晴れのち曇り、時々パリ

もう、これ以上、黙っていられない! 人が、社会が、日本全体が、壊れかかっている。

『法治社会』である事を放棄したマエハラ・ニッポン/「起訴猶予」vs「起訴猶予」

2010-11-15 23:59:17 | 政治と社会
尖閣諸島海域に置ける、中国漁船衝突事件での「船長釈放」に対しては、法的に、政治的に、国民感情的に、多くの意見が語られている。


しかし、一旦逮捕してしまった(!)以上、法的措置をつらぬこことは必要であったのでは無いか、と考える。

早々に「強制退去」させようと思っていたらしいが、肝心の『船長』が起訴事実を否認してしまった以上、略式裁判で即「国外追放」とは行かなくなってしまった。

マエハラのお先走りが、彼に取って思わぬ方向へと流れて行ったらしい。

もとより「後先考えず」何の外交的判断もしないままの逮捕指示であったに違いなかろうから、結果はそんな物だろう。

ウヤムヤ。


まあ、ここまでならば、新たな「イエロー・カード」一枚、で済んだかもしれない。
(とんでもない!としかられそうですが)


しかし、続編が有った。


▶尖閣映像流出 海上保安官の逮捕見送り…罰金・起訴猶予も(毎日見出し)

>海保側の情報管理上のミスが流出につながった可能性があることから、検察内部には悪質性は低いとの見方もあり、最終的には略式起訴して罰金とするか起訴猶予にすべきだとの意見が出ている。
【毎日新聞/11月16日(火)2時33分配信】


この「流出海上保安官」に対して、多くの同情論が寄せられているらしい。

感情的に捉えると、擁護論はもっともであると思える。

あの『仙谷』が、あそこまで「公開を拒否」し、「流出に対して恫喝」していた以上、世の受け止め方は「判官びいき」になろうと言うもの。

「民主憎し」のサイドからの反応も加えると、大きな相乗効果と相なって、検察当局に対するプレッシャーがわき起こるのも、理解出来る。


だがしかし。


それで良いのだろうか?

私は、法律家では無いので、正しい判断は出来ないのかもしれないが。
しかし、今回の流出事件に対する「温情」措置には、疑問を感じる。


理由は二点挙げられるのでは無いか。


先ず一番目の疑問点は、『公務員服務規程』に違反するのでは無いか、と言う点である。

今回のヴィデオが、「国家機密」であったかどうか。
この点の論議も多くなされており、「機密」と認定するには疑問が有る、と言う判断に傾きつつ有る様だ。

しかし、機密性が如何様であろうと、「公務員としての職務上知り得た情報」をいきなり「匿名で公開してしまう」と言う行為そのものが、吟味されなくて良いのだろうか。

もし、その点が不問に附されてしまうと、「何でも有り」になってしまうのでは無いか?

それでは、既に『法体系』に意味が無くなってしまう。

どのような職業であろうと、その仕事の上で得た情報は、簡単に公にしても良いと言う物では無い筈だ。

ましてや『国家公務員』である。
立場上、最低限遵守するべき規範と言うもにはないのか?


さらに、二番目の疑問点は、国家公務員の立場からの「服務命令違反」、つまり、サボタージュがなされては居ないのか?

今回の衝突事件に際して、「逮捕」を主張したの強硬派は、前原と岡田であったそうだ。

その時点では、仙谷はまだそこまで強硬論は取っていなかったらしい。

しかし、中国政府の対抗措置が、予想を上回る強硬な物であった為、上記三名は即腰砕けになってしまった。

「地検の次席の外交判断により」釈放、という珍事事態と相成ってしまう。

面白く無いのは、当然『海保』と『沖縄地検』であろう。

前原の指令により「逮捕した」のだ。

それを、法的解釈を越えたレベルでの釈放と凱旋とをさせてしまった。

日夜「日本の国境」を守って日夜努力している『海上保安庁』の現場としては、大臣の指示で逮捕に当たったにも拘らず、その大臣から「余計な事とをしてくれた」とばかりに、足を引っ張られ、彼等の日夜の「業務」を否定されてしまったのだ。

これは、当然「不満もたまる」でしょうよ。


それと平行して、対中国の外交関係悪化にビビった政府首脳が、自ら「船長の開放」を指示すると、政治的に大きな失点になるとばかりに、そのような権限など無い「現場の検察の判断」と言う<オタメゴカシ>で、責任逃れをやってしまったのだ。

仙谷の指示らしい。

結果として当然な事に、沖縄地検は「外交的判断」をする資格も権限もない、と散々な批判の的となってしまったのだ。

これでは、『海保』と『検察』と、両方に「政府に対する忠誠心」などは失せてしまうであろう。

いや、彼等の名誉の為に忖度すえば、恐らく「国への忠誠」は失せたりしないのだろうが、「仙谷前原菅直人の政府には、忠誠心など持っていられるか」と言うところであろうか。

