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てらまち・ねっと



 6月10日(火)開会の山県市議会での一般質問は、翌日11日が通告期限。
 私が通告した1番目は、市長らの「ボーナスのさらなる上乗せ加算を廃止すべき」との一般質問。

 19日(木)は、中間に行なわれる「提出議案について質疑する本会議」。

 ・・・・と、朝、議場に入ってびっくり。
 「追加議案書」があり、中を開くと、先に通告した私の一般質問と同旨の「市長らのボーナスの加算をしない」という条例案の追加上程。
 当初提出の議案の質疑の後に、市長から簡単な追加提案の理由の説明。「補助金など削減に努めている・・・」程度。

 ともかく、議案は所管の委員会に付託された。
 翌20日の総務文教委員会。私は委員なので、一般質問のことには一言も触れずに、「条例そのものの廃止でなく、現市長の任期中、という限定をつける理由は」「どういう理由や事情で当初に提案せず、追加提案になったのか」などの背景を厳しく問うた。

 担当者の答弁の要点は、「削減に努めている一環」「市長の決断だ」などの旨。
 無論、市長本人が出席していないから、こんな不規則な議案に担当者が明確に答えられないのは当然だけど・・(イジメたわけじゃないから、ごめんね、課長)

 私は、委員会で、「条例そのものの廃止でなく、『現市長の任期中』、という限定をつけた無責任な決断としての『特例』での改正は認められない」、と反対討論した。

 以上のとおり、私の一般質問は「条例の加算規定そのものの廃止」、今回の市長の追加提案は、「現在の自分の任期中の加算を廃止する『期限付き」」というもの。

 そもそも、こんな簡単な議案を追加提案すべき困難さは存在しないから、私の一般質問の肩透かしは明らか。
 一般質問を無意味化されたというべきか、要求の趣旨が先に実現したというべきか。
 ともかく、山県市議会の一般質問は来る6月25日(水)10時から。私は最後だから午後。 

【制度や経過の解説】
 市長のボーナスに関して、通常は「基本の給与月額に『所定の月数』を乗じた額」(山県市では約4.5ヶ月分)が1年間のボーナスであるところ、実際には『給与月額の20%増し額』に『所定の月数』を乗じた額」が支給されている。

 この上乗せは違法だから「廃止したら」というのが私の質問。

 実は、「基本月額を20%加算した額に対するボーナス」のもともとの由来は、18年ほど前の人事院勧告にあるらしい。・・私も昨年知ったのだけれど。
 一般職員に対する民間格差是正のために、係長以上の職員について職務に応じてボーナスを20%以内で加算すべし、というもの。いわば管理職についての上乗せ。

 これを「管理職」とはまったく別格の「首長」にも適用してしまったというのが経過。
 これまた調べていくと、それより前に、最高裁が「首長に管理職手当ては出せない」ことを判示していた。
 
 ところで、以前から、議員も同じ上乗せ率で支給されていた。
 昨年12月議会の一般質問で指摘した。
 1月になってから、「条例改正の直接請求をする」といったら、今年4月の議員選挙前というタイミングもあってか、3月に議員提案で廃止した。
   ◆直接請求は やっぱり伝家の宝刀。するといったら、議員みずからボーナス加算廃止。全国初だけどあっさり

 だから、もうやめた議員の公金支出は不問にするとして、もともとの「首長」への適用の是非、すなわち法律上の根拠のない支出であることの整理を行うのが今回の一般質問。 
 この加算率は、自治体により15%から50%程度まで差があるとはいえ、首長ら常勤特別職のボーナス加算の実質廃止は、全国にも例をきかない。
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   印刷用 議案と新聞記事 4ページ 405KB  
追加提案議案と新旧対照表
  
(どの写真もクリックすると拡大。写真右下あたりのクリックでさらに拡大)

