観測にまつわる問題

政治ブログ。政策中心。「(理系人材と)GX」「北方領土」を考察・纏め予定。放置気味ですが、忘れた訳ではありません。

EUとトランプの衝突を防いでいく(経済財政改革の方向性)

2017-05-27 09:53:20 | 政策関連メモ
事実上の議長国は日本 安倍晋三首相「EUとトランプ氏が正面衝突しないように調整する」(産経ニュース 2017.5.26 23:35)

>「EU(欧州連合)とトランプ氏が正面衝突しないように調整する」

>安倍首相は今月中旬、周囲にこう語り、EU諸国と米国との亀裂を防ぎたい考えを示した。

>サミットで米欧間の考えが食い違うテーマの一つが、「自由貿易をめぐる議論」(日本政府関係者)だ。昨年の伊勢志摩サミット共同声明では「あらゆる形態の保護主義と闘う」との文言が盛り込まれた。だが、トランプ政権は「保護主義政策をとる権利がある」(ムニューシン財務長官)との立場を崩しておらず、欧州側は神経をとがらせている。

トランプ大統領はイギリスのブレグジットを賞賛し反EU的姿勢を鮮明にしています(ブレグジットは「素晴らしいこと」に─トランプ氏=英タイムズ紙 ロイター 2017年 01月 16日 09:50)。また、特に巨額の対米黒字を抱える特にドイツに厳しいことは明らかです。トランプ大統領はドイツ系ですが、アメリカに対する忠誠心が高く、ドイツを批判する。これがグローバルスタンダードというやつなのでしょう。何処ぞの野党第一党の党首も中国人を疑われないためには日本に寄り添い中国を批判すればいいと思うのですが、そういうことは頑なにやりませんよね。中国がルーツでも香港とか台湾とか呑みこまれそうなところは、わりと必死なんですが、どうも華僑は上手く溶け込みません。筆者は移民賛成派ですけれども、こうした懸念があるのは確かです。

トランプ氏「ドイツはとても悪い」 対米貿易黒字を批判(産経ニュース 2017.5.27 00:55)

>ドイツ誌シュピーゲル(電子版)は26日までに、トランプ米大統領が25日に欧州連合(EU)のトゥスク大統領とユンケル欧州委員長とブリュッセルで会談した際、貿易問題に関連して「ドイツは悪い、とても悪い」と批判したと報じた。会談の参加者の話として伝えた。

>トランプ氏に同行中の米国家経済会議(NEC)のコーン委員長も26日、「ドイツとの関係に問題があるのでなく、貿易に問題があるといったのだ」とし、ドイツそのものを批判したわけでないと釈明した。トランプ氏はかねてドイツの膨大な対米貿易黒字を批判していた。

トランプ氏、関税下げ要求 G7会議、貿易で摩擦鮮明に(日経新聞 2017/5/27 4:07)

>初参加したトランプ米大統領は貿易政策で「米国が関税ゼロなら、他国もゼロにすべきた」と主張。各国に関税引き下げを求めた。

>「米国第一主義」を公言して初参加したトランプ氏は「米国は公正で自由で開かれた貿易を求めている」と主張。相互的な通商関係が必要だとし「米国の低関税に合わせないのであれば、関税を引き上げるまでだ」とも力説した。輸入時の検査態勢など各国の貿易障壁も批判し「公平な貿易条件」を日欧各国に求めた。

トランプの主張が正しいのかどうか筆者には分かりませんが、少なくとも日本はアメリカよりも関税が低いというデータがあります(グローバルノート 世界の関税率(加重平均) 国際比較統計・推移)。ドイツなんかも必ずしもアメリカより関税が高くない感じですね。

アメリカ市場は輸入製品に荒らされ易い傾向はあるように感じます。確かに日本やドイツは輸出産業が強いところもあるでしょう。これが何なのかということですが、ひとつには言語障壁はあるかもしれません。英語は国際共通語ですから、勉強する人も多い。これは人を集め易いというメリットがあるとともに、外国の輸出企業にとっては、市場が良く分かり、攻略し易いという側面はあるでしょう。アメリカ輸出企業が日本市場・ドイツ市場を攻略しようとしても、言語障壁から攻略のツボが分かりにくいのかもしれません。でも、これは良し悪しですから、動かせないところです。日本語の国語を英語にする訳にもいかないでしょう?