勿論、「前田次席検事」の証拠換算事件で世間の弾劾の的になっていた『検察』としては、政権に逆らい様の有る筈もなく、仙谷に御を着せられて、「罪をひっかぶった」と言う様な流れであっただろうから、当然不満は堪って行く。


そんな中、今回の「ヴィデオ流出」事件に対して、いくら「徹底捜査」や「厳正なる措置」を指示し、「国家経の大きな反逆」だ、などと恫喝されたところで、お互い「国家公務員」同士に有って、真面目な捜査や、厳しい処置など、やる訳がない。


しかし、そのような動きであったとしたら、これは正しく鳩山さんがいち早く指摘し、亀井さんも追認した如く、「武器を使わないクーデター」に他ならないのでは無いのか。


整理してみよう。

流出させた海上保安官本人の次元で見るならば、「国家公務員」の守秘義務違反だと思える。

中身が「機密」ではなかった。
政府の国民への裏切り行為に対する、義憤から出た行為である。
国民歯「知る権利がある」事を、守っただけ。
云々。

は、別の次元の論議である。

純粋に「公務員の立場上の姿勢」で考えるならば、見過ごす訳にはいかない、重大な問題を含んでいると、思うのだ。


次に、「公務員全体」の組織的動きとして捉えるならば、政府の指示に「組織として」従わないと言う事は、諸外国にはよく有るところの『集団的国家反逆罪』に相当する重大行為では無いのだろうか。

まあ、日本は公務員が、政府の言う通りに仕事をする事はない、国家形態である事も、事実として認識されている。

しかし、ここまで露骨なサボタージュを見せつけられると、日本は既に「国家として機能していない」のでは無いか、とすら見えてしまうのは、私だけなのだろうか。


結局、政治が官僚に軽視されている、これまでの日本の政治風土の中に置いて、立て続けに起こった事件と、それに対する政府の取り組み方のまずさから、官僚の、個人からも、組織全体からも、政府が無視されている、と言う現実を見せつけれれてしまった、そんな今回の騒動では有った。

更に付け加えるならば、官僚同士は、いつでも何処でも、庇いあい、助け合う物である事、も見せつけられてしまった。


「法治国家日本」など、過去から現在まで、何処にも存在していなかった。

G8も、G20も、国連も、参加しなくても別に問題など無いんじゃないか?
世界に置ける日本など、所詮は金蔓でしかなかったのだから。


付記。

▶<前原外相>「対中強硬」封印…関係修復働きかけ(毎日見出し)

>前原氏は以前から中国脅威論を唱え、中国メディアから「タカ派」(中国国営新華社)と批判されてきた。尖閣諸島沖の漁船衝突事件後、前原氏が中国の対抗措置を「ヒステリック」と批判した後はさらに燃え上がり、中国が10月末のハノイでの首脳会談を拒否した理由を「前原外相の言動」とした中国メディアもあった。

>政府関係者によると、中国側からは、前原氏の発言が首脳会談開催の障害になっていることが非公式に伝えられていた。13日の首脳会談も中国側は受け入れの表明を最後まで先延ばしした。政府高官によると「前原氏も『自分のせいで2回も首脳会談が流れたと言われてはたまらない』と、最近は発言に注意するようになった」という。
【毎日新聞/11月16日(火)2時37分配信】


何処までも、馬鹿なヤツだなあ。


小沢さんが、政権のトップに居てくれたら。。。。



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19 コメント

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国家公務員法違反は歴然としている (蝦夷っ子)
2010-11-16 10:41:19
 パリ様。全く同感言うことなし、何であれ秘密の範囲は政府が決める(勿論それを全て是とせず争う方法はあるが)この保安官の行為が違法なのは間違いない、三井環氏小沢秘書連と比較した場合この検察・マスゴミの「寛容さ」には畏怖を感ずる。

 それに付けても中国首脳とロシア首脳のあの菅を見つめる視線、そして顔を合わせられない菅「首相」、あれを見て民主党党首選で菅に投票した連中は何も感じないのだろうか、自分たちが「国辱行為」の共犯者だという嫌悪感と責任感に苛まれないのだろうか?
 