議第54号
山県市常勤の特別職職員の期末手当の特例に関する条例について
 山県市常勤の特別職職員の期末手当の特例に関する条例を別紙のように定めるも
のとする。
平成20年6月19日提出
山県市長 平 野  元
[提案説明〕
 市長及び副市長の期末手当の額の特例措置を講ずるため、この条例を定めようと
する。

山県市常勤の特別職職員の期末手当の特例に関する条例
 (目的)
第1条 この条例は、山県市常勤の特別職職員の給与に関する条例(平成15年山
 県市条例第39号。以下「特別職給与条例」という。)の特例について定めるこ
 とを目的とする。
 (期末手当の額の特例)
第2条 平成20年6月から平成23年4月までの間に支給する市長及び副市長の
 期末手当の額は、特別職給与条例第5条第2項の規定にかかわらず、それぞれ同
 条第1項の基準日現在(同項後段に規定する者にあっては、任期満了、退職、失
 職又は死亡の日現在)において受けるべき給料月額に、同条例別表第2に定める
 率を乗じて得た額に、一般職の職員の例により一定の割合を乗じて得た額とする。
  附 則 
この条例は、公布の日から施行する。



  ● 山県市長、副市長の期末手当   給料20%加算廃止へ 2008年6月20日 岐阜新聞
 山県市の平野元市長は十九日、経費節約を目的に、二〇一一(平成二十三)年四月までの任期中の市長と副市長の期末手当のうち、給料月額の20%加算分を廃止する意向を明らかにした。同日の市議会定例会本会議で、市常勤の特別職職員の期末手当の特例に関する条例の制定案を追加提案。可決されれば、年間、計約百三十三万円が削減される。同市によると、市長の20%加算廃止は県内で初めてで、全国的にも珍しいという。

 山県市では、今年三月の市議会定例会で市議の期末手当の20%加昇を廃止するための条例改正案を議員発議で可決。今回の条例制定案が可決されれば、市議と同様に今月末の期末手当から反映される。

 市長、副市長の期末手当は、給料月額と、給料月額に20%を乗じた額の合計の2・125倍(六月)または2・325僧(十二月)に一定割合を乗じた額が支払われる。20%加算の廃止で一年間で市長は約七十三万円、副有長は約六十万円の削減となり、一一年四月までの市長任期中に計約四百一万円が削減されることになる。
本会議で平野市長は「経常経費節減や各種団体への補助金の見直しなど市民に理解と協力をいただいている」と述べ、市民とともに経費節減に取り組む姿勢を示した。

● 市長らの期末手当 加算分は支給せず 山県市で追加議案 2008年6月20日 中日新聞
 山県市は十九日、開会中の定例議会に、市長と副市長の期末手当(ボーナス)で、任期中は加算分を支給し在いとする条例案など追加議案二件を上程した。
 市長と副市長のボーナスは、六月と十二月に月給の20%が上乗せして支給されているが、条例案は20%をカット。カットするのは市長、副市長ともに今月から二〇一一年の四月まで。減額分の総額は二人合わせて四百一万八千三百五十円。

 平野元市長は「健全財政を維持するため、人件費などの節減を実施している」と説明した。
 条例案は、総務文教委員会に付託され、最終日の二十七日に採決される。
 県内の市町村で、市長・副市長の加算分が支給されないのは初めて。同市議会は今年三月、議員のボーナス加算を廃止している。


● 山県市長ら手当減へ   2008年6月20日 朝日新聞
 山県市の平野元市長は19日、市議会に市長と副市長の期末手当の20%加算分を支給しない特例を定める条例を追加提出した。27日の市議会最終日に可決される見込み。
 市によると、30日に支給予定の市長の期末手当は210万3750円だが、特例が可決された場合、175万3125円となる。年間では副市長と合わせ、133万9450円の歳出削減となる。

