追いかけづらいんですよね」
なお、そのときの支払い金額について「入院費もあったので20万円くらいでした。最初にちゃんと金額の説明もしているので、ハナから逃げる気満々で入院させたんだと思います」とS氏は話した。

◆愛犬の命を大切にしないことの方が問題
診察代を払わなかったことも論外だが、診察の途中だった愛犬の身体のことを何も考えていないことにS氏は憤っていた。
「もちろん、それ以降来ることはありませんでしたが、まだ完治していないワンちゃんがどうなったのか心配です……。飼い主は『他行けばいい』くらいに思っているかもしれませんけど、他の病院に移るときに、その子のカルテなどの情報は引き継げないわけじゃないですか。また最初から診察ってなると、そのワンちゃんに負担がかかりますからね。金額的にも病院としての損失が大きいですが、自分が飼っているペットの命を大切にしていないことの方が憤りを感じます。自分の子供にも同じことするのかって話ですよ」

◆初診で安楽死を提案してきた飼い主
「ペットは家族」という認識がなく、大切な命を“モノ扱い”している人が多くいる。
以前、S氏の病院にやってきた飼い主は、今後の診察代の負担などを考えてなのか、初診で安楽死を依頼してきたという。
「初診で安楽死を提案してきた人がいて、そのときは本当に驚きました。まだ診てもいないのに『辛そうなので安楽死をさせてあげてください』と言われたんです。通院や入院しているワンちゃんなら、身体の状態を鑑みて、飼い主さんと相談を重ねたうえで安楽死を選ぶこともあります。安楽死は悩みに悩んだ末に出す苦しい決断であるはずなのに、初診で簡単に提案してくるなんて……。しかもパッとみた感じはそんなに苦しそうじゃなかったこともあって、ちょっと言葉を失いましたよね」

◆獣医師にとって安楽死は「辛い仕事」
獣医師による安楽死は法律で認められているが、苦しんでいる動物を目の前にして、他に治療の選択肢がないときに苦肉の策として行うこと。
動物病院に来るまでにどういったことがあったかは不明だが、初診でやってきた飼い主が提案することではない。
ただ、飼い主からの提案に対して、安楽死を断るのも難しいことのようだ。
「飼い主さんからの安楽死の提案を断る理由も難しいので、初診での安楽死は破格の金額を設定しています。通常は1万5千円~2万円なのですが、10倍くらいの金額にしていますね。そうなると『じゃあ他の病院に行きます』となるので、初診で安楽死の注射をしたことはないです。『あそこの動物病院は簡単に安楽死やってくれるわよ』って評判になっても嫌なんで……。動物が好きで獣医になったわけですから、基本的にはやりたくないですね。ただ私が断ったことで、その子の命を救えたわけではないので、その後どうなったかを考えると心苦しいです」
S氏は繰り返し「そんな人に飼われている犬猫が可哀想で……」と話した。
犬や猫を飼い始めるときは“最期まで面倒をみられるか”を真剣に考える必要がある。
しかし高齢者が子犬・子猫から飼い始め、人間が先に亡くなり、行き場を失って動物愛護団体に保護される犬猫が後を絶たない。
犬猫はモノではなく「命である」ということ、そして「飼い始めたなら最期まで面倒をみなければならない」ということが常識化していないことが、このような酷い飼い主が存在する要因のひとつなのではないだろうか。

文/セールス森田 【セールス森田】
Web編集者兼ライター。パチンコライター・動画編集者を経て、現在は日刊SPA!編集・インタビュー記事の執筆を中心に活動中。全国各地の取材に出向くフットワークの軽さがセールスポイント


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住宅街の空き地に投げ捨てられた袋の中に子猫が・・・

2023-06-09 05:52:06 | 動物実験・動物虐待

住宅街の空き地に投げ捨てられた袋の中に子猫が…
 猫エイズ陽性だったけど元気いっぱい
 「素敵な飼い主さんにつながりますように」

2023年5月23日(火)  

「今朝、住宅街の空き地に自転車の男性がやってきて、袋を投げ捨てて行ったそうで、中には子猫が入っていました。2ヶ月のかわいい男の子ですが、血液検査、まずはFIV陽性でした。厳しいと思いますが、どうか素敵な飼い主さんに繋がりますように」というツイッターの投稿が話題になっています。


