竹取翁と万葉集のお勉強

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後撰和歌集 巻13 歌番号991から993まで

2024年03月04日 | 後撰和歌集 現代語訳 巻13
歌番号九九一
原文 万多於止己
読下 又、男

原文 与美比止之良寸
読下 詠み人知らず

原文 宇部尓乃美遠呂可尓毛由留加也利飛乃与尓毛曽己尓八於毛比可礼之
和歌 うへにのみ おろかにもゆる かやりひの よにもそこには おもひこかれし
読下 上にのみおろかに燃ゆるかやり火のよにもそこにはおもひ焦がれじ
解釈 表面だけでいいかげんに煙だけで燃えるような蚊遣り火は夜になっても底の面まで焦がれることはありません。(でも、私は篝火のように恋焦がれています)

歌番号九九二
原文 末多可部之
読下 又、返し

原文 与美比止之良寸
読下 詠み人知らず

原文 可者止乃美和多留遠三留尓奈久佐万天久累之幾己止曽以也万佐利奈留
和歌 かはとのみ わたるをみるに なくさまて くるしきことそ いやまさりなる
読下 河とのみ渡るを見るに慰まで苦しきことぞいやまさりなる
解釈 彼が、涙河のその河渡を苦労して渡って来るのを見ると、きっと、逢うことでの心を慰めるより、その後の貴方との出来事による心苦しいことが多くなっていくのでしょうか。

歌番号九九三
原文 万多於止己
読下 又、男

原文 与美比止之良寸
読下 詠み人知らず

原文 美川満左留己々知乃美之天和可多女尓宇礼之幾世遠八三世之止也寸留
和歌 みつまさる ここちのみして わかために うれしきせをは みせしとやする
読下 みつまさる心地のみして我がためにうれしき瀬をば見せじとやする
解釈 貴女に逢える可能性が増えたと思う気持ちばかりですが、それとも涙河の水嵩が増える気持ちがしますが、さて、貴女は私のために貴女に逢うための河渡する浅瀬を見せないようにするのですか、それとも見せてくれるのですか。
注意 初句「みつまさる」を「見つまさる」か、「水まさる」かの解釈で全体の鑑賞が変わります。ここでは掛詞として捕らえています。

コメント
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