これは行政書士試験にかかわらないことですが,試験でもっとも注意しなければならないことは,「あせって方向性を見失うこと」だとおもいます。特に受験生活が長期にわたってきますと,「なんのために資格を取ろうとしているのか?」更に言うなら,「なぜ周りの人達が遊んでいるのに自分だけが勉強しなければいけないのか?」など普通の生活をしていれば考えなくても良いようなことに時間を取られひきずられてしまうことがあるものです。
わたしも受験時代(もうかれこれ10年も前になりますが)にはそんなことばかり考えていましたが,ある時「今やっている勉強はこれから資格を取ったあとに仕事をやるための準備なんだ」と自分に言い聞かせるようにしました。つまり行政書士に限らず,税理士,弁理士,司法書士等,俗に(士業と呼ばれる人達)は資格がないと仕事に就けないわけですが,これら士業の世界で生きる人達に試験が必要とされる理由は,ただ単に仕事をするための能力を持ち合わせているかどうかを判定するためだけではなく,試験に受かったあと,ものすごく難解な依頼を受けた時にそれを乗り越えられるだけの忍耐力をもっているのかどうかがためされるためなのだというように考えるようにしました。
受験勉強をただ単に苦しいだけの毎日の「ノルマ」と考えるのと,仕事をするための準備(トレ-ニング)と考えるのとでは「モチベーション」が全く変わってくると思います。これまでにいろんな資格取得者の方にお会いしましたが,マイナス思考の方で資格試験に合格しまくっているという方にいまだかつてあったことがありません。
今本気でやっている勉強は,試験に受かった後に間違いなく役立つときが来ると思いますので,11月の本試験(今年は8日予定)までの半年間は自分自身を鍛えるという感覚で過ごされるのがよいと思います。
なお前回も書きましたが,九月頃までは「民法」と「行政法」をしつこいというくらいやられることをお勧めします。この試験の最大の「ヤマバ」は8月なんですがそのあたりでまた,新規の受験情報があればお伝えしたいと思います。
P.S 行政書士法を改正し,行政書士に「行政不服審査法」にもとづく異議申立て,審査請求の代理権を・・・という動きがかなり現実的になってきています。これは行政書士会が数十年にわたって主張してきたことで,既に社会保険労務士や土地家屋調査士等には認められており,行政書士が最後まで保留されている状態です。もし法改正が行われますと,実務で行政法の知識が必須となるため,これにあわせて試験における「行政法」のウエイトがこれまで以上に高くなる可能性がありますので,要注意だと思います。