元気に暮らしているという=トイプードルと猫さん(@S07M0501)提供

投稿したトイプードルと猫さん(@S07M0501)に詳しいお話を聞きました。
――どこに捨てられていたのですか。
「介護事業所の職員の方が、自転車に乗った男性が真ん前の空き地の草むらに袋を捨てるのを見たそうです。保護したのは、その事業所の方々です」


この草むらに捨てられていた

――何か不審だったのですね。
「猫の鳴き声がするのに気がついてびっくりしたそうです。とにかく急いで保護したと聞きました」

――トイプードルと猫さんに相談されたのですか。
「私とその事業所の責任者は、仕事の関係で知り合いなのです。私が以前にも猫を保護したり、高齢者が置いていった猫の里親探しを手伝ったりしたことをご存じで、相談されました。保護して箱に入れたものの、元気がないのか動かず、水も飲まないとのことでした。でも私が遠方にいたため、いつも猫のことで助けてもらっているボランティアさんに電話して相談したら、飛んでいってくれました。ミルクをシリンジで飲み、元気があると報告を受け、まずは安心しました」

――子猫の月齢は?
「土曜日(5月6日)の診察では、生後7週ぐらいとのこと。誕生日は4月3日になりました」

――FIV陽性だったのですね。
「保護した日の検査で陽性になりましたが、子猫ですので疑陽性を疑い遺伝子検査しています。今も少しずつお声がけしていますが、それがはっきりしたら具体的に動いていくことになりそうです」

――今はどうしているのですか。
「保護された日の夕方に事業所に行ったら、話を聞いてやってこられた別の介護事業所の方が『しばらく預かる』と申し出をされました。でも、猫の飼育経験がない方だったので心配で、ちゃんと食べられるまでという約束で、先に駆けつけてくれたボランティアさんが一時的に預かってくれることになりました。食べむらがあるそうですが、元気にしています」

◇ ◇

リプ欄には、
「一日でもはやく、ずっとのお家に安心して行けることを願っています」
「こんなに可愛い子猫ちゃんを投げ捨てるなんて。きっと優しい飼い主さんがすぐに見つかると思います」
「まずは怪我なく、優しい方に一時的保護されて良かったです」
など、子猫の幸せを願うリプライがたくさん寄せられました。
早く里親が見つかるといいですね。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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段ボールに入れられゴミ置き場に… 新潟市で子猫の遺棄相次ぐ

2023-06-08 06:00:11 | 動物実験・動物虐待

段ボールに入れられゴミ置き場に… 新潟市で子猫の遺棄相次ぐ

2023年6月6日(火)

段ボールなどに入れられ、ゴミ置き場や店舗の前に捨てられる…。
新潟市で子猫が不法に遺棄されるケースが相次いでいます。


日テレNEWS

7匹の猫が捨てられていたのはゴミ置き場です。
記者 「猫が捨てられていたのは、ゴミステーションの脇のこの辺りです。段ボールが2つ置かれていまして、フタがしてある状態で合計7匹の猫が捨てられていたということです」
7匹の猫は、段ボールのフタをテープでとめた状態で発見され、近くの住民が新潟市へ通報しました。
通報した男性 「段ボールの箱の中から『ニャーニャー』という猫の鳴き声がするということで、どうしたんだろうと。好きで飼っているわけでしょ、本当は。考えられない、かわいそうだよね」
7匹の猫はいずれも元気な様子でしたが、新潟市では今年度、子猫が遺棄される事件が相次いで発生しています。
5月18日には店舗前で4匹、23日にはゴミ置き場で4匹、あわせて8匹の捨てられていた猫が保護されました。
さらに6月4日にも、弱々しい声で鳴く4匹の子猫が、新潟市内の飲食店の前で農業用のケースに入れられ、捨てられていたといいます。
子猫は、いずれも生後1か月ほど。
体重は約250グラムで、通常の半分程度だといいます。
4匹のうち2匹はひどく衰弱し、一時は命の危険もあったといいます。
猫が捨てられていた飲食店から連絡を受けたボランティア団体の女性は…
新潟動物ネットワーク 岡田朋子さん 「どれだけの人に迷惑をかけているか、命に対して責任をもっていないかということを、しっかり考えて頂きたい」
新潟市は「動物の遺棄は犯罪だ」として、注意を呼びかけています。

