竹取翁と万葉集のお勉強

楽しく自由に万葉集を楽しんでいるブログです。
初めてのお人でも、それなりのお人でも、楽しめると思います。

後撰和歌集 巻3 歌番号116から120まで

2023年06月30日 | 後撰和歌集 現代語訳 巻1
歌番号一一六
原文 美也徒可部之个留遠无奈乃以曽乃加美止以不止己呂尓
寸三天美也己乃止毛多知乃毛止尓徒可者之个留
読下 宮仕へしける女の石上といふ所に
住みて、京のともだちのもとにつかはしける

原文 与美比止之良寸
読下 詠み人知らす

原文 加美左比天布利尓之佐止尓寸武比止者美也己尓々保不者奈を多尓三寸
和歌 かみさひて ふりにしさとに すむひとは みやこににほふ はなをたにみす
読下 神さびて古りにし里に住む人は都に匂ふ花をだに見ず
解釈 古代から神様が座ますような古びた里、その名のような名を持つ布留の里に住む私ですから、貴方が住む都の華やいだ盛りのその花だけであっても、もう、見ること出来ません。

歌番号一一七
原文 保宇之尓奈良武乃己々呂安利个留比止也末止尓満可
里天保止比左之久者部利天乃知安比之利天者部利个留
比止乃毛止与利川幾己呂者以可尓曽者奈者佐幾尓太
利也止以比天者部利个礼八
読下 法師にならむの心ありける人、大和にまか
りてほど久しく侍りてのち、あひ知りて侍りける
人のもとより、月ごろはいかにぞ花は咲きにた
りやと言ひて侍りければ、

原文 与美比止之良寸
読下 詠み人知らす

原文 三世之乃々与之乃々也万乃佐久良者奈之良久毛止乃見三衣末可日川々
和歌 みよしのの よしののやまの さくらはな しらくもとのみ みえまかひつつ
読下 み吉野の吉野の山の桜花白雲とのみ見えまがひつつつ
解釈 立派な野であり見れば善しと言う言葉の響きのような、み吉野の吉野の山に咲く桜花を山に棚引く白雲とばかりに見間違うことです。

歌番号一一八
原文 天以之為无乃宇多安和世乃宇多
読下 亭子院歌合の歌

原文 与美比止之良寸
読下 詠み人知らす

原文 也万佐久良佐幾奴留止幾者川祢与利毛美祢乃之良久毛多知万佐利个里
和歌 やまさくら さきぬるときは つねよりも みねのしらくも たちまさりけり
読下 山桜咲きぬる時は常よりも峯の白雲立ちまさりけり
解釈 山桜が咲いている時は、いつもの時よりも、淡い山桜の花色で峯の白雲が多く立っているようです。

歌番号一一九
原文 也万佐久良遠三天
読下 山桜を見て

原文 徒良由幾
読下 つらゆき(紀貫之)

原文 之良久毛止三衣川留末乃遠佐久良者奈个不者知留止也以呂己止尓奈留
和歌 しらくもと みえつるものを さくらはな けふはちるとや いろことになる
読下 白雲と見えつるものを桜花今日は散るとや色異になる
解釈 白雲と見えていたものなのに、桜の花は今日は散ると言うのでしょうか、峯の色が違って見えます。

歌番号一二〇
原文 多以之良寸
読下 題知らす

原文 与美比止毛
読下 詠み人も

原文 王可也止乃可个止毛堂乃武布知乃者奈多知与利久止毛奈美尓於良留奈
和歌 わかやとの かけともたのむ ふちのはな たちよりくとも なみにをらるな
読下 我が宿の影とも頼む藤の花立ち寄り来とも浪に折らるな
解釈 私の家の輝きと自慢する藤の花、その言葉の響きではありませんが、私の一族が恩恵を被っている藤原氏からの、その恩恵の花咲くような栄えがやって来たとしても、しなやかな藤枝が風などで折れることが無いように、世の荒波に折られることのないようにあってほしいものです。