● 山県市:市長らボーナス加算廃止を提案 /岐阜   毎日新聞 2008年6月20日
 山県市は19日、平野元(はじめ)市長と嶋井勉副市長の期末手当(ボーナス)加算を廃止する条例を市議会に追加提出した。27日の最終日に可決される見込み。
 これまでの市長ボーナスは、月額報酬82万5000円に1・2を乗じて加算、夏期(6月)は2・125倍の約210万円、年末(12月)は2・325倍の約230万円が支払われていた。1・2倍の加算廃止は市長任期が満了する11年4月までで、市長と副市長の分を合わせ、年間約134万円の削減となる。市議の期末手当加算廃止の条例改正案も可決されており、6月分から適用される。【鈴木敬子】


   通告文 2ページ 印刷用 147KB  通告文のテキスト・データは以下のとおり
質問番号 1番  答弁者 市長
質問事項  市長のボーナス加算は廃止すべき
《質問要旨》
 山県市議会は、今年3月、議員提案で「報酬月額の20%を増した額」に期末手当係数を乗じて支給する、いわゆる「ボーナスの上乗せ制度」を廃止した。もちろん県内初で、全国的にも珍しいと報道され、高く評価された。
常勤の市長らの期末手当も議員同様に「月額の20%を増した額」を「基準額」としている(「役職加算」という)( 山県市常勤の特別職職員の給与に関する条例第5条第2項)。

 この役職加算は、1990年平成2年度の人事院勧告に準じる措置であるとされている。同勧告は「職務段階等を基本とした加算措置」としてなされたものである。つまり、市長らの加算は、法第204条第2項が定める「諸手当」のうちの「管理職手当」に該当する。

 ところで、次の判決がある。
住民訴訟における「長に対する管理職手当ての支給は法律上の根拠を欠く」として不当利得返還を命じた判決にかかる自治体の長の控訴を退けた東京高裁の判決は、 「長は、行政上、最高の指揮監督者としての職責を有し、任命権者も、指揮監督者もないから、このような職責にある長に対して管理職手当を支給することは適切ではない。」 とし、さらに同事件の上告を退けた最高裁判決は、 「長は、その管理又は監督の職にふさわしい一切の給料を含めた額を給料として個別的に条例で決定するのが本則であり、給料のほかに更に管理職手当を支給することは、給与体系上異例である。」 としている。

市長は、H20年度予算編成方針でも中期財政計画に基づき「徹底した経費の削減に努める」「職員一人ひとりがコスト意識を持ち」としている。
そこで、法に根拠のないこの加算制度について、財政の厳しい山県市として、しかも、選挙ポスター公営水増し問題等で全国に汚名を広めた自治体として、ここは汚名を挽回する意味でも、市長の決断に期待し、質問する。

1. 市長の「ボーナスの20%加算」としての支給額は1年間の合計で幾らになるのか。

2.  当該役算分としての支出を規定した市の条例は、地方自治法第204条、第204条の2に反した違法な条例ではないか。

3.  議員らも廃止したし、最高裁判決も厳しい。この際だから、市長みずからの判断で、全国に先駆けて、「市長のボーナスの加算制度」を直ちに廃止すべきではないか。         以上

※ 管理職手当本来の趣旨に照らせば、長に対してこれを支給することは、給与体系上異例である(最高裁昭和五〇、一〇、ニ判決・昭和四九(行ツ)七〇、判例時報七九五号三三頁)
 地方自治法二〇四条によれば、普通地方公共団体は、当該地方公共団体の長その他同条一項所定の職員に対し、給料及び旅費のほか、条例の定めるところにより同二項の諸手当を支給することができる。
 ところで、右諸手当のひとつである管理職手当は、職制上管理又は監督の地位にある職員に対し、その職の特殊性に基づいて支給される手当である(一般職の職員の給与に関する法律一〇条の二参照)。
 右のような職の特殊性に基づく給付は、本来、給料の額において考慮されるべきものであるが、地方公務員法二五条により職員の給与に関する条例で定められる給料表においては、管理又は監督の地位にある職員とそうでない職員とを含めて等級ごとに給料の額が決定される関係上、その給料額だけでは管理又は監督の地位にある職員に対してその職務と責任に応じた適正な給与を必ずしも確保することができないために、給料とは別に右職の特殊性に応じた額を手当として支給することによって、給料を補充し、全体としての給与の調整を図ろうとするのが、右管理職手当の趣旨であると解される。
 この趣旨に照らして考えれば、管理職手当の支給対象としては、地方公務員法上前記給料表の適用を受ける一般職の職員がもともと予定されているものというべきであって、同法四条により右給料表の適用を受けない特別職に属する地方公共団体の長については、その管理又は監督の職にふさわしい一切の給料を含めた額を給料として個別的に条例で決定するのが本則であり、一般職の職員に対するように給料のほかに更に管理職手当を支給するというようなことは、給与体系上異例であるといわざるをえない。

