竹取翁と万葉集のお勉強

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後撰和歌集 巻14 歌番号999から1003まで

2024年03月06日 | 後撰和歌集 現代語訳 巻14
歌番号九九九
原文 以飛和川良日天也三尓个留飛止尓比左之宇安利天
万多川可八之个留
読下 言ひわづらひてやみにける人に、久しうありて、
又つかはしける

原文 与美比止之良寸 
読下 詠み人知らず

原文 志徒者多尓部徒留本止也之良以止乃多衣奴留三止八於毛者佐良奈无
和歌 しつはたに へつるほとなり しらいとの たえぬるみとは おもはさらなむ
読下 倭文はたに経つるほどなり白糸の絶えぬる身とは思はざらなん
解釈 倭文の機物の文様が乱れ模様のように、思い乱れて日を暮らしています、製糸していない生の糸が切れやすいと言いますが、もう、貴女との縁が切れ絶えた我が身とは思わないでください。

歌番号一〇〇〇
原文 可部之
読下 返し

原文 与美比止之良寸
読下 詠み人知らず

原文 部徒留与利宇寸久奈利尓之々川者多乃以止者多衣天毛加日也奈可良无
和歌 へつるより うすくなりにし しつはたの いとはたえても かひやなからむ
読下 経つるより薄くなりにししづはたの糸は絶えでもかひやなからん
解釈 時が経つと色が褪せて薄くなった、その倭文の機物の糸が切れてなくても、色あせて薄くなったものには買いはないでしょう。それと同じように、縁が薄くなった貴方が、切れないようにと願っても甲斐は無いでしょう。

歌番号一〇〇一
原文 越止己乃満天幾天寸幾己止遠乃美之个礼者
飛止也以可々三留良无止天
読下 男のまで来て、好き事をのみしければ、
人やいかが見るらんとて

原文 与美比止之良寸
読下 詠み人知らず

原文 久累己止者川祢奈良寸止毛堂万可川良堂乃美者多衣之止於毛不己々呂安利
和歌 くることは つねならすとも たまかつら たのみはたえしと おもふこころあり
読下 来る事は常ならずとも玉葛頼みは絶えじと思ふ心あり
解釈 貴方が私の許に来ることが頻繁で無くても、玉葛の糸を繰るとかの言葉があるように、貴方が私の許にきっと来るでしょう、そのことへの信頼が終わることが無いと、思う気持ちはあります。

歌番号一〇〇二
原文 可部之
読下 返し

原文 与美比止之良寸
読下 詠み人知らず

原文 堂満可従良堂乃女久留比乃加寸者安礼止堂衣/\尓天八加比奈可利个利
和歌 たまかつら たのめくるひの かすはあれと たえたえにては かひなかりけり
読下 玉葛頼め来る日の数はあれど絶え絶えにてはかひなかりけり
解釈 玉葛の糸を繰るとかの言葉があるように、貴女が、私が貴女の許にきっと来るでしょう、そのことへの信頼を寄せる、その通い来る日の数はちゃんとありますが、でも、貴女には私の訪れが絶え絶えだと甲斐が無いですよね。

歌番号一〇〇三
原文 越止己乃飛佐之宇遠止川礼左利个礼者
読下 男の久しう訪れざりければ

原文 与美比止之良寸
読下 詠み人知らず

原文 以尓之部乃己々呂者奈久也奈利尓个无堂乃女之己止乃多衣天止之不留
和歌 いにしへの こころはなくや なりにけむ たのめしことの たえてとしふる
読下 いにしへの心はなくやなりにけん頼めしことの絶えて年経る
解釈 昔の私を恋慕ってくれたお気持ちは無くなったみたいですね、私に貴方へ心を寄せることを信頼させた日々の恋の便りも絶えて年月が経ってしまいました。

コメント
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