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後撰和歌集 巻3 歌番号111から115まで

2023年06月29日 | 後撰和歌集 現代語訳 巻1
歌番号一一一
原文 以徒美乃久尓々満可利个留尓宇美乃川良尓天
読下 和泉の国にまかりけるに、海の面にて

原文 与美比止之良寸
読下 詠み人知らす

原文 者留布可幾以呂尓毛安留可奈寸美乃江乃曽己毛美止利尓三由留者万末川
和歌 はるふかき いろにもあるかな すみのえの そこもみとりに みゆるはままつ
読下 春深き色にもあるかな住の江の底も緑に見ゆる浜松
解釈 春の季節の深さが色にもあるのでしょうか、住之江の海の底も緑に見えるような緑色が深く映える浜の松よ。

歌番号一一二
原文 遠无奈止毛者奈三武止天乃部尓以天々
読下 女ども花見むとて野辺に出でて

原文 奈以之乃寸个与留可乃安曾无
読下 典侍よるかの朝臣(典侍因香朝臣)

原文 者留久礼者者奈三尓止於毛布己々呂己曽乃部乃可寸美止々毛尓多知个礼
和歌 はるくれは はなみにとおもふ こころこそ のへのかすみと ともにたちけれ
読下 春来れば花見にと思ふ心こそ野辺の霞とともに立ちけれ
解釈 春が来ると花見に行こうと思う心ばかりが、野辺の霞が立つと共に、立ってきました。

歌番号一一三
原文 安飛之礼利个留比止乃飛佐之宇止者左利个礼者
者奈左可利尓徒可者之个留
読下 あひ知れりける人の久しう問はざりければ、
花盛りにつかはしける

原文 与美比止之良寸
読下 詠み人知らす

原文 和礼遠己曽止布尓宇可良女者留可須美者奈尓川个天毛多知与良奴哉
和歌 われをこそ とふにうからめ はるかすみ はなにつけても たちよらぬかな
読下 我をこそ問ふに憂からめ春霞花につけても立ちよらぬかな
解釈 私のことを、急に消息を問うたからと不審に思わないでください、春に霞が立つ、その季節の桜花の咲くのに理由を付けて、貴方は私の許に立ち寄らないものでしょうかと思って。

歌番号一一四
原文 可部之
読下 返し

原文 美奈毛堂乃幾与可計安曾无
読下 源清蔭朝臣

原文 堂知与良奴者留乃可須美遠堂乃万礼与者奈乃安堂利止三礼者奈留良无
和歌 たちよらぬ はるのかすみを たのまれよ はなのあたりと みれはなるらむ
読下 立ち寄らぬ春の霞を頼まれよ花のあたりと見ればなるらん
解釈 春に立っても身近には立たない春の霞を確実な季節のものと思うように、なかなか訪れない私ですが、貴女を想う私の気持ちを信頼しなさい、訪れないのは春霞で隠された桜の花がはっきりと見えないように、ちょっと、花のあたりをぼんやりと見ていたからです。

歌番号一一五
原文 也万佐久良遠々利天遠久利者部留止天
読下 山桜を折りて贈り侍るとて

原文 以世
読下 伊勢

原文 幾美三与止多川祢天於礼留也万左久良布利尓之以呂止於毛者左良奈无
和歌 きみみよと たつねてをれる やまさくら ふりにしいろと おもはさらなむ
読下 君見よと尋ねて折れる山桜ふりにし色と思はざらなん
解釈 貴方、これを見てくださいと、探し求めて手折った山桜です、でも、もう、春も終わりになった花の色合い、その言葉の響きのように、私が年老いた、縁が長くなり新鮮さがなくなったとは思わないでください。