【相次ぐ】段ボールに入れられゴミ置き場に…新潟市で子猫の遺棄 - YouTube


このような猫の虐待は、またか!またか! と日本各地で多発しています。
何の罪もない動物たちが可哀想な境遇に立たされるのです。
棄てる人あれば拾う人あり・・・しかし、捨てる人間が多いのが現実であり、現在の日本の姿です。
命ある生き物をモノとしか思っていない虐待犯罪、人間の質の悪さを正していかないと解決しないのです。
(byぬくもり)


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猫への『置き餌』をやめたい!移行時の大切な3つのステップとは

2023-06-07 05:49:54 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

猫への『置き餌』をやめたい!移行時の大切な3つのステップとは

2023年5月22日(月)   

◆置き餌は体に悪い!?気をつけたいデメリット

置き餌には、『猫が食べたい時に食べたい量だけ食べられる』というメリットがあります。
しかしその一方で、注意が必要なデメリットがあります。
・不味くなる
人間のスナック菓子を放置すると不味くなるように、キャットフードも時間が経つにつれて味が落ちてしまいます。
猫は風味や鮮度に重きを置く動物なので、食いつきが悪くなる可能性があります。
・不衛生
一旦猫の唾液が付着したご飯をそのままにしておくと、雑菌が繁殖して衛生的ではありません。
・肥満の原因になる
好きなタイミングで食べられる自由があると、逆にダラダラと食べるようになってしまいます。
家猫の場合は運動不足になりがちなので、そのような生活を続けていると肥満になる恐れがあります。
将来的に糖尿病になるリスクが上がってしまうので、体に良くありません。

◆ストレスなく置き餌をやめる3つのステップ!

上記のデメリットも踏まえて置き餌をやめようと決心したところで、実際スムーズにいくものなのでしょうか。
もちろん、突然置き餌を止めてしまうと、食べたい時に食べられなくなるストレスを猫が感じてしまう可能性もあります。
そのため、置き餌を止める場合には、突然止めてしまうのではなく、少しずつ置き餌の無い状況へ移行して、猫を慣れさせていくことが理想的です。
ここでは、無理なく置き餌を卒業するために大切な3つのステップを紹介いたします。
1.食後に一旦食器を片付ける
猫が食事を終えて他の場所に移動したら、一旦食器を片付けるようにしてください。
移行期の初期段階では、再び欲しがったら少しだけ食べさせるようにします。
2.残飯は匂いを残さずに処分する
食べ残したフードは袋に入れて処分するか、猫が立ち入らない場所のゴミ箱に直接捨てるようにしましょう。
匂いが残っていると、猫がゴミ箱を漁ってしまうかもしれません。
その過程で危険なものを食べてしまう恐れがあるので、匂いの痕跡を断つようにします。
尚、食器を片付ける時も、残飯処理の際も猫が見ていないか確認するようにしてください。
目の前で片付けてしまうと、猫が「獲物を取られた!」と誤解してしまったり、余計に欲しがるようになってしまいます。
3.食事の提供回数を徐々に減らす
食器を下げる環境に慣れてきたら、徐々に提供回数を減らしていきます。
例えば、一日6回からスタートして、4回、3回と減らしていくような感じです。
一日2回まで減らしても良いのですが、元々猫はまとめて食事を摂る習慣がないので、3回で落ち着けばそこをゴールにしても構いません。
重要なのは、フードを放置しないということなので、回数に関しては愛猫の様子に合わせて決めて大丈夫です。
ただし、一日あたりの摂取量を超えないように気をつけてください。

◆まとめ

猫の置き餌は、風味の劣化や衛生面での問題、肥満に繋がりやすいなどのデメリットがあります。
愛猫の健康面を考慮すると、控えたほうが良いでしょう。
置き餌を卒業する際は、いくつかの段階に分けて少しずつ進めてください。ストレスがかかると体調を崩したり、飼い主さんに不信感を抱くようになってしまいます。
まずはそっと食器を片付けるところから、焦らずに目標達成に向かっていきましょう。

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ツバメの巣作りを見守りたいが…鳥嫌い隣人から「取り壊し求める圧」

2023-06-06 06:02:13 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

ツバメの巣作りを見守りたいが…
鳥嫌い隣人から「取り壊し求める圧」、撤去義務ある?

