動物たちにぬくもりを!

動物愛護活動の活動経過や日々の出来事、世の中の動き等幅広く紹介します。

車いすのセラピー犬シャネル

2015-03-14 06:24:32 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

車いすのセラピー犬、写真集に 緩和ケア病棟の交流収録
 癒しと勇気ありがとう!

2015年3月13日 日刊県民福井

名古屋市内の緩和ケア病棟で末期がんの患者に寄り添い、1月に12歳で亡くなったセラピー犬のフォトエッセー「下半身動かぬセラピー犬 シャネル~緩和ケア病棟の天使たち~」(ブックマン社)が出版された。
生前のシャネルが、けなげな笑顔で患者や医療者と触れ合う姿は、終末期の癒やしとは何かを問い掛けている。


寄贈された犬用の車いすをつけ、自力で立つシャネルと、名古屋掖済会病院の江口しのぶさん
=いずれも名古屋市中川区の同病院で(ブックマン社提供)


シャネルは、高齢者施設や児童福祉施設などで犬や猫と触れ合う活動をする中部アニ マルセラピー協会(名古屋市千種区)のセラピー犬。
ゴールデンレトリバーの雌犬で、もとはドッグショー(品評会)のモデルだったが、子宮の病気を患い、6年前に同協会が飼い主から譲り受けた。
2011年から緩和ケア病棟にアニマルセラピーを取り入れた名古屋掖済会(えきさいかい)病院(同市中川区)に月1回訪れ、愛くるしい笑顔で人気者に。
ところが翌秋、神経の働きが阻害される病気で後ろ脚が不自由に。
協会代表理事の青木健さん(45)に看護師らがシャネルの床ずれの対処法を指導するなど回復を支え、半年後にセラピーに復帰した。
昨年1月、脚を引きずりながら患者らに笑顔を見せるシャネルを知った三重県鈴鹿市の主婦内藤秀子さん(64)が、亡くなった愛犬(ゴールデンレトリバー)の車いすを寄贈。
下半身を固定し、自力歩行を助ける器具で、シャネルにぴったりだった。
看護師の江口しのぶさん(42)は昨秋、車いすのシャネルが訪ねた際、初老の男性患者が「この子も頑張っている。ものすごく勇気をもらいました」と、妻と涙を流した姿が忘れられない。
男性はしばらくして亡くなった。
死と接する機会の多い緩和ケア病棟は、家族や看護師らの精神的苦痛も少なくない。
江口さんは「患者さんが動物に触れ、喜ぶ顔は家族や医療者にも何よりの力になる」。


緩和ケア病棟で寝転ぶシャネル(右)を見つめながら、小犬を腕に抱く患者ら=昨年3月

フォトエッセーは、ブックマン社(東京都千代田区)で終末期医療の取材を続ける編集長の小宮亜里さん(42)らが昨春から数カ月病院に通い、シャネルや他の犬たちと患者、医療者らの交流を写真に収めた。
小犬を抱いて「温かい」とほっとした表情の女性。入院後ずっと話さなかった女性が膝にのせた犬に「ありがとう。またね」と語り掛ける姿も。
「最後は皆一人。そんなとき、犬たちがぬくもりを感じさせてくれるのでは」と小宮さん。
セラピー犬の中には、ペットホテルに置き去りにされたり、保健所で殺処分される前に協会に引き取られたりした犬もいる。
青木さんは「人間に捨てられた命が、人を救っている現実も知って」と話す。

本はA5変型判、152ページ。
1,404円。
問い合わせはブックマン社=電03(3237)7777=へ。
(山本真嗣)

                                                   以 上

下半身動かぬセラピー犬シャネル ~緩和ケア病棟の天使たち~
監修:青木健/写真:国見祐治/解説:長尾和宏

2015年3月発売
¥1,300(税別)
ブックマン社

殺処分になるはずの運命を免れた犬たちが、セラピー犬となって、緩和ケア病棟の患者さんの心に寄り添う時、奇跡のような笑顔が生まれた。
命のぬくもりとは何? 心の痛みとは何?
この春、いちばん温かな涙が流れるフォトブック

私の名前はシャネル。
ゴールデンレトリバーの女の子、11歳。
3年前に突然、下半身が動かなくなって・・・
いつ心臓が止まってもおかしくないんだって。
お医者さんは言った。「安楽死という道もありますよ」
でも私には、この世で与えられた使命があるから・・・。

本書は、シャネルの物語を中心に、セラピー犬たちと患者さん、医療者との心の交流を描いた本邦初のフォトエッセイです。
人生の最終章を、ほんのひとときでも笑顔でいるための試み。
そして同時に、人間のエゴによって殺処分となっていく動物たちを一匹でも救う試みであるドッグセラピーの活動を、より多くの方々に知ってほしいと願っています。

(その他の写真)



2015年1月、静かに息を引き取る。
・・・1月9日の夕方、「今夜はまた冷えそうだから、朝までそばについているからね」と頭を撫でてやると、彼女は安心したように少し微笑みました。
そしてそのまま、気がつくともう呼吸が止まっていました。
愛らしい瞳をぱっちりと開けたまま、天に召されました。
最期まで、いつもと同じように仲間たちの賑やかな声を聴きながら逝けたことは、幸せなことだったと信じています。
荼毘に付される前は、車で掖済会病院にも寄らせて頂きました。
看護師さんたちが、忙しい合間を縫って泣きながら見送りに出てきてくれました。                                              ―――青木健

使命を全うし、命を燃やし尽くして、生ききって、死ぬ。
それがきっと理想形である。
犬にとっても、人間にとっても。
―――医師・長尾和宏 (本書解説)

●監修:青木 健(あおきたけし)
中部アニマルセラピー協会理事。
老人ホームや児童福祉施設など、安らぎを求めている人々のために犬を中心としたアニマルセラピー活動を行う。

☆シャネルの動画がこちらから見られます!☆
http://youtu.be/J5LYKJDrds4

動物には嘘偽りがない。
だからこそ、笑顔になり、元気をもらえる。
『使命を全うし、命を燃やし尽くして、生ききって、死ぬ。それがきっと理想形である。犬にとっても、人間にとっても。』
残された人生、そんな生き方をしたいですね・・・
(Fujita)