 小沢首相だったらこんな恥ずべきことになっていないのではないかと思ってしまう、APECだかなんだか知らんが膨大な税金と警備をやって世界に日本の恥を晒したもんだと思わないのであろうか。

 日本で最初の公害事件に身を挺して闘った愛国者田中正三翁の言葉であるが「亡国に至るを知らざれば即ち亡国」、全ての菅政権誕生に寄与した諸君に捧げたい。
最大の功労者 (scotti)
2010-11-16 12:21:03
政権交代の最大の功労者に対して、私利私欲による裏切り行為を平気でする現政権幹部たち。
こんな輩を誰も信じないでしょう。
だから、浮遊しているのが精一杯の空き菅なのでしょうね。
民主党政権の予算を仕分けする不可解。
何より仕分けが必要なのは民主党議員ですね。
小沢国民生活派VS前原売国派で仕分け。
次期選挙ではきっちり民主党議員仕分けしましょう。
信義無き政治家は去れです。
海保の読売月光仮面は読売が教唆しての犯行かもね。(笑)
Unknown (セフィリィア)
2010-11-16 13:54:23
前田も海上保安官も 検察審査会を利用してでも 絞首刑になるまで糾弾したいですね。なんせ こいつらは モノホンの犯罪者なのですから。
蝦夷っ子様。 (時々パリ)
2010-11-16 17:45:43
コメントありがとう御座いました。
>民主党党首選で菅に投票した連中は何も感じないのだろうか、自分たちが「国辱行為」の共犯者だという嫌悪感と責任感に苛まれないのだろうか?

感じてない様ですね。
そもそも、何が正しく、何が正しく無いか、何をやらねばならないか、何をやってはいけないか、が分かっていないと判断します。
そうで無ければ、民主党内から、もっと声が聞こえて来ていい筈です。

>亡国に至るを知らざれば即ち亡国」、全ての菅政権誕生に寄与した諸君に捧げたい。

国会議員になろう等とは、おこがましいレベルの人達を選んでしまったのです。
scotti様。 (時々パリ)
2010-11-16 17:48:55
コメントありがとう御座いました。
>次期選挙ではきっちり民主党議員仕分けしましょう。

まさしくその通りです。
選挙民が○ホでなければ、そうなる筈ですが。
しかし、他に受け皿を必要とします。
ここはどう考えても、小沢党しかないですね。

>海保の読売月光仮面は読売が教唆しての犯行かもね。(笑)

本当にうさん臭い。
セフィさま。 (時々パリ)
2010-11-16 17:51:57
コメントありがとう御座いました。
「絞首刑」はさておいても、『検察審査会』をドンドン利用したい事ばかりですね。
「第五」の例を奇禍として、ドンドンやって欲しい。
申立人をネットで募集しましょう。
何をやってるんでしょう... (sun45)
2010-11-16 18:37:15
起訴や立件が世論次第では...。
民主主義も法治国家も崩壊です!

何もかもごちゃ混ぜで今の内閣の誰もまともな一本の線も引けない...。

有言実行と言った途端に無口になって原稿しか読めない総理大尽...。

最初の些細な見栄やごまかしがここまで大きくなってしまった。

極左からスタートした政治家は結局人としてのコミュニケーションや会話すらできない。

屁理屈の応酬と不毛な揚げ足取り合戦は間もなく行き着く所まで行くんでしょう...。

そこまで行って,真っ平らになって、その先に光が見える...と信じたい。
国家反逆罪 (セフィ)
2010-11-16 22:44:51
は 絞首刑にすべき。
私達納税者を見下すのもいい加減にしろ!ですよ。
死刑を議論したい内閣には ちょうどいい生け贄じゃない。

ところで おにいさまも バカ面して FIFAワールドカップなんぞに熱狂したのでしょうね。あと 野球のイチローに騒ぎたて、ゴルフの遼君に憧れたりしてたんかい。もしかして ブブゼラも持ってたりして~(≧∇≦)

まさしく堕落への道だね。 あ 私 二度と見ないよ。

ミラノコレクションの香りを添えて
セフィ様より
Х一つ多かった押しミス チッ だったよ。
sun45様。 (時々パリ)
2010-11-16 22:52:40
コメントありがとう御座いました。
>極左からスタートした政治家は結局人としてのコミュニケーションや会話すらできない。

かって、機動隊とぶつかった経験者の立場で言えば、あんな奴らは<ゴクサ>では有りません。
<新左翼>に憧れて、結局理論武装も、武闘も満足に出来ず、仲間入りさせて欲しくて「弁当配達」してた、まがい物。
<市民運動>の知名度が欲しくて、市川房枝さんの運転手をやって、市川さんから「信用出来ない」男と言われた、中途半端な男。
に過ぎません。
だからこそ、満足に人間としてのコミュニケーションも取れない。
そんな奴らが、首相やら幹事長やらになれる国と言うのも???
セフィさま。 (時々パリ)
2010-11-16 22:56:26
再コメ、ありがとう御座います。
絞首刑!!
ふんどし一枚にして、銀座八丁を「テレビ中継付き」で引き回しの刑、位にしておいてやりましょう。
処刑してしまえば、彼等と同程度の人間になってしまう。
ちなみに、私はゴルフはやりません。
イチローは、本物のプロだから好きです。
その意味で、落合さんも好きです。
天才は天才を知る(なんちゃって)。

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