2023年5月20日(土) 

春の訪れとともに、各地でツバメが巣作りをする様子が、ニュースやSNSで取り上げられています。
親鳥がせっせと餌を運ぶのをほほえましく受けとめる人もいますが、なかには「糞害」を心配する人もいるようです。
自宅にツバメの夫婦が巣を作ったことから、「鳥嫌いな隣人」とのトラブルを心配する相談が弁護士ドットコムに寄せられました。


軒先に巣をつくったツバメ(イメージ・samsam / PIXTA)

相談者は自分の子どもに、ツバメの巣作りや巣立ちを見せてあげたい気持ちもあって、「糞受け」を作るなどの対策をとりつつ、見守りたい考えです。
しかし、お隣さんから、鳥類に強いストレスを感じるのでツバメの巣を壊してほしいと、遠回しに伝えるような態度を感じたといいます。
「ご近所様との仲は良好に保っておきたいのですが、ツバメの夫婦が健気に泥を運んで少しずつ巣を作っているのを見ると、今更壊すのも気が引けてしまいます」
もしも隣人がもとめてきたら、巣を撤去しなければいけないのでしょうか。
動物をめぐる問題にくわしい坂野真一弁護士に聞きました。

⚫ツバメの巣を撤去する義務は課されていない ――そもそも、自宅にツバメの巣を作られた場合、住人は自由に撤去できるのでしょうか
ツバメは鳥獣保護管理法で保護され、「鳥獣及び鳥類の卵は、捕獲等又は採取等をしてはならない」(同法8条)とされています。
違反者には1年以下の懲役または100万円以下の罰金が定められています(同法83条1項1号)。
ヒナや卵が存在するツバメの巣を撤去すると、同法8条に違反する危険性が高いですが、「産卵前」や「ヒナが巣立ったあと」のツバメの巣を撤去しても同条違反ではないと考えられます。
なお、住宅に営巣されたツバメの巣に関して、住人に撤去義務を定めている法律は、ないと思います。
ただし、極めて考えにくいのですが、相談者の方が借家に住んでいて、賃貸借契約に「ツバメの巣の撤去義務」が明記されている場合は、家主に対する契約上の義務として、ツバメの巣の撤去義務を負うことも可能性としてはありえます。
そのような場合であっても、卵やヒナがいる状態の巣の撤去は鳥獣保護管理法違反となるので、巣を撤去する際には「ヒナが巣立った後にする」などの注意が必要です。

⚫頼まれても応じる必要はないと考えられる ――ツバメの巣の撤去をお隣さんから求められたら、どうすべきでしょうか
相談事例のツバメの巣は1つで、糞害対策もとるようです。
いくら隣人の方が鳥類を嫌いだとしても、受忍限度を超える被害を与える可能性はおそらくないものと考えます。
まだ卵もヒナもいない巣作り中の巣ですから、撤去しても鳥獣保護管理法に違反しないので、撤去するかどうかは、ご自身の判断で決めればよいでしょう。
ただ、お隣さんから巣の撤去を直接申し込まれている状況で、巣作りや子育てを見守りたいのであれば、お隣さんとの関係をこじらせないために、申入れを無視するのではなく、
 (1)ツバメは鳥獣保護管理法で保護されており巣の中の卵の有無の確認も困難なので、下手に撤去すれば法律で罰せられる危険性がある
 (2)ツバメの抱卵期間は約15日、ヒナを育てる期間は約20日と言われており、長期に及ぶことはないといわれている
 (3)糞害対策をキチンとし、可能な限り隣家に迷惑をかけないように努める
などの説明をして理解を求めた方が、問題が生じにくいように思います。
なお、お隣さんから「ツバメの『飼い主』だから責任をとれ」などと指摘されたとしても、本件における相談者の方は「飼い主」ではないと考えられます。
「飼い主」とは、動物の所有者・占有者と考えられ、自治体のいわゆるペット条例の多くでも、そのように定義されています。
相談事例のツバメは野生の鳥ですから、相談者の方が所有しているわけでも、事実上支配しているわけでもないからです。

【取材協力弁護士】 坂野 真一(さかの・しんいち)
弁護士 ウィン綜合法律事務所 代表弁護士。京都大学法学部卒。関西学院大学、同大学院法学研究科非常勤講師。著書(共著)「判例法理・経営判断原則」「判例法理・取締役の監視義務」(いずれも中央経済社)、「弁護士13人が伝えたいこと~32例の失敗と成功」(日本加除出版)等。近時は相続案件、火災保険金未払事件にも注力。 事務所名:ウィン綜合法律事務所 事務所URL:https://www.win-law.jp/