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後撰和歌集 巻3 歌番号106から110まで

2023年06月28日 | 後撰和歌集 現代語訳 巻3
歌番号一〇六
原文 可部之
読下 返し

原文 安徒多々乃安曾无
読下 あつたたの朝臣(藤原敦忠朝臣)

原文 可世尓之毛奈尓可万可世无佐久良者奈尓本比安可奴尓知留八宇可利幾
和歌 かせにしも なにかまかせむ さくらはな にほひあかぬに ちるはうかりき
読下 風にしも何かまかせん桜花匂ひあかぬに散るは憂かりき
解釈 どうして風だけに任せられましょうか。まだ、桜の花の美しさに満足しいないのに、それが散ってしまうのは辛いことです。同じように貴方の母が亡くなったのは辛いことです。

歌番号一〇七
原文 佐久良可者止以不止己呂安利止幾々天
読下 桜河といふ所ありと聞きて

原文 徒良由幾
読下 つらゆき(紀貫之)

原文 徒祢与利毛者奈部尓奈礼者佐久良可者者奈乃奈美己曽万奈久与寸良女
和歌 つねよりも はるへになれは さくらかは はなのなみこそ まなくよすらめ
読下 常よりも春べになれば桜河花の浪こそ間なく寄すらめ
解釈 常日頃以上に春の時期になると桜の並ぶ河の、その桜の花枝が、「桜河」の地名に恥づに、河浪のように絶え間なく揺れ寄せるでしょうね。

歌番号一〇八
原文 世无佐為尓也満布幾安留止己呂尓天
読下 前栽に山吹ある所にて

原文 加祢寸个乃安曾无
読下 かねすけの朝臣(藤原兼輔朝臣)

原文 和可幾多留飛止部己呂毛者也万布幾乃也部乃以呂尓毛於止良佐利个利
和歌 わかきたる ひとへころもは やまふきの やへのいろにも おとらさりけり
読下 我が着たる一重衣は山吹の八重の色にも劣らざりけり
解釈 私が着ている「一重」の衣は山吹の八重の色にも劣らない、その言葉の響きのような「ひとえ」に思う私の気持ちは人に劣るものではありません。

歌番号一〇九
原文 多以之良寸
読下 題知らす

原文 安利八良乃毛止可多
読下 在原元方

原文 飛止々世尓布多々比左可奴者奈々礼者武部知留己止遠比止者以日个利
和歌 ひととせに ふたたひさかぬ はななれは むへちることを ひとはいひけり
読下 一年に再び咲かぬ花なればむべ散ることを人はいひけり
解釈 一年に再び咲くことはない桜の花だから、なるほど、その花が散ることについて、人はあれこれと言うのでしょう。

歌番号一一〇
原文 可无者為乃於本无止幾佐久良乃者奈乃宇多計安利个留尓
安女乃布利者部利个礼八
読下 寛平御時、桜の花の宴ありけるに
雨の降り侍りければ

原文 布知八良乃止之由幾安曾无
読下 藤原敏行朝臣

原文 者留佐免乃者奈乃衣多与利奈可礼己者奈本己曽奴礼女加毛也宇川留止
和歌 はるさめの はなのえたより なかれこは なほこそぬれめ かもやうつると
読下 春雨の花の枝より流れ来ばなほこそ濡れめ香もや移ると
解釈 春雨が花の枝を伝わって流れて来るならば、それならば、もっと濡れてみよう。ひょっとすると、濡れた衣に花の色香が遷るかもしれないので。

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後撰和歌集 巻3 歌番号101から105まで

2023年06月27日 | 後撰和歌集 現代語訳 巻3
歌番号一〇一
原文 多以之良寸
読下 題知らす

原文 以世
読下 伊勢

原文 宇久比須尓三遠安比可部八知留万天毛和可毛乃尓之天者奈者三天末之
和歌 うくひすに みをあひかへは ちるまても わかものにして はなはみてまし
読下 鴬に身をあひかへば散るまでも我が物にして花は見てまし
解釈 鶯に我が身を換えることが出来るのなら、その花が散るまで自分だけのものとして桜の花を見ていましょう。