※ 東京高等裁判所 昭和46年(行コ)22号 昭和49年05月29日判決 不当利得返還等請求控訴事件 行裁例集25巻5号462頁
  (略)
●東京高裁判決関連  判決の要旨 ・ 最高裁Webページ
  「 昭和46(行コ)22    事件名 不当利得返還等請求控訴事件
   裁判年月日 昭和49年05月29日   裁判所名 東京高等裁判所
  判示事項 特別区の区長に対する管理職手当の支給が法律上の根拠を欠くとして,地方自治法242条の2第1項4号に基づく不当利得返還の請求を認容した事例」

 同高裁判決の全文は ・ 最高裁 Webページ にあり

※ 人事院月報(1990年9月号)の「給与勧告の骨子」の「(3) 期末・勤勉手当の改定 イ 新たな加算措置の導入」において「民間の特別給の支給状況を踏まえ、係長級以上の職員に、職務段階等に応じ、手当額算定の基礎額に俸給及びこれに対する調整手当の合計額の20%以内の額を加算」とされ、勧告前文には、「係長級以上の職員について職務段階等を基本とした加算措置を講ずる必要がある。」とある。

※ 地方自治法 第204条 普通地方公共団体は、普通地方公共団体の長及びその補助機関たる常勤の職員、委員会の常勤の委員、常勤の監査委員・・対し、給料及び旅費を支給しなければならない。

2 普通地方公共団体は、条例で、前項の職員に対し、扶養手当・・管理職手当、期末手当、勤勉手当、期末特別手当・・又は退職手当を支給することができる。

3 給料、手当及び旅費の額並びにその支給方法は、条例でこれを定めなければならない。

第204条の2 普通地方公共団体は、いかなる給与その他の給付も法律又はこれに基く条例に基かずには、これを第203条第1項の職員及び前条第一項の職員に支給することができない。



(ブログでは関連情報にリンク)

●市長の報酬と期末手当   山県市常勤の特別職職員の給与に関する条例

別表第1(第3条関係)
  区分   給料月額
  市長   825,000円
  副市長 680,000円
別表第2(第5条関係)
  区分         支給率
          6月     12月
 市長、副市長 100分の212.5 100分の232.5

●第2章 職員の給与3 給与に関する報告と勧告  人事院月報 1990年9月号
 人事院は、平成2年8月7日、国会及び内閣に対し、給与に関する報告及び勧告を行った

 イ 新たな加算措置の導入
民間の特別給の支給状況を踏まえ、係長級以上の職員に、職務段階等に応じ、手当額算定の基礎額に俸給及びこれに対する調整手当の合計額の20%以内の額を加算

3 官民給与の比較
 (5)特別給

6 職員の給与の改善
 (2)改善すべき事項
 民間の特別給の支給状況を踏まえ、係長級以上の職員について職務段階等を基本とした加算措置を講ずる必要がある。

 給与に関する勧告
•1 改定の内容
 (2) 諸手当
  ウ 期末手当及び勤勉手当について
   (イ) 係長級以上の職員の期末手当及び勤勉手当について、その手当額算定の基礎額を、職務段階等に応じ、現行の基礎額に俸給の月額及びこれに対する調整手当の月額の合計額の20%以内の額を加算した額とすること。

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