弁護士ドットコムニュース編集部


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猫・犬保護、活動支援 有志4人が「応援隊」設立

2023-06-05 05:54:17 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

猫・犬保護、活動支援 有志4人が「応援隊」 長野県諏訪地域

2023年5月19日(金)  


28日の物販イベントと今後の活動について話し合うにゃははん応援隊の原代表(左)らメンバー

長野県諏訪地域で猫、犬の保護活動を行う団体や個人を支援しようと、諏訪地方の有志4人が一般社団法人「にゃははん応援隊」を設立した。
茅野市豊平に拠点を置き、寄付や物販イベントなどを通じて資金を集め、猫や犬を保護した際に必要になる医療費を補助する。
支援金の確保に向けて28日に物販イベント「にゃははんマルシェ」を諏訪市文化センターで開く。
4人とも保護や預かりなどの活動経験者で長い人は10年以上になる。
原史穂代表理事=茅野市豊平=によると、飼い主がいない猫や犬を保護した場合、獣医師による健診、寄生虫の検査などを行うことが望ましいが、費用は保護した個人の負担となるため、保護をためらう場合も考えられるという。
保護活動の経験者だからこそ分かる負担を少しでも軽減しようと同法人の設立を決めた。
活動の実践者や関心がある人同士の交流の場にもしていきたい考え。
支援対象は諏訪地域で保護された犬や猫の里親探しなどを行う団体、個人。
健診などを行った場合や避妊、去勢手術を行った場合に申請内容に基づいて1匹につき3000または5000円を補助する。
28日のイベントは資金集めとともに未経験者らに保護活動への関心を持ってもらおうと企画した。
午前10時から開催し、手作り小物や飲食店による弁当の販売、施術などのブースが計20店以上出店する。
同グループ自身も物販を行い、参加店の出店料や自店の売り上げの一部を支援金に回す。
イベント以外でも随時、寄付や協賛を受け付けている。
原代表理事は「支援活動を通じて、保護した後の大変さを知る人同士がつながり助け合えるかたちをつくっていきたい。28日のマルシェには保護活動への関心の有無にかかわらず、気軽に足を運んで楽しんでもらいたい」と話していた。
問い合わせは同法人(電話070・2015・1108)へ。

一般社団法人にゃははん応援隊|長野県茅野市 (nya-ha2n.com)


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小さな命を守った人たち

2023-06-04 05:51:50 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

【調査】
「うちの猫」と出会い「カラスに襲われていた」「大雨のなかひかれそうだった」
 小さな命を守った人たち

2023年5月16日(火)

猫と出会うにはさまざまな経緯があります。
そこで今回は、飼い主さんたちに愛猫との出会いについて調査を実施。
また、ねこのきもち獣医師相談室の岡本りさ先生に、子猫を拾ったときに考えるべきことなどについてお話をうかがいました。

◆保護から購入まで愛猫との出会いはさまざま!

※2023年3月実施「ねこのきもちアプリ」内アンケート調査(回答者数 233人)

飼い主さんたちに、愛猫と出会った経緯についてアンケートを実施しました。
その結果、捨て猫や迷い猫を保護したケース、譲渡会などから譲り受けたケース、ペットショップなどから購入したケースが僅差に。

◆捨て猫・迷い猫を保護した飼い主さんに聞いた「出会ったときのエピソードは」

茶トラ猫のまるちゃん

「自宅前の道路でカラスに襲われていた子猫を助けました。瀕死の状態だったので、近所の動物病院へ。診察治療後、飼えないのなら保健所に連絡しますと言われ『家で面倒みます』と飼う決断をしました。きっと何かの縁だと。彼はもうすぐ3才、大切な家族になっています」
「大雨の日、道路上でヨタヨタと歩いていた小さな子猫がいました。前の車の人が道の際に寄せていたので一度通りすぎましたが、どうしても気になり戻るとまた道路上に出てきていて、ひかれる危険があると思い保護。家につれて帰りドライヤーで乾かし温め、動物病院へ。150gしかなく先生にもダメかもしれないと言われ、数日は鳴くこともできないくらい衰弱しており無数の寄生虫とも戦いました。今では遊ぶの大好きな3.7kgのやんちゃ姫に育っています」
「家の敷地内に野良猫が出産し、母猫は2匹置き去りにしていなくなってしまった。台風が来ていたので、2匹保護した」 「うちの近所に突如現れた猫。飼われていて捨てられたのか人馴れしていました。ついてきて『家に入れてください』という感じだったので、家族会議の末、『うちのコ』に迎え入れました」

◆子猫を拾ったときはどうしたらいいの?