歌番号一〇二
原文 毛止与之乃美己可祢之个安曾无乃武寸女尓春美者部利个留遠
本宇己宇乃女之天加乃為无尓左布良比个礼者安不己止
毛者部良左利个礼者安久留止之乃者留佐久良乃衣多尓
佐之天加乃左宇之尓左之遠可世者部利个留
読下 元良の親王、兼茂朝臣の女に住み侍りけるを、
法皇の召して、かの院にさぶらひければ、え逢ふこと
もはべらざりければ、あくる年の春、桜の枝に
挿して、かの曹司に挿し置かせ侍りける

原文 毛止与之乃美己
読下 もとよしのみこ(元良親王)

原文 者奈乃以呂者无可之奈可良尓三之比止乃己々呂能美己曽宇川呂日尓个礼
和歌 はなのいろは むかしなからに みしひとの こころのみこそ うつろひにけれ
読下 花の色は昔ながらに見し人の心のみこそ移ろひにけれ
解釈 桜の花の色合いは昔のままですが、それを昔に共に眺めた貴女の心だけは、互いに思いを寄せあったのに消え失せたようです。

歌番号一〇三
原文 川幾乃於毛之呂加利个留与者那遠三天
読下 月のおもしろかりける夜、花を見て

原文 美奈毛堂乃左祢安幾良
読下 源さねあきら(源信明)

原文 安多良与乃川幾止者奈止遠於奈之久者安者礼志礼覧比止尓三世八也
和歌 あたらよの つきとはなとを おなしくは こころしれらむ ひとにみせはや
読下 あたら夜の月と花とを同じくはあはれし知れらん人に見せばや
解釈 せっかくの、この夜の月と桜の花とを、それを眺めることが同じ事なら、風流を知っている貴女にここの景色を見せたいものです。

歌番号一〇四
原文 安可多乃為止々以不以部与利布知八良乃者留可多尓川可者之个留
読下 県の井戸といふ家より、藤原治方につかはしける

原文 多知者奈乃幾武比良可无須目
読下 橘のきんひらか女(橘公平女)

原文 美也己比止幾天毛於良奈无加者川奈久安可多乃為止乃也満布幾乃者奈
和歌 みやこひと きてもをらなむ かはつなく あかたのゐとの やまふきのはな
読下 都人来ても折らなんかはづ鳴く県の井戸の山吹の花
解釈 都に住む貴方、ここに来て花咲く枝を手折って欲しいものです。カジカカエルが鳴く井戸に咲く山吹の花を。

歌番号一〇五
原文 春个乃不可者々身万可利天乃知加乃以部尓安徒多々乃
安曾无乃満可利加与比个留尓佐久良乃者奈乃知利个留
於里尓満可利天幾乃毛止尓者部利个礼者以部乃比止乃
以比以多之个留
読下 助信が母身まかりてのち、かの家に敦忠
朝臣のまかりかよひけるに、桜の花の散りける
折にまかりて、木のもとに侍りければ、家の人の
言ひ出だしける

原文 与美比止之良寸
読下 詠み人知らす

原文 以末与利者可世尓満可世武佐久良者奈知留己乃毛止尓幾美止万利个利
和歌 いまよりは かせにまかせむ さくらはな ちるこのもとに きみとまりけり
読下 今よりは風にまかせむ桜花散る木のもとに君止まりけり
解釈 これからは風に任せましょう、桜の花が散るのを。花が無くても桜の「木(こ)」の下、その言葉の響きではありませんが、母の「子(こ)」である私の許に貴方がこのようにとどまっていますから。