もうひとつ多分こちらがより大きいと思いますが、日本・ドイツはしまり屋だということです。お金を使わず貯めこむことで著名なところがあります。お金を使うなら、その内幾分かは輸入品を買うはずです。消費が増えて輸入が増えないということはありません。アメリカの消費性向の高さは有名ですよ米国債に回るでしょう。そして米国が使い、外国にお金が回るという構造になっています。リーマンショック(ウィキペディア)の時にメチャクチャ金融緩和したでしょう。どの国がどれだけ金融緩和したか分かりませんが、アメリカ発の危機だけに、アメリカが相当使ったのではないですか?こうしたことでも、使えば使うほど輸入が増えるということになります。また、貯蓄すればするほどその内幾分かは国債それも米国債に回るでしょう。

アメリカが使わなくなれば経済がシュリンクしますから、改革の方向性は日本やドイツが使うという方向性しかないように思えます。安倍マリオはもう既にやっています。アベノミクスがそれですね。トランプとも比較的友好的な関係を保っているでしょう。ドイツもお金を使うことに自覚的になっていいと思います。ドイツ人が輸出してお金は墓場に持っていくじゃあ、やりきれない人もいるでしょう。マルクはもうないですけどね。

欧州中銀、 デフレとの戦い(ニュースダイジェスト)

>欧州中央銀行(ECB)のマリオ・ドラギ総裁は、「金融市場の魔術師」の異名を持つ。

>「スーパー・マリオ」が、またもや金融市場を一驚させる大胆な政策に踏み切った。彼は、今年6月5日にフランクフルトで行った記者会見で、政策金利を0.25%から0.15%に引き下げることを発表し、ユーロ圏に事実上の「ゼロ金利」状態を生んだ。

>さらに総裁は、ECBというダムの水門を開けて市場に大量の資金を流し込んだ。ECBは4000億ユーロ(56兆円、1ユーロ=140円換算)という天文学的な額の資金を、0.25%という低金利で民間銀行に貸し出すことを発表した。市場をお金でジャブジャブに満たすことによって、融資や経済活動を活発化させるためである。

>ドイツ農業銀行や信用金庫、ドイツ保険協会(GDV)は、「貯蓄をする市民に犠牲を強いる」として、ECBの金利引き下げを批判した。

貯蓄も大切ですけどね。ただ、最低限の社会保障は必要ですから、どちらかと言えば、国家財政の方が重要だということになります。最低限の社会保障プラスアルファで保証がほしい人が貯蓄するという形です。日本の場合はまた記事を書きますが、財政再建にはインフレしかない感じです。つまりアベノミクスが正解です。ドイツの財政は健全といいますが、日本と違い銀行に巨大な債務があるみたいです。破綻すれば国有化しかありませんから、結局ドイツにも莫大な借金があるということになります。これを救うには、インフレしかないという結論になるでしょう。デフレだとお金の価値があがりますから、借金も重くなります。EUにはギリシアをはじめとした南欧の財政が危ない国も含みますよね?その辺を救うためにもインフレしかないはずで、そのようにしているはずです。南欧を切り捨てれば、(東欧はありますが)、ユーロが上昇しますから、虎の子の輸出企業が儲かりません。ドイツも腹を括ってインフレにしお金を使っていくことを考えるべきです。やっている部分もあるのでしょうが、安倍政権も含め自覚的ではないかもしれません。少なくともあまり説明はしていない。というのもトランプが納得していないでしょう?

トランプが公正な貿易を言うのはいいですが、恐らく我々が不公正なことをしているということはそんなにはないでしょう。アメリカ人はアメリカ大好きで海外旅行に出かけたことのない人も多い。多分外国のことなんてそれほど知らない訳です。そんなアメリカが生んだ民主主義のチャンピオンがトランプです。我々は多分アメリカ人が思うほど不公正ではありません。ただお金をあまり使っていないだけです。一朝一夕で改革はなりません。というかするべきでもありません。国民の意識的なところですから。無理やり国が命令して使わせる訳にもイカンのです。ジックリ腰を落ち付けて話し合うことをトランプに求めたい。

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