黒猫のよしおちゃん

――子猫を拾ったときに、まず確認すべきことはなんでしょうか?
岡本先生: 「子猫のミルク給餌や排泄のお世話ができる状況なのか、賃貸であればペット可能の物件なのかなど、一時的にでも自宅で保護できるかどうか確認してください。 また、子猫が衰弱していたり、低体温・低栄養になっていたりすることも。ノミのチェックなども必要なため、できるだけ早めに動物病院を受診しましょう」

◆子猫を飼えるか判断するときに考慮したい点は?
――子猫を飼えるかどうかの判断で視野に入れるべきことはなんでしょう?
岡本先生: 「先述したように、まず子猫のお世話をできる状況か判断が必要です。生まれて1週間以内は3~4時間おき、その後生後1カ月くらいまでは4~5時間おきのミルク・排泄の介助が必要になります。 また、保護した猫の場合は猫カゼにかかっていることも多く、こまめな通院が必要になるケースも多いです。最初の健診・予防・治療・お世話グッズの購入など、もろもろ含めて1万~5万程度の費用がかかると予測されます。 そのほか、成長しても家具での爪とぎや、排泄の失敗などが起こる可能性があるという点や、健康でも、食事・予防薬・予防接種・猫砂などで年間10万以上は費用がかかるという点なども考慮して、判断することが大切です」

――子猫を飼えない場合はどうしたらいいでしょうか?
岡本先生: 「保護したものの諸事情により飼えないという場合は、受診した病院や地域の自治体、保護団体に相談してください」

――ありがとうございました。

放っておけずに急遽捨て猫や迷い猫を保護することもあるでしょう。
その場合にも、自分のライフスタイルや住環境を考え、飼えるかどうかを判断することは人と猫の幸せのためにも大切なことです。
今回ご紹介したエピソードも、判断材料のひとつにしてみてくださいね。

(監修:ねこのきもち獣医師相談室 獣医師・岡本りさ先生)
文/田山郁 ※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。

※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

ねこのきもちWeb編集室

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飼い主が亡くなり、電気や水道が止まった真夏の部屋で飼い主を待ち続けた犬

2023-06-03 06:11:51 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

電気や水道が止まった真夏の部屋
 高齢犬は飼い主の帰りを待ち続けた
 「じゃあ殺処分してもらいます」引き取りを求められた親族の非情な言葉

2023年5月18日(木)


ある日突然いなくなった飼い主を待ち続けたワンコ、ごうくん

2022年初夏、あるワンコと一緒に過ごしていた高齢の飼い主が寝たきりとなり、施設に入所することになりました。
暮らしていた部屋は賃貸物件。
隣県で暮らす息子は、家の中の荷物を全て引き払い、電気や水道なども止めて、部屋の契約も解約しました。
しかし、非情にもワンコを部屋に置き去りにしたのです。

◆電気・水道のない暗い部屋で飼い主を待ち続けていた
置き去りにされたのは15歳の高齢犬、名前を「ごうくん」といいます。
暑さが厳しくなる中、電気も水道もない真っ暗の部屋の中で、ごうくんは飼い主が帰ってくることを、ご飯も食べずに我慢して待ちました。


電気も水道も止められた真っ暗の部屋の中で飼い主の帰りを待ち続けていました

飼い主の息子はごうくんを置き去りにして、どうするつもりだったのでしょうか。
飼い主はその部屋には帰ってこないし、ごうくんがひとりぼっちで生きていけないことは、もちろん想像できることでしょう。
置き去りにされたごうくんの境遇を知った、近所の心ある人がいました。
この人は自宅からその部屋まで電気を引っ張り、扇風機と小さな電灯をごうくんに提供してくれてました。
追い打ちをかけるような事態が待っていました。

◆良心に反して突きつけられた「お金の話」
この賃貸物件の家主が、この人に家賃料を請求するようになったのです。
もちろん家主の言い分もあるでしょう。
しかし、老犬のことを考えると、「何とか柔軟に対応してもらえないか」とも感じます。
ごうくんを助けようとした人は「お金」という問題を抱えることになってしまいました。
飼い主の息子をなんとか探し出し、「ごうくんを連れ出しお世話をしてあげてほしい」と説得しました。
しかし息子の返答は思いもよらないものでした。