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後撰和歌集 巻3 歌番号96から100まで

2023年06月26日 | 後撰和歌集 現代語訳 巻3
歌番号九六
原文 衣无幾乃於本止幾宇部乃遠乃己止毛乃奈可尓女之安計良
礼天遠乃/\加左之佐之者部利个留川以天尓
読下 延喜御時、殿上の男どもの中に、召し上げ
られて、おのおのかざしさし侍りけるついでに

原文 於保可宇知乃美川祢
読下 凡河内躬恒

原文 加左世止毛於以毛加久礼奴己乃者留曽者奈乃於毛天者布世徒部良奈留
和歌 かさせとも おいもかくれぬ このはるそ はなのおもては ふせつへらなる
読下 かざせども老いも隠れぬこの春ぞ花の面は伏せつべらなる
解釈 お召しにあって桜の花枝を男踏歌の鬢翳しとして挿しましたが、年齢は隠せない、この春です。列席する若者たちとは違い、華やかであるはずの花の面目を失わせたようです。

歌番号九七
原文 多以之良春
読下 題知らす

原文 与美比止毛
読下 詠み人も

原文 飛止々世尓加左奈留者留乃安良者己曽布多々比者奈遠三武止多乃万女
和歌 ひととせに かさなるはるの あらはこそ ふたたひはなを みむとたのまめ
読下 一年に重なる春のあらばこそふたたび花を見むと頼まめ
解釈 年内立春のように一年に重なる春の季節があったなら、再び、桜の花を見たいと願うのですが。

歌番号九八
原文 者奈乃毛止尓天加礼己連本止毛奈久知留己止奈止
毛宇之个留川以天尓
読下 花のもとにて、かれこれほどもなく散ることなど
申しけるついでに

原文 徒良由幾
読下 つらゆき(紀貫之)

原文 者留久礼者佐久天不己止遠奴礼幾奴尓幾寸留者可利乃者奈尓曽安利个留
和歌 はるくれは さくてふことを ぬれきぬに きするはかりの はなにそありける
読下 春来れば咲くてふことを濡衣に着するばかりの花にぞありける
解釈 春が着たら桜の花が咲くと言うことを、それは嘘だと濡れ衣を着せるほどに、桜の花は、それが咲いたことに気づかないほどにアッと言う間に散る花なのですね。

歌番号九九
原文 者留者留三尓以天多利个留尓布美遠川可者之多利遣累
曽乃可部之己止毛奈可利遣礼者安久留安之多幾乃不乃
可部之己止々己比尓満宇天幾多利个礼者以比川可者之多利遣流
読下 春、花見に出でたりけるに、文をつかはしたりける、
その返事もなかりければ、あくる朝、昨日の
返事と乞ひにまうで来たりければ、言ひつかはしたりける

原文 与美比止之良寸
読下 詠み人知らす

原文 者留可寸美堂知奈可良三之者奈由部尓布美止女天个留安止乃久也之左
和歌 はるかすみ たちなからみし はなゆゑに ふみとめてける あとのくやしさ
読下 春霞立ちながら見し花ゆゑにふみとめてけるあとの悔しさ
解釈 春霞が立つ、その言葉の響きではありませんが、時が経ってしまって、昨日に見た桜の花なので、返事の文を止めた、その言葉の響きのような、花見にやって来る、その歩みの踏みを止めた、その事が残念です。

歌番号一〇〇
原文 於止己乃毛止与利堂乃女遠己世天者部利遣礼者
読下 男のもとより頼めおこせて侍りければ

原文 与美比止之良寸
読下 詠み人知らす

原文 者累比佐春布知乃宇良波乃宇良止个天幾美之於毛者々和礼毛多乃万武
和歌 はるひさす ふちのうらはの うらとけて きみしおもはは われもたのまむ
読下 春日さす藤の裏葉のうらとけて君し思はば我も頼まむ
解釈 春の日が差すにつれ、藤の末葉がうちほどけて葉を広げるように、貴女が心をほどけて私のことを愛しいと思ってくれるなら、私も貴女の心を頼りにします。

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