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寒くなると「ぬいぐるみ」を子育てする保護猫

2022-11-10 05:57:26 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

寒くなると「ぬいぐるみ」を子育てする保護猫
 優しい里親に出会った今も蘇る過酷な野良猫時代の記憶
 「外猫の保護は冬が来る前に!」

2022年10月16日(日)  

「早晩肌寒くなってきたので今年もなだちゃんの子育て(ぬいぐるみ運び)が始まった。
毎年気温が下がるとせっせと暖かい所や陽の当たる場所に運び始める。
外での寒い時期の子育ての大変さを覚えているのだろうか。
もし外猫の保護をご検討されている方がいらっしゃいましたら、寒さが厳しくなる前に是非」とつぶやき、コンドリア水戸 (@mitoconcon)さんがTwitterに投稿した、留守中の「見守りカメラ」の映像が話題です。


寒い冬が近づくと、暖かい場所に「子供(ぬいぐるみ)たち」をせっせと運ぶ、なだちゃん(動画からキャプチャー/提供:コンドリア水戸さん @mitoconcon)

そこに映っていたのは、階下から現れたもと保護猫、なだちゃんが、子猫を呼ぶような鳴き声をあげ、ぬいぐるみを咥えて階段を駆け上がる姿……。
かつて、野良猫として過酷な状況で子育てをしていたという、なだちゃん。
今もせっせと子猫たち(ぬいぐるみ)を暖かい場所に運ぶその姿に、「お外で暮らしていた時期、そうやってお子たちを守ってきたのですね…」「深い母性愛に涙が出ます」と、その母心に寄り添うコメントが殺到。
そんな「なだちゃんの子育て」について、飼い主のコンドリア水戸さんにお話を聞きました。

◆気温が下がると始まる「子育て(ぬいぐるみ運び)」
コンドリア水戸さんのお家には、7歳になる茶白のマナくん、6歳になるめいくん、4歳のことくん、同じく推定4歳のボスくん、そして、今回の動画に映っていた推定5歳になるキジ白の女の子、なだちゃんの計5匹の保護猫が暮らしています。
水戸さんちで唯一のメス猫、なだちゃんは、もと野良猫。
マンションの軒先で子育てをしていたため、近隣の住民からひどい扱いを受けていました。
そのせいか、保護時には尻尾に大怪我を負っており、後に断尾手術を受けたそうです。
今から2年前、水戸さんご夫妻に迎えられたなだちゃんは、その年の年末から、「子育て(ぬいぐるみ運び)」を始めたそうです。
当初、水戸さんご夫妻は知らぬ間に「ぬいぐるみ」が移動していることが不思議だったそうです。
今年も気温が低下したと同時に、子育て(ぬいぐるみ運び)を始めたなだちゃんについて、コンドリア水戸さんにお話を伺いました。

◆懐かないのは覚悟の上でしたが、大の甘えん坊に
――去年、一昨年のなだちゃんは、12月頃から「子育て(ぬいぐるみ運び)」をしていたそうですね。
「暖かい時期はほとんど触らないぬいぐるみたちを触り出すのが、いつも少し肌寒くなってきた時期なのですが、今年は少し早かったですね。本格的に猫ベッドやこたつに運びだすのは、例年通り、もう少し寒くなってきてからだと思います」

――水戸さんのおうちに迎えられた直後と今、なだちゃんに「変化」はありましたか?
「今では甘えん坊のなだちゃんですが、保護された後もなかなか人に慣れず、2年も保護ボランティアさんのお家でお世話をしてもらっていました。野良猫時代に迫害されていた経験から、人間に対して根強い警戒心があったのだと思います…」

――野良猫時代になだちゃんが産んだ子猫たちはどうなったのですか?
「全員保護されました。それぞれ里親様のもとで幸せに暮らしているそうです。子猫たちがみんな巣立ったのもあり、そろそろなだちゃんも里親募集して良いのではないか?と保護主さんが思った時に、たまたま私たち夫婦の目にとまりました。懐かないことは覚悟の上でしたが、意外にもすぐに馴染み、大の甘えん坊になりました。甘えたいのをずっと我慢していたのかなと思っています」

◆辛い経験をする猫が少なくなるように
――今回のなだちゃんの子育て動画、「外での寒い時期の子育ての大変さを覚えているのだろうか。もし外猫の保護をご検討されている方がいらっしゃいましたら、寒さが厳しくなる前に是非」というツイートに込められた、水戸さんのお気持ちを改めてお聞かせください。
「猫にとって、寒い時期の屋外はとても辛いものだと思います。家の中では暖かい猫ベッドに数匹一緒に入って身を寄せ合っていますが、外にはそんな暖かくて安全な場所は少なく、大変苦労して過ごしていると思います。なだちゃんはそんな経験をしていたからこそ、床に転がってるぬいぐるみでさえも、放って置けなかったのかな…と思います。こんな経験をする猫ができる限り少なくなるよう、願ってやみません」


暖かい窓辺に「子ども(ぬいぐるみ)」たちを運び、日向ぼっこさせる猫さん

◇ ◇ ◇

今回のリプ欄には、「どれほど大変な外での生活だったかを思うと、なだちゃんの気持ちが痛いほど伝わってきます」「今は安心して子育ての続きをしてるのかな?外の世界で子育てする猫がいなくなりますように」といった、過酷だった子育ての記憶を忘れないなだちゃんの心に寄り添う、温かな声もたくさん寄せられました。
外で暮らす猫たちを取り巻く環境は、想像以上に過酷です。
20年以上生きる家猫も少なくないなか、野良猫の平均寿命は3~5歳。
今なお「野良猫」や「保護猫」が減らないのは、無秩序な繁殖による多頭崩壊、無責任な飼育放棄など、原因はすべて人間にあります。
もうすぐ寒さ厳しい冬がやって来ます。
コンドリア水戸さんのお家に迎えられ、本来の甘えん坊にゃんこになれた「なだちゃん」のように、すべての猫たちが安心して暮らせる世の中になることを願わずにはいられません。

 (まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・はやかわ かな)

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