◆「じゃあ保健所で殺処分してもらいます」
「そうですか。じゃあ保健所で殺処分してもらいます」
ごうくんを支えていた人はまたもがく然としました。
ある日突然いなくなった飼い主を、真っ暗な部屋の中で待ち続けるごうくん。
そして「殺処分していもらいます」と言い放つ飼い主の息子。
ごうくんを支えていた人は「殺処分するなんて絶対にさせない」と里親さんを募集したり、保護団体に問い合わせるなどをし、その命を救おうと奔走しました。
里親希望者が見つかり、胸をなで下ろしましたが、ごうくんが新しい生活になじめませんでした。
トライアルをしましたが、ごうくんは元の飼い主の部屋に帰りたくて大暴れしてしまいます。
残念ながらごうくんは正式な家族として迎えてもらうことはできず、そしてまたあの真っ暗の部屋でひとりぼっちで飼い主を待ち続けることになってしまいました。


人間の非情さが、次々と降りかかったごうくん

◆元飼い主はごうくんをとてもかわいがっていたようだった
そんな中、高齢夫婦が連絡したのが一般社団法人SORA小さな命を救う会(以下、SORA)という保護団体でした。
日頃から愛護センターや保健所はもちろん、繁殖業者や多頭飼育崩壊現場からワンコを引き出し、新しい里親さんへと譲渡を行う団体です。
ごうくんの話を聞いたSORAのスタッフは、すぐにその部屋へ向かいました。
ごうくんはやはり真っ暗の部屋の中でとても寂しそうに、こちらを見つめていました。
ごうくんの首には、刻印式の電話番号入りの首輪がありました。
また、玄関には脱走防止ゲートも設置されていました。
きっとごうくんは、施設への入所した飼い主さんにとても大切にされていたことがうかがえました。
それだけにごうくんも飼い主さんを信頼し、部屋の中で耐え続けていたのかもしれません。
とはいえ、このままこの部屋にいられるわけではありません。
スタッフはごうくんを保護するために抱き抱えようとしました。
すると、ごうくんは「叩かれるのではないか」とブルブル震えます。
「怖くないよ。大丈夫だからね」と声をかけながらごうくんを抱きかかえ、無事保護することができました。

◆「ごうくんは一度も噛みついたことがない」
SORAのシェルターで検疫検査などを行うため、2週間ほどを過ごしたごうくんは、同団体に登録する優しい預かりスタッフの元で新しい生活を始めました。
当初こそ震えていたごうくんも少しずつ心を開き始め、穏やかな表情を浮かべるようになりました。
ごうくんを支えてくれた心ある人からは「ごうくんは一度も噛みついたことがない」「本当に穏やかなワンコだ」と聞いていました。
この言葉通り、本来のごうくんはいたって穏やかで優しいワンコであることが、長い時間を過ごすうちにスタッフも感じることができました。
後に「ごうくんを迎え入れたい」という里親希望者さんが現れ、関東からSORAがある名古屋まで会いに来てくれました。
とても優しそうな里親希望者さんだったため一度トライアルを実施した後、ごうくんを正式に迎え入れてもらうことになりました。
大変な思いを経験したごうくんでしたが、心ある人たち、優しい人たちの想いがつながり、現在、新しい里親さんのもとで幸せな第2の犬生をおくっています。


心ある高齢夫婦が言うように、ごうくんは穏やかで優しいワンコでした

(まいどなニュース特約・松田 義人)

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福井県内保護収容犬

2023-06-02 05:56:16 | 保護・収容動物のお知らせ

福井県動物愛護センターで1匹の犬が保護・収容されています。
飼い主の方至急センターへ、そして心当たりの方々のご協力お願いします

【福井県動物愛護センター 本所】
 電話番号:0776-38-2212

収容日:2023年6月1日
保護場所:越前市八幡1丁目 付近
種類:雑種
性別・体格:メス・中型
年齢:不明
毛色:黒白
ピンク色の布製首輪着用
公示終了:2023年6月5日


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徳島県で秋田犬が相次いで遺棄

2023-06-01 06:01:17 | 動物実験・動物虐待

徳島県で秋田犬が相次いで遺棄。その背景と飼い主を見つける方法は?

