竹取翁と万葉集のお勉強

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後撰和歌集 巻14 歌番号1059から1063まで

2024年03月22日 | 後撰和歌集 現代語訳 巻14
歌番号一〇五九
原文 堂以之良寸
読下 題知らす

原文 与美比止之良春
読下 詠み人知らず

原文 勢遠者也三堂衣春奈可留々美川与利毛多衣世奴毛乃者己比尓曽安利个留
和歌 せをはやみ たえすなかるる みつよりも たえせぬものは こひにそありける
読下 瀬を早み絶えず流るる水よりも絶えせぬ物は恋にぞ有りける
解釈 瀬の流れが速く淀むことなく絶えずに流れる川の水よりも、もっと、絶えないものは私の貴女への恋心です。

歌番号一〇六〇
原文 堂以之良寸
読下 題知らす

原文 与美比止之良春
読下 詠み人知らず

原文 己布礼止毛安不与奈幾三者和寸礼久左由女知尓左部也於以之个留良无
和歌 こふれとも あふよなきみは わすれくさ ゆめちにさへや おひしけるらむ
読下 恋ふれども逢ふ夜なき身は忘草夢路にさへや生ひ繁るらん
解釈 恋焦がれても貴女に逢うこともないこの世、その言葉の響きではありませんが、貴女に恋焦がれて夜に泣きをする我が身には、この恋の辛さを忘れさせる忘草が、夢路の中でさえ生い茂っているでしょう。(だから、逢わせて下さい)

歌番号一〇六一
原文 堂以之良寸
読下 題知らす

原文 与美比止之良春
読下 詠み人知らず

原文 与乃奈可乃宇幾者奈部天毛奈可利个利多乃武可幾利曽宇良美良礼个留
和歌 よのなかの うきはなへても なかりけり たのむかきりそ うらみられける
読下 世の中の憂きはなべてもなかりけり頼む限りぞ恨みられける
解釈 男女の関係の中での心配なことは、おおむね、無いのですが、ただ、私が貴方を恋人として頼りにしている間は貴方に不安な思いをさせられるのです。

歌番号一〇六二
原文 堂乃女多利个留飛止尓
読下 頼めたりける人に

原文 与美比止之良春
読下 詠み人知らず

原文 由不左礼者於毛日曽志个幾満川飛止乃己武也己志也乃左多女奈个礼八
和歌 ゆふされは おもひそしけき まつひとの こむやこしやの さためなけれは
読下 夕されば思ひぞしげき待つ人の来むや来じやの定めなければ
解釈 夕方になって来ると、貴方への想いが募ります、私が待つ貴方が、今宵、やって来るのか、やって来ないのかの、その約束事がありませんので。

歌番号一〇六三
原文 於无奈尓川可八之个留
読下 女につかはしける

原文 美奈毛堂乃与之乃々安曾无
読下 源よしの朝臣(源善)

原文 以止者礼天加部利己之知乃志良也末者以良奴尓万由不毛乃尓曽安利个留
和歌 いとはれて かへりこしちの しらやまは いらぬにまよふ ものにそありける
読下 厭はれて帰り越路の白山は入らぬにまどふ物にぞ有りける
解釈 訪れを嫌がられて帰って来る、その帰り道は知らない、その言葉の響きのような、越の山深い白山の山にも入りもしないのに、戸惑うものなのですね。貴女の仕打ちと同じように。

コメント
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