2023年5月20日(土) 石井万寿美まねき猫ホスピタル院長 獣医師

JRT四国放送は、4月26日に徳島県阿南市橘町小勝島のゴミ処理施設の中にある公園の女子トイレで秋田犬1頭が保護されたと伝えています。
実は、このメスの秋田犬だけではなく、この辺りでは相次いで秋田犬が遺棄されているそうです。
具体的には、去年から今年にかけて、徳島市のマリンピア沖洲で2頭、阿南市内で3頭と分かっているだけで5頭の秋田犬が保護されています。
なぜ、このようなことが起こるのか、そして、飼い主の手掛かりはないのかを見ていきましょう。


イメージ写真(写真:イメージマート)

◆【秋田犬】捨てられる事例が相次ぐ…子どもを産んだばかり…出血していた犬も 徳島県
4月に保護された秋田犬は、推定2、3歳のメスです。
膣から悪露が出ていて、お乳が張っていることから、出産して1カ月ぐらいだと診察した獣医師は診断しています。
つまり、子犬の離乳が済んで遺棄されたのでしょう。
秋田犬は、大型犬です。
体重はオスでは27kgから41kg、メスでは23kgから36kgです。
チワワの体重が平均で2kgから3kgなので、秋田犬はどれだけ大きな犬か分かると思います。
このような大型犬で出産したばかりの犬ということは、どういうことが考えられるのでしょうか?

◆産後の秋田犬の遺棄から見えてくるものは?

ハチ公のイメージ写真(写真:イメージマート)

秋田犬は、日本で公開された映画『ハチ公物語』やそれをリメイクしたリチャード・ギア主演のハリウッド映画『HACHI 約束の犬』があり、その存在はよく知られている犬です。
その他にも、少し前にはロシアのフィギュアスケート選手・ザギトワさんに秋田犬が贈られたことが話題になっていました。
その一方で、秋田犬は、日本国内における飼育頭数が激減し、存続が危ぶまれているというぐらい数が少ない犬なのです。
ある統計では、ピーク時は約4万6,000頭もの秋田犬が犬籍登録されていましたが、現在、国内の犬籍登録数は約2,500頭にまで減っています。
この遺棄された秋田犬は繁殖のために出産させられた可能性が高いので、徳島県かその周辺の秋田犬のブリーダーが遺棄したかもしれません。
ブリーダーは、動物の販売を仕事として、それで利益を得ています。
その場合は、登録をしなくてはならないのです。
ブリーダーは第一種動物取扱業を営む者ものなので、都道府県知事または政令指定都市の長の登録を受けなければなりません。
第一種動物取扱業をしていない人が、犬を売ると法律違反になる可能性があります。
つまり、秋田犬のブリーダーは行政から第一種動物取扱業の登録を受けているはずなので、この辺りを調べると遺棄した人が分かるのではないでしょうか。
日本には、動物愛護管理法があり、動物を遺棄することは犯罪です。
遺棄や虐待をした場合は動物愛護法で1年以下の懲役または100万円以下の罰金です。
このようなことから、警察が協力すれば、遺棄した人を見つけ出す可能性が高くなります。

◆秋田犬は、なぜ帰らないの?

秋田犬のイメージ写真(写真:アフロ)

秋田犬ではないですが、以前、柴犬の迷子を保護した飼い主が来院したことがありました。
「道でウロウロしていたので、保護しました。何か悪いところがないか見てください」と保護主は話しました。
その柴犬は、絵に描いたような綺麗な犬でした。
「近所の犬ではないのですかね?」と筆者が尋ねると、「柴犬を散歩させているのを見たことがない」と保護主は答えました。
保護主は警察や保健所に連絡し、自宅で飼い始めました。
ある日、その柴犬を散歩していると、知らない人に「自分の家の繁殖犬なので、返してほしい」と言われたそうです。
保護主は、その家は近所にあるにもかかわらず、犬に散歩の機会を与えない飼い方をしていたため、言い値を支払い、飼い主に戻さず自分の犬にしました。
このように、犬もよく理解しており、楽しい環境ではないと分かれば、一度脱走したらいくら近い距離でも戻ることはないのです。
徳島県で保護された5頭の秋田犬の中には、公園を放浪していた子も含まれています。
しかし、彼らが戻らないというのは飼育環境が適切でなかった可能性があります。
今回、秋田犬を遺棄した人を見つけ出してもらいたいです。
犬を飼うということは終生飼養が基本です。
秋田犬はひとりでは生きていけないので、遺棄することは交通事故の可能性もあり命にかかわることになるのです。

石井万寿美

まねき猫ホスピタル院長 獣医師
大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は栄養療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医師さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らしていた。

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